注目情報はこれだ! 2020


ミスター・パートナー
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代表取締役
須﨑英和 さん
住宅メーカーで営業職として勤務していた時、住宅デザインに疑問を抱いたことをきっかけに独立。2007年、一級建築士事務所『SCaD株式会社』設立し、代表取締役に就任。分譲住宅、注文住宅の設計で着実に地歩を築く。
「『売れるプランをどう提案できるか』『お客様にとって住み心地よい住まいとは』パートナーとして事業者様、お客様、社会地域に貢献していきます」
個性際立たせる強烈な設計思想
住宅ニーズを捉える感性を重視

建築家集団の力を結集
ダサい家に決別を宣言


「コンセプトを感じないランドデザイン、人の目を意識しないファサード。住まい手のことを考えず、何も感じることのできない、見飽きた住宅にはうんざり。このような現状に終止符を打ちたい」
 分譲住宅、注文住宅の設計を手掛ける一級建築士事務所『SCaD株式会社』の代表取締役須﨑英和さんが、感性に訴えるオリジナリティ豊かな設計に注ぐ気概は強烈だ。約25人のスタッフがディレクター、デザイナー、図面描きなどの専門分野で各自の強みと持ち味を生かして仕事をする分業体制を採用し、デザイン、居住性で顧客満足度の最大化を追求する姿勢が評価され、設計実績は関東圏で年間約1000棟にのぼる。
 前職の住宅メーカーで営業として勤務していたころ、ありふれていた住宅デザインに疑問を抱いたことが独立起業のきっかけになったという須崎さんが掲げたビジネスコンセプトは、「response&Quality&cost performance」。ネットを通じて情報が気軽に手に入り、人々の価値観が急速に多様化し続けているこの時代は生活者の意識や動向をとらえることが非常に難しくなっているとの認識の下、生活者のニーズや声に敏感に反応し、質の高い設計を志し、納得のいくコストパフォーマンス(費用対効果)を実現することを目指すものだ。
「これまでのキャリアで得た住生活マーケティングの知見や、生活者の購買接点における意識や動向、それらの分析を基に、常日頃より売れるプランをどう提案できるか、お客様にとって住み心地よい住まいとはなんだという領域を深く追求し、消費者目線で実効性の高いソリューションを提供していきたいと考えています」
 設計の実務で重視するのがヒアリングに基づくプラン提案だ。
「家はお客様にとって、一生に一度あるかないかの大切なお買い物。とりわけ注文住宅とあれば、思い入れやこだわりも多くなるものです。ヒアリング不足やすれ違いは、設計事務所や注文住宅メーカーの課題です。当社はこのようなお客様と設計者の間にある壁を打ち破るべく、ご要望を正確に汲むための打ち合わせ、プランニング手法を独自に追求いたしました。お客様お一人ずつのライフスタイルをふまえた上で、希望を具現化した住みやすい住宅をご提案します」
 その流れは、専門知識を有するスタッフがどんな家にしたいかという想いやこだわり、要望を細かく聞き出し、実際の間取りなどをプランニングしたうえで、提案図面をもとに納得いくまで打合せを繰り返し、最終図面を確定するプロセスをたどる。この中で、施主の理解を助けるのが3DCG(三次元コンピュータグラフィックス)による建築パースプレゼンテーションだ。
「不動産業界では、2000年頃から一般化したCG建築パース図ですが、わかりにくい低クオリティなCGや実物と異なるイメージ画像でご提案する企業も未だ少なくはありません。当社がご提案の際に用いる3DCGの建築パース図は、様々な角度から全体を確認できるのが最大の利点です。言葉だけでは伝わらない細かな部分も可視化することで、お客様に完成後のイメージをお伝えでき、ミスやトラブルを防いだプレゼンテーションが可能になるのです」
 住む人たちのライフスタイルをふまえた上で、希望を具現化した住みやすい住宅を提案する注文住宅の設計のほか、同社は分譲住宅の設計も手掛ける。
「分譲住宅の設計に当たっては、他社にはない個性と住みやすさを追求し、豊富な経験に基づいた魅力的なデザインをプランニングします。世間が住宅に求めるものを意識した住宅設計は当社の得意分野です。一目見た瞬間から住みたいと思わせる、どこよりも価値ある分譲住宅を設計いたします。また、その後の建築確認申請もお任せください。建築基準法や各種条例を網羅したスタッフが確認申請を実施いたします。独創性ある設計を得意とするからこそ、イレギュラーに動じない繊細なチェックを徹底しております。また、建売分譲においてポイントとなるのが、イメージ画像のクオリティです。物件検索サイトで多数の物件画像が並ぶ中、パース図が綺麗でわかりやすいというだけでも一歩リードすることができます。当社が用いる3DCGの建築パース図はお客様がその家に住むご自身の姿をイメージしやすくなり、お問い合わせの増加に結びつくはずです」
 分業体制で同社の業務を遂行する事務所内の雰囲気も、スタッフの能力を最大限生かす体制を確立して個性的だ。マーケットを理解した戦略的思考を持ち、建築家とは異なる視点でイラストレーションやCGパース開発のディレクション、制作、業界特有の限られた時間の中で売主、販社に対するプレゼンツールや営業ツールの制作が可能なディレクター、遊び盛りの子供たちや家にいる時間が長い主婦の生活空間を意識して住まい手の共感を得た住まいを目指すクリエイティブデヴィジョンセクションチーフ、若い建築デザイナーなどが思う存分に得意分野で実力を発揮している。「オール5の人が集まるんじゃない。何かひとつでも5がある人が集まれば、そこが会社になる」。須﨑さんのこの考えの真意が伝わる職場だ。
 自社分譲住宅『SCaD HOUSE』も展開する建築家集団としての同社の設計実績は、多摩・立川地区でトップシェアを誇っているが、須﨑さんは業容拡大も視野に入れる。
「東京五輪に向けて盛り上がりを見せていますが、逆にいえば東京五輪後の景気の冷え込みが心配です。今からリスクヘッジのための手を打っておかなければとは考えています。そして将来的には、設計から工事、管理まですべてを手掛けたいという夢もあります。そのためにもさらに人を集めていきたいと思っています」
(ライター/斎藤紘)

SCaD 株式会社
TEL/042-538-0417 Eメール/ info@scad.jp
ホームページ https://www.scad.jp/

左上:韓国での土地開発事務所にて。
左下:モナコ国際大学にてプレゼン。
右下:ミャンマーでの会議にて。

代表取締役
前垣内(まえがいち)佐和子 さん
大学卒業後、ヤフー株式会社に入社、社長室・経営企画部に配属。 財務分析、経営企画、M&Aなどの業務を経験。その後、M&Aサービス提供会社やITコンサルティング会社を経て2009年、『キャピタル・エヴォルヴァー株式会社』設立。
M&A専用サイト
http://capitalevolver.com/
左中:防衛アナリスト 坂上芳洋氏と対談。
右中:グローバル金融専門家 川村幹彦氏との対談。
右下:インドネシア・日本の60周年国際親善大使・静岡観光大使の松永祥兵選手と対談。
廃業回避に最善の事業承継実現
クロスボーダーM&Aに強力助言

包括的な支援スキーム
信頼を築くリスク管理


「中小企業の事業承継サポートで日本の廃業問題を解決したい」「M&Aにおける海外進出サポート、海外からの資金調達で日本の企業、日本の経済を元気にしたい」
 M&Aアドバイザリー業務を事業の中核に掲げる『キャピタル・エヴォルヴァー株式会社』の社長前垣内(まえがいち)佐和子さんが、自らに課したミッションのように国内外で展開する事業は、この国の企業が抱える課題のソルーションに直結し、企業経営や財務に関する深い知見と豊かな実務経験、国内外に築いた幅広い人脈と情報のネット―ワークから生み出す周到、精緻な支援スキームで存在感を高めてきた。
 中小企業庁は、2019年2月、事業承継・創業政策について衝撃的なデータを公表した。2025年に中小企業・小規模事業者の経営者の64%に当たる約245万人が70歳以上になり、70歳未満の約136万人を大きく上回るというものだ。しかも、245万人のうち52%の127万人、日本企業全体の3分の1が後継者が決まっておらず、この現状を放置すると中小企業の廃業が急増し、10年間の累計で約650万人の雇用が失われ、約22兆円のGDPの損失につながる可能性があるという。
 前垣内さんが力を注ぐ中小企業の事業承継サポートは、こうした社会状況を視野に入れたものだ。
「経営者の高齢化が進み、後継者が見つからないまま、廃業せざるを得なかったことなども一因となって、我が国の経済を牽引する力である中小企業の数の減少が進んでいます。廃業に追い込まれて失われるのは、雇用とGDPだけではありません。 企業が長年にわたって蓄積してきた多くのノウハウや技術なども消失してしまうのです。 この減少を食い止めるには、スムーズな事業承継によって廃業率を下げる必要があります。その有力な方法がM&A、法人の合併・買収の活用です。当社では、お客様の会社を適切なパートナーに承継し、会社を発展させ、経営者、社員、取引先など利害関係者が皆ハッピーになるために、最初からM&A完了後まで責任をもって包括的にサポートいたします」
 M&Aの支援に当たって前垣内さんは、クライアント企業の状態を見極め、合併、株式譲渡、新株引受、株式交換、株式移転、事業譲渡、会社分割などの選択肢から最善の手法を見出していくが、リスクマネージメントにも意を用いる。
「M&Aは、売る買うの単純なものではなく、進め方によってM&A後の結果が大きく異なりますので、適切な判断が必要になります。相手先企業との力関係次第では、M&Aの価格交渉でバーゲニングパワーの差により買い叩かれる恐れがあります。M&Aのタイミングが変わると、市場環境などでM&Aの売却価格、買収価格に大きな差が出てきます。M&Aの価格ばかりでなく、M&Aの成否自体にも影響ができますので、M&Aを実行するベストなタイミングを専門のM&Aアドバイザーと話し合って決めることをお勧めします」
 一方、企業の海外進出や海外からの資金調達をサポートする前垣内さんのアドバイザリー業務の対象となるM&Aは、クロスボーダーM&A、国境間をまたぐM&Aを指し、日本企業が海外企業を買収するIn-out、海外企業が日本企業を買収するOut-Inなどがある。
「バブル崩壊後は、海外の投資ファンドが日本企業を買収する救済型M&A活動が活発でした。買収した企業を改革して第三者に高く売却したり、上場したりして差益を得ようとするものです。現在も、投資会社によるM&Aは引き続き増えていますが、最近は、日本企業が外国企業を買収するクロスボーダーM&Aが再び活発化してきています。グローバル競争に勝ち抜くため、グローバル企業への名乗りをあげるための成長戦略としてのM&Aや人口減少などで縮む国内市場からグローバル市場に活路を求めるためのM&Aです。ただし、日本企業が海外企業を買収するIn-out型の場合は、法制度や会計計基準の違い、言葉の壁などがあり、難易度の高い取引となります」
 前垣内さんは、会社が蓄積した公的な資料などによる精度の高い企業情報を基に、現地法人とのマッチングやマーケティングなどを提案していくが、クロスボーダーM&A特有の課題も丁寧に説明し、課題をクリアする体制づくりもサポートする。
「クロスボーダーM&Aは、現地に弁護士や会計士など信頼できる専門家を見つけて、対象となる企業の調査をしなければなりません。そのアレンジメントと全体の取りまとめを担うアドバイザリーチームを作り、サポートをします。また、組織を統合させるか、別々に運営させるかなどについては、買収前より戦略を策定して実行していきますが、①取引先・顧客との契約 ②人事労務 ③知的財産 ④システム ⑤経営管理なども、それぞれ国民性や各国の法律を考慮しながら、最も有効な戦略を策定して実行する必要があり、クロスボーダーM&Aはとても手間がかかります。また、クロスボーダーM&A実行後、自社の論理やシステムを無理やり導入しようとして現地化が疎かになり、従業員の士気が低下するなどという事態も起きてきます。相手方の文化の違いを理解しながら、それぞれをスムーズに統合させていくことがクロスボーダーM&A統合の鍵です。そのためには、クロスボーダーM&Aプロセスの初期段階から統合のプランニングを開始し、クロスボーダーM&A後の統合という観点で買収検討を進めていけるようアドバイスしていきます」
『キャピタル・エヴォルヴァー』はこれまでに、戦後最大の日韓の共同都市開発事業と言われている韓国の都市開発の資金調達のサポートをはじめ、香港の個人投資家による日本の上場企業子会社の買収やリゾート不動産の取得サポート、中国の個人投資家による日本の未上場企業の買収サポート、ヨーロッパ企業による日本の大型不動産投資サポート、日本未上場会社のアメリカ企業への売却サポート、日本企業の香港子会社設立サポート、日本のリゾート会社によるハワイのリゾート物件投資サポートなど海外関連業務で実績を重ねている。
(ライター/斎藤紘)

キャピタル・エヴォルヴァー 株式会社
TEL/03-6276-7534 Eメール/ info@c-evolver.com
ホームページ http://www.c-evolver.com/

院長
石戸谷淳一 さん
徳島大学医学部卒。国立国際医療センター研修医。医学博士(東京大学医学部)。米国の国立衛生研究所(NIH)にResearch Fellowとして留学。国立国際医療センター・耳鼻咽喉科医長、横浜市立大学附属市民総合医療センター耳鼻咽喉科教授。
副鼻腔炎治療に光る多角的視点
声価高める低侵襲の日帰り手術

患者負担の軽減を追求
病態に叶う治療法選択


 鼻閉、鼻漏、後鼻漏、痰、咳、頭痛、顔面痛、嗅覚障害…。生活の質を著しく阻害する副鼻腔炎の症状だ。患者数が200万人にものぼると推計されるこの身近で厄介な疾患と長年向き合い、的確な治療で頼りにされてきたのが『石戸谷耳鼻咽喉科』の院長で医学博士の石戸谷淳一さんだ。慢性化した副鼻腔炎に対する低侵襲の日帰り手術で声価を高め、その深い知見と高度の医療技術を求めて遠方からも来院する。日本耳鼻咽喉科学会専門医でBest Doctors in Japanに選ばれた石戸谷さんに副鼻腔炎がどのような病気かお聞きした。



―副鼻腔炎とはどんな病気ですか。
「副鼻腔は鼻腔と小さな穴でつながる顔面骨の空洞で、左右にそれぞれ4個ずつ合計8個あります。正常の副鼻腔には空気が入っていますが、炎症が生じると鼻腔の粘膜と同様に粘液を過剰に分泌し、その分泌された鼻汁が副鼻腔から鼻腔にあふれ出て、鼻漏(はなみず)や後鼻漏(のどに回るはなみずや痰)となります。さらに、慢性化して鼻茸(鼻腔粘膜が水膨れのように腫れる)ができると鼻閉(鼻づまり)や嗅覚障害(匂いがわからなくなる)の症状も現れ、いつも鼻や顔面がうっとうしくなります。副鼻腔炎は、前頭葉がとても発達したことにより複雑な鼻・副鼻腔の構造をもつことになった、二足歩行をはじめたヒトの宿命的な疾患です」

―副鼻腔炎の原因と症状はどのようなものですか。
「副鼻腔炎には、急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎とがあります。急性副鼻腔炎は、主に細菌感染が原因で起こり、抗生物質の服用で1~2週間程度で改善します。慢性副鼻腔炎は急性副鼻腔炎の後に生じることもありますが、基本的には細菌感染ではありません。先ほどお話ししたようにヒトの鼻・副鼻腔の構造は複雑ですが、さらにほとんどの人では左右の鼻腔を境する鼻中隔も曲がっており、鼻中隔の弯曲の程度が強いと鼻腔と副鼻腔の通路がさらに狭くなります。そのような状況で風邪や急性副鼻腔炎で鼻腔が炎症を起こすと、鼻腔と副鼻腔をつなぐ穴がふさがって副鼻腔の炎症が持続します。これが慢性副鼻腔炎です。副鼻腔の中で膿がたまると眼や頬のあたりに痛みを感じ、黄色のネバネバとした鼻水や後鼻漏が続きます。実際の慢性副鼻腔炎は病態が多様ですので、アレルギー性鼻炎や鼻中隔弯曲・鼻茸の有無、鼻汁の性状、X線検査やCT検査の画像所見などを参考にして、それぞれの患者さんの病態にあった治療を行う必要があります」

―診療対象に好酸球性副鼻腔炎という病名も出てきます。
「好酸球性副鼻腔炎は、最近話題になっている難治性の副鼻腔炎で、鼻茸を顕微鏡で観察すると多数の好酸球が存在するのが特徴です。好酸球とは、アレルギー性炎症に関わる白血球の一種です。主要症状は、嗅覚障害、鼻閉や粘り気の強い鼻汁で、鼻腔が鼻茸で充満している方もいます。発症年齢は40歳前後が多く、喘息を合併することが多い疾患です。ステロイド薬が効果がありますが、長期服用すると副作用の心配もあるので手術治療が原則です。手術をしても再発することもあるため難病に指定される患者さんもいます。現在も研究が続けられ、新しい治療法も開発されてきています」

―副鼻腔炎はどのように診断するのですか。
「診断はまず患者さんの症状をうかがって副鼻腔炎を疑い、鼻の中を内視鏡で観察したりレントゲンやCT検査で副鼻腔の状態を調べて診断します。そして、それらの所見から副鼻腔炎の様々なタイプまで診断できます」

―治療はどのように進めるのですか。
「急性副鼻腔炎の治療には、抗菌薬を使用します。通常、1~2週間程度服用を続ければ完治します。慢性副鼻腔炎の治療は、慢性副鼻腔炎のタイプを診断しそれぞれに適した治療が選択されます。マクロライド系の抗菌薬を少量で1~3ヵ月間服用する治療(マクロライド療法)が一般的です。しかし、マクロライド療法を行っても改善しない場合には手術を検討します。また、好酸球性副鼻腔炎にはマクロライド療法は効果がないので手術がお勧めです。」

―先生の日帰り手術が好評とお聞きしました。
「当院では、毎週火曜日と金曜日の午前に局所麻酔の日帰り手術を行っています。手術は、安全で患者さんへの負担が少ない内視鏡を用いた内視鏡下鼻副鼻腔手術です。十分に局所麻酔を行い、内視鏡を挿入して鼻内をモニターに映し出しながら安全に手術を行います。痛みは軽微で出血も少なく、手術中は患者さんといろいろなお話をして気を紛らわせていただいております。鼻中隔弯曲が副鼻腔炎や鼻閉の原因になっている場合には、鼻中隔矯正術も併用します。鼻中隔弯曲矯正術は鼻中隔の曲がっている部分の骨や軟骨を粘膜下に摘出して鼻閉や嗅覚障害も改善します。鼻の外形には影響しません。アレルギー性鼻炎がある場合には、粘膜下下鼻甲介骨切除術や後鼻神経切断術を行います。好酸球性副鼻腔炎の手術も慢性副鼻腔炎の手術と同様に日帰り手術でできます」

―日帰り手術には特長があるとか。
「当院の鼻・副鼻腔の日帰り手術は手術終了後すぐに帰宅可能です。もちろん、両側を一度に行うので手術の負担が一度で済みます。手術中の痛みは軽微です。また、鼻・副鼻腔手術では鼻内にガーゼパッキングを行うので頭重感などの術後の苦痛を引き起こしますが、通常は術後2〜3日して行うガーゼ抜去を、当院では手術翌日に行って術後の辛さが早期に解消されるように努めています。また、鼻閉の改善だけでなく嗅覚の改善も重視して、高いQOL(生活の質)を目指しています」
 (ライター/斎藤紘)

石戸谷耳鼻咽喉科
TEL/03-5315-3341
診療時間/ 9:30~12:00 15:00~18:00
定休日/日曜日・祝日・火、金曜日午前・木、土曜日午後
ホームページ https://www.ishitoya.jp/

新刊『明るい保育は未来を明るくする—「積極的保育」のススメ—』幻冬舎刊800円+税
「大切なことはみんな保育園で学ぶ~よい保育の場を求めPart Ⅱ~」(DVD付)フォーラム・A刊1,852円+税
「よい保育の場を求めて~大切なことはみんな保育園で学ぶ~」
出版文化社刊 1,429円+税
「子どもたちの輝く未来のために子どもの力を伸ばす積極的保育のすすめ」現代書林刊 1,200円+税

理事長 兼 園長
山本良一 さん
関西学院大社会学部社会福祉・社会学コース卒。大阪市中央児童相談所で児童福祉司として活躍。1976年、「社会福祉法人弘法会」理事長、「大東わかば保育園」園長。大東市児童福祉審議会委員、花園大学非常勤講師などを歴任。
独自の積極的保育理論で実現した
大切なことがみんな学べる保育園

44年の歴史が裏付け
感動する心育む工夫


「よい保育の場を求めて 大切なことはみんな保育園で学ぶ」「子どもたちの輝く未来のために 子どもの力を伸ばす積極的保育のすすめ」 。20205月、開園44年周年を迎える幼保連携型認定こども園『大東わかば保育園』の園長山本良一さんの著書から伝わるのは、保育に注ぐ熱い情熱と強い使命感だ。若くして児童福祉の世界に身を置き、保育の一線に立った後は園内外に横たわる様々な課題に目を凝らしながら保育のあるべき姿を追求し、確立したのが独自の保育理論「積極的保育」。日々これを実践してきた延長線上にあるのは、2019年上梓の著書のタイトルで示した「明るい保育は未来を明るくする」という確信だ。
 山本さんは「積極的保育」を「現実的な諸問題にとらわれずに、子どもの力を信じて伸ばしていくことを第一に考えて、保育に取り組む姿勢」と定義する。
「日本の保育現場は、日々、保護者対応や行政への書類提出、各種審議会や保育団体などからの文書、研修会の案内、研究機関などからのアンケートなどへの対応などの事務作業に加え、不審者対策、感染症対策、虐待問題、情報公開、職員の待遇改善、業務の記録化など多くの問題が押し寄せ、保育や教育を積極的にできない条件がたくさんあります。しかし、園長が強い心を持ち、職員と強い信頼関係を築いて積極的保育を進めれば、現実条件を乗り越えて積極的な保育を実現することが可能であり、その中で子どもたちは大きく成長していくのです」
「積極的保育」の理論確立には伏線がある。山本さんは高校卒業後に2年ほど銀行に勤めたが、福祉の道に進みたいと思うようになって関西学院大学社会学部に入学。卒業後、大阪市の児童相談所で児童福祉司として約8年間働いた。保育園運営に携わるようになったのは、この業務の中で、「長く子どもたちに接して成長を見守れる仕事がしたい」と考えたのがきっかけだった。1976年に『大東わかば保育園』を開設したが、公務員生活の感覚が尾を引き、職員の労働条件などに気が向き、保育が消極的になってしまったという。この状況下で新しく園に入ってきた主任保育士の「もっと保育を中心に考えてください」という一言が保育のあり方の考察に向かわせた。
 大学で学んだ岡村重夫氏の社会福祉理論や教育家和田重正氏の著書「葦かびの萌えいずるごとく|若き日の自己発見」中の「生きるとは選択である」「本心を生きる」などの言葉、思想家中村天風氏の講演集の中の「観念要素の更改」「積極観念の養成」などの言葉などの中に進むべき指針を見出し、自ら思索を重ねて到達したのが保育理論「積極的保育」だ。
 それを実践する基本スタンスが、「大切なことはみんな保育園で学ぶ」ことができる保育プログラムの工夫とあそびから生まれる感動、見守りがもたらす安心、子どもへの配慮が醸成する信頼を重視する姿勢だ。
『大東わかば保育園』では現在、約110人の子どもが在籍し、保育士、教諭など合わせて約25人のスタッフが保育する。「大切なことはみんな保育園で学ぶ」工夫の一つが、「自由遊びの時間」だ。木製遊具、砂場、うんてい、アルプスが配置された約350㎡の園庭で、年齢ごとにクラス分けした保育とは別に、午前8時半~9時半、午後4時前~4時半の2回、1歳児から5歳児までが一緒に遊ぶ。昼食後も1、2歳児、3~5歳児の順に園庭に出て思い思いに遊び回る。
「少子化、核家族化、働く母親の増加、テレビゲームの普及、遊び場の不足など子どもを取り巻く環境は大きく変わり、子どもだけで自由に遊ぶことが少なくなってしまったうえに、子どもが巻き込まれる事故や事件もあり、子どもだけで家の外で遊ばせることに社会全体が消極的になっています。こうした傾向は子どもの成長にいいはずはなく、子どもたちが気持ちの向くままに遊ぶ時間を持つことは大切だと考え、導入したのが自由遊び時間です。友だちとの遊び方を学んだり、危険を察知して避ける力を身につけたりして、自分を伸ばすことに意欲的な子どもが育っていきます。1歳児、2歳児が給食後に園庭に出て遊ぶ保育園は公立、民間ともほとんどありません」
 感動する心を育むのが、生活発表会、いもほり、星まつり、夏まつり、うんどう会、 やきいも大会、ハロウィン、作品展、クリスマス会、もちつき、ししまい、節分、登山など四季を通じて開催される行事だ。中でも、運動会として披露する合同あそびは、全体の主軸となるストーリーを決め、それに沿ってクラスごとに遊びを考え、子どもたちと先生が協力しながら7ヵ月間かけて準備するプロセスそのものが子どもたちを大きく成長させる。
 安心と信頼を重視する姿勢は、山本さんの人生観に根差す。
「自分自身のこれまでの人生体験や宗教、哲学、心理学などの分野から得たものから、健全な自己実現を現実のものにするには安心は大切なことであると知りました。当園では園長が登園してくる子どもたち一人ひとり、保護者の方と挨拶を交わし、自由に遊んでいる間も子どもたちの命のリズムと共鳴するような姿勢で気持ちを込めて見守ります。ひとりの人間によって見守られるということは、子どもたちも無意識のうちに感じて、安心感を与えているように思います。また、子どもの周囲の大人に対する信頼は、毎日の小さな具体的な事実の積み重ねによって強くなっていきます。安全や清潔、秩序などに重点が偏りすぎて、一人ひとりの子どもの状態や気持ちに配慮が不十分にしかされていないと、子どもは信頼を強めていくことが困難になります。職員全てが子どもの気持ちをできるだけ配慮することをいつも忘れないようにするという姿勢が大切なのです」
 地域に愛される保育園を維持し、「積極的保育」の重要性を発信し続ける山本さんのメッセージは、将来の保育士や子育て中の保護者へのエールでもある。
(ライター/斎藤紘)

社会福祉法人 弘法会 認定こども園 大東わかば保育園
TEL/072-878-4121

所長
薬袋正司 さん
東京CPA会計学院を卒業後、伊勢丹で経理業務全般を経験。税理士資格を取得後、外資系税理士事務所を経て、税理士法人タクトコンサルティングに入社。10年間勤めた後、2007年、『薬袋税理士事務所』開設。宅地建物取引主任者の資格も持つ。
紛失、改ざんの恐れがなくなる
自筆証書遺言の保管制度を推奨

家裁での検認手続不要
遺言書保管官が取扱い


 法務局で自筆証書遺言を保管してくれる制度が2020年7月10日から始まる。相続問題のスペシャリスト、『薬袋税理士事務所』の所長薬袋正司さんは、法務局における遺言書の保管等に関する法律、通称遺言書保管法に則して留意点を整理し、制度利用を促す。
「全文を自筆で書き上げる自筆証書遺言は、民法第968条に定めがあり、手軽に書くことができる半面、破棄や改ざんがされないよう保管し、同時にどこにしまってあるかを家族に伝えておく必要があります。自筆証書遺言を法務局で保管する制度は、こうした気苦労を解消し、遺言書の紛失、改ざんの恐れがなくなるほか、家族が遺言書の有無を簡単に確認できるようにもなる制度です」

◇遺言書の保管◇
「保管の申請の対象となるのは、民法第968条の自筆証書によってした遺言に係る遺言書のみです。遺言書の保管に関する事務は,法務局のうち法務大臣が遺言書保管所と指定する法務局で遺言書保管官として指定された法務事務官が取り扱います。遺言書保管所に保管されている遺言書については、家庭裁判所における検認の手続を要しないこととなっています」

◇保管の申請◇
「保管の申請は、遺言者の住所地若しくは本籍地又は遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所の遺言書保管官に対してすることができます。申請書には、 ①遺言書作成の日付 ②遺言者の氏名、生年月日、住所及び本籍 ③遺言書に受遺者や遺言執行者の記載があるときはその氏名又は名称、住所 ④その他の事項を記載し、遺言者の上記②の事項を証明する書類を添付します。申請は、遺言者が遺言書保管所に自ら出頭して行わなければなりません。本人の意思であることを確認することやなりすましでの提出をなくすためです。書き直しや追加の遺言書を申請する場合には、混乱を避けるため、同じ遺言書保管所の遺言書保管官に提出しなければなりません」

◇遺言書の書式◇
「遺言書の書式は、法務省令で定める様式で作成された無封の遺言書でなければなりません。書式を統一するのは、遺言書保管所で遺言書を電子記録として保管するために、同じ大きさ、様式の遺言書の方が管理しやすいからです。また、遺言書保管官が内容の確認をした上で遺言書の画像情報等の磁気ディスクをもって調整する遺言書保管ファイルへの記録を行うため、封はせず申請する必要があります。遺言書保管官が自筆証書遺言の定める方式に適合しているかについて、遺言者がその全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押印しているか、遺言書に付す相続財産の全部又は一部の目録の毎葉に署名し、印を押しているかなどを確認してくれます」

◇証明書の交付◇
「遺言者の死後、相続人、受遺者、遺言執行者などの相続関係人は、自身に該当する遺言書が保管されているか否か、作成日などを記載した遺言書保管事実証明書や遺言書情報証明書を請求することができます。遺言保管官は、遺言書情報証明書を交付したときは、その遺言者の他の相続人等関係者に遺言書を保管している旨を通知します」
(ライター/斎藤紘)

薬袋税理士事務所
TEL/03-6228-6400 Eメール/minai@tax-bpc.com
ホームページ http://www.tax-bpc.com/

開業当初から、サラリーマンや年金所得者向けの相続税の無料セミナーや各種シニアフェアで相談に応じている。

所長
宮崎一博 さん
九大理学部卒。同大大学院理学部修士課程修了。京セラの研究開発部門で電子部品の開発を行い、光プリンタヘツドで特許を取得。製鉄会社研究所を経て鹿児島に帰り、税理士事務所で12年勤務、税理士資格を取得して独立開業。
理系頭脳で小規模事業者を支援
税制改正の諸課題に最適解提示

無料セミナーなど開催
創業資金の申請も支援


『宮崎一博税理士事務所』の所長宮崎一博さんは、大学院でマイクロ波分光学を研究、京セラ勤務時代に電子部品の開発に従事し、発光ダイオードを使った光プリンタヘッドで特許を取った理系出身の税理士。42歳でそれまでとは異次元の税務会計の世界に進んだが、その明晰な頭脳は、難解な税法、税制にからむ複雑な問題を解きほぐし、最善の着地点に導くプロセスでも生かされ、個人事業主や法人経営者から頼りにされる存在だ。
 業務は、会計監査や損益計算書などの作成、適正利益や適正納税額の算出と税務申告、決算申告の指導、創業計画書や融資申込書の作成などの定型的な支援業務に止まらず、年ごとの税制改正で発生する事業承継や相続などの新たな課題に苦慮する相談にも積極的に対応する。
 具体的には、2015年から相続税の基礎控除が40%下がり、課税対象者が広がった改正について、サラリーマンや年金受給者などを対象に無料セミナーなどを実施。事業承継税制の適用要件が10年間の措置として抜本的に緩和された2018年度の税制改正をめぐっては、法人向けの相談業務を強化したほか、県の事業承継センターの要請で地方の経営者の相談にも出向く。また、2019年7月から施行された民法相続法の約40年ぶりの大幅改正については、「社会の高齢化に伴い、相続開始時の配偶者の年齢が相対的に高齢化し、保護の必要性が高まっていることに配慮した点に大きな特長があり、これまでの通念を離れた対応が求められる」として、相続税の申告にからめた無料セミナーを開催。さらに、同年10月からの消費税増税に伴い、2023年から導入されるインボイス制度をめぐっては、「軽減税率を公平公正に適用するために支出項目を正しく選別するための制度だが複雑な処理が必要になる」として、これまで自分で確定申告していた個人事業者の支援を強化している。
 宮崎さんは、2014年に行政不服審判法が全面的に改正され、一般市民の行政に対する意見が通りやすくなっていることを考慮し、相続税に関する税務調査時に税務署と税法解釈にあたって意見がわれた場合に国税不服審判所への審査請求にも取り組んでいるほか、創業資金融資のサポートにも力を入れ、制度に不案内な個人や小規模事業者も含め、事業者や法人が日本政策金融公庫へ提出する融資申込書や事業計画書作成も支援している。創業から2〜3年経過していても融資申込書は可能という。
 精緻な思考回路が、「小規模事業者の力になる」という宮崎さんの信条を着実に可視化していく。
(ライター/斎藤紘)

宮崎一博税理士事務所
TEL/099-221-1580 Eメール/miyazaki6868@gmail.com
ホームページ http://miyazaki-k.net/

代表弁護士
髙橋優 さん
幼い頃からの「ヒーロー」への憧れから、弁護士をめざす。一人ひとりの心に寄り添い、心穏やかな不安のない明日を迎える為の最大限の手助けをするのが、思い描く理想像であり、『阿倍野なみはや法律事務所』の理念だと語る。
高度の専門知識で相続終活を支援
改正相続法を視野に最適解を追求

遺産分割に的確な助言
遺言作成に親身に対応


 人生の様々なステージで難問に直面した人たちから受けた相談が3千件を超える『阿倍野なみはや法律事務所』の所長髙橋優さんは、保有する弁護士、不動産鑑定士、行政書士、宅地建物取引士の4つの国家資格に裏付けられる高度の専門知識が最適解追求の基盤。その実力が発揮される分野の一つが遺産分割などの相続対策や遺言書作成などの終活のサポートだ。いずれも約40年ぶりに大幅に改正された民法相続法を視野に、個々のケースの特性に見合う解決策を見出していく。
「遺産分割は難しい問題です。遺産が亡くなられた方の人生の結晶だからです。亡くなられた方の想いを汲み取り、残された方のこれまでを無にしないよう完了させることが大事です。分割の方法は,現物分割のほか相続財産を現金化して分け合う換価分割、他の相続人より多く相続してしまった場合に現金などで不足分を補てんする代償分割などがありますが、遺産分割協議で分け方などを決定していくのが基本です。折り合いがつかない場合は、調停、審判に進むことになります」
 この全プロセスで助言する髙橋さんは、改正相続法でこれまでにない制度が創設されたことに注意を喚起する。
「2020年4月から施行される配偶者居住権制度が、その一つ。配偶者が相続開始時に被相続人所有の建物に居住していた場合に、配偶者は遺産分割において配偶者居住権を取得することにより、終身又は一定期間、その建物に無償で居住することができるうえに、その他の財産も取得できるようになります。もう一つが特別寄与料という制度です。相続人以外の被相続人の親族が無償で被相続人の療養看護などを行った場合には、相続人に特別寄与料を請求することができます。これまでとは異なる対応が求められる制度です」
 終活サポートでは、相続争い回避の観点から重要性を増す遺言書作成も支援するが、改正相続法で一部パソコン作成が認められるなど自筆遺言書の方式が緩和されたことや、20年7月から自筆遺言書を法務局で保管してもらえる制度が始まることも念頭に周到に進める。
「遺言書は、一人一人の人生の総決算であり、周りとの関わり合いによって、その趣が大きく異なります。お一人お一人からお話を聞かせて頂き、吟味しながら、法的に十分な意味を持ち、本当に充実したものにするためにしっかりと助言していきたいと思っています」
 財産の管理や運用の煩わしさから解放されるための方法として、信託や任意後見などの制度の活用もサポートの選択肢に入っている。
(ライター/斎藤紘)

阿倍野なみはや法律事務所
TEL/06-6655-1236 Eメール/ y-takahashi@abeno-namihaya.com
ホームページ https://www.abeno-namihaya.com/

代表社員
粕谷幸男 さん
1971年、税理士試験合格、1973年、税理士登録。1978年、税理士事務所独立開業。2002年から横浜商科大学非常勤講師(税務会計)。東京税理士会常務理事、日本税理士会連合会理事。「税金をグーンと安くする知恵77」など共著多数。
事業承継税制特例措置活用を支援
クラウドで長期にわたる要件管理

承継株式の納税を猶予
税務署への届出等管理


 経営者の高齢化が進み、多くの中小企業や小規模事業所の廃業が懸念される状況を背景に、国が事業承継を後押しする事業承継税制の特例措置がスタートしたのは2018年4月。2027年までと期限が限られたこの特例措置の活用を支援するツールがある。事業承継支援のスペシャリスト粕谷幸男さんが代表社員を務める『KASUYA税理士法人』とIT・クラウドシステムの開発を手掛けるEnMan Corporation社が共同で開発したクラウドサービス『事業承継税制リスク管理ソリューション』。経営者や後継者だけでなく、公認会計士や税理士の業務にも役立つ精緻な構成だ。
 特例措置は、税制適用の入り口要件を緩和したのが最大の特長。納税猶予の対象になる株式数を現行の3分の2から100%へ拡大、納税猶予割合80%を100%へ引き上げ、雇用確保要件の弾力化、2〜3名の後継者に対する贈与・相続に対象を拡大、経営環境の変化に対応した減免制度の創設がその柱。
「特例措置を適用すると、先代経営者から後継者への承継株式の贈与税、相続税が全額納税猶予され、その負担が実質ゼロとなります。納税資金を用意したり、株価対策などのため利益を圧縮したりする必要もなくなり、後継者は相続税等の負担を心配することなく会社経営に集中できるようになります」
 ただし、この制度を活用するには長期にわたる適用要件と期限を確実に守る必要があるといい、それを支援するのが「事業承継税制リスク管理ソリューション」だ。
「事業承継税制を贈与によって適用した場合に、長期間に渡って申請、報告、届出などの管理をしなければなりません。特例贈与承継期間では、事業の継続に関する要件を管理し、その後の期間では株式等の保有継続等の要件の管理を長期にわたり行わなければなりません。期限までに、それらの書類を税務署等へ提出しないと、納税猶予の取消に至ることになりかねません。こうした事態を回避するのに有効なのが事業承継税制リスク管理ソリューションです」
『事業承継税制リスク管理ソリューション』は、クラウドを活用し、納税猶予額シミュレーション、適用要件チェックリスト、期日要件、贈与要件や相続要件の判定などの一般措置対応と特例措置対応、一般措置、特例措置向け認定申請書、報告、届出日程をベースにしたアラート送信などの機能を提供する。
「当税理士事務所でも、事業承継税制リスク管理ソリューションを活用し、事業承継税制の手続を適格、適正に管理します」
(ライター/斎藤紘)

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