井形慶子 イギリス
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  掲載クライアント
 
心栄企画 代表取締役社長 キングファミリー 伊勢崎今泉店
石坂栄子氏
石坂栄子氏はそれまで会社員で会社経営の経験は無かったが、「衣料のリサイクルとリユースを通して、皆様の生活の役に立つこと」という本部の企業理念に深く共感し、FC点運営を決断。今では伊勢崎今泉店、太田店、本庄店の3店舗を運営。幅広い年齢のスタッフを揃えることで客層が拡大している。
衣類のリサイクルで
資源の有効利用を

「キングファミリー」では着なくなった衣類を他のお客様に『リユース』し、
着られなくなった衣類は徹底した『リサイクル』を行い繊維に戻して再利用する。

 着られる衣類を捨てるかどうか迷っていたり、新品のまましまいっぱなしにしている方も多いだろう。また古くなった衣類を溜め込んでいる方も。これらをなんとか有効活用したい、と考えてはいてもなかなかそうしたチャンスが無くタンスの中で眠らせておくだけになっているのではないだろうか。
 「キングファミリー」は、ノンブランド品や流行遅れの洋服、他店に持ち込めば引き取ってもらえない古着でも、一定の基準を満たすものであれば快く引き取ってくれる。持ちこまれた衣類は、リユースできる古着、小物・服飾雑貨、リサイクル資源になる衣料に分類しすべてキロ単価にて査定し、95・3パーセントを買い取っているという。
 「衣料の『リサイクル』と『リユース』を通じ、皆様の生活に役立つ店舗を目指したい」と語るのは同店の石坂栄子代表。
 その高い買い取り率の秘密は、「キングファミリー」本部が築いた独自の『リユース』と『リサイクル』のシステムにある。買い取った衣類のうち、他のお客様に使っていただけるものはキロあたり150円で買いとり、リユースとして販売し、国内でのリユース率を高めている。
 「衣類のリユース率を高めることは、1枚の衣料の寿命を長くすることであり、ひいては環境への負荷の軽減に繋がります。さらにリサイクルシステムの中でお店で売るものと、海外への輸出支援で香港などで古着としてブランド「キングファミリー」と利用されています」と石坂代表は語る
 着られない物はキロ1円で買い取りリサイクルする。リサイクルに出すための分量は、1日に1000~1500袋(1袋20キロ)にもおよぶ。そこから布として使える物は加工して再び市場に送り出し、さらに布としても使えない物は、繊維に戻して自動車のシートやぬいぐるみの中綿として利用するなど徹底したリサイクルを行う。「キングファミリー」では、衣類をリユースして次のお客様に繋ぐとともに、また、大切な資源でもあると考えているのだ。
(ライター/本名広男)
 
キングファミリー 伊勢崎今泉店
TEL/0270-30-8255 FAX/0270-30-8256
FAX PC TEL BOOK  
ホームページ http://kingfamily.co.jp/shop/isezakiimaizumi/
 
竜興化学工業株式会社 代表取締役
菊池勇一郎氏
昭和41年に初代の父親が『竜興化学工業株式会社』を設立。25歳で入社し37歳で代表取締役に就任。プラスチック・ゴムの他に、アイデア商品の製造・販売をワンストップで行う。代表作は『レトルトカッター』『スーパークリップ』など。
ヒット商品誕生の裏に徹底した消費者目線
主婦や企業の思いを形にした製造会社

便利な商品が溢れ返っている昨今、本当に必要な物を追求し続け、製造、販売している企業がある。
社長が抱く物作りへの純粋な思いが、ヒット商品を生み出すきっかけとなった。

 「当時お付き合いのあった企業から『こんな物があればいいな』と提案されたのがきっかけで、『レトルトカッター』と、『スーパークリップ』が誕生しました」
 そう話すのは、東京葛飾でプラスチックとゴムの設計・開発から加工まで手掛ける「竜興化学工業」の代表取締役菊池勇一郎氏。昭和41年に父親が設立した会社を37歳で引き継いだ。『レトルトカッター』は、レトルトパックを簡単・安全・清潔に開封できて、主にファミリーレストランや介護福祉現場で活躍している商品。『スーパークリップ』は、磁石や粘着テープで冷蔵庫などに貼り付けながら片手でメモ用紙を簡単に差し引きできるので、事務関係の方や主婦に人気の商品だ。これらのアイデア商品を作り出した背景には、菊池代表の物作りに対する真直ぐな思いがあった。
 「自分が使って良いのは自己満足。他人が使って初めて良い物だと評価される。売上の事よりも『良い物を作りたい』という思いが何よりも大事。皆が便利で楽しい生活を送って欲しいので、手元が覚束ないお年寄りや子どもがいるご家庭には特にオススメです」
 最近では海外から引き合いも。「企画、製造、販売まで全てワンストップで行っているのでコストを抑えて提供できます。国内生産にこだわり、組み立てや検査まで自社で行います。自分の目の届く所で、商品を使用する意味やどんなコンセプトで作られたのかを伝えていきたいんです」と話す菊池代表。『レトルトカッター』が市販される際、こんなエピソードがあった。「大手小売企業から取引の話があったのですが、小売価格を上げられたので取り止めになりました」。売上でもなく、利益でもなく、買い手に取って良い物であって欲しい。本当に必要としている物を提供したいという思いが、ヒット商品を生み出す秘訣なのかもしれない。
(ライター/高山祐紀)
 
竜興化学工業 株式会社
TEL/03-3692-5195 FAX/03-3697-3725
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株式会社 アトリエ香 代表取締役社長
香之さん
1968年福岡県生まれ。3歳の頃から筆を手に取り、書に親しむ。筑紫女学園中学・高校卒。高校時代は書道部に所属。中村学園大学食物栄養学科卒。2003年、書の師範取得。2007年、書家活動のスタートに伴い 『株式会社アトリエ香』設立。2009年4月、ギャラリー現(UTUTU)をオープン。梓書院より10月1日フォトエッセイ「逢(あう)」を発売予定。
「書」による表現で
企業ブランディングを

書画作品の制作や書道教室を運営している『アトリエ香』では、
企業ブランディングのために企業の経営理念等を書で表現している。

 書家香之(雅号)氏は「書を見る喜び、書を描く喜びもまた、人々の心の健康と、幸せづくりのお手伝いができる」との信念をもち、創作、書道教室、手彫り落款の『アトリエ香』代表取締役社長を務めている。2007年の同社設立以降、一貫して、「書を通じた豊かなライフスタイル作りのお手伝い」を目指し、書道の指導、作品展示を通じ、書道文化の普及活動などに取り組んできた。香之氏は3歳の頃から筆を取りはじめるが、管理栄養士や、医院の経営などの企業経営を経て、母親として子育てが落ち着いてきた30代初めに「どうしてもまた筆を取りたい」との強い思いから書道を再開、師範となり、書の作品を発表してきた。
 現在香之氏は、福岡市の閑静な住宅地、大濠地区に新社屋を構え、「食べる」「磨く」「働く」の3つをテーマにライフスタイルの新たな可能性を追求し、生活にフィットした価値あるスタイルを発信する「style fit」の運営や展示スペースでもあるギャラリー「〝現〟(UTUTU)」で、書家として一点一点、手作りでつくる手書き手彫りの落款の販売、書画作品のオーダーメイド制作などを行っている。香之氏は古典から現代書まで幅広い作風を持ち、その書は現代人の生活に無理なく自然体で入ってくる。
 香之氏は、これまでの書道界の常識にとらわれない、斬新なサービスを展開し、その一環として、福岡県内の企業のブランド力を高めるため、その企業理念や社内スローガンを書で表している。クライアントとなる企業の得意事業、思想や方針、所有技術や企業イメージなどを分析し、経営者の思いなどをヒアリングする。さらに書を掲げる場所を確認してその空間にあったイメージを把握する。そして香之氏は、存在感のある書で、経営者の思想や企業が伝えたいを筆に乗せて表現し、企業ブランドの向上に繋げていくのだ。こうしたプロの書道家の手による書を通したブランディングは、日本企業として従業員、消費者に思いを伝える手段に最もふさわしいのではないだろうか。
(ライター/本名広男)
 
株式会社 アトリエ香
TEL/092-791-9887 FAX/092-791-9887
FAX PC TEL BOOK  
ホームページ http://www.atelier-kou.net/
 
株式会社 マルコウ 取締役社長
曽我部幸一氏
昭和23年に創業、平成18年より3代目として曽我部幸一氏が会社継ぎ、その名前の一字から「株式会社みなみ」から「株式会社マルコウ」に社名を変更した。
地元の名水を使ったアイスバーで
石鎚の名水と共にその名を全国区に

名水の郷である愛媛県西条市で、地元の水と厳選素材にこだわった『アイスバー』を
製造販売する「マルコウ」。その昔懐かしい味わいで『甘酒アイスバー』がヒットしている。

 愛媛県西条市は、味わい豊かで新鮮な天然水が湧き出す名水の郷だ。西日本最高峰の石鎚山系でやさしく育まれたその豊かな水源は全国でもめずらしい「うちぬき」と呼ばれ、環境庁選定の「日本の名水百選」や、平成7年と8年には、岐阜県揖斐川町において開催された〝いびがわ〟ミズみずフェスタ実行委員会が主催した「全国利き水大会」で2年連続全国1位のおいしい水に選ばれ、古来より「水の都」として発展してきた。
「マルコウ」は、その西条市の名水を使った『アイスバー』と『あいすもなか』を創業以来64年にわたり作り続け、地元で愛されている老舗だ。同社のこだわりである地元の名水は、ミネラル成分のバランスが良い軟水であり、四季を通じて温度差が小さく、良質のアイス作りに適しているのだ。
 『アイスバー』には「伊予柑、小豆、梅等の種類があり、特に甘酒は全国で好評を得ている。四国では、甘酒を凍らせて食べるのは珍しくなく、馴染み深いものだとか。しかし名水をアイスバーにしたのは同社が世界初だと曽我部社長は言う。
 「弊社が作る『アイスバー』は、水の都四国・西条の石鎚山の地下水を使用し、徳島産和三盆や沖縄の塩であるぬちマース、愛媛県産ハチミツ、寒天を使い、材料に徹底的こだわっています。そして人工着色料、香料、安定剤等の食品添加物は一切使っていません。しかし『あいすもなか』を無添加にするまでには2年の歳月が必要でした」
 一時は大手メーカのカップやコーンのアイス商品に押されて一時製造中止に追い込まれていたとか。しかし、平成元年に復活。自然志向の時流もあり飛ぶように売れてヒット商品となり、『アイスバー』と共に西条の石鎚山の名水を全国に知らしめることとなった。
(ライター/本名広男)
 
株式会社 マルコウ
TEL/0120-459-373 FAX/0897-53-7631
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ホームページ http://meisui-ice.com/
 
リバース工業 株式会社 代表取締役
龍川昌外氏
実家が冷凍機事業を営んでいたことから、自身も26歳の時に同じ業界に足を踏み入れた。2012年で39年目を迎えたが未だに気力は衰えを知らない。大手メーカーが「非常に難易度が高い」と敬遠した超高湿度冷蔵庫の開発に成功し、現在はマイナス50度でデフロストにはヒーターを使用せずデフロストタイムレスの超省エネ冷凍庫『ケルビンX』の商品化に躍起になっている。
温度と湿度が一定
長期保存可能な冷蔵庫

「リバース工業」が開発した『ケルビン冷蔵庫』は、
超高湿度貯蔵庫・熟成貯蔵庫・省電力冷蔵庫の機能を備えた画期的商品だ。

 「リバース工業」は飲食店やレストランなど業務用の冷凍冷蔵設備の開発・製造を中心にして、店舗それぞれの目的や条件に合せてシステム設計を行い、機械の選定やコントロールなどを手掛けてきた。同社が開発した『ケルビン』は、野菜や果物などの生鮮食品からワインの貯蔵まで可能。オフサイクルデフロストシステムで、従来は不可欠だったヒーターが不必要となり、消費電力と二酸化炭素の排出量を最小限にすることができた。その結果、温度と湿度を安定化させることで長期保存が可能になった。
 梨を1年間保存してもまったく劣化が見られず、新鮮そのもの。最も効果的なのはじゃがいもの保存だ。冷蔵庫内に2年保存しても芽が出ることがないという優れもの。その上、低温状態に置かれることで、生き延びようとし、でんぷんを糖化させる。それが甘くなることと同じ効果というわけだ。しかも、種芋として使うことができ、土に埋めれば再び芽が出て芋が収穫できるので食糧の非常時用の備蓄庫として最高。肉を温度1~3度、湿度60~80%、微風という条件で1ヵ月熟成させると、酵素がタンパク質を分解し、うま味成分のアミノ酸に変化。肉の繊維がほぐれてやわらかさが増す。しかも、余分な水分が抜け、まろやかでヘルシーな味わいになる。こうした技術はアメリカでは熟成貯蔵庫として30年程前から浸透している。開発の背景には、「おいしい梨をできるだけ長く食べることはできないか?」と考えたことにも関係する。『ケルビン』はワインセラーとして応用できるだけでなく、メロンを旬の時期に買って、保存しておけば、旬が過ぎてもおいしく食べることができる。飲食業界で使われるようになれば、客がいつでも美味しく食べられるようになる。まさに画期的な商品と言えるだろう。
(ライター/藤井孝)
 
リバース工業 株式会社
TEL/047-336-4817 FAX/047-391-6583
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ホームページ http://masato810.blogspot.jp
 
献上菓舗 大竹屋 三代目オーナー
大竹秀一郎氏
東京千歳鳥山の「たちばな」で6年間の修行ののち、地元静岡菊川の実家の「大竹屋」に。父親の仕事を受け継ぎ現在33年目。創業から100年受け継がれるこしあんを時代に合わせ、美味しいあんと評判に。3年前より研究をかさね、現在店の看板となっている『かりんとう饅頭』を開発、地元の多くのお客さまより好評を博す。

菊川市で一貫して和菓子を
地元密着の愛される老舗

明治神宮献上菓舗に選ばれた「献上菓舗 大竹屋」は、
地域でも愛される美味しい和菓子を作り続ける地元密着店でもある。

 創業からおよそ100年「献上菓舗 大竹屋」は、客が途切れずやって来る地域に愛されている店だ。代々菊川に根を下ろしている老舗で、現在は3代目として大竹オーナーが経営しており、菊川の歴史と共に地元の移り変わりを見てきた。
 店名にある献上菓舗とはどのような意味があるのか。大竹オーナーはその由来をこう語る。
「当店は、菊川で唯一明治神宮にお菓子を献上している『明治神宮献上菓舗』なんです。毎年10月には店の和菓子を明治神宮にお届けしています。きっかけは、私がかつて修行していた店が明治神宮に献上しており、店を継いだときに代々伝わる和菓子を認めてもらいたいとの想いで申請したのですが、数年がかりになりました」
 『明治神宮献上菓舗』は、実績と品質がともなわなければなかなか認められないが、大竹オーナーの情熱と同店の和菓子の品質がそれを実現した。
「うちは本物の和菓子にこだわってきましたからね。保存料などは一切使わず、素の材料だけの和菓子を作ってきました。伝統を重んじる明治神宮には、そこを評価いただけたのではないでしょうか」
 献上菓舗であっても地域では格式張った店としてではなく、気軽に美味しいものが食べられる店として親しまれている。
 その同店の一番人気は、『かりんとう饅頭』だ。最高級の鬼ザラ糖を加え、国産小豆を使った手作りの最上級のこしあんを、沖縄産の黒糖を使用した皮で包んで、米麹から作った高級米油で揚げているので、そのカリカリの食感がたまらない。
「この地域では、大竹屋といえば『かりんとう饅頭』というほど愛されています。ネット通販もしているのですが、伝統あるこだわりの製法のお菓子として、全国的に広めていきたいですね」
 安全で安心な本物の和菓子をこれからもずっと守っていってほしい、菊川に無くてはならない名店だ。
(ライター/本名広男)
 
献上菓舗 大竹屋
TEL/0537-35-2339 FAX/0537-35-5406
FAX PC TEL BOOK  
ホームページ http://ohtakeya.com/
 
有限会社 遠藤農園 代表取締役
遠藤隆志氏
卒業と共に家業の農業に入る。当初はピーマンなどのハウス栽培も手がけていたが、現在は地元の特産である『センリョウ』の栽培を専門に行い、「遠藤農園」として平成8年に法人化する。
日本の正月に欠かせない
家族の絆を深める『センリョウ』

門松や正月飾りに使用する『センリョウ』の専門農園「遠藤農園」。 次世代に伝統を伝えるため、魅力あるものを提供していきたいという。

 「遠藤農園」は茨城県の神栖市で、正月飾りなどに使われる『センリョウ』の栽培を専門に手がけている農園だ。神栖市は、平成17年8月1日に神栖町と波崎町が合併しできた市。同農園は旧波崎町の地域にある。
 元々旧波崎町の地域では『センリョウ』やワカマツの栽培が盛んで、同地域の地場産業ともいえ、この『センリョウ』のシェアは全国7割と日本一の出荷高を誇り、神栖市となった今でも市の花は『センリョウ』となっている。『センリョウ』はこの地域に大正初期に導入された歴史のある特産物で、苗木植栽後3年目から出荷ができ11月下旬頃より実が赤く色付く時期に全国に向けて出荷されている。センリョウ市が開かれるのは年に一度のみ。12月10日頃より販売され、15日頃にはピークを迎える。「遠藤農園」の遠藤隆志代表は商品としての特性を次のように語る。
 「『センリョウ』の出荷は年に一度だけなので、できや需要のバランスをみて売り切るタイミングを見計らうのが難しい商品です。また『センリョウ』は種から出荷まで5年がかり。長期間を見据えての先行投資が必要」
『センリョウ』は正月飾りなど縁起物に使われ、日本人の伝統文化を伝える生活になくてはならないもの。しかし近年はライフスタイルの変化により、ニーズも変化してきたという。
 「最近は三級品の小ぶりの『センリョウ』の需要が増えています。家族のあり方が変わってきたのでしょうか。しかし震災以降は、家族の絆というものが見直されてきており、年中行事を家族生活の節目として大切にする風潮になってきているようで、販売自体は堅調です」
 家族の絆を深める年中行事に使われる『センリョウ』。遠藤代表は「より良質で魅力ある『センリョウ』の生産を通じ、日本の伝統文化の振興とともに家族の絆を深められたら」と語った。
(ライター/本名広男)
 
有限会社 遠藤農園
TEL/0479-48-2080 FAX/0479-48-2212
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株式会社 長寿食材研究所 代表取締役
佐平仁志氏
徳之島伊仙町出身。現在は東京にて徳之島に思いを馳せながら「長寿食材研究所」を経営する。徳之島の人口流出・少子高齢化・農業従事者の高齢化を憂慮し『ボタンボウフウ』を徳之島の特産として商品化して、東京の市場から世界まで発信し販売している。
徳之島の『まぁざく』商品化で
新しい地域活性化のモデルケースに

「長寿の島・子宝の島」徳之島が育む『まぁざく(ボタンボウフウ)』を、「長寿食材研究所」では島おこしのために商品化した。産官学で連携し島の経済を支えていく。

 鹿児島県徳之島は、2名の長寿ギネス保持者を輩出し、「長寿の島」と呼ばれている。また、特殊出生率の1位から3位を徳之島3町で独占した「子宝の島」でもある。しかし近年、過疎化や高齢化が進み、伊仙町では島おこしをと模索を始める。そこで「長寿食材研究所」では伊仙町、大阪大学と連携して徳之島で昔から自生し『まぁざく(万咲)』と呼ばれていた『ボタンボウフウ』の商品化に乗り出した。『ボタンボウフウ』は、「長命草」とも呼ばれ、徳之島では「1株食べれば1日長生きする」と、栄養価の高い食材として煎じて飲んだり、毒消しの効果としても利用されたり、独特の苦みと香りが肉や魚などの臭みを消してくれるので料理にも使われてきた。
 同社はすでに大手食品メーカーなどにOEMとして『ボタンボウフウ』の供給を行っており、韓国の大手製薬会社からの引き合いも来ている。そしていよいよ自社製品として『まぁざく』シリーズとして販売を開始する。まず、徳之島産のオリゴ糖を配合した『まぁざくレディース』。これは、整腸作用と美肌効果を目指した女性のための健康食品だ。さらに『まぁざくハイブリッド』は、ニンニクや各種ビタミンを配合している。この2つの商品で幅広い層にアピールしていく。
 『ボタンボウフウ』は台風による塩害に強く、その上生命力が強いので年に4回の収穫が可能だ。現在は「まぁざく生産者会」の30人の農家が3ヘクタールで栽培している。『まぁざく』シリーズの販路が構築されれば、地域の農家にとっても高い収益が可能となる。「長寿食材研究所」では、一過性の流行に終わらせるようなことのないように伊仙町、大阪大学と手をとり、じっくりと息の長い商品として『まぁざく』ブランドを定着させて、徳之島の振興に結びつけていくという。
(ライター/本名広男)
 
株式会社 長寿食材研究所
TEL/03-5847-4025 FAX/03-5847-4035
FAX PC TEL BOOK  
ホームページ http://www.cho-ju.co.jp/
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