日本が誇るビジネス大賞 2015


イギリス生活情報誌 
月刊
ミスター・パートナー
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株式会社 シルフィード 代表取締役
南眞理氏
大阪府出身。25歳で辻調理師専門学校に入り、全科目を学ぶ。26歳から自宅で料理教室『サロン・ド・ミナミ』を開設。2009年に『株式会社シルフィード』設立、料理教室と次女奈緒さんが院長の『シルフィード鍼灸院』を経営。滋賀県にある別荘「雪の華山荘」では半断食デトックス合宿セミナーも開催。

食養生で美味しさを追求
笑顔が開く創意の調理法

 「なるべく食べない方がいいものを極限まで減らし、その分の旨みを補う食材と調理法の工夫で美味しさを保つ」大阪のマンションの一室で料理教室『サロン・ド・ミナミ』を主宰する南眞理さんが40年超の料理指導経験と吸収した多様な知識から導き出した独自の食養生の極意だ。出来上がった料理の美味しさに教室は笑顔であふれる。
 南さんは、大学卒業後、辻調理師専門学校に入り、フランス料理と洋菓子を中心に調理法を学び、自宅を拠点に料理を教え始めた。その南さんが、食養の考え方を料理教室に取り入れたのは、自身と家族の健康問題がきっかけだった。
「次女が、激しいアトピー性皮膚炎で苦しんでいて、なんとかしてやりたいと思ったことと、私自身もヘルペスで体調を崩して悩んでいた時、当時その娘が修行させていただいていた鍼灸院の先生の治療と食養指導を受けてみたところ、瞬く間に症状が改善したのです。娘のアトピーもほぼ完治」それから食養生の考え方を料理に生かす方法を模索し、食養で一歩先を行く次女に教わりながらも色々な方法を学び、結局たどり着いたのが、美味しさの追求。
「体にはいいと思っても、味気ない食事だけでは楽しくありませんし、長続きさせるのは難しい。そのためには食べ方と調理法を工夫する必要があると思ったのです」
料理教室では、和食、イタリアン、フレンチ、エスニック、中華など色々なジャンルの料理を教える。
「でも私の仕事はあくまでも、美味しい食事で病気にならない心と身体を作るお手伝いをすること、娘の仕事は、病気の方と共に食養鍼灸で完治を目指すこと、二人の方法は違っていても同じ方を向いて進むことにより、いつか多くの人の役に立てるのではないかと思っています」
 次女奈緒さんは食養鍼灸師として『シルフィード鍼灸院』を開設し、一般社団法人自然療法機構理事や植物療法士としても活躍している。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 シルフィード
<株式会社シルフィード><サロン・ド・ミナミ>
TEL:06-6941-6927 FAX:06-6941-6927
<シルフィード鍼灸院>TEL:06-6210-5090
ホームページ http://sylphide.sakura.ne.jp/

株式会社 パステル観光 代表取締役
清水俊一氏
山梨県出身。大学卒業後、地元の金融機関に就職。その後、家業の旅行業を継ぐために長野県の旅行会社で8年間修行を積む。2013年、先代が他界したことを受けて二代目として家業を継ぐ。
楽しい旅と笑顔を作る
地域密着の旅行業

 『パステル観光』は、中小ならではの細やかなサービスでお客様に楽しい旅を提案する地域密着型の旅行会社。
 代表取締役清水俊一氏は、長野県にある大手旅行会社のグループ企業で8年間修行した後、創業者である父親の会社で共に仕事をするようになったという。2013年に代替わりと同時に法人改組、地域に根ざした旅行業を展開している。
 都心の旅行会社のように店舗を構えてお客様を待つのではなく、同社では地元のグループ旅行のお手伝いを主体に行っている。お客様の多くはリピーターで、職場の仲間や趣味の集まりの団体など様々。このような客層の背景には、山梨県ならではの習慣がある。
「山梨には昔から「無尽」という習慣があるんですよ。これは、決まったメンバーで集まって食事をしたり飲んだり、旅行に行ったりするコミュニティーで、そういったお客様がとても多いので、県内には中小の旅行会社が67社もあるんですよ」
 かつては県内に120社あった中小旅行業者の数もインターネットで旅行を申し込む波に押されて今ではその半分ほどに減少。しかし、『パステル観光』はお客様の要望にできる限り応えることで高い信頼を集めてきた。
「私共の範疇ではないことを求められたり、利益がでないような案件を依頼されたりすることもありますが、できることは快く引き受けることがポリシーなんです。その時には利益につながらなくても、それがいずれプラスにつながればいい」
 清水氏が目指すのは、利益を追求するのではなくお客様の笑顔を作る旅行だ。
「お客様に喜んで頂くことにやり甲斐を感じます。険しい表情をしていた人が、宴会でお酒が入って笑顔を見せて下さったり。そうした様子を見ると嬉しくなりますし、この仕事をしていて良かったと思いますね。今後は、日本を訪問する外国人を対象にした旅行も扱っていきたいと思っています」
(ライター/馬場紀衣)

株式会社 パステル観光
TEL:0551-36-4560 FAX:0551-36-4582

人吉温泉鍋屋本館 女将
富田千鶴子氏
熊本県出身。江戸時代創業の老舗旅館『人吉温泉鍋屋本館』の女将。1994年、人吉温泉街の女将と女将の会を結成、市内の桜並木に因んで「さくら会」と命名。背中に「ひとよし」と染め抜いたピンク色の法被を着て観光PRに奔走。2012年に国土交通省の観光関係功労者大臣表彰で表彰される。

女将パワーで観光を活性化
ピンクの法被姿でPR活動

 そろいのピンクの法被姿で人吉観光の活性化に奔走してきた女性たちがいる。熊本県人吉市の人吉温泉郷にある10の旅館の女将の会「さくら会」の面々。その活動を牽引してきたのが会長で老舗旅館『人吉温泉鍋屋本館』の女将富田千鶴子さん。旅館を切り盛りする若女将を支えながら地域活動に打ち込む姿は桜の花言葉どおり優美な女性だ。
『人吉温泉鍋屋本館』は球磨川の中央に位置する人吉温泉郷で文政12年(1829年)から度量衡、鍋、釜を商い、相良藩の旅籠として営業してきた。富田さんが発起人になって「さくら会」を結成したのは、1994年。九州自動車道の鹿児島延伸で観光客の足が遠のき始めたことに危機感を抱いたことがきっかけだった。
「女将さんたちと毎日のように連絡を取り合い、アイデアが出たら、即実行をモットーに活動してきました」。ひな祭りに合わせて企画した「母から娘へ、娘から母への手紙」コンクール、肥薩線全線開通100周年記念のカフェ開設、隠れキリシタンを連想させる市内の散策マップの作成、球磨焼酎「ひとよし女将桜」や源泉100%の無添加ミスト化粧水「人吉温泉みすと」の開発など活動は多岐にわたる。九州新幹線の全線開通後は関西からの観光客誘致に力を注いだ。
「笑顔の大切さ」「聞き上手であること」「何か一つでも相手に喜ばれることを」。富田さんが老人ホームの講演会に講師として招かれ、強調したサービス業の心構え。活動にもこの精神が貫かれている。
 会発足20周年を記念して国宝・青井阿蘇神社の境内に、枝垂れ桜の苗木2本を植えた昨年の行事で挨拶した富田さん。「多くの人に支えられながら、走り続けてきました。時代の変化が激しくなってきましたが、勉強を重ね、今後も観光のためにがんばります」と決意を語った。
 富田さんは国土交通省の観光関係功労者大臣表彰で表彰されている。
(ライター/斎藤紘)

人吉温泉鍋屋本館
TEL:0966-22-3131 FAX:0966-22-3135 Eメール:info@nabeyahonkan.co.jp
ホームページ http://www.nabeyahonkan.co.jp/

有限会社 泉デザイン工房 代表取締役
三浦好昭氏
山形県尾花沢市出身。学業終了後、デザイン、看板作りで修業し、1985年、『有限会社泉デザイン工房』設立、看板製作を軸に、ロゴマークやキャラクターのデザイン、トータルプリント、塗装などを手掛ける。39歳で尾花沢市観光物産協会会長に就任、地域活性化に奔走。現在は日本スイカ割り推進協会の会長として、「スイカ割りはスポーツだ!」とスイカ割り大会を推進している。

ご当地キャラで地域活性化
特産スイカの知名度アップ

 くまモンやふなっしーに負けず頑張っているご当地キャラクターがある。ユーモラスなスイカの形をした「もとなりくん」。今年24歳の尾花沢市観光大使。東京・六本木で開かれたスイカ祭りで愛嬌を振りまき、人寄せの役割を果たした。生みの親は『泉デザイン工房』の三浦好昭社長。この人気者が活躍する場を広げる構想は膨らむ一方だ。
「人間が言えないことを言え、できないこともやってくれ、夢を形にしてくれる。それがキャラクターの力。命を吹き込み、物語を作るのが私の仕事。もっと社会貢献してもらおうと思っています」
 東京消防庁のOBたちが宮城県気仙沼の震災被災地でガレキ撤去のボランティア活動をしたとき、「もとなりくん」にヘルメットをかぶせ、スコップをもって応援に駆け付けさせたのも社会貢献。
 39歳で市観光物産協会会長に就任、世界に向けて〝スイカの町〟尾花沢と尾花沢スイカをアピールするために生み出したのが「もとなりくん」。名前は形が悪く間引かれる一番成りの「もとなりスイカ」に因む。間引かれることで2番目以降のスイカが形よく育つことから、「犠牲になって役立つ」気概の意を込めたという。
 全日本スイカ割り選手権の開催、間引かれたスイカの漬け物の考案など次々にアイディア企画を打ち出し、尾花沢スイカの知名度を上げる活動を展開してきた。今、準備を進めているのが、観光地の徳良湖畔の民家を改造した「スイカフェ」。スイカを使ったカレー、プリン、鯛焼き、アイスを売り出し、観光客に立ち寄ってもらう計画だ。
「今、もとなりくんの二世を考えています。最後に残ってころがっているスイカに因んで、うらなりくんと命名するつもりです。どうにもならないモノに光を当てる、そんな想いからです。一世に敗けず、まち興し、地域の活性化にがんばってもらうつもりです」
(ライター/斎藤紘)

有限会社 泉デザイン工房
TEL:0237-22-0501 FAX:0237-22-0370 Eメール:izumi.dk@axel.ocn.ne.jp

ボーイングB737のドライリース事業
2013年に大型旅客機ボーイングB737を1機購入し、現在大手エアラインにドライリースしている。貸し手は機体のみで、保険や維持を借り主側が行うのがドライリースだ。
(右)ORIENT BLD No.111
SkyViewTower (スカイビュータワー)渡辺通
福岡市中央区高砂1丁目2番4号
構造/20階建て HRC 全170戸
サービスアパートメント(家具付き)、20Fにスカイラウンジ、スカイビューフィットネス(お客様専用)
H27年5月着工

入居者のメリット最優先で
賃貸保有戸数日本一に

多彩な付帯サービスで
快適なマンションライフ

 東京、福岡、広島など全国で賃貸マンションの開発・保有を行う『オリエントキャピタル株式会社』は、賃貸保有戸数9年連続全国1位、全所有物件稼働率約99%という驚異的な数字を誇る。物件はワンルームタイプから数百戸が入る大型、 フィットネスジム付き、さらには商用施設やオフィスとの複合タイプまで様々だが、共通しているのは、入居者が喜ぶ多彩なサービスや施設が付いていること。置き薬にランドリーサービス、家具・家電品のレンタル、トランクルーム、監視カメラ、各種オートロック。引越しに伴う手配や不用品の引き取り販売、転入届けなど行政手続き代行もしてくれる。また緊急通報システムや入居ごとの鍵交換、宅配ロッカー、広めのシステムキッチンやワードローブ……これらは女性たちが強く支持するものだ。事実、入居者の72%が女性。その紹介も多いという。
 山本親幸社長は、「いつも『どうしたらお客様、つまり入居者に喜んでいただけるかを常に考えています。たとえばエアコンが壊れたら修理ではなく取り換える。その方が早い場合です。コストではないのです。快適で便利でハイセンスな暮らしの場所を提供したいのです。新しいマンションに高い付加価値を付けるかを考えます。たとえば今展開しているのは、『31歳で、身長167cmの女性』を入居者に想定した物件です。従来より建具やキッチンの高さも違ってくるでしょう。要するに、そのレベルまで細かくマーケティングしてメリットを生み出すのです」
 これだけ優れた経営実績を持ちながら、同社は「株式公開しない」と公言している。「投資家の利益と入居者の利益が一致しないと思うからです」と山本社長。快進撃の同社は、現在、日本だけでなくアメリカ・東南アジアを中心に海外進出を加速している。航空機のドライリース事業にも進出した。「革命」を起こす企業だ。

オリエント・キャピタル 株式会社
<九州本社>TEL:092-414-1122 FAX:092-414-1171 
<東京支社>TEL:03-5812-4271 FAX:03-5812-4316
Eメール:info@orient.gr.co.jp
ホームページ http://www.orient-gr.co.jp/

代表取締役 菅澤直樹氏
千葉県出身。中学時代に不登校を経験。卒業後、飲食店などでアルバイトを重ねた後、成田空港で旅客サービスの仕事に就いたが、将来性を考えて独立を決意、4年前に中古車業を始める。その後『カーライフナビ』を設立、車の買取、販売、先輩が営む整備工場と連携した修理、鈑金などを手掛ける。

明朗な接客で良質な中古車を販売
全車乗り出し価格が大好評

多様な経験と意志で経営牽引
口コミサイトで広がる高評価
 国産、輸入車の軽からコンパクト、セダン、ワゴン、ミニバン、SUV、カスタムなど多種多様な中古車が展示場に並ぶ千葉県八街市の中古車販売会社『カーライフナビ』は、車好きの社交場のような明るい雰囲気だ。代表の菅澤直樹氏と3人の従業員の誠実で元気いっぱいの接客姿勢、良質で低価格の車種選択肢の多さ、本体価格と諸経費を合わせた全車乗り出しのコミコミプライスの明朗さがクライアントを惹きつける。
「来て良かったと思っていただくのが第一。お客様とは二人三脚でとことん一緒に考えます。他店では見かけないような車種をそろえているのが当社の特長ですが、十分納得して気持ちよく購入していただくことが大事だと思っています」。社名に「お客様の生活に合った車を提案する」という気持ちを込めたという菅澤氏の経営姿勢は明確だ。
 同社のクチコミコメントを見れば、その姿勢が成果を上げていることがわかる。
「内装、外装とてもキレイで大満足。サービスでやってくれた撥水コーティングもピカピカでいい感じ。アットホームな雰囲気でとても良いお店でした」「納車を素早くやっていただき助かりました。いい店員さんに巡り合えました」「車選びをするにもいろいろアドバイスもいただいて、買うことに決めました。 今でも車の相談をするときにはここにきて相談させていただいています」等々。
 全車乗り出しのコミコミプライスは、商談中に金額が積み重なって不安や疑念が生じることのないように考えた方法だ。
 菅澤氏が『カーライフナビ』を立ち上げたのは4年前。中学時代は不登校に辛い日々を送り、卒業後は飲食店などでのアルバイトを重ねた。成田空港で荷物の運搬や車椅子の後押しなど旅客サービスの仕事もしたが、将来性に不安を持ち、独り立ちを決意し、マイカーを売った代金を資金に自宅に事務所を置き、空き地を展示場にしての文字通り一からの船出だった。こうした若き日の経験や強い意志が、誠実な会社経営の推進力になっている。
「お客様の中には、今も遊びに来てくださる方もいらっしゃいます。コーヒーを飲みながら世間話をするくらいですが、販売店とお客様という垣根を越えた関係を築けています」
 若き経営者の視野には、支店展開も入っている。

株式会社 カーライフナビ
TEL:043-497-2616 FAX:043-497-2959 Eメール:carlifenavi0119@yahoo.co.jp

演劇やMCのナレーションを約10年務め、病院のリハビリ室勤務を経て2010年に『株式会社亀田』を設立した代表取締役亀田東子さん。

介護・アロマセラピー・リハビリを結合
新たな発想によるデイサービスに着手

病院などと協力の輪を形成
全国展開も構想
 心地よい香りを乗せた新風が介護の世界に吹き始めた。大阪・堺市で「アガペの里介護ステーション」を営む『株式会社亀田』の亀田東子(あつこ)社長が事業に着手した「半日アロマリハビリデイサービス」。介護、アロマセラピー、リハビリを組み合わせた画期的な介護サービスだ。施設も整い、軌道に乗れば、提携団体と協力しながら全国展開する構想も描いている。
 米国ヤング・リビング社製のエッセンシャルオイルを使ったマッサージ、軽いストレッチ運動などによるリハビリを施し、芳香の中で心を癒し、体の不調を整え、楽しい時間を過ごしてもらう計画だ。
「介護を受けられる方は、関節痛や足腰が弱っている方が多く、なんとかしてあげたいと考えたのがきっかけです。病院のリハビリ室で勤務した経験から、激しいリハビリでなく、痛みを伴わないエステのようなリハビリなら受け入れていただけるのではないかと思いました。また、私自身、精神的ストレスで苦しんでいたときに、アロマオイルで癒されたこともあり、アロマセラピーも取り入れた介護ができれば、体と心の両面で喜んでいただけると新たなデイサービスを計画しました」
 この事業の推進にあたって、亀田社長は、地域の病院、日本アロマケア協会、国家資格を持つ経験豊かな柔道整復師や講師クラスのセラピストの協力を得たほか、ボランティアの参加も呼びかけ、地域の高齢者や障がい者を支える協力の輪を広げてきた。
 施設の利用者が増え、事業としての見通しが立てば、賛同者を募り、日本アロマケア協会や各地の病院などの協力を得ながら、施設を全国に作っていくことも視野に入れている。
「アガペの里介護ステーション」で、オリーブオイルを主原料にラベンダーなどのエッセンシャルオイルを配合した手作りの無添加石鹸を介護現場で使うなど独創的なサービスに取り組んできた亀田社長。「65歳以上の高齢者が3600万人にもなる大介護時代が迫っています。一人でも多くの方が利用し、喜んでいただけるよう介護環境を整えていきます」と、新事業にかける夢は膨らむばかりだ。

株式会社 亀田
TEL:072-234-2202 FAX:072-234-2204 Eメール:info@agapenosato.com
ホームページ http://agapenosato.com/

細谷火工 株式会社
代表取締役社長 細谷穰志氏
花火製造業から創業して108年目を迎え、現在は主に防衛産業を中心とした訓練・救命装備に関わる発煙筒、照明弾等の火工品を製造販売している。「広く社会に貢献すること」を理念に掲げ、長年防衛産業に携わってきた技術を民間向け製品にも活かし、海や山で遭難者を生還させる命綱の「特殊発煙筒」を製品化した。

『マウンテンマーカ SOS』
〈仕様〉発煙色:赤、発煙時間:約1分半、耐水圧:IPX8(水深50m相当で1時間)、寸法(本体):全長約160mm/直径約40mm、重量:約220g
百年以上続く花火屋の老舗が
海や山で使う救難発煙筒を作ると
こんなにハイスペックになる

 社名の「ホソヤ」は、隅田川花火大会などの花火屋として知られている(今は別会社)。「火工」というのは、火薬や爆薬を用いた加工技術のことで範囲が広い。花火もそうだがエアバッグやロケットにも組み込まれている。「細谷火工」は、この分野の老舗で、現在、防衛産業の訓練・救命用発煙筒、照明弾を手がけている。2014年、救難信号用の発煙筒を開発して評判になっている。近年、海や山で遭難する事故が相次いでおり、こうしたツールの必要性が認識されてきたからだ。
 開発のきっかけは2011年早春だった。電話の相手は海上保安庁。「ダイバーが潜水時に携行し、緊急時に使える発煙筒は無いだろうか?」という内容だった。「開発しましょう」と答えたことから同社の挑戦が始まった。小型・軽量で携行できること、携行して50m潜水できる耐圧性能、救難信号として視認できる大量の発煙……難しい注文だったが3年目の2014年6月、ついに『ダイバーマーカ SOS』が完成した。2015年には、山岳で使える「マウンテンマーカ SOS』も開発した。山の気象を考え、高温・低温・水濡れに強くした。増えている山岳遭難だが、救助ヘリからは派手な服装より、赤い煙がよく目立つという。同社の得意領域がまた広がった。
(ライター/土谷晴)

細谷火工 株式会社
TEL:03-3357-0781 FAX:03-3357-0782 Eメール:info@hosoya-pyro.co.jp
ホームページ http://www.hosoya-pyro.co.jp/


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