注目情報はこれだ 2015


イギリス生活情報誌 
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ウェルカム・デンタルクリニック 院長
中島幸一氏
九州大学院医学系博士課程修了。生活習慣病と口腔衛生との関連を研究。医学博士。在福岡ラオス人民民主共和国名誉領事、ラオス国立大学など東南アジア地域の大学名誉教授多数。同地域での歯科治療や検診にも取り組んでいる。

図1、一般歯科臨床では2通りの歯科医がいることを忘れないで下さい(保険診療では、両方共点数は同じです)

図2、歯科治療後によくみられる症状のパターンで、このような症例は必ず咬合がよく判った歯科医師に診てもらうべきです。(読売新聞より)

今、あえて問い直したい
「歯科医に求められること」

「歯科医師は商売人? 職人?」

 これは2015年1月の『全国保険医新聞』(1月5日発行)に掲載された記事の見出しである。記事は、歯科医というのは2種類で、患者さんに高額な治療を勧めて利益を優先する「商人」タイプと、患者さんの望む通りに義歯や詰め物技術を提供する「職人」タイプだと言いたげだ。これでは「まともな歯科医師」がいないか、極めて少数だということになる。医師への悪口は今に始まったことではないが、歯科医師界は、一体、どうなっているのだろう? 人々は歯科医に何を求めるようになったのだろう? 福岡市で『ウェルカム・デンタルクリニック』を運営する中島幸一院長にお話を伺った。
「世間が医者を揶揄する風潮は、昔から世界中にあると思います。私は、アジアの国々の歯科治療の現場をたくさん関わっていますが、現代医療の過疎地域といえるラオス国でも、『歯医者さん』と『歯科医師』は別々の言葉です。『歯医者さん』は『歯大工』で職人さん。『歯科医師』は高いレベルの知識と技術で疾患に対処している医師というニュアンスで区別されています。大衆はちゃんと見分けているなぁと思いますね。日本など医療の先進国で今、歯科医の在り方を問い直すようになってきているのは、大きな時代の流れを受けてのことでしょう。」
 
時代のキーワードは「歯・医連携」

 中島院長は「大きな時代の流れ」のキーワードを「医・歯連携」と表現する。
「現代の歯科・医科の臨床研究の成果から言えることですが、歯科医師は内科などの医科の知識を必要としているし、逆に医師にも歯科の知識が必要になっています。相互の知識や技術を活かすことで、病態を改善できるのです。しかし歯科臨床側から医科臨床で理解できるデータ(EBM)を提示しないので相互理解が深まらず「医・歯連携」が成立しにくい。たとえば、咀嚼機能や口腔機能の回復をはかることで、全般的な健康増進や『うつ』や『認知症』を未病の段階で発見し、有効な処置を講じられたという症例が出ています。また、循環器系では原因が見つからなかった不整脈で、薬やペースメーカーでも改善しなかったのに、噛み合わせのずれが原因だったという例などがあります。つまり「医・歯連携」をもっと進めることで未病のうちに処置したり、有効な治療ができるようになってきたのです。」
 中島院長があげた後者の事例は、実はご自身が経験されたものである。しかもこの時の患者さんは循環器の専門医で15年間も不整脈に悩み、自ら抗不整脈薬を服用してきたのだが、改善の兆しが見られなかった。でもこれは後日になってわかった経緯。初診の時、中島院長は問診の前に、患者さんの先生にこう尋ねた。
「○○先生、不整脈ありませんか? 乳児期にほとんど母乳を吸っていませんね? 左頚部胸鎖乳突筋の部位が凝りませんか?……」。中島院長は、その返事を待たずに診察した。頚部の凝りのチェック、口腔内から顎骨の触診、レントゲン検査等々を行って、歯科的治療方針を立ててその先生に説明をし、了解納得の上処置を開始した。すると、およそ1年後に、患者さんの不整脈の発作が消えた。以来、5年が経過し、今は定期検診のために年に1度だけ遠方から来院している。
 患者さんが「自分が15年かかっても治らなかったのに、どうして?」と尋ねられたのに対する中島氏の答え方がシブイ。「歯医者も医者のうちですから」と言って、色々な文献と処置取組方法を示して納得してもらったという。さらに後日談だが、この患者(お医者)さんは、地方の医学会に自験例として発表して反響を集めたとのこと。
 
間違いだらけ?の歯科治療

 中島院長は、普段でも健康に関するニュースなどをみて、その症状から「これは噛み合わせが関係しているな」と経験上直感的に思うことが少なくないという。内科的な病態や精神的な疾患でも、その原因を歯科的に説明でき、治療方針も立てられることを経験的に知っているからだ。経験の蓄積が直感を磨く。図2の場合の処置には歯科的配慮がまったくないが、脳神経外科や神経内科頭痛外来を受診しても原因が判らないときは99%歯科由来のもので私どもの処置で快方に向かうはずです。しかし、誰も気づいていないことを嘆く。経験を直感に鍛える訓練が足りないのだろうか?
「今の6年間におよぶ歯学教育プログラムから見直さないと、むし歯も歯周病も激減しているので従来タイプの歯科医の存在意義さえ問われるようなことになってしまう」と心配もする。だが、問題は大学教育だけではないだろう。必然として、日本の歯科治療全般を「予防医学の入口」としてレベルアップという課題を考えるようになった。
「日本では毎日約150万人弱が歯科治療を受けています。インプラントや被せもの、充填などの治療も多い。私が懸念するのは、その治療行為の結果が、客観的な科学的評価判定なしに、見た目とか患者さんの感覚のみで良否が判定されています。『噛み合わせが悪い』『治療後に首筋が凝る』『痛みがとれない』などと言われて対症的に治療している。その多くは人工物による形態の回復を計るので、生命体のルールに沿った機能回復には十分とはいえないのです。日常生活の行動からイライラがつのるようだと脳疲労を起こしいろんな疾患の引き金になりかねない。「入れ歯」や「被せもの」微かな噛み合わせの不調から『うつ病』を発症して自殺願望症例も多くあるのです。」

「うつ病」「認知症」と歯の健康

 中島院長は「歯の健康は、『うつ病」だけでなく『認知症』にも深く関わっているのです」という。驚く人も多いと思うが、その理由を中島氏はこう説明する。
「人体は脳に直結した12対の脳神経のうち、8対の脳神経に対して、同時に刺激を加える生活を無意識のうちに、毎日何時間も繰り返しています。この何気ない繰り返しの行動が『オーバーストレス』になって、脳疲労を呼び起こします。脳疲労が限度を越えると『うつ病』や『認知症』へと繋がるのです」
 中島院長のいう「オーバーストレス」状態は、現代人の暮らしと深く関わっているという。とくに若い人たちの生活習慣や体形の変化に注意が必要だと指摘する。これも驚く話。「若い人たちが小顔になって、顎先の尖った顔が増えています。これは食物をしっかり噛む習慣が急減して、咀嚼筋や顎骨の発達が不十分なのです。それと若い人の首が細くなっています。約5㎏の重さがある頭部を支えねばならないから、頭頚部の筋肉がしっかりしていなければなりません。そうでないと頭と首は一体になって前方に滑り体形のバランスが崩れます。それが肩こりや偏頭痛を引き起こします。顎から首にかけての骨と筋肉は連動しているのですから、やはりこれも噛む力の減衰と関わりがあります。顎が退化すると、遅れて生えてくる小臼歯のスペースが無くなって歯列不正を起こす。そして副交感神経と交感神経に影響して自律神経のバランスを乱すのです。不整脈、うつ病、認知症をひき起こしやすくなるのです。歯並びの乱れが、脳の活性化やリラックスにも大きな影響を与えていること。しっかり噛むことが脳にも快刺激を与えていることは、私どもの臨床研究でもはっきりしています」
 耳にイヤホン、手にはスマホをやりつつ食べているのは超軟食。脳に不自然な刺激を与え続けながら、肉体を退化させて続けている私たちの暮らしは、やはりおかしかったのだ。歯科の臨床現場で、日本人の口腔状態を診てきた中島院長は長年の経験から、健康と歯の関係をさらに深く見極めることになった。

歯科治療の現場に科学的な手法を

 歯科医のすべてが経験と直感に恵まれているわけではない。スキルやモラルも個人差がある。その現実を踏まえて治療のレベルを上げるとしたら、「歯科治療の現場に客観的・科学的な手法を導入すべきだ」というのが、中島院長の年来の主張である。手法や基準にも色々あるだろうが、中島院長が提唱するのは、「脳波検査」と「唾液のOPP(酸化還元電位)検査」を併用することだ。歯は交感神経や副交感神経に繋がっているから脳波検査は基本。またORPは唾液から身体の酸化/還元状態がわかる。酸化度はストレスや老廃物が溜まっている目安で、還元度は体調の良好度を示す。排泄される尿ではなく口腔内の唾液で調べるのは体調の「過去」ではなく「未来」がわかるからだ。
 この手法なら患者さんに特別な痛みや負荷をかけないし、どこでも簡単にできる。また検査結果のパラメータ値を治療の目安にできるなどの利点がある。さらに重要なことは、EBM(Evidence-based medicine)つまり根拠に基づく医療を進められる。他の一般医科と共有して多面的な診断・治療に役立てられてこそ「医・歯連携」ができる。
 中島院長は、「私は、この手法を軸に、歯科治療の国際評価基準を作ることを提唱しています。この評価基準は、患者さんの治療に対する不安や不信を除く仕組みです。基準をクリアしている歯科医には適正な治療費を払う。そうでないなら治療のやり直しもしくは再調整やリハビリを義務づけるようなシステムにするのです。」と変わらぬ熱い思いで、話をしめくくった。
(ライター/土谷晴)


ウェルカム・デンタルクリニック
TEL:092-432-1891 FAX:092-432-1893

株式会社 大島工業
大島康一郎氏
宮城県仙台市出身。学業修了後、廃品回収やスイカ、竹竿の行商などを経験、解体業に携る。地元の老舗建築会社に就職し、9年間の勤務を経て「大島工業」を設立。従業員21人を擁するまで成長させる。労働条件の整備に力を入れ、震災復興にも尽力。


安定の労働環境と
優れた技術で支える地域と人

 宮城県を中心にビルやマンションの型枠解体の工事を手掛ける『大島工業』。同社では日給制が当たり前の建設業界で従業員たちが安定的な生活を送れるようにと労働環境の改善に尽力。同社を率いる大島康一郎氏は従業員を社会保険に加入させ、退職金や休日などの制度を設けるなど一般企業のような労働環境を整えることで安心した環境づくりに意を注いでいる。
「建設現場がどれだけ厳しい状況で働かされているのか世の中の人はあまり分かっていません。実は、1ヵ月続く人はほとんどいません。新しく17人雇いましたが、現在残っているのは2人だけです。1週間続く人は1ヵ月続くし、1ヵ月続いた人は3ヵ月続きます。3ヵ月続いた人は間違いなく1年続きます。1年続く人はこの仕事でやっていこうと思っている人です」
 東北での震災後、県外から多くの建設業界が入ってきたと大島代表は語る。その結果、10年間を有すると言われていた瓦礫の撤去作業は2年で終了。復興作業は次のステージへと動きだしている。
「国の助成金で安く住めるようになったと思っている方もいますが、地震前だったら安く購入できたマンションも、地震の影響で今は同じ値段で戸建てが買えるほど値段がだいぶ上がっています。福島県では、放射能の影響で立ち入りできない場所に住んでいた人たちが新たに住む場所を探さなければなりません。けれど、東北の人たちは自分の土地に誇りや愛着を持っている人が多いですから、最後まで福島にいたいと強く望む人が多いんです」
 故郷を想う人たちのため、地元のやり方で町を守り、一日も早い復興を目指している『大島工業』。現在は仙台市内よりも沿岸線へと仕事現場が移り始めているという。
「仙台市の復興住宅の受注はほぼ全て終わり、7割程度が完成している状態です。今は、石巻や気仙沼などの復興住宅が多いですね。海沿いに建っていた学校も、危険だということで山の上の方に新たに建築されます。今はどこの業者も忙しい状況で、復興のめどが立つのは良くても2年ぐらいはかかると思います」
 建設ラッシュが続く中、建設業界における人材確保の難しさが復興に暗い影を落としている。
「圧倒的に人が少ないのが問題の一つです。なかには沖縄から来ている職人もいます。けれど、暑さの違いのせいか熱中症で体を壊す人もいます。真面目な人ほど体を壊しやすいです。体調は自分にしか分からないから、具合が悪い場合は我慢できなくなる前に休憩をとるようにと皆に言っています。無理してやるのではなく、休み休み行うようにと指示しています」
 いくつもの現場を抱えながらも、期日までには仕上げなければならないという過酷な状況。そのせいか作業中に病院に搬送される社員もいるそう。その上、後進の育成も重要な課題の一つだ。
「忙しすぎるせいで、新人を丁寧に教えている暇がありません。地震前でしたら、教えながら作業できたんですが、現場サイドからの要望に応えるためにそれができないこともあります。ですから職長たちには、若い社員にこまめに声をかけるようにしてもらって作業を進めています」
 仕事が厳しいため、1ヵ月も持たず辞めてしまったり、やる気のない社員もいるという。「工事のためには多くの人材の確保が必要です。ですから、来る可能性のある人材を確保するためには高い賃金を設定しなければなりません。来てくれた人たちが2年、3年と残ってくれるといいですが、会社に利益を返してくれる前に辞めていきますね」
 その一方で、震災復興の力になればと定年後も働き続けている従業員もいる。
「サラリーマン時代に私が経験した苦労を、従業員の皆には味わってほしくないんです」優れた労働環境の底流にあるのは、従業員たちを後押しする大島氏の強い気持ちだ。
 賃金が不安定な建設業界では月払いを行っている会社は少なく、給料を書きとめておくこともほとんど無い。そのため1週間で辞めてしまった社員が給料を取りに来ないこともあり、支払いが滞ることもしばしば。しかし『大島工業』では、朝出勤した時点で日払いの人には給料を支払っている。また仕事の合間には趣味の船釣りを従業員たちと共に楽しみ、英気を養うのも忘れない。
「仕事で疲れた従業員が集中力を取り戻すには、船釣りは効果があります。海風にあたれば元気が出ます」その背景には、東日本大震災の津波で遊漁船が流されてしまった釣り船業者を後押しする気持ちもある。
「釣りに行くときは、若い社員に道具を一式購入し揃えてやることもあります。けれど、道具を買ってあげたからといって仕事で返すのではなく、仕事や釣りの弟子ができたときに私がしたように相手に同じことをしてやるようにと彼らには言っています」
 高い技術力で地域に貢献し続ける『大島工業』。大島氏は誠実な対応で人の縁を大切にしながら、会社と従業員、そして復興に向けて歩み続ける地域を逞しく支えている。
(ライター/馬場紀衣)

株式会社 大島工業
TEL:022-397-8426 FAX:022-397-8429 Eメール:ttkhw755910@yahoo.co.jp

薬袋税理士事務所 所長
薬袋正司氏
10年間の資産税専門事務所での経験を活かし、長期的視点からの経営・会計コンサルティングを行う。中小企業様を対象に「納税」を意識した事業戦略や自計化のアドバイスを行い、課題の根本を解決することを目指している。

成年後見人制度で
守る自分の未来

 高齢化社会へと突き進む日本。悪質商法被害から身を守るためにも、ぜひ考えて欲しいのが「成年後見制度」の活用だ。
「不幸な事故で脳障害を引き起こし判断能力が欠如することは誰にだって可能性があり、いつ起こるかもわかりません。高齢化社会ですから、長生きも今や普通のこと。長生きをすれば、痴呆症状だって出てくるかもしれません。配偶者やお子様など、きちんと周辺管理をしてくださる方がいれば大丈夫ですが、その環境が整っていない場合は『私ってどうなるの?』と思いませんか」
 そう語るのは『薬袋税理士事務所』の薬袋正司税理士。個人財産・相続・贈与に関する税金コンサルティングや相続税の確定申告などを手掛ける相続の専門家だ。相続の専門家としての税理士の視点から相続問題などを適切にサポートしている。
「成年後見制度は法務省が管轄で2000
年に設けられた制度です。自分の事を管理できなくなったとき、成年後見人があなたに代わって、財産管理と福祉サービスの手続きを中心としたサポートをしていきます」
 今は問題がないと思っている方も多いかもしれない。しかし、将来的には情報を把握し、理解することができなくなり、その結果自分のライフスタイルを選択できなくなってしまう可能性も充分に考えられる。判断能力がなくなる前に、事前準備として後見人となってもらいたい人と契約を結んでおくことが重要だ。
 その他にも同事務所では司法書士、不動産鑑定士、弁護士など業界のプロフェッショナルとの連携を窓口1つのワンストップサービスで手掛けている。不動産譲渡に関する税務アドバイスにも強いので、将来の相続対策に悩む方は一度『薬袋税理士事務所』に相談してみては。
 この先長く続いていく人生。安心して幸せに過ごしていくためにも、ぜひ万が一に備えて頂きたい。
(ライター/馬場紀衣)

薬袋税理士事務所
TEL:03-6228-6400 FAX:03-6228-6401 Eメール:s.minai@tax-bpc.com
ホームページ http://www.tax-bpc.com/

真喜屋法律事務所
知花孝弘氏
1935年沖縄県生まれ。熊本大学卒業後、勉強を重ねて司法試験に合格し、1972年に沖縄弁護士会に入会。法曹界で活躍するとともに、1985年から2003年まで学校法人興南学園理事長として運営に携わり、今も後進の育成に努力している。

弁護士として依頼者を助け
後輩に沖縄戦史を伝える

 弁護士の知花孝弘氏は那覇の『真喜屋法律事務所』に所属している。この事務所の創設者・真喜屋実男(まきやさねお)氏は、沖縄で戦後初の弁護士になったパイオニアだ。知花氏は、この先輩を尊敬している。「私の場合、依頼者の8割は被告、つまり何かの案件で訴えられた立場です。普通の人は大きなショックを受けるので、私は依頼者が落ち着くように『何かあったらすぐ動くから、まず心配ごとは〝なかったこと〟と忘れなさい』とアドバイスしています。じたばたしても予測がつかないのが裁判ですから、一つひとつの案件にコツコツと真面目に相対するしかないのです。これが結果的に良かったのか、かつての依頼者さんの繋がりで、また次の依頼者が来るといったことが続いてきました。自分の生き方を通せたことは良かったと思います。」
 知花氏は、その生き方の手本に父母の存在があると言う。「父母は貧しい中で周りに支えられて師範学校を卒業しました。私の司法試験の勉強中は、あまりにたくさんの本を読む必要があることを知って、その数冊を綴り合わせた合本を作って冊数を減らし、気分的に楽になるような手伝いをしてくれました。その気持ちがうれしくて奮起する気になりました」。その父母が戦後になって「教え子を戦場で死なせてしまった」と後悔したことも、知花氏に強い衝撃を与えた。
「日本で唯一住民を巻き込んだ地獄の戦場になった沖縄では、学徒動員でたくさんの先輩たちが死にました。10歳の私も山中を逃げ回った。戦争は全てを奪う、絶対やってはいけないのです。沖縄戦の歴史や現代の平和の価値を後進に伝え続けて行くのも私の使命だと思っています」。その一環で、かつて理事長を勤めた高校に『ひめゆり』関係者の手記本を贈る活動を続けている。80歳の知花氏の優しい眼が一瞬光を強めた。
(ライター/土谷晴)

真喜屋法律事務所
TEL:098-833-3231 FAX:098-833-3235

野の花行政書士事務所 代表
斎藤美津子氏
会社勤めの時に仕事や人間関係に悩んだ経験と、ご自分の離婚経験からカウンセラーの資格を取得。さらに行政書士、ファイナンシャルプランナー、相続士の資格を持つ。

才気煥発。カウンセリングと
法務相談で地域を支える

 『野の花行政書士事務所』と『カウンセリングルーム野の花』を並行して手掛ける代表の斎藤美津子さん。
 家族問題カウンセラーやファイナンシャルプランナーなどの資格を持ち、相談者の様々な悩みに寄り添いながら適切なサポートを行っている。料理好きが講じて調理師免許を取得したり、絵を描くことが好きでイラストレーターの勉強をしていたという。これら強い好奇心と幅広い知識、積み重ねられた経験が今の仕事でも大いに活かされている。
 斎藤さんがカウンセリング業務を始めたのは、自分自身が体験した職場でのストレスがきっかけだった。
「最初は自分のためにカウンセリングの勉強を始めました。勉強する中で、徐々に気持ちが楽になっていきました。また、私が離婚問題で悩んでいた時、この地域には相談する場所がなく、東京まで行ってカウンセリングを受けていた経験もあります。有名なカウンセラーの方に相談させていただき、とても心が落ち着いたことから、私も人を安心させられるような仕事がしたいと考えました」
 カウンセラーに国家資格はないものの、斎藤さんはNPOが交付している資格を取得。その資格を活かして地域に貢献できればと独立を決意した。
 多い相談は離婚問題だ。「離婚問題を扱う上で大切だと思っているのは、離婚を決断する前の段階で『現状を改善する良い方法はないか』という相談者のお気持ちです。夫婦関係の修復に悩んでおられる方に来ていただければと考えています」そこには、女性のリーガル・カウンセラーならではの視点がある。他にも介護や子供などの家族問題の相談にも応じている。少しでも多くの人の役に立ちたいと行政書士の立場から「終活セミナー」を開催したり、今後は離婚回避のためのセミナーなども企画し、様々な悩みを抱える多くの人をサポートしていきたいと語った。
(ライター/馬場紀衣)

野の花行政書士事務所 カウンセリングルーム野の花
TEL:0242-85-6373 FAX:0242-32-3883 Eメール:nonohana03@peach.plala.or.jp

Gold MT Eggs 株式会社 代表取締役
西川勇氏
和歌山県出身。学業終了後、地方銀行に就職。支店長時代、脳科学ツールNLPを知り、偶然にNLPと出会い効果を実感した長男知希氏、次男昌志氏と2010年に「Gold MT Eggs株式会社」を設立、代表取締役に就任し、トレーナーの子息と共にNLPによる人材育成と実生活で活用できるNLP普及に努める。

脳科学ツールNLPで人材育成
効果実感した父子で事業推進

 奇しくも、父親と子息2人がそれぞれに仕事の中で同じ自己啓発ツールに出会い、効果を共有した偶然から一つの会社が生まれた。和歌山市の『Gold MT Eggs』。自己啓発ツールとは米国で開発された神経言語プログラミングNLP(Neuro-Linguistic Programming)。西川勇社長が経営を担い、長男知希氏と次男昌志氏が実働し、講演と研修で研鑚に励む人たちを導き、実生活に活用できるNLPの普及に力を入れている。
 西川社長がNLPに出会ったのは地方銀行の支店長時代。
「NLPは米国の近代心理学セラピストのリチャード・バンドラー氏と言語学者のジョン・グリンダー氏を中心に開発された脳科学ツールで、優れた能力を有する人の成功パターンを分析、体系化した理論・スキルの集合体です。コミュニケーションやマネージメント能力が高まり、自己成長に大きな効果を期待できます。それには弊社のプラクティショナーコースがオススメです」
 知希氏は京都大学大学院を卒業後、また昌志氏は東京大学大学院を卒業後、それぞれ大手メーカーでプロジェクトマネージャーを務めていた時に、NLPを学び、社員のメンタル面の課題克服や人材育成などに活用して効果を実感した。いずれも米国NLP協会認定NLPトレーナーの資格を持つ。
 西川社長が子息たちと事業を始めたのは2010年。「私はNLPについて息子たちに話したことはなかったのですが、知らぬ間に2人ともトレーナーになっていました。私たちには、大勢のリーダーの方と関わり、苦労し、成功した実体験がありますから、本だけでは分からない深くて良質なNLPをお伝えできると思いました」
 欧米では政治家や経営者、アスリート、弁護士など幅広い分野の人が学ぶNLP。国内での認知度はまだ高くはないが、2015年度にはNLPを利用した学習法に基づく中高生向け学習塾NLP塾も開講予定だ。「生きぬく知恵と新たな価値観の創出。脳科学を用いた、成功する人材の育成」を目標に掲げたNLP 普及の旅は着実に歩を進めている。
(ライター/斎藤紘)

Gold MT Eggs 株式会社
TEL:073-488-4794 FAX:073-422-2745 Eメール:gold.mt.eggs@gmail.com
ホームページ http://nlpstudy.jp/

医療法人社団 康樹会 海岸歯科室 理事長
森本哲郎氏
東京・浅草出身。歯科医の家庭に生まれ、患者さんと父親の繋がりをみて育つ。東京歯科大学卒業後、東京歯科大学の水道橋病院の歯科総合科に入局。歯科全般を学ぶ。平成3年に『海岸歯科室』を開業。平成26年に『KAIGAN DENTAL OFFICE こどもの歯医者さん』開業。

優しい治療で
歯の一生を守る歯科医院

 人の一生を「歯の健康」という視点から捉え、患者さんの口の中の健康を一生涯守るという課題を掲げる『海岸歯科室』。歯医者さんは苦手、というイメージを払拭する優しい治療で開業から23年、多くの患者さんの治療に携ってきた。子どもを意識した診療を行っており、来院する患者さんの多くは若い世代だという。
「赤ちゃんが生まれたら2歳までむし歯を作らないことが重要です。そうすれば、将来的にもむし歯のリスクを減らすことができます。一方で、2歳までにむし歯を作ってしまうと、環境が整えられてしまいその後もむし歯に苦しむことになってしまいます」
 そう語るのは「医療法人社団康樹会」の理事長を務める森本哲郎氏。
 妊娠期の検診と小さい子どものむし歯予防に力を入れている。歯は削ると、その箇所から崩れてしまう。同院では、削らない、抜かないを基本に80歳で20本の歯を残す(8020運動)の実現を目指している。
「大きな穴が開いた場合を除き、子どものむし歯は削らない、というのが現在の考え方です。むし歯菌が生きて活けない状態を作り、削らずに進行を止めてあげる。その方法を患者さんに伝えています」
 また、乳酸菌には、免疫力を高め口腔内の菌のバランスを整える効果があるため、妊婦さんには妊娠期に乳酸菌をとってもらうように指導している。口腔内の環境を清潔に保つことは健康維持のためにも不可欠。磨き残しが蓄積すると歯石に変化し、口腔内の毒素が体に回ってしまうからだ。
「日本の歯科医は今後、削らなくなると思います。口も体の一部ですし、食べ物が入る最初の入り口なので重要な役割を担っています。『食べることが全身の健康に繋がっていく』という役割を歯医者が果たさなければならないと思います」
 そのためにも、予防の大切さを伝えて行きたいと語る森本理事長。目指すのは、世界一優しい歯科医院だ。
(ライター/馬場紀衣)

医療法人社団 康樹会 海岸歯科室
TEL:043-278-7318 FAX:043-278-7358
ホームページ http://www.kaigan-do.com/


[イギリス生活情報誌] 月刊 ミスター・パートナー 〒160-0022 東京都新宿区新宿2-15-2岩本和裁ビル5F TEL.03-3352-8107 FAX.03-3352-8605