令和のブームはこれだ! 2021

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園児の豊かな感性育む野外劇開催
コロナ禍にめげず積極的保育実践

3密回避の工夫重ねる
自由遊びが学びに進化


 2021年5月に開園45周年を迎える大阪府大東市の幼保連携型認定こども園『大東わかば保育園』は、子どもたちの感性を育む独自の取り組みが保護者から支持され、少子化の中でも入園希望が多い地域の保育拠点だ。園長山本良一さんは運営に当たって安心、信頼、感動の3つの言葉を重視、感性を育む取り組みは感動に関わる活動だ。2020年10月3日に行われた運動会の野外劇「合同あそび」はその象徴。コロナ禍の影響で例年より縮小されたが、コンセプトが鮮明に伝わる。
 運動会は約350㎡の園庭で行われ、「合同あそび」はその中心となるプログラム。子どもたちと先生が協力しながら、全体の主軸となるストーリーを決め、それに沿ってクラスごとに遊びと役柄を考え、7ヶ月間かけて準備する行事だ。0歳児から5歳児までの園児が様々な生き物の役として登場、日常の保育で取り組んでいるアスレチックやマット運動、組体操などの動きを応用しながら物語を演じる。
 2020年の「合同あそび」は、コロナ禍の影響で例年とは様相が変わり、準備が6月から始まったほか、運動会自体も3密を避けるため0歳児~3歳児の部と4、5歳児の部の2部に時間を分けて開催した関係で全園児が通して演じることはできなかったが、「ジャングルの中の生きもの」をテーマに、それぞれの部で園児たちは元気に演じた。
「『合同あそび』は、準備するプロセスそのものが子どもたちを大きく成長させるのです。言葉やストーリーを理解する力も伸びますし、年齢の壁を越えて子どもたちの絆も強まる効果があるのです。劇をご覧いただいた外部の保育関係者も高度な内容に驚かれます」
 運動会も合同あそびも、山本さんが確立した独自の「積極的保育」の理論に基づく保育プログラムの一環だ。その理論を山本さんは「現実的な諸問題にとらわれずに、子どもの力を信じて伸ばしていくことを第一に考えて、保育に取り組むこと」と定義する。現実的な諸問題とは、行政への書類提出、各種審議会や保育団体などからの文書、研修会の案内、研究機関などからのアンケートなどへの対応、不審者対策、感染症対策、虐待問題、情報公開、業務の記録化など保育の第一線が直面する事務上の様々な問題を指す。
 こうした状況の中で、園長が強い心を持って保育士などスタッフの力を合わせ、保護者や地域の住民の理解とバックアップを得ながら保育に全力で取り組む覚悟を示したのが「積極的保育」だ。この理論の実践では、「安心」をもたらす見守り、「信頼」を醸成する子どもへの配慮、「感動」を生むあそびを大切にしながら保育を進める。
 中でも、山本さんは、年が離れた子ども同士が自由に遊ぶことの大切さを強調する。
「少子化、核家族化、働く母親の増加、テレビゲームの普及、遊び場の不足など子どもを取り巻く環境は大きく変わり、子どもだけで自由に遊ぶことが少なくなってしまったうえに、子どもが巻き込まれる事故や事件もあり、子どもだけで家の外で遊ばせることに社会全体が消極的になっています。こうした傾向は子どもの成長にいいはずはなく、年が離れた子ども同士が自由に遊ぶ機会を保育園で設けることは重要と考えます」
『大東わかば保育園』では現在、約110人の子どもが在籍し、「現実的な諸問題にとらわれずに、子どもの力を信じて伸ばしていくことを第一に考えて、保育に取り組む」という山本さん独自の「積極的保育」の下、保育士、栄養士、看護士など合わせて約25人のスタッフが保育する。こうした理念を投影させたのが「自由遊びの時間」だ。木製遊具、砂場、うんてい、アルプスが配置された園庭で、年齢ごとにクラス分けした保育とは別に、午前8時半~9時半、午後4時前~4時半の2回、1歳児から5歳児までが一緒に遊ぶ。昼食後も歩ける0歳児、1歳児、2歳児、3~5歳児の順に園庭に出て思い思いに遊び回る。
「子どもたちが気持ちの向くままに遊ぶ時間を持つことは大切だと考えて導入したのが自由遊び時間です。年齢の壁を越えて自由に入り乱れて遊ぶと、自然に友達との遊び方を学んだり、危険を察知して避ける力を身に付けたりして、自分を伸ばすことに意欲的な子どもが育っていくのがわかります。何気ない遊びが学びに進化していくのです。自由遊び時間の間、園長や保育士、職員は子どもたちの中で、なるべく干渉しない姿勢で見守るようにしています。0歳児、1歳児、2歳児が給食後に園庭に出て遊ぶ保育園は公立、民間ともほとんどありません」
 感動する心を育む様々な行事はコロナ禍で中止になったものも多いが、例年だと、年初めのししまいや凧揚げから星まつり、夏まつり、運動会、親子遠足、芋ほり、ハロウィン、クリスマス会、お泊り保育、プラネタリウム見学、生活発表会などが開催され、園長、職員、ときには保護者も参加する。子どもたちと一丸となって楽しく取り組む。
「信頼」も山本さんが大事にしているキーワードだ。
「子どもの周囲の大人に対する信頼は、毎日の小さな具体的な事実の積み重ねによって強くなっていきます。安全や清潔、秩序などに重点が偏りすぎた保育がなされていて、一人ひとりの子どもの状態や気持ちに配慮が不十分だと、子どもは信頼を強めていくことが困難になります。職員全てが子どもの立場に立って、子どもの気持ちをできるだけ配慮することをいつも忘れないようにするという姿勢を大切に、日々の保育に取り組んでいます」
 山本さんのこうした取り組みの全体像は、「明るい保育は未来を明るくする 『積極的保育』のススメ」「よい保育の場を求めて 大切なことはみんな保育園で学ぶ」「子どもたちの輝く未来のために 子どもの力を伸ばす積極的保育のすすめ」などの著書で詳述、保育問題を考えるための視座を与えるだけでなく、保育士を目指す若い世代や保育園経営を目指す事業者へのメッセージにもなっている。
「コロナ禍は、保育現場にも様々な影響を与えていますが、子どもたちの成長のために工夫しながらできる限りのことをしていきたいと思っています」
(ライター/斎藤紘)

社会福祉法人 弘法会 認定こども園 大東わかば保育園
TEL/072-878-4121

イメージギャップのない家づくり
施主の夢希望を正確に設計に投影

本格VRで構造を確認
独自コンセプトも魅了


「VR(ヴァーチャルリアリティ)で、建ててからでなければわからなかった家事導線や空間イメージなどを体感することによって、イメージとギャップのない家づくりを行うことができます」
 フルオーダーでの新築住宅づくりに山梨県内では初めての本格VRによる確認プロセスを導入した『株式会社ラックオリジナル』の代表取締役CEO𠮷原良さんが重視するのが、施主の希望や夢を自由設計の構造やインテリアデザイン、エクステアデザインにいかに反映させるかだ。
「一生ものの住宅を建てられるお客様の考えは千差万別。まずは同じ目線に立ってライフスタイルを把握することから始めます。差し支えなければ、これまでのお住まいに伺い、不便だった点などの状況も頭に入れ、絶対に欲しい物やあったら良いものなどの希望を考慮しながら住空間をプロデュースしていきます。また、5年、10年、30年後に家族がどんな生活をしているかを想像して頂き、部屋の構成なども考えていきます。手掛けているのは全て、お客様の家でもあり自分の家でもあるという気持ちで臨んでいます」
 同社に家づくりを依頼する施主は、𠮷原さんの空間プロデュースの実績で浮き彫りになったコンセプトに惹かれたケースが多いという。その一つ、家族の一体感が生まれる空間、子供の五感を育む室内環境を工夫する「五感を育む家づくり」。
「子どもは、外部からの複雑でやわらかな刺激を多く受けると、感性豊かに育つと言われています。心地よい風やひだまりを実感しながら家族と触れあう大空間の配置、子供たちがのびのびと心も身体も元気に感受性豊かに成長できるように住空間を設計していきます」
 もう一つが、近年の住宅の高断熱、高気密化傾向で希薄になる一方の自然との接点を重視する「四季を感じる家づくり」。
「春夏秋冬の変化によって私たちの感性が育まれます。開口部を大きく取れば通気性もよく、太陽も近くなります。私たちに豊かな暮らしと創造力を与えてくれる自然との接点を大切にした構造を設計に落とし込んでいきます」
 耐震性、耐久性、耐火性、省エネ、環境への配慮をベースに、オリジナリティに富んだハイセンスの住空間が顧客満足度を最大化する。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 ラックオリジナル 甲府店
TEL/055-268-2904 
Eメール/ info@uck-original.co.jp
ホームページ 
https://luck-original.co.jp/

家は住む人のキャンパス
自分らしさを設計で実現

住む方と二人三脚で築く
心から納得のいく住まい


 岐阜県土岐市で注文住宅やリフォーム・リノベーションの設計やデザインを手がける『アンドウ設計事務所』は、積み重ねてきた数多くの経験と実績に基づき、暮らすご家族と二人三脚で造りあげるハイクオリティーな住まいで定評がある。
 一級建築士の資格を持つ所長の安藤孝彦さんは、住宅や医院など多彩な設計を手がけるとともに、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造といった各構造にも精通。構法の長所を活かしながら、建物の外観や間取り、内装やインテリアなど、すべての要素に対して、住む方の好みや理想を反映させ、オンリーワンの家づくりをサポート。もちろん、耐震強度、断熱性能、地域の気候風土などにも配慮し、快適さを作り出している。
「家はそこに居る人の生活のキャンパス」というのが安藤さんの考え方。「好き」「気持ちがいい」という感覚を積み重ね、住まう人が成長し、思い出が刻まれていくことで、素敵な空気が創られていく。そのための場を創造するのが、安藤さんの仕事だという。また、「家を創る作業はあらためて自分を見出すこと」というのが安藤さんの持論だ。画一的な固定観念に囚われていた自分を解放し、自分流のリズムが存在する場を、ともに創っていきたいと語る。
 マイホームの建築は、ほとんどの方にとって一生に一度のビッグイベント。「愛着のわく住まいにしたい」「後悔のないようしっかりと考えたい」と考えるものだ。同社なら、希望をきめ細かく聞き取ったうえで、完成後にそこで暮らす家族のことを第一に考えて設計・デザインに落とし込んでくれるので、家づくりが安心に進められる。
 また、リフォームやリノベーションにも豊富な知見を注ぐ。高齢者に配慮した介護リフォームや、断熱性能・省エネ性能を考慮したリフォームも好評だ。
 自然素材を多用し、家具や照明も、住まいの一部として丁寧にデザイン。木工作家や陶芸家ともコラボレーションするなど、豊かな生活のために妥協なく取り組んでいる。
 住宅から店舗、医院まで様々な建築を手がける同社。心から納得のいく建築の実現に、日々力を注いでいる。
(ライター/ナガノリョウ)

アンドウ設計事務所
TEL/0572-59-1215 
Eメール/ info@atelier-ando.com
ホームページ 
https://atelier-ando.com/

マンション大規模修繕支援で示す
包括的フレームワークに実力投影

確実に長寿命化を実現
融資制度の活用も助言


 建築環境工学、構造力学、建築材料、建築法規などに精通した一級建築士の国家資格を持つ『K15建築設計事務所』の代表取締役上村允郎さんは、マンション大規模修繕のコンサルティング事業を先駆的に始めた建築家だ。高経年マンションが増えていく時代のニーズを洞察する先見性に止まらず、修繕積立金管理支援から劣化診断、修繕計画作策定、施工業者選定、施工法提案、施工監理まで業務提携会社との連携で包括的にサポートするフレームワークを構築し、多くの管理組合から厚い信頼を得てきた。
「国交省が建築後30年超のマンション管理組合を対象にした調査で、配管や給水設備の劣化や地震などに対する安全性の不安が5割を超えています。実際、1981年以前の旧耐震基準で建てられたマンションの6割は耐震性不足が指摘され、塗装や防水面で深刻な問題を抱えたマンションが少なくありません。マンションの居住環境や資産価値を良好に維持するためには、経年劣化に対応した計画修繕工事を適時適切に実施することが不可欠です。国交省が2020年に先導性の高いマンション再生のプロジェクトを支援する事業を実施したのも、急増する高経年マンションの適正な維持管理と長寿命化を促すのがねらいでした」
 上村さんの大規模修繕支援のフレームワークは、修繕積立金の不足などの課題を総合的にとらえたアドバイスのほか、修繕に当たっては、設計、構造、設備、防水、塗装などの専門家がプロジェクトチームをつくって取り組む点に特徴がある。劣化診断では「非破壊調査SST研究所」、修繕工法ではタイル色合わせシステム工法を共同開発した「ピアレックス・テクノロジーズ」、土間タイルや石面の滑り止め工法で実績を重ねる「ナカノセラミック」との連携に加え、水回りの「TOTO」、建材の「大建工業」、窓やエクステリアの「YKK AP」、住設システムの「ノーリツ」の4社と連携してリフォームもプロデュースする。
 上村さんはさらに、マンション再生を支援する住宅金融支援機構の融資制度についても助言し、この制度を活用する上で必要な返済計画など組合に求められる対応策を数字で示すシミュレーションも引き受け、区分所有者の理解と合意につなげていく支援も行っている。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 K15建築設計事務所
TEL/06-6809-4303 
Eメール/k15_kamimura@yahoo.co.jp
創造と技術のちいさな不思議な会社
ホームページ 
http://www.kei-ichigo.com/

大きく広がる建設事業のウイング
グループ企業の力結集し事業展開

独自の人事哲学を貫く
海外での事業にも注力


 土木、建設工事の初めから終わりまでの全プロセスをカバーできる体制をグループ企業で形成、文字通り、「建設のトータルサービス業」として地域社会の発展に貢献しているのが栃木県真岡市の『ライフグループ』だ。株式会社4社、従業員約600人のグループの頂点に立って経営を牽引する会長菱沼博之さんは、若くして10数億円もの借金を背負うどん底から再起して事業を成長軌道に乗せた立志伝中の経営者。
社長を務める妻の国子さんと二人三脚で人生も事業も切り拓いていく。
 グループは、中核の『ライフ建設』と『ライフ興産』『ライフ開発』『ニシオカリース』で形成、土木・建築工事、造成工事、舗装工事、外構工事、解体工事、建設残土処分、重機・車両リース、不動産関連事業、太陽光・風力・水力発電トータルプランなど約13事業を展開、海外でもダムの建造や水力発電の開発など人道支援的な事業も手掛ける。
「当グループでは、県下に数台しかないような特殊作業車も揃えているほか、熟練のオペレーターも擁していて、再可能エネルギー事業まで含めお客様の多様なニーズにワンストップでお応えできる体制を整えていることが強みであり、同業他社より常に一歩先んじて作業環境を整えてきたことが信頼につながっていると思っています」
 菱沼さんは、「人材こそ企業の要」として、こうした事業を一線で担う従業員を大事にしてきたが、採用に当たっては、学歴などのキャリアより、熱意、誠意、創意の3点が備わっているか否かを重視して人物を評価、その結果、国内外の様々な人材が登用された。
「経営の本質は、利益を追わずに人を追うことです。当グループでは、一人ひとりの従業員同士が切磋琢磨しながら持ち味を活かして頑張れるような環境整備に力を入れてきました。従業員は皆優秀で、現場を任せられる者も育っています。会社の期待に応えて頑張ってくれている従業員には、グループ会社の経営を任せることも考えています」
 グループの力を結集して事業のウイングを広げてきた菱沼さんが今後の展開で重視するのが人道支援的な海外事業の拡充だ。
「まだまだチャレンジ精神は衰えていないと自負しております。今後も人のために役立つ仕事を続けていきたいと思っています」
(ライター/斎藤紘)

株式会社 ライフ建設
TEL/0285-81-7916 
Eメール/ lifeconstruction@themis.ocn.ne.jp
ホームページ 
http://life-group-global.com/

基礎工事に光る職人気質と匠の技
手掘りによる美しい仕上げに評価

見えぬ部分で努力傾注
基礎外周部も徹底養生


 長い間、売れなかった建売住宅が売れた。買ったのは大手ゼネコンの現場監督。床下の整然とした基礎を見て、「手を抜いていない」と家全体を評価したのだ。この基礎を担ったのが『有限会社信和土建』の代表取締役宍戸信照さん。基礎は家が完成すれば見えなくなるが、「見えないところをきちんとやれば、見えるところもきれいに仕上がる」と、機械に頼らず、スコップで根気よく掘り進める手掘りにこだわる。この努力が種となり、芽を出し、花を咲かせ、実をつけるように声価を高めていった。
 宍戸さんは、建物の正確な位置を出す丁張り作業は昔ながらの水糸を使って誤差をなくす。打ったコンクリートを均す作業も左官鏝作り約100年の歴史を刻む兵庫県三木市のメーカーの伝統を受け継ぐ名工の鏝を使って1ミリの凸凹も、はみ出しもなく、角も90度に美しく正確に仕上げる。工事後も、後工程の大工や左官などの職人が仕事をやりやすいように基礎外周部をきれいに養生し、汚れも残さない。こうした仕事ぶりが、住宅検査専門会社ホームリサーチ社が優れた建築職人を顕彰するマイスター制度で、「整然とした規則正しい施工状態」「均一で良好な転圧状態」などと高く評価され、宍戸さんは最高レベルの三ツ星の配筋マイスターと転圧マイスターに認定された。
 いずれ見えなくなる基礎工事にこれほどのこだわりを持って臨む宍戸さんについて、仕事を陰に陽に支えてきた妻の直美さんは「負けず嫌いの上に、自分で納得しなければ済まない性分」と目を細める。
 宍戸さんが土木工事業界に足を踏み入れたのは少年期。親方や先輩職人の背中を見ながら技術を培い、一歩一歩前進してきた。
「小型重機が出た時に導入してみたのですが、現場での移動に手間がかかったり、角の仕上がりがきれいにできなかったりで、以後、手掘りにこだわってやってきました。機械でやった方が早く、人件費も抑えられるのではといわれることもありますが、手掘りは難しい地形にも対応できますし、何より仕上がりが美しく、無駄な土も出ません。お客様からお金を頂いて仕事をする以上、妥協を許さず、完璧に仕上げなければなりません。体力の続く限り、この方法を続けていきます」
 職人気質と匠の技が、宍戸さんを仕事に輝きを与える。
(ライター/斎藤紘)

有限会社 信和土建
TEL/042-763-4443

掌に乗る高度レーザーが
世界を変えるイノベーション

光が拓く新しいエネルギーから
生体応用まで


 レーザー技術開発の最先端として国内外から注目を集めているのが小型集積レーザー。手のひらに乗る小型のレーザー装置で、マイクロチップレーザーとも呼ばれている。小型集積レーザーは、低価格で小型化を実現し、モバイルやユビキタスにも対応。メンテナンスフリーな上に信頼性が高く、安定して活用できるため、産業・医療分野での実用化が期待され、産学協同の研究が進められている。この小型集積レーザーの研究・開発に尽力してきたのが、『自然科学研究機構分子科学研究所』社会連携研究部門の特任教授平等拓範さんだ。
 平等さんの研究は、光の波長と同程度のミクロンオーダーで物質・材料の性質を制御することで光波を高度に操る「マイクロ固体フォトニクス」。マイクロドメイン制御で物質に新たな光機能が発現でき、マイクロ共振器による高コヒーレント光・高輝度光発生が望めるようになった。そしてレーザー性能をさらに高める新材料として、マイクロチップレーザーの高性能化の中、レーザーセラミックスを発掘。非線形素子の開発を含めた物質・材料研究の成果として、マイクロチップレーザーによる世界初のレーザー点火エンジンによる自動車の走行実験エンジン点火に成功した。
 自動車のエンジン(内燃機関)の熱効率は、高圧縮燃焼、希薄燃焼を追求することで高い効果が望める。しかし、このような状態では火がつきにくいという難点があった。そこで、現在の電気火花点火に代わり、レーザー点火に注目が集まった。強力なレーザー光を未燃混合気に集光することでブレイクダウン(絶縁破壊)を引き起こし、これにより生成される高温プラズマを用いて点火させる方式だ。ところが、点火に必要なエネルギーを持つレーザーは大型で、かつ振動や温度変化を嫌い、さらには高価なことから非現実的と考えられてきた。平等さんは、これまでの固体レーザーとは異なる方式を採用し、さらにジャイアントパルスマイクロチップレーザーを試作。市販の2・0L、4気筒のガソリンエンジンの点火に適用した。これまでの点火に比べ、少ないエネルギーで効率の良いレーザー点火を可能としたのである。レーザー点火方式は、まだ実用化には価格など課題が残るが、普及が進めば多大な省エネ効果も見込める。まずは、ガスコジェネーションや宇宙ロケットエンジンの点火からの展開を目論んでおり、世界で注目されている。そして、エンジンのような過酷な環境下でも小型構成でメガワット出力を安定に出すことができたことから、単なる穴開け並みならずレーザーピーニング(表面改質)、ピーンフォーミング(変形加工)などのレーザー加工、光音響波によるコンクリート壁面の非破壊内部診断、LiDAR、スキンセラピーから白内障・緑内障手術など産業界からインフラ整備、バイオ・医療までの展開が期待されている。特に小型構成で手のひらに乗るため、ロボットアームに搭載し、現場に持って行くなどの議論も為されている。さらには福島廃炉を念頭に、細い燃料棒からマイクロチップレーザーを挿入し、燃料デブリをLIBS分析するなどの提案も出ている。先端科学であるレーザー加速に資する高性能レーザーの研究開発と、その高性能レーザーが産学連携にも展開できるとの社会実験に挑戦している。
 マイクロ固体フォトニクスというミクロの世界から、加速器というビッグサイエンスとの未来へ。新たな時代の始まりが見えてきそうだ。
(ライター/ナガノリョウ)

分子科学研究所
TEL/0564-55-7418 
Eメール/ taira@ims.ac.jp
ホームページ 
https://tila.ims.ac.jp/ 社会連携研究部門

世界初のセラミック放電加工実現
高速・高品位・高精度化技術を確立

最先端産業分野下支え
技術の進化を徹底追求


 衣装缶などを製造する鉄工所から、航空機や宇宙船、自動車、半導体、医療器機、電子機器などの超精密部品の受託加工で最先端の産業分野を下支えする会社に大変貌を遂げたのが1964年創業の『株式会社橋川製作所』だ。この業績を牽引したのが二代目社長橋川栄二さん。自然界の落雷現象を応用した電気加工技術で、従来の機械加工では困難な難加工領域を補完的に追加工することが可能な放電加工技術の進化を追求し、世界初の導電性セラミックスへの高品位高精度の放電加工技術を開発、同社の存在感を飛躍的に高めた。放電加工技術がどんなものか、橋川さんがだれもが分かる例として上げるのが、犬や猫などの動物の顔が描かれたプレートを大量に生産するための金型への加工だ。
「金型の素材は、ダイヤモンドに次ぐ硬さを持つ超硬合金などの硬い金属であるため、機械による精密加工でも複雑な形状に加工することが難しい場合が多いのです。そんな時に力を発揮するのが放電加工。プレートの金型の例では、猫の顔の形をした電極を作って電極と硬い金属の間で電圧をかけ、放電による火花で正確に犬や猫の顔の形に加工するのです。機械加工では生み出せない、表情の細かい部分まで加工を実現することができます」
 この手法を図面形状の総型電極を転写させることを基本とする形彫り放電加工法といい、専用工具を自作してからの対峙断面加工となるため、特殊加工の中でも最も習得が難しいといわれる技術。橋川さんは、この技術について独自の理論を体系化して高速、高品位、高精度化技術を確立し、技能者の育成にも力を入れてきた。こうした努力の延長線上で生まれたのがセラミック材を加工することができる徴細加工技術だ。
「放電加工機を改造した上で、独自のチューニングノウハウを駆使して最適条件を確立し、三次元の複雑な微細形状の彫り込みを高速、高精度で加工できる技術です。汎用の放電加工法では、セラミックの絶縁材料比率が高いと極間制御が機能せず、安定放電が損なわれ、アーク不良に至る確率が極めて高いのですが、当社で開発した独自条件によってこの課題を克服することができるようになりました」
 この技術で橋川さんは、ものづくり日本大賞で中国経済産業局長賞を受賞している。社員が6人の小さな会社だが、技術の役割はすこぶる大きい。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 橋川製作所
TEL/082-282-0903 
Eメール/info@hashikawa.co.jp
ホームページ 
http://www.hashikawa.co.jp/


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東京都新宿区新宿2-15-2岩本和裁ビル5F
TEL.03-3352-8107 FAX.03-3352-8605
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