医療スタッフが自宅に向かい、病院と同じように、定期的に自宅で診察する在宅医療専門
医院の『ひだまりクリニック』。
医療を受けたくてもなかなか病院まで出向くことができない一人暮らしの老人、終末期を
自宅で過ごしたい患者など、自宅での診療が必要な患者に、常に笑顔で在宅で医療支援
を行っている。
長期の入院や施設にいる高齢者は自分の家に戻りたいと考えている。そして最期を迎えるなら自分の家でとは誰しもが思うことだろう。しかし、現代では8割以上の人が病院で最期を迎えている。
今、医療や介護の世界では、自宅での看取りということが少しずついわれるようになってきた。がんによる死亡が増えているが、がんの多くはゆっくりと症状が進行し、痛みもコントロールできやすいので、在宅医療でターミナルケアがしやすく、末期がんの患者で自宅で最期を迎える方が増えているという。在宅医療とは、往診とは違い、医師が病院で回診するように、地域を巡回して患者を定期的に訪問し診療を行うこと。在宅医療は入院、外来診療に続く第三の選択といえる。
『ひだまりクリニック』は、鳥取県米子市近郊で在宅医療を展開している在宅医療専門クリニックだ。
県内初の在宅医療専門医院として『ひだまりクリニック』を開業したわけを、福田幹久院長は次のようにいう。
「せっかく長い時間をかけて病院にやってきた患者さんでも、外来診察ではいくらがんばっても5分間ぐらいしか看ることができない。もっと患者さんのことを考えて、じっくり話を聞いて診察したいと在宅診療の道を選んだのです」
地域のケアマネージャーなど介護の現場とも連携し、医療の手があれば在宅で過ごせる患者にむけて、医師3人体制でチームを組み在宅医療を行う。訪問看護ステーションも開設し、より手厚いサービスを行なっている。現在は約200人の患者の在宅医療を行っている。末期がんの患者も多く、これまでに100人近い患者を自宅で看取ったという。同クリニックは、在宅での医療で、少しでも長く在宅で過ごしたい、また在宅で最期を向かえたい患者を医療で支え、より質の高い生活を提供しているのだ。
(ライター/本名広男)