ビジネスヒットチャート 2016


イギリス生活情報誌 
月刊
ミスター・パートナー
〒160-0022
東京都新宿区新宿
2-15-2岩本和裁ビル5F
TEL.03-3352-8107
FAX.03-3352-8605
株式会社 舞昆のこうはら 代表取締役
鴻原森蔵氏

中華料理ラーメンの修行をしながら、また福岡の大学で椎茸の菌床栽培を学ぶ。平成元年卒業と同時に結婚し大阪船場に「養宜館」という屋号で昆布佃煮専門店をオープン。店の裏で昆布佃煮を炊きながら試食販売を繰り返し味つけを極めた。北朝足利尊氏につかえ室町幕府を興した源氏細川師氏(淡路守護大名1340~1519)を先祖にもつ、居城御土居城養宜館(南あわじ市)が応仁の乱で焼かれた500年後の2019年に観光農園工場をしてオープンする準備をしている。
上:舞昆御殿 かがや店
左下:ホタテの稚貝
右下:天然酵母はアケビの花から発見
左上:昆布のぬるぬる成分と腸内フローラ(アルギン酸)
左下:当時の研究メンバー
右上:舞昆ラインナップ
右下:日本栄養学会にて
発酵昆布がごはんのおともなら生活習慣が気にならない
昆布には脂肪を燃焼させるメカニズムがあった

 塩昆布で農林水産大臣賞を受賞した鴻原さん、誰にも羨まれる評価を受けたのだが、お得意様の一言で糖尿病を予防する塩昆布を作れないかと考えるに至る。実は鴻原さんは学生時代、椎茸の植物工場でバイオ栽培を学び、発酵栽培を研究していた。老舗の塩昆布がバイオの最先端技術を用いて、大ヒット作、塩昆布風発酵食品「舞昆」へと進化する。
 そこにはどのような経緯があったのであろうか?
 ーお店で塩昆布を炊きながらファンが増え、味に自信を深めていった1994年、「農林水産祭り全国食べもの展」の品評会に出品した。600品目がエントリーする中、鴻原さんの商品は20点満点、最年少の29歳で農林水産大臣賞を受賞した。
 業界紙には味覚の魔術師と評され、「白ごはんがとまらない!」「ついつい3膳食べてしまう!」と評判になった。そんな折、お客様から奇妙な話しを聞くことになる。「『こうはら』の塩昆布はごはんが止まらないから、お代わりを巡って夫婦喧嘩になるのよ。主人の糖尿が心配なので買わないようにしていたの」馴染みのお客様の一言にショックを受けた。美味しいものを作りたい、結果は出した、それでも、まだ足りないのだ。
 この一言が発酵昆布の舞昆を開発するきっかけとなる。糖尿病を予防する塩昆布は作れないか、鴻原さんの次の研究課題・事業目標が生まれた。
 昆布に含まれている豊富なビタミンやミネラル。鴻原さんは、栄養価の高い昆布をさらに発酵させる必要があると考えた。発酵食品に多く含まれるγ|アミノ酪酸GABA(ギャバ)やアスタキサンチンなどには生活習慣病を予防する効果があると言われていた。
 昆布は秋になると、海底のヘドロに含まれるバクテリアで細胞壁が分解される。分解され柔らかくなった細胞壁の粒々がホタテの稚貝の餌になり、その結果、ホタテの味が美味しくなる。ホタテの養殖に昆布の発酵餌を使う研究があり様々な実験が行われる中、動物実験をした研究があった。鴻原さんの予測通り、マウスを使った実験ではマウスの血中脂肪が減少したという研究論文が発表され、昆布の発酵物には糖尿病を予防する効果があることが分かった。
 そんな折、発酵しないと思われていた生姜を発酵させたという「生姜博士」のニュースが飛び込んできた。〝これだ!〟と直感した鴻原さんは、生姜博士の研究室に押し掛ける。生姜の発酵と進化と交配を伝授してもらうためであった。そして教授を受けた鴻原さんは早速、北海道に飛んだ。昆布の発酵物のために必要である昆布分解菌を採取するためだ。昆布が育つ海底には昆布分解菌がいるので函館の海に潜ってかれた昆布が堆積した海底泥を採取した。この海底泥を持ち帰り、研究室でなんとしてでも発酵を実現させなければならない。ウシが4つの胃袋で発酵分解、発酵合成を行い、アミノ酸やビタミンまで草から作り出してしまうことをヒントに、研究室にウシの胃袋を模倣した4つの壺を用意した。この中に、昆布と海底の泥を入れて実験を行う。試行錯誤の末、遂には発酵に成功する。勇んで大阪府立大に持ってゆくと、「海底土壌菌で発酵させても食品には使えない」と驚くべき事実を知らされた。あきらめきれずに、昆布発酵菌を探す日々が続いていたある日、運命の瞬間が訪れる。
 鴻原家の先祖は南あわじ市、祖父が亡くなった葬儀の帰りのことだった。祖父の死、暖簾分けなど事業の事で確執のあった親戚との葬儀参列、複雑な思いが入り混じったまま、廣野松原で休憩を取った。瀬戸内海には中国山地と四国山地から天然酵母が浮遊し、大阪に向かう船の船底に積まれていた乾物の表面に付着する。そして、発酵熟成させ甘みや旨味を高めていた。北海道から運ばれる昆布も瀬戸内海を回って大阪に着くころには、出汁の旨味が倍増した山だし昆布になっている。そんなことを思い浮かべていた時、ふと、栗の木に赤紫のボールのような不思議な花が絡みついているのが目についた。衝撃が走った。立派な雌しべには海上を浮遊する海洋天然酵母が付着しているかもしれない!
 その花を研究室に持って帰ると、昆布が発酵するかどうか壺に入れてみた。1週間もするとワインの芳香が漂い、泡が溢れ出した。大阪府立大学に持ち込むと、世界で初めて昆布を発酵させる食用菌を見つけたことを知らされた。
 この取り組みは各方面から注目され、大阪府からは研究開発資金が補助され、大阪府立大学との産学連携共同研究が動き出した。
「舞昆」は、北海道の真昆布を原料に、アケビの花びらの天然酵母を使い、玄米や桑の葉も加えて昆布を発酵させる。それに出汁、パイナップルやリンゴなど複数の果物を組み合わせた秘伝の調味料で味付けした昆布の佃煮である。煉瓦を張り巡らしたかまどを使い、煉瓦の遠赤外線も利用しながら超とろ火で煮込み、煮汁をほとんど残さず素材に再吸収させる直火仕込み製法で独特の旨味を生み出す。この製法で昆布の旨味に醤油のアミノ酸とカラメルの旨味が結合を起こし、食欲を増進させる塩昆布が出来上がる。
 塩昆布風の発酵食品、舞昆は、ごはんのおかわりを3膳してしまっても生活習慣病の心配はない。ごはんは好きなままで健康不安はない。生活習慣病の予防になる健康食品と言え、鴻原さんの理想を具現化した製品である。代表製品の黒舞昆をはじめ、明太子舞昆、粒生姜舞昆など舞昆シリーズは61種にものぼる。
 最近、朝ごはんは舞昆と食べるファンが増えている。さらに、ごはんはパンに比べ消化吸収が遅く、舞昆の発酵成分には血糖値の上昇が緩やかになる桑葉発酵物が含まれている。また昆布発酵物は血圧が気になる方に注目されているのだが、舞昆を添えることでおかずを薄味にしても旨味出汁が多いため食欲を増すことができ今後のトレンドになると見られている。

 舞昆昆布ができた当初、偏頭痛がなくなるという噂が「お受験」のお母さん方に広まり、当時は舞昆の発酵濃縮原液の頒布会ができたほどだ。血流が改善すると偏頭痛がなくなるのはわかるが、体温が高くなる仕組みが理解できなかった。寒いと毛細血管を締めて体温の放出を防ぐ仕組みになっているのに、全身の毛細血管に血液が流れ出すのになぜ体温が上がるのだろうか。例えば、靴下を履いて寝る人が寒がりが多い。その理由は、靴下でつま先の毛細血管まで温めて血管を広げて血液の循環が良くなると、放熱するので体温が下がってしまい、靴下を2重に履きたくなるようになるのだが・・・発酵昆布には体温を上げる何かがあるのか・・・。赤ちゃんと一緒に寝ると、赤ちゃんは寝ている間も体温を保持できることに気づく。ふつう筋肉がないと体温は低いのだが、寝ている赤ちゃんは筋肉運動で体温を作っているわけではない。褐色細胞に血液中の脂肪を取り込んでUCP1という発熱タンパク質が燃焼させて高い体温を維持しているのだ。大人になると発熱タンパク質が減ってしまい筋肉が少ないと低体温気味になるのだ。じつは昆布に含まれるオレンジ色素に、体脂肪燃焼&体温上昇のメカニズムがあることが解明されたのだ。体細胞の中で直接発熱させるのだからこれほど効率的な脂肪の燃焼、体重・体脂肪の減少効果は他にない。金沢和樹神戸大学名誉教授(吉備国際大学)によると、昆布には筋肉に依らず発熱させるUCP1タンパク質を体脂肪細胞内に作って燃焼させることで赤ちゃんのように寝ていても高い体温を保持させる働きが昆布のオレンジ色素に含まれているというのだ。臨床試験でも有意に体重・体脂肪の減少があるうえ、最強の抗ガン作用や糖尿抑制作用も見られるという。
 また、大阪市立大学、井上正康名誉教授の指導のもと、昆布のヌルヌル成分で健常者の腸内フローラ遺伝子を解析する研究も相愛大学及び大阪市立大学でスタートさせ、臨床試験も予定している。昆布のヌルヌル成分には、胆汁酸を体外に捨てLDコレステロールを減少させる働きがあることもわかり、悪玉重金属を吸収させるほか食物アレルギーの予防も期待できる。
 現在『舞昆のこうはら』は、「舞昆サプリ」「昆布ぬるぬるレモデール」というジュースの開発も進めており、その活躍にますます期待がかかる。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 舞昆のこうはら
TEL:06-4702-1101 FAX:06-4702-1122 Eメール:info@115283.jp

horii home 代表
堀井隆氏

北海道札幌市出身。高等技術専門学校で建築を学ぶ。卒業後、知人の紹介で寿司店のアルバイトに。その後、4年間、住み込みで働く。将来性を考え、旭川市内の建設会社に大工として就職。10年の節目に独立、木造建築工事業を手掛ける『horii home』を設立。6年間で会社の基盤を固める。
お客様の喜ぶ家を創造し、一つひとつの現場に望む。冬の厳しい寒さの地域で断熱性、気密性を重視し、快適な住まいを提供。堀井さんは、寿司店勤務を経て建設会社に就職、大工の経験を積んで10年の節目に独立、誠実で確かな仕事ぶりから頼りにされる。
施主の笑顔励みに仕事に邁進
大工の誇りをかけ誠実に施工

「リビングの大きな窓のおかげで、雪に覆われる冬でも部屋が明るいけれど、冷たい空気を感じ、1枚窓を後付けすることに。ペアガラスの窓がダブル。施工はいつも頼りになるホリイホームさん。ありがとうございました……」小さな工事でも快く引き受け、頼りにされる北海道旭川市の『horii home』の代表堀井隆さんの実直な人柄が女性のブログから浮かび上がる。
「大工という仕事の醍醐味は、お客様の笑顔を直接見られること。だからこそ、お客様からの信頼にお応えし、一人でも多くの方を笑顔にできるように一つひとつの仕事に誠心誠意取り組んでいます」
 高等技術専門学校で建築を学んだものの、寿司店に興味があり、知人の紹介で寿司店のアルバイトをしているうちに、店主の勧めで本格的に住み込みで働くようになった。4年後、転機が訪れる。
「たくさんの先輩職人がいる中で、自分の店を持てるようになるのは難しいと思っていた時に、偶然、旭川市内の建設会社が大工を募集しているのを知り、面接を受けたところ面白そうだと思い、大工の仕事を始めようと決意しました。現場に出て働く中で、色々な職人さんと協力し合いながら家を建てていく大工という仕事のスケールの大きさを感じました」
 数多くの仕事に携わる中で着々と建築技術と専門知識を身に付けた。そして、勤めて10年の節目に独立する。
「独立したときは景気が悪かったのですが、5年間やっていくことができればずーっと続けて行けるだろうと思い、持てる力を出して来ました。私は基本的に現場に出るので、営業に出る時間が全くないのですが、評判を聞いて依頼されたお客様が別のお客様を紹介してくれたりして、今では、次から次へと依頼をいただいている状態です」
 伝統的な木造軸組構法を基本に戸建て住宅、店舗の建築、リフォームを手がけ、建材には無垢材など天然の素材を選定、壁には調湿、消臭機能のある珪藻土を使うなど住む人の健康も考慮に入れながら住空間を構築する。冬の寒さが厳しい地域での住宅建築なので、断熱性、気密性の確保には特に念を入れる。
「住宅建築は、かつてのような安かろう悪かろうの時代は終わり、少し値が張っても良いものをという本物志向に移っています。またネットで様々な情報が得られる時代でもあり、お客様の目は肥えています。その評価に耐えられる、しっかりした構造の快適な住空間を造り上げなければならないと、絶えず自分に言い聞かせて作業をしています」
 建築家志向の長女の将来を楽しみに、経理、営業面で愛妻のサポートを受けながら、現場で汗を流す日が続く。
(ライター/斎藤紘)

horii home
TEL:0166-34-8737 FAX:0166-34-8737 Eメール:horiihome@ab.auone_net.jp

株式会社 竹之内建設 代表取締役
竹之内信一郎氏

神奈川県出身。高校生のころは強豪校野球部で活躍するとともに、アルバイトとして会社の現場で手伝う。卒業後、父親が創業した『竹之内建設』に入社。2011年の株式改組に合わせて社長に就任。鳶の仕事で後世に名を残したいと常に向上を心がけている。二級建築施工管理技士。
次世代足場や高層建築物の足場など新しい技術の習得、また若い世代の育成にも力を注ぎとび職の進化を目指す。
左:月一回の定例会では、社員のコミュニケーションだけではなく、職場での意識の共有の場でもある。
質の高い次代のとび職人の育成と
真摯に足場工事一筋に取り組む

 安全第一をモットーに集合住宅、マンション、商業施設などの仮設工事の専門業者として神奈川県を中心に関東全域で工事の施工を行う『竹之内建設』。職人の教育にも力を入れており、どんな現場でも対応できる職人を育てたいと熱い言葉で語ってくれた代表取締役竹之内信一郎さん。
『竹之内建設』は、昭和46年川崎市麻生区で父である現会長、竹之内勲さんが創業、平成23年に竹之内信一郎さんが代表に就任する。現在は15名のスタッフとともに、協力会社20社と提携し、施工の他に、足場部材の販売や計画図の作成なども手掛けており、総合的に足場工事に関する業務を請け負うことができる体制になっている。
 ただ、何より危険と隣り合わせの仕事でもあり、足場自体がそこで作業をする職人さんたちの命を預かるものなので、最後まで責任をもってエキスパートとしての仕事を常に心がけなければならない。その一環として『竹之内建設』では、施工した足場を「自主安全パトロール」という作業を行う。これは現場まで、足場を目視確認に行き、施工完了の写真と自主報告書をもとに正しく施工されているのかを点検し、もし是正箇所があれば指摘改善させ、これを繰り返すことで足場施工責任者、施工スタッフの技術の向上にもつながり、また、事故が起きないための大切なパトロールでもある。
 また、月に2回の定例ミーティングと実施研修や仮設計画作成の補習を行っており、施工中の事故についても話し合うことで、足場スタッフの事故に対する意識を高め、事故の再発防止や安全対策を常に心がけ意識を共有できるようにしている。
 以前、先代の社長より「商人になりなさい」と言われた竹之内さんは、技を磨くだけではなく、視野を広く持ち時代の流れをつかみ、柔軟に新しい技術を取り入れながら取引先のニーズなどにも応える事を心がけている。職人には今持っている以上の知識を習得することで仕事の幅を広げれるよう、資格取得補助制度も導入、やる気があれば何でも勉強しろ、会社はバックアップは惜しまないという考えだ。
 現在は、足場工事の技術も日々進化しているので、新しいものをどんどん取り入れ時代に合う質の高い仕事を行う事と、現在在籍している30代、40代の鳶職人がもっと将来を見据えて、足場工事のエキスパートとして、仕事の幅を広げ、やりがいを感じてもらうことが重要だと考えている。
(ライター/工藤はな)

株式会社 竹之内建設
TEL:044-455-4940 FAX:044-455-4941 Eメール:webadmin@takenouchikensetsu.co.jp

マイカンコーポレーション 代表取締役
横山孝一氏

鹿児島県出身。大学で美術を専攻、画廊に就職後、建設会社に移り型枠大工に。退職し欧州放浪。帰国後、西洋骨董店店長を経験。父親の病気を機に帰郷、高校で美術の教員に。出版社勤務を経て建設関係のメンテナンス工事の仕事に従事。9年前、独立し「マイカンコーポレーション」設立。
「壁補強」「吹付け機」
「屋上防水 超速硬化ウレタン吹付」「スタジアム防水」

多様な人生経験が塗装業に収斂
信頼関係築いた高品質追求姿勢

 保護、美装、機能性の付与。建物などの構造物に塗装を施す目的だ。鹿児島県霧島市の『マイカンコーポレーション』は、塗装工事の中でも特に専門的な技術を要する化学工場などの防水防食工事で実績を積み重ねてきた会社。特長は塗料に「責任施工製品」といわれるものを使っていることだ。塗料メーカーが認定した業者にのみ販売する特別な塗料。代表取締役横山孝一さんが仕事に真正面から向き合ってきた証しだ。
「独立前に勤めていた建設関係の会社でメンテナンス工事の仕事をしていたときに、ある塗料メーカーが開発中の断熱塗料を試用したのですが、塗りムラができるなどの問題があり、それを意見として率直にメーカーに伝えました。メーカーはそれを開発にフィードバックし、試行錯誤の末に従来より質の良い断熱塗料の開発に成功したのです。独立するときに、その断熱塗料を使いたいと申し出たところ、当方の仕事が信頼してもらえたのか、快諾して下さいました」
 同社は、主に化学工場内の建屋の塗装や防水、補強工事、樹脂によるピットなどの防食工事、外壁改修工事などを手掛けているが、近年同社が、力を入れているのが『ポリウレア樹脂』の吹付け工法だ。防水・防食・防錆・耐衝撃・はく落防止など多くの機能を持つ『ポリウレア樹脂』は、対象物に吹付けた数秒後に硬化しはじめ、2~3分後には強靭な膜を形成し、その上を乗って歩くことさえできる。例えば、生卵に吹付けたとしたら、その卵をコンクリートに落としてもボールのように弾んで、その形がくずれることはない。この特徴を生かし、今後、様々な分野で使われることが予想される最近注目の材料だ。
「私はこれまで、これは大丈夫だと思えることにチャレンジしてきました。大丈夫かどうかと判断する際、確かな裏付けは大切ですが、直感やご縁も同等以上に重要だと考え、行動してきました。技術はもちろん大事ですが、もっと大切なことは人とのご縁です。様々な人たちやモノとの出会いがあって今の私があると思っています」
 横山さんは、大学では美術を専攻、東京の画廊に就職したが、「文字どおり、汗水流して仕事をしたい」と建設会社に転職、型枠大工を経験。西洋骨董店で店長も務めた。帰郷後、教員免許を活かして高校で美術の教員をしたり、出版社でタウン誌の編集に携わったりした後、メンテナンス工事の仕事を経て独立という異色の経歴をたどった。
「そのとき思うのは、すべての価値をお金に換算し、最短距離を通って目的を達成しようとする現代の風潮には賛成できないということ。まわり道や道草、失敗を通してはじめて本質が見えてくると思っています。そして多くの人に助けられてきました。これからも縁を大切に一歩一歩、社の基盤を固めていきたいと思ってます」
(ライター/斎藤紘)

マイカンコーポレーション
TEL:0995-55-5295 FAX:0995-73-8418 Eメール:yokoyama@bb.wakwak.com

黒部護礼税理士事務所 所長
黒部護礼氏

愛知県出身。税理士資格を取得し、黒部護礼税理士事務所を設立。2005年5月、地域の会計事務所の所長と企業の合併・買収を支援する『株式会社M&Aサポート東海』を設立、取締役に就任。年金申告支援センター登録事務所としても地域貢献。学校での租税教室にも取り組む。
繊維ロープ製造業界で日本一の生産量を誇る蒲郡市
温暖な気候を活かしたフルーツ栽培がさかん。
経営者の高齢化が進む中小企業の事業承継、事業規模の拡大を目指す企業の双方に利点があるM&Aを追求し支援する。
M&Aで中小企業の成長を支援
事業譲渡など多角的視点で助言

 企業の合併と買収、M&Aを社名に冠した『株式会社M&Aサポート東海』の愛知県豊橋市に2ヵ月に1回、取締役で『黒部護礼税理士事務所』所長の黒部護礼さんら同社設立に参画した税理士15人が集まる。それぞれが日常の業務で接触するクライアントの中小企業経営者のM&Aに関する情報を交換し、M&Aを検討している事例があれば、マッチングの可能性について意見を交わす。時に、M&Aを希望する企業の経営者を招いて具体的なプランを聞く。
「薬局のグループ化を進めている医療系の会社がM&Aを希望し、その経営戦略をお聞きした事例では、グループの規模拡大のために薬局の吸収合併または買収を計画し、それに応じてもられるような薬局を紹介してほしいという要望がありました。事業規模の拡大にM&Aを活用する好例ですが、中小企業の経営者はまだまだM&Aに慎重というのが実情で、そのメリットを知っていただく必要があると思っています」
 中小企業庁が調査会社に委託して実施した中小企業経営者アンケートでは、事業を何らかの形で他者に引き継ぎたいと考えている経営者は中規模企業63%、小規模42%だったが、自分の代で廃業やむなしと考えている経営者は中規模5%に対し小規模は21%だった。
「高齢化社会の中で、中小企業の経営者も高齢化の一途をたどっています。逆にいえば事業承継がうまく進んでいないことを意味します。M&Aに係る法制面等の環境整備は進んでいて、M&Aに対する関心が高まってきているとはいえ、『M&Aサポート東海』に上がってくるM&A案件は年に1、2件あるかないかといった状態で、成約もそう簡単にはいきません。営業資産は買いたいが、従業員は雇用できないなどといった条件をクリアできないケースが少なくありません」
 黒部さんが地域の会計事務所の所長と「M&Aサポート東海」を設立したのは2005年。東海地域の中小企業のための成長戦略や事業承継を支援するのが目的だ。同社は国内最大級のM&Aコンサルティング会社「日本M&Aセンター」と連携し、その情報をM&Aに生かす体制を整えてきた。合併や買収のほかにもM&Aには売り手企業の発行済株式を買い手企業が譲り受ける株式譲渡、売り手企業の株式を買い手企業に提出する代わりに買い手企業の新株が割当てられる株式交換などの手法もあるが、実現可能性が高いと黒部さんが見るのは事業譲渡だ。
「例えば自動車部品メーカー。鉄で部品を作ってきた部門が電気自動車の普及で機能しなくなったような場合、他の金属で部品を作っていて、跡取りがいないような会社からその事業を引き受けるといった形なら話がまとまりやすいと思います。なにも手を打たなければ一方は受注が減少し、一方は会社の存亡にもかかわってきます。その有効な対策として提案し、支援していきたいと思っています」
(ライター/斎藤紘)

黒部護礼税理士事務所
TEL:0533-67-9724 FAX:0533-95-4315 Eメール:rariato.20@nifty.com
株式会社 M&Aサポート東海
TEL:0533-67-3322 FAX:0533-67-3399 Eメール:ma@hironaka-tax.jp
ホームページ http://www.hironaka-tax.jp/ma/

みずしま薬局 代表
水嶋英明氏

神奈川県小田原市出身。薬科大学の薬学部に進学。卒業後、製薬会社にてMRとして勤務、主に抗がん剤を取り扱う。その後外資系製薬会社に転職、MRとしてがん患者を対象とした医療用品を扱う。その後、臨床開発経験に携わる。そして独立し、平成28年7月に『みずしま薬局』を開業。
製薬のプロフェッショナルだからこそできた、気軽に相談できる地域医療を支えるかかりつけ調剤薬局が誕生。
下左:カウンセリング風景
下右:『みずしま薬局』でがん薬物治療相談を家族のみが受ける場合、「がん薬物治療相談同意書」を交わします。
気軽に相談してほしい
調剤薬局で地域貢献を

 18年にわたり医薬品業界に携わり、28年7月に満を持して調剤薬局である『みずしま薬局』を開業した代表の水嶋英明さん。そのキャリアを生かし地域のかかりつけ薬局を目指し、地元の患者さんに貢献していくという。
 水嶋さんは、長くMRとして活躍してきた。MRといっても一般にはなじみが薄いかもしれない。それは営業職だが専門性の高い職種。病院などの医療機関に出向き、製薬会社の医療用医薬品を中心とした医薬情報を医師や歯科医師、看護師などの医療関係者に提供し、また、医療現場の情報を収集、製薬会社にフィードバックする製薬のプロフェッショナルだ。特に水嶋さんは抗がん剤を扱って長く、その分野での知識の蓄積は並々ならぬものがある。
「ただ、抗がん剤を手掛けるのは、MR・臨床開発としてつらいこともありました。もちろんMR・臨床開発は、すぐれた医薬品を医療に提供し、患者さんの疾病の治療、健康の維持などに貢献するという社会に貢献できる職種です。しかし、企業の一員という側面からいえば、がん患者が多ければ利益はあがるが、少なければ売り上げが減ってしまう。そのことで上司に厳しい言葉をかけられたこともあります。患者さんが少ないことを素直に喜べないジレンマがあった」と、水嶋さん。
 自ら抗がん剤を売ることに疑問を感じ、そうしたジレンマの後押しもあり、水嶋さんは独立を決意。
「これまでのMRとしてのキャリアや臨床開発で蓄積した抗がん剤の知識で、ほかにない薬局として地域の患者さんに貢献できると考えたのです。特に最近、がんの外来化学療法が普及し始め、保険薬局に経口抗がん剤の処方せんが持ち込まれる機会が増えています。これまでは降圧剤、高脂血症治療薬、胃薬、便秘薬、風邪薬など、薬剤師が普通に扱える薬剤が主だったのですが、がん治療につかわれるような薬剤も扱われるようになり、経験の少ない薬局の現場では混乱が生じるようになってきています」。そこで水嶋さんの抗がん剤を手掛けてきたキャリアが生きてくるのだ。
「抗がん剤等の扱いではもちろん安心していただけますし、加えて気軽に相談できる薬局として患者さんの力になりたいのです。例えば、がん患者さんが、今かかっている医師のほかの医師から意見を聞きたいという事がありますが、今の医師に遠慮したり、時間やお金もかかることなので少しハードルが高い。そんな時気兼ねなく相談できる地域のかかりつけ調剤薬局があればと考えたのです。また、安価に使えるジェネリック薬品の紹介などを通して、患者さんの経済的負担を減らしたいとも考えています」
 また、顧問として医師である中嶋清司先生にも協力をいただいており、患者さんの安心感のために万全を期す。もちろん他の疾患にも対応する。
 水嶋さんの想いが結実した『みずしま薬局』。地域医療を支える大きな力となり活躍していくだろう。
(ライター/田中一郎)

みずしま薬局
TEL:0465-24-0018 Eメール:mizushima_pharmacy@sweet.ne.jp

株式会社 高橋林業 代表取締役
髙橋正二氏

神奈川県出身。地元の湘南高校を卒業後、山梨県庁林務部の職員として30年間林政に従事。なかでも林業改良指導員(Ag)として12年間、山梨県内の林業改良普及の助言や指導にあたる一方、退職後は森林組合の参事を2年間務め、林業経営のノウハウを高める。1999年に『株式会社高橋林業』を設立。経営基盤の強化に努めると同時に、手厚い福利厚生を整えて人材育成に情熱を燃やし、林業のイメージ刷新に意を注ぐ。
林業の夢とロマンを求めて60年
現場と事務もこなす力を身につけさせ若者の人材育成に愛情を注ぐ
林業支える若い力の育成に注力
自信と意欲高める教育環境整備

 社員9人のデスクにパソコンが一台ずつ置かれている。『株式会社高橋林業』代表取締役髙橋正二さんの人材育成を重視する姿勢を象徴する光景だ。1980年のピーク時、産出額約1・2兆円、従事者約1・4万人だった林業は、この36年間で3分の1に減少、手入れの行き届かない森林の荒廃が進む中で、後継者を育て、山を救うことに力を注ぎ、成果を示してきた。
「精英樹(エリート)から種を採取し、育てた苗を1haに3000本植え、下刈、除伐、枝打、間伐などの保育作業を実施しながら成長や形状の良い木を残して育てるのが現場の仕事ですが、そのための設計や出来型管理も行えるように教育しています。職人につきものの3Kのイメージを払拭したいとの思いからの教育です」
 国内の林業従事者の平均年齢は52歳だが、同社は20〜30代が中心。社長の思いが社員を鼓舞し、3人が林業技士、4人が流域森林管理士、6人が林業作業士の資格を取得、現場作業と事務を通じて技術と知識の集積を進める。
「資格取得にはコストがかかりますが、林野庁の『緑の雇用』事業をフル活用しながら社員を教育しています。資格や研修を受けるために給料が下がっては意味がないので、月給制にして諸手当の充実をはかり、仕事とスキル向上に専念できるようにしています。また、資格や研修を受けることにより、以前より事故や災害が確実に減少しています」
 山と共に歩んで今年で60年、環境保全、防災に資する林業を発展させるために必要な若い力に向ける眼差しは、やさしい。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 高橋林業
TEL:042-689-2848 FAX:042-684-9610 Eメール:takahashi-forestry@honey.ocn.ne.jp

農業生産法人 株式会社 森ライス
代表取締役 森淳一氏

岐阜県出身。酒類卸会社や農業機械部品製造会社勤務を経験。表具職人の父親を継ぐ覚悟でふすまづくりの修業をしたものの、和室の将来展望が持てず、父親が兼業で維持していた稲作を農協の勧めで大規模化したのを機に、農業一筋の道を選択し継承。2014年、『森ライス』設立。
右上:自作の『新蕎麦 芥見そば』
『黒大豆(乾物)』『大豆(乾物)』
会社勤めから一転、実家の稲作を継承、地域農業の行く末を案じ、攻めの農業で、町おこしに繋がる作物に挑戦する。
意外性に挑戦し農業を活性化
町おこしに繋がる作物を模索

「日本で最初にコーヒーを飲んだのは、織田信長だという話があります。栽培ができると面白い作物だと思います。私の中では、、栽培も不可能ではないと考えます」岐阜市芥見(あくたみ)地区で水稲30ha、大豆8ha、野菜30aの手入れに追われる『森ライス』代表取締役森淳一さんは、インパクトのある作物を模索し続けてきた。コーヒーのほか食用椿油も構想し、実現可能性を探っているが、先例がある。蕎麦の栽培だ。
「休耕田を利用した5反ほどの畑で蕎麦を栽培しています。年に250㎏ほど収穫し、乾麺にして地域の直売所に置かしてもらっています。この地区は米、麦、大豆が主流で、蕎麦を作るといったら農協の人に笑われました。しかし、今の農業のままでは縮む一方。意外性に果敢に挑戦することも攻めの農業には必要と思っています」
 会社勤めを経て、表具職人の父親が兼業で維持してきた稲作を引き継いだ森さんの念頭にあるのは、農業の活性化による町おこしと農業の持つ環境保全機能の維持。親戚など2人の協力を得て、農地の規模拡大が可能な農業生産法人を2014年に立ち上げ、温暖化の稲作への影響も視野に入れながら、コシヒカリや岐阜のブランド米ハツシモなど6種を栽培、並行して町おこしに繋がる作物の研究を進めてきた。「当たり前のことをしていては前進はない。失敗を恐れず挑戦する気概を持ち続けたい」。森さんの揺るがぬ信念だ。
(ライター/斎藤紘)

農業生産法人 株式会社 森ライス
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