井形慶子 イギリス
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代表取締役の小倉正義氏と常務の小倉恵子氏
お客様の要望を超える感動を提供!
巧みの技が光る刺繍一筋の専門家集団

今、テレビタレントなどの影響で若者を中心にブームなスカジャン。そのスカジャンの命ともいえる刺繍を手がけ、数多くのファンを唸らせている『丸二刺繍』の噂を聞きつけ、早速取材に出向き、小倉社長にお話を伺った。

全国のスカジャンファンを魅了する刺繍製品の高いクオリティ

 群馬県の桐生市は、昔から全国有数の繊維の産地。今でも町のあちこちから織物機の音が聞こえてくる伝統文化の息づく町で、その伝統を忠実に継承しつつも、さらに革新を目指しながら刺繍製品の製作に励む『丸二刺繍』。「常に良い製品を皆様へ」をモットーにスタッフ一丸となって、シンプルな刺繍から、芸術作品と見まごうばかりの高い技術による刺繍まで生み出し、お客様の希望を超える感動を目指した卓越した技術力には定評があり、全国各地に熱烈なファンをもつ。両親ともに刺繍職人という環境のなかで育った小倉社長は、3年ほど製造から流通までの工程をトータルで学ぶため東京のアパレル会社に就職。様々な経験を積んだことで、桐生の刺繍がもつ奥深い美しさを改めて実感し、地元に戻ってさらなる熱意をもって刺繍の世界に邁進。自ら刺繍の図案をおこすなど精力的に取り組むなかで、桐生市の地場産業を代表する横振り刺繍に着目し、何とかこの伝統技法を現代の服飾産業のなかで需要を拡大できないかと販路を模索していった。そして出会ったのがスカジャン。ヨコスカジャンパー、またはスーベニールジャケットとも呼ばれ、戦後全国の駐在米軍基地で米兵のお土産として売られていたジャンパーだ。ベースボールジャケットをベースに、オリエンタルな刺繍を施すのが特徴で、流行に左右されず、男女問わず楽しめることから、今でも注目度の高いファッションアイテムだ。スカジャンの魅力は何といっても手の込んだ刺繍。鷹、虎、龍などの定番から最近ではさまざまなオリジナルデザインによる刺繍で、着る人の個性やこだわりを表現。「もともと、スカジャンファンは、美意識の高い人が多い。昔から振袖や内掛けに重宝されてきた横振り刺繍の醸し出す重厚な存在感と美しさが、ニーズにピッタリとマッチしたんです」と小倉社長。持ち込まれる図案は、複雑で難易度の高いものも多いが、同社では、お客様の満足度を第一に熟練技術により、芸術性を兼ね備えた仕上がりで1つ1つに応えてきた。やがて口コミや紹介により同社の刺繍は全国のスカジャンファンの間に少しずつ広まり、今では「丸二刺繍でないと」と次々と受注が入るように。小倉社長をはじめスタッフ一同が、誠実かつ柔軟に目の前の仕事に取り組んできた弛みない努力と、長年積み重ねてきた確かな伝統技術が見事にスカジャンの世界で花開いたといえよう。

時代のニーズに合わせた創意工夫と伝統技術の継承

 しかし、時代の流れとともに繊維産業も大きく衰退。海外委託が急速に進むなか、同社では、独自の生産システムと熟練職人により技術で、あくまで「メイドイン桐生」にこだわる。同社が力を入れて取り組んでいる「横振りミシン」も、針が横に揺れることにより刺繍を施していくという非常にシンプルな構造で、膝元のレバーで振り幅を調節しながら、両手で布の位置を変え、刺繍の立体感やグラデーションを作り上げていく桐生ならではの伝統技法だ。余計な機能は一切ついていないため、刺繍の良し悪しは腕次第。使いこなせるようになるまで10年はかかるといわれるこの技法は、難易度の高さゆえに若い世代へなかなか継承しづらく、職人の数は年々減少の一途を辿っている。しかし、同社では若手スタッフのために、分かりやすく技法をマニュアル化したり、勉強会や講習会を積極的に行うなど伝統の継承に力を入れている。また、最新鋭のコンピューターによる機械を導入。精密な図案を迅速に仕上げることで、大量生産にも対応できるようになった。同社の確かな技術力は評判を呼び、メンズ・レディースの大手ファッションブランドから、ユニフォームや帽子、リストバンドなどへの刺繍、オリジナルワッペンの製作などを依頼されるなど経営も安定。インターネット販売も開始し、気軽に注文を受けられるように。同社の高品質でお手ごろ価格な刺繍製品はオンラインショッピングでも大好評で、新しいニーズも拡大している。「今後も、時代のニーズを的確にキャッチしながら、メイドイン桐生の誇りをもち、一人でも多くのお客様に弊社の刺繍製品を、実際に目で見て手にとって触っていただいて、感動を与えることができるようスタッフ一同精進していきたい」と小倉社長。これからも、桐生の伝統技術の価値を高めながら誠実に継承しつつ、その良さを広めるために同社の挑戦は続くだろう。今後のさらなる活躍が大いに期待される。
(ライター/石崎緑子)

 
有限会社 丸二刺繍
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