ブームの真相 2015

イギリス生活情報誌 
月刊
ミスター・パートナー
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ウェルカム・デンタルクリニック 院長
中島幸一氏
九州大学院医学系博士課程修了。生活習慣病と口腔衛生との関連を研究。医学博士。在福岡ラオス人民民主共和国名誉領事、ラオス国立大学など東南アジア地域の大学名誉教授多数。同地域での歯科治療や検診にも取り組んでいる。

図1 現代人(左)と古代人(右)の下顎骨の違い。顎骨の大きさ、形状、とくに下顎角の違いに注目。同じ筋肉が作用しても、下顎角の違いで咀嚼ベクトルが大きく異なる。

図2 健全な人の脳波はα波(赤)とβ波(青)が分離しているので、清明でありまたその活性度のピークも適正であることが示されている。
図3 思考活動値のパターンが富士山型で健康的である。

図4 脳疲労が限界を超えると上図のような諸症状が出る。臨床の現場ではその本体原因を捉えにくいので対症療法的な処置が行われる。

図5 一般医科ではうつと認知症の初期もしくは発症直前では混同しやすいと言われているが脳波の結果に唾液のORP値を加味することによって容易に両者の方向性が容易に判定できる。

図6 上下インプラントされているのでしっかり咀嚼できるがゆえに咀嚼ストレスが上顎では骨伝導を介しての脳へのストレスとなり時間の経過につれて脳疲労を起こす事が懸念される。
(咬合再構成 咬合と全身の調和 pp92.クインテッセンス出版,東京2013)

図7 正しい噛み合わせで食べることで図の中段にあるように快刺激(赤線)のみが大きく活動していている。不快刺激(青線)は上中下段においてほとんど振れていない事から食べるということは楽しい事である事を示している。かつ右側の思考能力も咀嚼時に上昇している(中段)事が読み取れる。

図8 歯科医師によって噛めるように処置されたことが「脳疲労」の極限の状態を引き起こした脳波のパターンである。

図9 国際的に共通のものさしで患者さんを診断治療及び結果を判定できると従来のような歯科医師ごとに説明が異なり患者さんに不安を招いていた事が解消される。

歯の健康が「うつ病」「認知症」に
関係しているとしたら……

 

 最近、テレビ報道でも歯科医療の現状を取り上げることが多い。それも虫歯治療だけでなく口腔衛生や食事、さらに生活習慣との関連も掘り下げるようになってきた。昔から健康の三快は「快食・快眠・快便」また「医食同源」と言われてきたのだから食事の予防医学的な重要性が注目されるのは当然だろう。もちろんこの背景には急速に進む超高齢化がある。高齢者介護施設などで「口腔ケア」を行ったところ、高齢者の健康状態などいわゆるQOL(クォリティ・オブ・ライフ)が向上したという報道もあった。今後も口腔ケアが注目を集めていくのは確かなようだ。〝新しい歯科治療を〟と提唱する『ウェルカム・デンタルクリニック』の中島幸一院長にお話をお聞きすることにした。

アゴの変化と「うつ病」増加の関係

 中島院長は、最近の日本人の顔、とくにアゴ(顎部)の変化が気になっているという。
「最近目立つのは、若い男女がともに〝小顔〟になってアゴ先の尖った顔が増えていること。しかも下顎角が鈍角です(図1)。これは私たち専門家の目からみると、噛む力が弱いといえます。そして噛む力の衰えは視力とも関係している。だから多くの人が眼精疲労に悩んでいます。またアゴが退化すると、遅れて生えてくる小臼歯のスペースが無いので歯列不正を起こしやすくなります。副交感神経系と交感神経系の中間の歯列不正は、自律神経のバランスを乱すことになり、不整脈やうつ病、認知症をひき起こしやすくなるのです。歯並びの乱れは、脳の活性化やリラックスにも大きく影響を与えていることは、私どもの臨床研究でもはっきりしています。」(図2・3)
 中島院長が、日本人の肉体的な変化で気になることはまだあるという。「若者たちのクビ(頚部)の細さ」だ。「約5㎏のサッカーボール状の頭部を支えねばならないので、頭頸部というのは、それなりの筋肉の発達が必要です。しかしこの筋肉が弱いと、頭とクビは一体となって前方に滑り、肩こりや偏頭痛を引き起こします。アゴからクビにかけての骨と筋肉は連動しますから、これも口腔分野の専門家がもっと注目しなくてはいけないことなのです。」

オーバーストレスが引き起こすこと

 若い日本人の間で起きているアゴやクビの変化は、一体、どんな原因によるものだろう? 
「毎日摂取する食べ物が超軟食になり、栄養成分だけを摂取するので咀嚼筋の発達が期待できないのです。また、噛むことの快感、脳への快刺激が激減している。さらに生活習慣病になって、死の四重奏(肥満・高脂血症・高血糖・高血圧)を引き起こしている。全体的に日本人の体は大きく退化傾向をたどっていると言えます。この流れは将来的に危惧されます。」
 中島院長によれば、「耳にイヤフォン・目でスマホを追いかけ・食べながら通勤している光景」も危険信号だという。
「人体は脳に直結した12対の脳神経のうち、8対の脳神経に対して、同時に刺激を加えた生活を、無意識のうちに毎日、何時間も繰り返しています。この何気ない繰り返しの行動が『オーバーストレス』になって、脳疲労を呼び起こします。脳疲労が限度を超えると『うつ病』や『認知症』へと繋がるのです。」
 現代医療は「うつ病」や「認知症」に対して、まだ有効な治療法を確立できていない。それどころか対症療法的な投薬による副作用で困っている患者もかなりいる。となれば、私たちは、発症する前に「脳疲労」の状態を把握して予防するしかない。早期の発見と的確な対処、これはあらゆる病気に対する最前の予防策でもある。(図4)
間違いだらけ? の歯科治療

 現代の日本人は、働くにしても肉体を使うことが少なくなり、コンピュータを使った同時進行の情報処理が多く、脳疲労を起しやすい環境だ。かつ分刻みの時間に追われて緊張し、常にストレスにさらされている。周囲の人々とのうちとけた人間関係も希薄になりがちだ。つまり昔に比べて、「うつ病」などストレス性疾患が増える要因だらけなのだ。さらに驚くことに、歯科治療の現状もこうした環境要因に拍車をかけているらしい。 
 中島院長の話は続く。
「日本では毎日約150万人弱の方が歯科治療を受けています。インプラント(図6)の場合、上顎(太鼓状)で内部に脳がある。そこを下顎が「バチ」の役目をして咬む機能回復をはかっている。しかし、しっかり咬めるがゆえに脳ストレスとなり、時間が経過するにつれて脳疲労へと続く。また、かぶせ物、充填などの治療がなされていますが、これに問題もあるのです。その治療行為が、客観的な科学的判定せずに、見た目で患者さんの感覚のみで、良否が判定されているからです。『咬み合わせが悪い』『治療後に首筋が凝る』『痛みがとれない』などと言われて対症的に治療している。その多くは人工物による回復で、完全のものがないので生命体のルールに沿った機能回復には不十分なことが多いのです。
 人は物を噛んで食べる。その咬み合わせが良い場合は、脳波でみると快刺激を受けていることがはっきりわかります。(図7) つまり、食べることは本来楽しいことなのです。それが不十分な治療によって咬み合わせが狂ってしまうと、イライラがつのって食べることが楽しくなくなり、脳疲労が蓄積する。そして前述したような疾患になることがあるのです。臨床の現場では『うつ病』を発症した事例がたくさんあります。」(図8)

客観的な判定評価基準が必要だ

 中島院長が提唱するのは、『国際歯科治療評価基準』つまり、「歯科治療の現場に、もっと客観的・科学的な手法を導入すべき」ということである。その手法例というのが、「『脳波検査』と『唾液のORP検査』の併用」だという。『脳波検査』はストレス状態を把握するものでよく知られているが、『唾液のORP検査』の方は少し説明が必要だろう。
『ORP』は、Oxidation-Reduction Potentialの略で、『酸化還元電位』と訳される。『pH』という単位が液体の酸性/アルカリ性の尺度だとすると、『ORP』は、体の酸化力/還元力の尺度である。また尿検査などでは、体を巡った体液を検査するので、体の状態の『結果』がわかるが、唾液検査だと体調の『これから』がわかる。目安として、体の酸化は、炎症や過労、ストレス、老化、免疫力の低下などを示す。逆に、体の還元は体調が良好であることになる。どの程度、体が酸化され、老化やストレスが進み、「うつ病」「認知症」などを起こしやすくなっているかがわかる。この検査は綿棒をなめるだけで可能だという。
「私は、この『脳波と唾液ORP検査の併用方式』を、歯科および口腔医療の『国際歯科治療評価基準(Global Dental Standard)』として、世界の方々が利用できるようにしたいのです。(図9) それは歯科医療のレベルを上げるだけではありません。今まで、原因不明といわれた『不定愁訴』や未病段階での『うつ病・認知症』などにも適切に対応できる。だから歯科・口腔科だけで使う手法ではなくなるでしょう。最初に歯科治療を目的に訪れた医院で、この検査を受けたら、もっと全身に配慮した治療に取り組むべきことがわかり、術後のトラブルが激減するので、どの診療科で受けたらいいか悩んでいる人が激減する。
 本来の体の機能、本来の暮らしが回復されることは、本人はもちろん家族や職場の周りの人も助かり、会社にも社会にもプラスになります。」
 博多にある『ウェルカム・デンタルクリニック』の中島院長は、はるかに世界を見つめ、高齢化社会ニッポンの近未来を見つめて、その信ずる歩みを進めている。
(ライター/土谷晴)


ウェルカム・デンタルクリニック
TEL:092-432-1891 FAX:092-432-1893

沖健康クリニック 所長
沖 島助氏
広島県出身。大阪大学医学部を卒業し、1972年から聖隷三方原病院外科に勤務。その後、1年間の沖縄県宮古病院勤務。83年、聖隷三方原病院副院長に就任。87年、聖隷予防検診センター所長に就任。94年、浜松商工会議所健康相談室『沖健康クリニック』開設。その後体制を整備し健診の拠点に成長させる。

総合健康情報システム「THIS」、面談支援システム「IS」、セルフケア支援システム「NavBEEⓇ」から成る総合健診システム。地域の人々の予防医療の拠点になっている「沖健康クリニック」。

健診の先進的な体制を構築
予防医療進展を一途に追求

 

「THIS」。浜松市の予防健診の拠点、『沖健康クリニック』が2014年5月に導入した総合健康情報システム。医療関連ソフトウェア開発を手掛けるアルファインターナショナル社(本社東京)が、同クリニックの沖島助所長の理念や事業の特性を汲み取り、完成させた最先端のシステムだ。予約、準備、データ収集、結果報告など各業務の情報を有機的に管理し、処理の効率化を可能にするものだ。
「当クリニックではこれまでパソコン主体のシステムで運営してきましたが、総合健康情報システムの導入で職員のやる気が高まり、さらなる大きな課題に向かって進む体制が構築できたと思っています」
 疾病の発生、原因、予防法を研究する予防医学に基づく医療行為を指す予防医療は、健康の維持と医療費の抑制の一石二鳥の効果がある。平成25年度の医療費は39・3兆円とGDP(国民総生産)の約8%を占める巨費だ。その約38%が公費で賄われ、限られた国家予算の中でいかに抑制するかに頭を悩ます厚生行政で重視されているのが予防医療。
 沖所長は、様々な医療現場での体験から、「病院が病を治療する場所であるなら、病気を生み出さないよう予防する場所があるべきだ」と、予防医療の重要性に逸早く着目し、事業化への周囲の懸念を振り切って予防健診に特化した医療体制を先駆的に構築した医師だ。
「私はかつて、国内の無医村や、沖縄にあるハンセン病患者のための国立療養所、救急医療の現場などを見て回った経験がありました。その中で、病を早期に発見するための予防健診を見直すべきとの思いに駆られたのです。予防医療が進めば患者が減り、医療費も削減できる、その流れを確立していきたいと思うようになったのです」
 大学を卒業後、沖縄県立宮古病院や浜松市の聖隷三方原病院勤務を経て同病院副院長に就任、聖隷予防検診センターを設立して健診事業に取り組んできた。さらにセンターを病院から分離独立し、初代所長に就任した。
 老後における健康の保持と適切な医療確保のための疾病予防などの保健事業を促す老人保健法によって疾患予防の取り組みが広まった。こうした社会動向も見据え、聖隷予防検診センターを退職し、クリニックの土台となる健康相談室を浜松商工会議所内に開設した。
 以来、20年間、健診体制の充実を図り続け、高精度体成分分析装置、全自動分析装置など最先端の医療機器を導入し、健診精度を向上させてきた。その努力が実り、日本総合健診医学会優良総合健診施設、健康評価施設査定機構優秀施設に認定された。2011年度から「医療法人社団さわやか会」を発足し、組織的にも確固たる体制を築いた。
『沖健康クリニック』の健診コースは肺がん検診、前立腺や甲状腺などのその他健診、消化管健診、血液検査などのミニドックからなるフルコース、これに準ずる準フルコース、ミニドックの3コースある。最新のシステム導入による3時間ドックの実現、高度なシステム化による短時間での結果集約、詳細な検査結果の提供、適正価格が特長だ。
 導入したシステムで病気の予防に大きな力を発揮すると受診者に好評なのがセルフケア支援システム「NavBEE」。健康調査票の回答や検査結果から、こころと身体の健康状態をミツバチの世界でビジュアル化して、現病歴、こころの健康状態を把握し、ストレスを軽減しようとする対処法・コーピングスタイルや困難なことを跳ね返す回復力・サバイバル力を知ることができる。
「高機能のシステムの導入で、健診終了後の診察時に検査の結果説明と保健指導を同時に行えるようになったうえ、健康調査票の回答や検査結果から心と身体の健康状態を受診者自身でチェックできるようになり、疾病予防の方法を適正に判断することが可能になりました」
 現時点で完成型ともいえる予防健診体制を構築した沖所長だが、その視野には予防医療が重きをなす医療界の前途も入っている。
「予防医療に従事する医師は、予防と治療の二足の草鞋を履くべきではない、というのが私の信念です。予防健診に特化したクリニックの成功例はまだ珍しいと思いますが、医師の分業を地域の中でもっと進め、それぞれが特化した分野を極めれば、必然的に質の高い医療サービスを提供できるようになるでしょう。これからの時代は、予防医療に力を入れる時代。医療の世界は、大きく変わっていくと思います」
(ライター/斎藤紘)


医療法人社団 さわやか会 健康相談室 沖健康クリニック
TEL:053-452-3483 FAX:053-452-3220
ホームページ http://www.okikenko.jp/

漢方薬の妙寿堂
春山雅美さん
1952年薩摩川内市の寺院に生まれる。薬剤師の資格を取得後、薬局に勤務。1984年、漢方薬専門薬局を開業し中医学についての見識を高める。1991年、北京中医大学日本校入学。本場の漢方について学び、A級国際中医師として中国政府の認定試験に合格。現在も漢方薬の専門家として相談に応じている。

総合的に体の状態を
改善する漢方と食事

 

鹿児島県薩摩川内市の『漢方薬の妙寿堂』は開局30年を迎えた。代表の春山雅美先生は薬剤師であり、中国政府が認定するA級国際中医師であり、また法華宗本国寺の住職でもある。春山雅美先生の元を訪れる人の多くは、辛い症状のために長い間さまざまな薬を飲み続け、症状は改善しないまま副作用などから肝臓や心臓を悪くしてしまった患者さんが多い。
 春山先生自身も漢方の力で辛い病気を克服してきた経験がある。『漢方薬の妙寿堂』では、厳選した最高品質の生薬と動物生薬を使用し、患者さん一人ひとりの症状と体に本当に合った薬を処方している。妙寿堂の方針は、「病気を知り、なった原因を知り、自分の状態を知り、安全な食事や、安全な薬を、正しく選択し、生きる」ことだという。
『漢方薬の妙寿堂』では、漢方薬を処方するだけでなく、元気な日常を取り戻せるようにと生活習慣や日常生活に関わるトータルな指導を行っている。その一つが、食事の摂り方と食物の選び方だ。
「初めての患者さんに食事の指導をする時は、化学調味料や添加物を使わなくても美味しく食べられるということを教えるために、食事をお出しすることもあります。かつて砂糖は専売制で、貴重な食材だったこともあり、鹿児島の人にとって砂糖はご馳走なんです。そのような人たちの意識改革をさせるには食べさせることが一番なんです。実際に食べてみないと、料理法が分からないからです」。有機栽培や無農薬の野菜、食品を基にした食事を実際に体験してもらうことで体が喜ぶ食事法を伝授できる。このような指導法を10年以上も続けているという。
 病気を発症する原因について春山先生は次のように指摘する。
「病気になる人は、長い時間をかけて知らないうちに偏食になっています。すると必要な栄養が欠けた体になっていきます。成長期の子供やお年寄りには、タンパク質を取らないとか動物性のものを控えるなどの偏った食事は大きな病気をしなくても、体に影響を与え脆くなってしまいます。私が目指しているのは、どこにも不調な部分がなく、ずっと元気で働いていける年寄りになることです」
 正しい食生活がもたらすのは健康だけではない。体が健康になるにつれて、少しずつ心も改善していくという。
「実は、精神病用の薬を服用しなくても治る人が多いのです。その薬のせいで、体が不自由になったり、本来とは異なる病気と診断されているケースも多々あります。心に問題を抱える人には、朝晩一緒にお経を読んだり、正しい考え方を持つように指導しています。鬱も霊的な問題によるところが多いです。しかし薬によって体が壊れてしまっている場合は、拝んだり先祖供養など霊的なことはもちろんですが、その他の大切な要素として重要なのは、ちゃんとした体を作り、自分で意識を改善していくことです。食べ物にも違いがあります。脳に良い物もあれば悪いものもあります。精神を育てるためにも自分の生活に見合ったものを摂取していかなければなりません」
 表層的な症状を薬で抑えようとすれば、病院の薬が増えていくだけだ。それでは根本的な解決にはならない。重要なのは食生活を見直し、生活習慣、心を改善することだ。正しい食事は心を育んでくれるという。そのため、春山先生は時に患者の気持ちの持ち方を厳しく叱ったり、励ましたりするなどして精神的な指導も行っている。便利さだけに走りがちな現代では、具体的にどのような食事療法が効果的なのだろうか。
「口から入れたものの栄養が体全体に行き渡るようにしなければなりません。一日のうちに、肉も魚も食べること。野菜は一つのものでなく、数を多く取ってください。栄養素を体により吸収させるには、酢と一緒に食べるのが効果的です。野菜は栄養がたくさん含まれていますが、pHの関係で取り込まれにくいのも事実です。酢が野菜のビタミンや鉄分を取り込みやすくしてくれます。自分用の酢を持ち歩くのもいいと思います。飲むよりも、かけて食べる方が効果的です。さらにカルシウムを沈着しづらくするので結石にもなりにくいです。現代の人は、添加物やナトリウムなどで塩分を取り過ぎています。添加物だらけの食事は腎機能を低下させてしまいます」
 また、山で生活する人は、アクの強い山菜などをよく食べる傾向にある。そのため、タンパク質が少なくなり、腰が曲がり、シミが増えるなどの症状を起こしやすい。一方でタンパク質を多く摂る漁師は、年を重ねても元気な方が多い。両者には食事の違いが大きく影響していると春山先生は語る。「海側に住む人は、きのこや野菜を食べるようにするなど、バランスの取れた食事を意識することが大切です。正しい食生活は長生きの秘訣です。私のブログでは、心を養う食べ物も紹介しているので、ぜひ参考にしていただいて、いつまでも心身共に健康な生活を送りましょう」。開局から30年経った今でも、不調もなく元気でいる春山先生の姿こそが、正しい食事が健康な心と体を作るという証だ。
(ライター/馬場紀衣)


漢方薬の妙寿堂
TEL:0996-20-3228 FAX:0996-20-3704 Eメール:myojudo@yahoo.co.jp
ホームページ http://www.myojudo.com/

たかさき歯科医院 院長
髙﨑英仁氏
北海道稚内出身。両親ともに歯科医師。日本大学松戸歯学部を卒業後、北海道大と東日本学園大学の歯学部補綴学第一講座に9年間在籍。1987年より『たかさき歯科』を開業。2002年9月、歯学博士号取得。日本補綴学会所属。子どものころからカメが好きで、名前とカメを組み合わせた医院のロゴを作成。

予防歯科をシステム化
3ステップで効果発揮

 『KEN-KOH System健口システム』。虫歯や歯周病を防ぐ予防歯科は歯科医院の重要な診療科目になっているが、『たかさき歯科医院』の髙﨑英仁院長は、予防歯科をシステム化し、実践している先駆的医師だ。システム名は「Keep Everyday Nice & Keep Oral Health」の頭文字の組み合わせ、訳して「いつも健やか、お口も元気」を標語として掲げている。
「人は食事を続ける限り、歯周病や虫歯の原因菌がはびこる可能性を秘めた口腔環境を受け入れなければなりません。病原性の細菌に罹患しないようにする予防療法を行うことが必要なのです」
『健口システム』は、3段階から成る。ステップ1は検診。レントゲン診査、歯周ポケット診査、歯垢付着診査、う蝕(虫歯)活動性試験を行う。ステップ2はPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)。歯科医師や歯科衛生士による専用の機器を用いた歯面の機械的清掃、除石。ステップ3は3D-System(Dental Drug Delivery System)。薬剤塗布用のマウスピース、ドラッグリテーナーにクロルヘキシジンやフッ化物などを塗布し、ミュータンス連鎖球菌を殺菌し、エナメル質を強化する。
「3D-Systemのデリバリーとは虫歯や歯周病を引き起こす細菌に対して殺菌効果や免疫能力をアップする効果をもつ薬剤を歯牙や歯周組織に効果的に運ぶことを意味します。それにより薬剤を一定期間作用させて薬効を高めることができるのです」
 日本大学松戸歯学部を卒業後、北海道大学や東日本学園大学(現、北海道医療大学)に勤務し、論文「高齢義歯装着者における唾液分泌量の咀嚼機能に及ぼす影響」で学位を持つ髙﨑院長は、歯科医療の最先端技術を医院の診療にフィードバックしてきた。『健口システム』は一つの集約点でもある。
「『健口システム』は積極的な予防療法です。お口の健康を得るために、今後もお手伝いをさせていただきたいと考えています」
(ライター/斎藤紘)

たかさき歯科医院
TEL:011-716-2036 FAX:011-726-3871 Eメール:takasakidc@me.com
ホームページ http://www.turtulht.com/

丹羽歯科医院 院長
丹羽修氏
1977年愛知学院大学歯学部卒業後、東北歯科大学(現奥羽大学歯学部)口腔外科第二講座勤務。1978年三井物産株式会社歯科診療所勤務(東京大手町)、1980年米国在住。1983年安城市に戻って開業。安城市歯科医師会会長。歯科専門学校や看護学校などの講師も勤める。氣圧療法士の資格も持つ。

三代続く「誠実診療」の結実
年間3千件の訪問歯科診療

 大正時代初期に先先代が現在の地に開業したのが『丹羽歯科医院』のルーツ。現院長の丹羽修氏が引き継いだのは約30年前。丹羽院長は、「医療の世界も日進月歩ですばらしいハイテクもあります。でもそれを使うことと〝良い治療〟は別物。心の通った誠実さが何より大切と思います。医療は『温かいもの、頼れるもの』であるべきで、患者様のお悩みを共有し、解決することを一番に考えて行きたいです」と語る。そうした姿勢の延長線上に、『訪問診療』の活動がある。ある介護支援事業者の依頼で何げなく始めた訪問診療も9年目に入り、急増するニーズに対応するうち、訪問範囲は地元安城市内だけでなく愛知県内各地に広がった。その数、年間で3千件以上にもなる。患者のほとんどは介護が必要で通院できない高齢者だ。
「患者さんの多くは認知症でコミュニケーションのとれない人や、脳障害等で体が動かない人です。介護施設や自宅に薬や治療器具を運び込み、慎重に様子を診ながら治療し、虫歯治療、歯石除去、X線撮影さらに抜歯、入れ歯作成や修理まで自室でやってしまいます。その結果、患者さんの表情が良くなって食欲が出たりすると、こちらもうれしくなります。ふだんから定期訪問して患者さんの様子を知っておくことも大事です」
「誠実」をモットーにする丹羽院長らしい言葉も紹介しておきたい。「訪問診療は現場の環境をすべて受け入れなくてはなりません。本人、家族から一方的に頼られますから逃げ道はありません。人間性が問われる〝真剣勝負〟ですね」
 今後、高齢化の進展とともに、要介護の人が増える。「訪問歯科診療」は、これからのスタンダードになる可能性が出てきた。だが前提となるのは、丹羽院長の実践のように、患者に寄り添う医療関係者の心の「温もり」だろう。
(ライター/土谷晴)

丹羽歯科医院
TEL:0566-76-2561 FAX:0566-74-0016
ホームページ http://www.niwashika.com/

医療法人社団 香歯会 理事長
丸山辰史氏
長野県安曇野市出身。歯科医院を営む家で育つ。東京で歯科医師の経験を積み、調布で開業する。その後実家に戻り、家業の歯科医院を継ぐ。カーラリーやアルペンスキーレースなどを楽しむスポーツマン。

正しい噛みあわせが
発揮する驚くべき成果

 「当初マウスピースは、ケガ防止のための受注が多かったんです。けれど、寝たきりの方に入れ歯を作って噛むことを思い出させ、最終的には噛めるようになったことで末梢の手先の動きがしっかりするケースがあり、これはもしかしたら、しっかり噛むということがものすごく大事なのではと思ったのです」
 そう語るのは『あずさ歯科クリニック』の丸山辰史院長。マウスピース製作に力を入れている歯科医だ。
 奥歯で噛みしめると、その信号が脳へと伝わり、そのサインが末梢運動機能を司る部分にアプローチするという。そこで、一般の人がこの信号を上手く利用できれば運動能力の向上につながるのではと丸山院長は考えた。
 その効用を証明するために、知人の二輪ライダーに装着を依頼。結果、成績が上がり、今ではマウスピースが無くてはレースに出られないというほどの効果を発揮したという。先生はプレート型も開発した。
「はっきり分かっているのは、上と下の顎の隙間があるのですが、そこにある厚さのものをはめると痛みを感じず、高い集中力を保ち続けられるということです。そこで、他のスポーツ選手にも使ってもらおうということでスキーの選手に依頼しました」
 地元出身のスキージャンパーでソチオリンピックにも出場した山田優梨菜選手も、装着時は「自然に」飛べると、丸山院長が製作したマウスピースを使用している。その機能は日常生活にも応用が可能だ。
「普段の生活で一般の方に気をつけてもらいたいのは、虫歯が無くし、奥歯の噛み合わせを正常な状態に保つことです。虫歯ができたり、歯が無くなってしまうとどうしても噛み合わせのバランスが狂ってしまいます」
 もう一つ重要なのが、下顎が左右バランスよく動くこと。これが乱れると筋肉疲労や視力の低下を招くので要注意だ。「噛む」行為を見直すことは、健康を見直すことにも通じているのだ。
(ライター/馬場紀衣)

医療法人社団 香歯会 あずさ歯科クリニック
TEL:076-422-8148 FAX:076-482-6164

そのえ歯科
TEL:0263-72-7566 FAX:0263-73-1860

しもむら内科クリニック 院長 医学博士
下村裕章氏
大阪医科大学卒業。大阪医科大学で循環器医として診療を行っていたが総合内科に転向。前任の病院では副院長・内科部長として救急医療に力を注ぎ、慢性心臓病の治療にもあたる。漢方と西洋医学の両方の良さを取り入れた治療を行っている。
日本内科学会認定総合内科専門医
日本循環器学会認定循環器専門医
日本東洋医学会認定漢方専門医

西洋・東洋医学を
融合した漢方での治療

 「若い頃は、循環器内科として臨床に携わっていましたが、そのときの恩師の言葉が自分自身の座右の銘となっています。「if this patient is your mother?~この患者さんが、自分のお母さんだったら、どう治療していくのか~」という問いかけです。今も患者さんを看る時のその気持ちは変わっていません」そう語るのは『しもむら内科クリニック』の下村裕章院長。
 大学の総合内科に勤めていた時代、西洋医学では治せない患者さんとの出会いから治療手段を広げる為、漢方に着目するようになったという。西洋医学的な病名に対して投薬を決定するのではなく、保険の診療の範囲内で一人ひとりの体に合わせたオーダーメイドの処方を実施。日々の生活と現在の症状を中心に、場合によっては家庭環境も尋ねるという。
 漢方の基本的な考え方は、足りないものを補い整え、体のバランスを正しい状態に戻すこと。症状の原因に合わせて最適な漢方を使い分けることで病気を予防することができる。西洋医学との違いもこの点にある。
「西洋医学は、『病気を治す』、東洋医学は『ひとを治す』ことに重きをおきますので、治しかたが違います。例えば風邪を引いて熱を下げる場合、西洋医学は解熱に対してのみ効果がありますが、漢方薬を使うと解熱と同時に頭痛や寒気もとれ、1回の処方で身体全体に効果があります。即効性があるのも特長でしょう」
 ワンポイントのみに働く西洋医学と異なり、困っていた症状以外のことや治療対象外だったものが改善するなどの効果を発揮する漢方。
「これからも全国各地での講演会やテレビを通じて漢方についての知識を広め、後進を育てる教育的な側面にも力を入れていくつもりです。常に患者さんの立場での診療を心がけ、どんなお悩みにも応じていきたいと想っています」と常に努力を続けている。
(ライター/馬場紀衣)

しもむら内科クリニック
TEL:072-668-3152

穴吹整形外科クリニック 院長
静岡整形外科・脊椎クリニック 顧問
穴吹弘毅氏
1994年、自治医科大学卒業。専門は脊椎外科。2009年「穴吹整形外科クリニック」開院。国際マッケンジー学会で日本人としてはじめて発表、論文「腰椎椎間板ヘルニアに対するマッケンジー法の効果」が日本カイロプラクティック徒手医学会最優秀論文賞受賞。2014年あなぶき脊椎グループとして静岡整形外科・脊椎クリニック開院。

脊椎疾患を
先進医療で治療

 腰椎椎間板ヘルニアは、腰痛、下肢痛、しびれ、歩行障害、手足の運動障害など痛みを伴う深刻な症状を引き起こす脊椎疾患。『穴吹整形外科クリニック』の穴吹弘毅院長は、世界最先端技術と医療機器を駆使して先進的な脊椎疾患治療を牽引してきた脊椎外科の専門医。治療法は保存治療と手術治療に大別されるが、中でも、手術なしに治療するDRX-9000の活用とマッケンジー体操は手術をためらう患者さんの福音になっている。
「DRX-9000は世界最先端のヘルニア治療器で、多くのヘルニアで手術が回避できます。1回わずか30分の牽引治療で、しかも無痛。10回から15回の牽引治療でヘルニアの縮小、退縮、椎間板の再生が生じます。治療効果は従来の牽引器とは比較になりません」
 マッケンジー法は、ニュージーランドの理学療法士ロビン・マッケンジー氏が考案した腰痛治療のための体操。穴吹院長は日本でマッケンジー法に精通した一人だ。
「マッケンジー法は世界で認められた腰痛エクササイズです。約半数の腰痛はこの体操で改善が望めます。腰痛だけでなく、首が原因で起こる肩こり、頭痛、首の痛みに対する理論とエクササイズもあります。体操中の動きから腰痛のタイプの診断にも利用できる利点があります」
 手術治療は脊椎手術数が年間400例、累積4000例以上の実績を残す。全身麻酔で行う手術も局部麻酔で行う手術もすべて、最小侵襲で安全との高評価が定着、予約待ちの患者さんが途切れない状態が続いている。
 正しい診断・最良な治療と結果をモットーに、医師としてまさに宿命に生まれ、運命に挑み、使命に燃える人生を送っている。
(ライター/斎藤紘)

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