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免疫細胞の働きを利用し難治がんを治療
長年のがん臨床研究で得た知見を生かす

細胞培養センター併設
個別化がん治療も開始


「難治がん治療には、がんに対する免疫細胞の働きを応用する治療が必要である」
 『医療法人慈生会福岡がん総合クリニック』の森崎隆理事長兼院長が、母校九州大学や留学先の米国カリフォルニア大学ロスアンジェルス校、米ジョン・ウェインがん研究所などでの20年にわたる臨床研究を通じて得た確信だ。開院に当たって、クリニックでは異例の細胞培養センターと研究所を併設、院長が理想とするがん医療を実践する。また、究極のがん治療法といわれる、がんプレシジョンメディスン(精密医療)も開始した。
 森崎院長は、細菌免疫の主役である白血球中の好中球と腫瘍細胞に関する研究で医学博士の学位を取得した免疫細胞療法専門医。クリニックでの診療と並行して、研究所で研究を進め、九州大学第一外科の非常勤講師として免疫ゲノム学分野の講義も担当、臨床医でもあり、研究者でもあり、教育者でもある医師。今では、国民の二人に一人が生涯で一度は罹るといわれるがんと向き合う姿勢は明確だ。
「がん医療は、日進月歩。手術、抗がん剤、放射線治療はもちろん、免疫療法もしかりです。がん治療専門医を名乗るからには世界レベルでの研究と治療の動向をしっかり把握していなければなりません。日々の診療と共に研究も絶やすことなく続けてこそ、がん医療に貢献できるものと考えています。併設した研究所では、九州大学医学部の研究室とも連携を図りながら、より効果的な治療法を発見するために常に世界の研究者の目線で研究を続けています」
 その深い学識と臨床経験を生かして向き合うがんは、頭頚部がん、乳がん、肺がん、消化器がん、肝・胆・膵がん、婦人科がん、泌尿器がん、悪性黒色腫、悪性リンパ腫、脳腫瘍など全身の広い範囲に及ぶ。治療法は、免疫細胞療法を主に薬剤療法も行う。
「免疫細胞療法は、患者さんの血液中のTリンパ球やγδTリンパ球、NK細胞など様々な免疫細胞をがんの病態に合わせて体外で加工し、体内の最適な箇所に投与する治療法です。当院では、①活性化自己リンパ球療法、②樹状細胞ワクチン療法、③樹状細胞刺激活性化自己リンパ球療法を行っています。活性化自己リンパ球療法に用いる細胞は、患者さんの血液中のTリンパ球、γδTリンパ球、NK細胞などの免疫細胞をインターロイキン2とOKT3という薬剤で活性化し、増殖させた細胞です。樹状細胞ワクチン療法は、患者さんの体の中に既に存在する、がん抗原特異的T細胞(CTL)を刺激し、増加させる目的で行う免疫療法です。採血した白血球中の単球を樹状細胞に分化させ、これに患者さん自身のがん細胞の遺伝子変異解析によって得られた情報を元に合成したネオアンチゲンペプチドを加えて樹状細胞ワクチンを作成します。樹状細胞刺激活性化自己リンパ球療法は、樹状細胞ワクチンを作成した後に、体外で患者さんのリンパ球を加え、がん抗原特異的Tリンパ球を刺激し、その後、インターロイキン2で増殖させた、がん抗原特異的Tリンパ球と活性化Tリンパ球、活性化NK細胞が混在した細胞を患者さんに戻す方法です」
 薬剤療法は、がん細胞の細胞分裂に必要な遺伝子や微小管といった分子を壊す従来型の抗がん剤や、がん細胞の生存に係る重要な蛋白質の働きを阻害する分子標的薬による治療のほか、日米の学者がノーベル医学生理学賞を受賞した免疫チェックポイント阻害剤という新薬を使う療法も行う。
「免疫チェックポイント阻害剤は、がん細胞に直接作用するのではなく、がん細胞を攻撃するTリンパ球に働きかける免疫療法の薬剤です。その仕組みは難解ですが、単純化していえば、Tリンパ球は生体に対する危険を感知すると活性化されて、生体にとっての危険分子に対する攻撃を開始しますが、攻撃能が長期間働くと、逆に生体に対するダメージが生じるため、自発的にその攻撃の手を弱めるため、表面に異物を攻撃するなという信号を受け取るためのチェックポイントというアンテナを備えています。一方、がん細胞や抗原提示細胞という免疫細胞にもPD-L1という別のアンテナがあり、Tリンパ球のアンテナに接合して、異物を攻撃するなというブレーキ信号を送り、Tリンパ球を弱体化します。これに着目して、Tリンパ球のチェックポイントに蓋をしてブレーキ信号を通わなくすることで、いったん活動を制止されていたTリンパ球を再び活発にし、がん細胞の攻撃に向かわせようとするのが免疫チェックポイント阻害剤です。ただし、10~15%で出現する自己免疫疾患が懸念されるため、使用するには慎重な配慮を要します」 
 細胞培養センターは、免疫細胞療法で使う免疫細胞を受診者から採取して保存し、培養するための施設で研究所を兼ね、クリーンルーム(無菌培養室)で院長が指導した熟練の培養技術者が従事する。
「投与できる状態に仕上がった免疫細胞は、数時間以内には投与されなければなりません。当院では、患者さんの症例に応じた免疫細胞療法の治療計画を立てる段階から細胞の培養管理、治療の実際までのすべてを培養技術責任者である院長が一貫して行っています。成分採血で採取された免疫細胞と腫瘍組織は、独自の冷凍保存技術で長期間保存することができます。また、クリーンルーム内で培養した治療用免疫細胞は、一部をサンプリングし、細菌やカビに汚染されていないことを厳重にチェックし、がん細胞を攻撃できる十分な機能を持ったリンパ球がどれ程作成できているかの精密な検査を行います。この二つの検査は極めて重要で、治療用リンパ球は安全性と機能が確認されてはじめて患者さんに投与されます」
 がんプレシジョンメディスンは、米国のオバマ元大統領が2015年の一般教書演説で推進を表明したことで注目を集めた先進医療だ。がん細胞の遺伝子異常をすべて調べ上げ、遺伝子異常によって産生された、がんの原因に関わる異常な蛋白質の働きを正常化する分子標的薬剤を選択したり、本物のがん抗原であるネオアンチゲンを見つけてがん免疫療法を行ったりするもので、森崎院長は、遺伝子解析が専門のCancer Precision Medicine社(本社川崎市)と連携して進める。
(ライター/斎藤紘)

医療法人 慈生会 福岡がん総合クリニック
TEL/092-282-7696 
Eメール/ info@cancer-clinic.jp
ホームページ 
https://www.cancer-clinic.jp/


歯科医療のクオリティ向上に情熱を傾注
デジタル機器導入など先進医療技術追求

高精度のインプラント
受診者との対話を重視


「桃李もの言わざれども、下自ずから蹊を成す」
 良い実をつける桃や李(スモモ)の樹はものを言うことはないが、実を取るのに人が通って自然に小道ができるという意味の中国のことわざだ。これを好きな言葉に挙げる『プラム四谷歯科クリニック』の安豊昌弘院長は、良い実をつける桃や李のように歯科医療のクオリティを高めることに情熱を傾け、研鑽を重ねて修得した先進医療技術で受診者から信頼を集めている歯科医師だ。
 安豊院長は、日本大学松戸歯学部を卒業後、東京の歯科クリニックで臨床経験を積み、2012年に『プラム四谷歯科クリニック』を開院後も同歯学部再生歯科医療学講座で学び、「低濃度フッ化物による骨分化の促進」の研究で歯学博士の学位を取得した。さらにインプラントや歯列矯正などの技術を深めて国際口腔インプラント学会認定医や日本顎咬合学会咬み合わせ認定医などの資格も取得、その深い学識が評価され、2018年からは同歯学部の非常勤講師も務めている。
 クリニックでの歯科医療の先進性を象徴するのがデジタル化だ。歯並びや顎骨内部の病気の有無を確認する一般的なレントゲン撮影機器のほか、国内の歯科医院での普及率がまだ約5%程度という口腔内スキャナーを早期に導入したほか、肉眼ではよく見えなかった歯の隅々までも最大30倍も拡大して見ることができる歯科用顕微鏡のマイクロスコープやコンピュータ断層撮影CTなどの医療機器を導入した。
「歯科で使う医療機器の精度が上がり、それを扱うことができる技工士さんの数も増えてきています。技術やソフトが進化しておリ、業界全体で診査、診断の質が確実に向上していると感じます。実際、当院でも最初に診査診断をする上で、原因を追求するのに正確な診断ができるため、精密でクオリティの高い治療に繋げることができています。特に口腔内スキャナーは小型カメラで口腔内を撮影し、そのデータをコンピュータで歯並びはもちろん、360度の方向から歯の状態を立体的な画像で見ることができますし、マイクロスコープやCTも口腔内の必要な情報を正確に得るのに力を発揮し、低侵襲治療や治療期間の短縮、治療効果の向上、適正な治療コストに貢献しています」
 デジタル技術による高精度の診査診断は、歯を失った箇所の顎の骨に金属(主にチタン製)の人工歯根を埋め込み、そこに人工歯冠(主にセラミック製)をかぶせるインプラント治療のクオリティも支える。
「インプラント手術を行う上では、患者さんの不安を取り除くことを一番に考えています。CTは、骨の状態、口腔内スキャナーは歯と歯茎の状態を知ることができます。また、骨と歯と歯茎の画像をコンピューター上で重ね合わせることで三次元的なシュミレーションが可能になります。手術前に完璧な仕上がり具合を術者も患者さんも確認できるのです。さらに、コンピューターによる解析と特殊なガイドシステムによって間違いのない角度、深度、位置に正確にインプラントを埋め込むことができるため、出血や痛みを最小限に抑えることができます。目視でインプラントを埋める歯茎を切開していた以前のインプラント手術と比較すれば、その安全性は格段に向上しました」
 安豊院長は、年間70を超えるインプラント治療を行っているが、治療に先立ってメリット、デメリットも含め丁寧に説明し、治療について十分に理解し納得してもらったうえで同意を得るインフォームド・コンセントを重視する。
「インプラント治療は、歯が無くなった人に行ういわば最終手段で、元々あった自分の歯のように噛むことができて、顎の骨がそれ以上痩せ細ることもなく、見た目も天然歯とほぼ変わらないことがメリットです。しかし、外科手術を伴うこと、治療期間が長くなる場合があること、自費治療なので高額になることなどデメリットもあります。また、周りの歯がボロボロだといくら丈夫なインプラントを入れてもいずれ駄目になってしまいます。やり直しの治療を行うには、なぜ歯が抜けたのかを解明しなければいけません。歯が一本抜けたからただ単にそこにインプラントを入れて終わりでは絶対に上手くいきません。また、インプラントの適応になる条件もいくつかあり、第一条件はまず歯周病のリスクを失くした状態にすること。もう一つは、噛み合わせを改善すること。そして再生医療も条件適用に大きく役立つ治療法です。例えば、歯周病で下がった歯茎や感染がひどくて骨が全くないといった症状でも再生治療により元の状態に戻すことでインプラント治療が可能になります。インプラント治療のこうした特長を考慮しながら最良の結果が生まれるよう治療を進めます」
 かつてトラブルもあったインプラント治療は、医療技術の進歩に伴い、今や一般的な歯の治療になっているという。
『プラム四谷歯科クリニック』の診療科目は、一般歯科から根管治療、歯周病治療、口臭治療、予防治療、歯科ドック、審美治療、ホワイトニング、インプラント治療、マウスピース型矯正治療、噛み合わせ治療、入れ歯・ブリッヂ、再生治療、親知らず・口腔外科まで多岐にわたるうえ、好立地も手伝い、開院当初から受診者が絶えない。最先端の医療機器を活用した的確な治療と並んで重視するのは、受診者とのコミュニケーションだ。
「もしもコミュニケーションが不足していたら、歯科医師の理想論と患者さんの抱く希望がずれることになり、このようなケースは少なくありません。歯の特長は見れば分かるし、いろいろ機器を使うことで状態は把握できます。しかし、患者さんの歯の歴史を知ることが歯科治療において最も大切なこと。そのすり合わせが大事で難しいからこそ、一番時間をかけて、いろいろな情報を密なコミュニケーションによって引き出さなければならないのです」
 開院から約10年。
「歯科医療界にはデジタルの波が来ていて革命が起こっているといっても過言ではない状況ですが、海外に比べて日本はまだまだデジタル技術など本当に遅れています」と指摘する安豊院長。母校の非常講師として、また厚生労働省認定歯科医師臨床研修指導医として新たな歯科医療に対応できる人材の育成、自身の先進的な技術の探求にかける意志は強まる一方だ。
(ライター/斎藤紘)

プラム四谷歯科クリニック
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歯科口腔外科と親知らずの治療に生かす
海上自衛隊医官時代に積み重ねた経験値

高齢化時代に需要増す
訪問歯科診療にも注力


「将来を予想して点と点をつなぐことはできない。後々の人生で振り返った時にしか点と点をつなぐことはできない。今やっていることが将来、点と点がつながると信じて取り組みなさい」
『日航ビル歯科室』の小澤幹夫院長は、歯科医師として歩んできた半生を振り返ったとき、スティーブ・ジョブズのこの名言を思い出したという。海上自衛隊の歯科医官としての診療活動、途上国での人道支援活動の経験が、現在、力を注ぐ歯科口腔外科の診療や訪問歯科診療に点と点が繋がるように生きているからだ。
 少年期、太平洋戦争の歴史書を読み漁り、映画「トップガン」の影響もあって海上自衛隊の制服に憧れたという小澤院長は、大学の歯学部在学中に海上自衛隊衛生貸費学生に合格。卒業後、歯科幹部候補生として念願の海上自衛隊入隊を果たし、広島県江田島市の海上自衛隊幹部候補生学校、自衛隊横須賀病院、防衛医大病院、青森県むつ市の自衛隊大湊病院、さらには軍事組織に必要な口腔外科を学ぶために国内留学した藤沢市民病院などで研修と臨床経験を重ねた。この過程で歯科口腔外科の知識と医療技術を蓄積する傍ら、海上自衛隊で歯科医官としての任務に貢献した。派遣される艦艇に乗る歯科医官は一人だ。
 2000年に練習艦隊歯科長として世界を一周したのを皮切りに、アメリカ同時多発テロ後の対テロ特措法によるインド洋への派遣、フィリピン、ベトナム、マレーシア、スリランカ、パラオでの米海軍の人道支援パシフィックパートナーシップ活動への参加、ソマリア・アデン湾での海賊対処行動、東日本大震災被災地の南相馬検視活動支援、ネパール震災の国際緊急援助活動などで任務を遂行した。
「艦艇勤務を通じ、歯科領域も含め、軍人の体を整えることが如何に重要かがわかりました。また、米軍との交流の中で、先輩である米海軍歯科医療部隊から多くを学びました。米海軍では部隊行動中も兵員の虫歯治療が行われ常に人的戦力の維持向上に努めていることも知りました。海上自衛隊艦艇で多くの自衛官を診療してきましたが、う蝕や歯周病が多くみられ、海軍軍人の歯科疾患のコントロールに長けた米国海軍歯科医療部隊はお手本でした」
 米海軍人道支援活動で赴いたパラオでは、現地医療統制担当として活動、住民に白内障が多く、眼の健康への要望が強いこと聞き、水戸市の小沢眼科内科病院や日本眼科医会と協力して眼科検診車ビジョンバンを輸送艦で輸送し、眼科検診と輸送艦の手術室での白内障手術を実現させ、日本とパラオ両国の友好関係に貢献した。「平時の先兵は医療部隊」と軍事組織における人道支援活動の重要性を認識したという。
 一連の経験で培った口腔外科診療の技術や知識を広く社会に還元したいと考えた小澤院長は、50歳で退官、『日航ビル歯科室』では口腔外科と親知らずの治療に力を注ぐ。
「親知らずは、最前方の前歯から数えて8番目の最も奥に上下4本あり、永久歯の中で最後に発育します。4本すべてある方もいれば、埋まったまま生えてこない方、先天的に欠如している方もいます。生える順番が最後であるため、十分なスペースがなくなり、さまざまな問題を引き起こします。親知らずが横や斜めを向いて埋まっていると清掃性が悪く、手前の歯が虫歯や歯周病になりやすくなりますし、炎症を起こし、口が開かなくなるほど腫れたり、強い痛みが出る場合があるため、抜歯が必要になります」
 親知らず(WISDOM TEETH)の抜歯は手術で行うが、特に横向きや埋伏している親知らずの抜歯は高度の技術が求められる。日本口腔外科学会認定医の小澤院長の手術は緻密だ。治療前にCT撮影を行い、親知らずや神経などの位置を把握し、十分に麻酔を効かせた上で、拡大鏡を用いた拡大視野の下で行う。手前の歯が大きな虫歯で、親知らずが虫歯ではないケースでは、手前の歯を抜き、抜歯した親知らずを移植するという方法も選択する。生体監視モニターを使用し、血圧や心電図、脈拍、血中酸素などをモニタリングする静脈内鎮静法の併用も可能だ。
『WISDOM TEETH CLUB』という開業歯科医院向けの親知らず抜歯支援事業も医療活動の大きな柱だ。
「街の歯科医院では、口腔外科診療の担い手が少ないうえに、虫歯や歯周病の治療に時間が取られ、手術まで手が回らないというケースが少なくありません。そういう医院では、患者さんに手術が可能な大病院を紹介するのですが、『WISDOM TEETH CLUB』では、契約した医院で親知らずの抜歯が必要な患者さんを私が医院に出向く日にご予約頂いて手術します」
『日航ビル歯科室』の訪問歯科診療は、通院が困難な高齢者などを対象に歯科医師と歯科衛生士、訪問診療をサポートするコーディネーターの三人がチームを組み、専用の診療用ポータブルユニットを持参して、自宅や介護施設などを訪ねて治療を行う。
「訪問歯科診療では、虫歯の抜歯も行います。介護施設の食堂やベッド上、車イス上で歯を抜くこともあります。海上自衛隊時代、人道支援活動で行ったフィリピンやベトナムなどでアウトドアで多くの住民に抜歯治療した経験が役立っていると思います」
 小澤院長は、訪問歯科診療には課題もあると指摘する。
「高齢化が加速し、訪問歯科診療に対する需要は今後益々大きくなっていきます。歯科医師が過剰とよくいわれますが、2042年には高齢者人口が3878万人でピークを迎えるという状況の下、今後、高齢者への歯科医療の需要と供給のバランスがとれるか疑問です。訪問診療に携わる歯科医師の増加が必要ではないかと考えます。歯科医師の平均年齢も52・4歳(令和2年現在)と高齢化していくため将来的には外来診療の引退を考えていく歯科医師にも協力を求めるといった方策を考えなくてはならないかもしれません。もう一点、高齢者が認知症になった場合、患者本人としての当事者意識が薄くなり、ご家族や介護者の意向に沿って治療を考え計画を立てることになりますが、高齢認知症の患者さんにとっての治療の最適解が何処にあるのか?いつも手探りの状態です。2025年には、認知症高齢者が700万人の推計もある中で、訪問歯科診療の在り方について考えを深めたいと思っています」
 様々なステージで行った医療活動で経験値を積み重ね、その中で得た教訓をフィードバックしながら診療の質の向上を追求してきたという小澤院長。人生のセカンドステージである『日航ビル歯科室』で、過去の努力と点と点でつながった現在の医療技術を駆使し、時代の要請に応えていく決意だ。
(ライター/斎藤紘)

医療法人社団 藤栄会 日航ビル歯科室
TEL/044-221-6321 
Eメール/ m.ozawa@toeikai.or.jp
ホームページ 
https://nikko.toeikai.or.jp/

中国の心臓外科医とオンラインで意見交換
垣根を越えた医療技術の普及に情熱傾注

台湾の医師と続く交流
著書で示す医師の決意


「世界共通の心臓外科領域では、政治的な問題とは関係なく、お互いを尊敬しあいながら議論を交換できる価値ある場所が存在しています」
 心臓血管系疾患の手術治療と並行して先進的医療技術のグローバルな共有に力を注ぐ『新東京病院』の中尾達也副院長兼心臓血管外科主任部長の言葉だ。その価値ある場所の好例が2023年3月29日に中国の心臓外科医とオンラインで行ったフォーラムだ。フォーラムの名称は、「Epic-International,Expert exchange Forum」といい、米国の大手医薬品・医療機器メーカーAbbott社主催で午後8時から10時まで行われた。参加したのは中尾主任部長のほか中国・上海の医療機関を代表する心臓外科医20人。
大動脈弁や僧帽弁などの狭窄症や閉鎖不全症などの心臓弁膜症の治療で悪くなった弁を人工弁に置き換える人工弁置換術で使うブタの生体弁をテーマに、上海心臓血管病施設のChunsheng Wang教授が進行役となり、中尾主任部長が『新東京病院』で手術した症例などを基に「Epic Design&Durability A Focus on Lifetime management」と題して講演し、中国語と英語を相互に翻訳しながら熱い議論を交わした。
 中国と台湾は国際政治上緊張関係にあるが、中尾主任部長は2018年に国立台湾大学で大動脈瘤に対する新たな低侵襲の手術法、オープンステントグラフト法を指導したのを皮切りに、台湾の心臓外科医と数度にわたり医療交流を進めてきたほか、コロナの渦中にもオンラインでアジアパシフィックの国々の医師に向けて講演と情報交換を行い、2022年4月には『新東京病院』で大動脈に関する国際シンポジウムをオンラインで開催、中尾主任部長の古くからの友人の台湾や香港、豪州の医師7人と意見交換した。こうした国際交流を通じて、オープンステントグラフト法の普及に努めてきた。  
 国境を越えた先進的な医療技術の共有に力を注ぐの活動の原点は、若き日に米国のアルバートアインシュタイン医科大学とその附属病院、豪州のロイヤルプリンスアルフレッド病院で研究した際の医師たちとの交流。この経験を含め、心臓血管外科医としての半生を振り返った著書「いのちを救い、縁を繋ぐ生き方」の「垣根を越えた医療貢献」にある言葉から真意が伝わる。
「国や民族、年齢、立場を超えて、世界各国の医師とリスペクトし合う意義を肌で感じています。この関係を次の世代に受け渡すことが私の役割と思っています」
(ライター/斎藤紘)

医療法人社団 誠馨会 新東京病院
TEL/047-711-8700

脊椎内視鏡下手術で国内屈指の治療実績
切開範囲が小さく病変が確認し易い術式

早期の社会復帰可能
医療技術の進歩追求


 母校和歌山県立医科の教授として後輩を指導した経験を持つ『角谷整形外科病院』の𠮷田宗人院長は、米国で開発された低侵襲の脊椎後方内視鏡手術法を先駆的に導入したほか、脊椎内視鏡下手術で国内トップクラスの手術実績を有する日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科専門医だ。複数の病変を持つ難症例に対し複数の医師が別々の内視鏡下手術を同時に行うタンデム手術で短時間治療も実現し、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、頚椎症性脊髄症などの手術を年間500例以上施行、その高度の医療技術を求めて県内外から多くの受診者が訪れる。
「脊椎は、頚椎が7個、胸椎が12個、腰椎が5個あり、椎間板でつながっています。脊椎の中には脊柱管と呼ばれるトンネルがあり、脊髄神経を守っています。腰椎椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板が老化してひび割れを起こし、髄核と呼ばれる軟骨状のものが飛び出してくる疾患です。腰部脊柱管狭窄症は、腰部の脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されて臀部や下肢に痛みやしびれなどの症状を来します。頚椎症性脊髄症は、脊髄が圧迫を受けて出現する症状で手足のしびれ、歩行や排尿排便の障害が出る疾患です。脊椎の疾患は、生活の質や日常生活動作に大きな影響を与えますので、早期の治療が必要です」
 治療で行う脊椎内視鏡下手術には、数々の利点があるという。
「脊椎内視鏡下手術は、2㎝ほど皮膚を切開し、内視鏡を挿入して病変を確認しながら行う手術で、背中や脇腹を大きく切開して行う従来のオープン手術と比べて傷が小さいだけでなく、病変が確認しやすいため、正確なヘルニア摘出や神経除圧が可能です。また、骨切除や痛みが少なく、合併症や出血量が少なくて済みます。重篤な脊柱管狭窄症の手術では、正常な筋肉や関節は残し、悪い部分だけを取る、理想に近い手術が実現しています。身体への大きな負担が軽減されることから早期の社会復帰が可能になります」
 タンデム手術では、頸と腰の椎間7ヵ所の手術を3人で同時に施行し、約2時間で終わらせた例もあるという。
 𠮷田院長は、国内の医療機器メーカーと共同して、操作性の高い手術器具『SYNCHA脊椎内視鏡システム』を開発したほか、内視鏡手術をより精巧かつ安全なものにするために、高精細画面のナビゲーションシステムと内視鏡を融合させた新たな術式の開発を目指すなど院長として病院をまとめ、臨床医として診療、手術、指導にあたる傍ら絶えず新しい機器開発や手術手技の進化を追及し医療の発展に全力で臨み続けている。
(ライター/斎藤紘)

角谷整形外科病院
TEL/073-433-1161
ホームページ 
https://www.sumiya.or.jp/seikei/

胎児期から子育てのための環境づくりを促す
独自の胎内記憶教育を世界中に広める

胎児心理学の学説重視
多様な基礎講座受講生


 子どもが母親の胎内にいたときの記憶「胎内記憶」に耳を傾け、出産前後の子育てに役立てるよう促す「胎内記憶教育」を世界中に広める活動をしている医学博士がいる。『池川クリニック』の池川明院長。「胎内記憶」に関する研究を基に、子どもが生まれてからの環境だけでなく、胎児期からの環境づくりが重要と、啓蒙活動の拠点となる日本胎内記憶教育協会を設立して進めてきたのが「胎内記憶教育」だ。
 池川院長は、飯田史彦・元福島大学教授の著書「生きがいの創造」で胎内の子どもにも意識があることを知ったのをきっかけに「胎内記憶」の研究を開始。約3600人の母親に対するアンケートを通じて子どもの胎内記憶の数々に触れ、さらに、胎児心理学の世界的権威、元ハーバード大学教授トマス・バーニー博士が著書「胎児は知っている母親のこころ」で示した「母親の態度、感覚、感情、思考は、ホルモンや神経伝達物質の分泌に影響し、それらは血液の流れに乗って胎盤を通り、胎児の発達中の脳に届いて、脳の配線を決定する」とする学説も合わせ、「胎内記憶」の存在を確信した。
「胎内記憶教育」は人生最初のお腹の中から始める教育といい、その学びの場である基礎講座は、人間の基礎を築くといわれる、母親の胎内に命が宿す前から命の始まりまでの期間を4つに分け、それぞれの期間に起きている事柄やその意味などを、子どもたちが語る「胎内記憶」に基づいた子どもの視点から伝えるものだ。
「『胎内記憶教育』は、子どもに胎内記憶があるかもしれないと意識することで、生まれる前から育児の準備を促すものです。胎児の時から五感で認識することができ、感情を持つ一人の人間だと思うと、お腹の中にいる時のコミュニケーションや出産の方法、そして育児について考えさせられるからです」
 これまでに講座を受講した人は、育児中の女性に止まらず、独身者、子育てが終わった世代の人、医師、助産師、看護師などの医療関係者、 保育士、幼稚園、小学校、高校教諭、アーティスト、カウンセラー、セラピスト、メンタルコーチ、公務員、神職、IT関係者など職種も世代も多岐にわたる。
 受講者からは、「育児により責任感を持てるようになった」「自分としっかり向き合える時間になった」「近い将来、自分の身体とお腹の子との体験談を語れる日が楽しみ」といった感想が寄せられているという。
(ライター/斎藤紘)

池川クリニック
TEL/045-786-1122 
Eメール/ aikegawa@jcom.zaq.ne.jp
ホームページ 
http://ikegawaclinic.net/

インプラント治療に光る周到なプロセス
精緻なシミュレーションが支える安全性

患者様目線の品質
美しさへのこだわり


『東京審美会306デンタルクリニック』の中田圭祐院長は、安心なインプラントにより美しい歯を取り戻す審美的インプラント治療のスペシャリスト。東京大学医学部附属病院でインプラント治療がスタートした1999年より同病院でインプラント治療を開始し、その後、東京大学の研究室にて再生医療の研究を行い、研究成果を臨床にフィードバック。
 また、審美的歯科矯正の専門院「青山審美会歯科矯正」にて審美・矯正治療に従事。2008年、美しさにこだわる歯科医療、美しさにこだわるインプラント治療を展開する『東京審美会』を開設。
 安心なインプラント治療のために、治療前日はすべての患者様をお断りして、インプラント治療のシミュレーションを行い、入念な準備を徹底する。
 東大病院での経験からインプラント治療後は、翌朝午前5時まで些細なことでも連絡ができる体制をとる。
「患者様のために理想のインプラント治療はこうあるべきだ」という中田院長の語りに、安心感と頼もしさ、患者様へのやさしい配慮を感じた。
(ライター/斎藤紘)

東京審美会306デンタルクリニック
TEL/03-3611-5588 
Eメール/tokyo306premium@yahoo.co.jp
ホームページ 
http://www.tokyo306.com/

肝臓に係る疾患の検査治療に光る専門性
B型C型慢性肝炎や「NAFLD」に注力

肝臓専門の外来を設置
消化器がんも早期発見


『はとがや緑内科クリニック』の藪剛爾院長は、福井医科大学付属病院や亀田総合病院で肝臓診療の責任者として歴任し、開業。消化器系の疾患、特に肝臓の疾患の検査、治療で実績を重ねる肝臓専門医である。大学院や米国留学での研究で深めた学識が診療の専門性、信頼性を支える。
「沈黙の臓器といわれる肝臓の病気は、自覚症状から状態を把握するのは困難ですが、血液生化学検査のデータを正確に読み取り判断することで状態を把握することが可能になります。肝臓専門外来では、肝疾患全体を見通した上で適切な診断や治療、助言など行っています。また、ウイルスの感染で発症し、肝硬変や肝臓がんに移行することもあるB型慢性肝炎、C型慢性肝炎も治療の進歩で早期発見、治療を受ければ、かなりの確立でコントロールできる状況になっています。C型肝炎は、従来は難治性でしたが、現在では経口薬で治療できます。さらに最近では、メタボの肝臓型といわれる、「NAFLD(非アルコール性脂肪肝)」・肝炎に特に注力して治療しています。糖尿病・心血管系の合併症や大腸や肝臓がんのリスクが高まる観点から、これらの合併疾患にも配慮した包括的治療を目指しています」
(ライター/斎藤紘)

はとがや緑内科クリニック
TEL/048-286-7774
ホームページ 
https://www.midorinaika.com/


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