ビジネスヒットチャート 2015


イギリス生活情報誌 
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クロスリテイリング 株式会社 会長
山口孝志氏
大学時代、豪州に留学したほか世界各地を旅行。卒業後、故郷で公務員を3年務めたあと、塾講師、カイロプラクター、観光客相手のカメラマンなどを経て、株の世界に足を踏み入れて挫折。外国為替保証金取引FXに転じて成功を収め、2009年、「クロスリテイリング」を設立。

投資指南に光る独自スキル
FXでの成功体験を社会還元

 頂上を目指すとき、どのルートを登っていくか、その選択如何で成功するか失敗するかが分かれる。豊かな暮らしを目指す投資はその典型だ。リスクが伴う投資は高度な知識が求められ、案内役が必要となる。その役を担う投資助言会社は日本投資顧問業協会に加盟しているだけで約500社にのぼり、どの会社に頼るかが重要な選択になる。
 その中で、声価を上げ続けているのが『クロスリテイリング』。個人投資家が長期的な利益を得られるように投資に関する知識と技術を伝授する「投資教育事業」を基軸に事業を展開している会社だ。この会社を興し、牽引してきたのがフリーターから一転して外国為替保証金取引FXのプロトレーダーとして成功した山口孝志会長。その歩み、経営哲学が個人投資家の心に希望の灯を灯す。
「トレードの話だけではなく、経済全体の話をお聞きすることができ、とても勉強になりました。先生の熱意が伝わりました」。100人収容できる会場で開かれた無料セミナー。多数の応募の中から抽選で選ばれた20代前半から70代までの個人投資家や投資に関心を持つ人たちが、山口会長の話に熱心に耳を傾けた。その後の感想の一つだ。
「投資は豊かな人生を実現する手段の一つですが、将来のために賢く資産を運用するための投資教育の普及が進んでいない日本では、どのようにして投資をすれば良いか分かる方は多くありません。正しい金融の知識、ノウハウを身につければ、自分に合った投資方法を選択し、着実に増やしていけるようになります。それをサポートするのが実績に裏打ちされた当社の投資教育事業です」
 山口会長は独学でグローバルな経済事情を学び、「FX-jin」の名前でFXトレードを始め、不規則に見える相場の中に規則性を見出すなど独自のトレードスキルを一歩一歩高度化し、海外の投資ファンドからも注目されるほど高い勝率を持つプロトレーダーとして地歩を固めた。転換点になったのは2つの挫折だ。
 大学卒業後、故郷で公務員になったが馴染めず退職。塾講師、カイロプラクター、観光カメラマンなどを転々とするフリーター暮らしをしていた時、投資に関する本に出会い、株を始めたが、2001年の米国同時多発テロで株価が変動、損失を蒙ったのが第一の挫折。
 時間を経てなんとか立ち直り、残った資金で始めたのがFX。外国の通貨を売買して利益を得る取引だ。勉強を重ね、「利益を出せる法則」に気づき、ほぼ確実に利益が出るようになったその最中、知人からノウハウの商品化を勧められ、会員を募って売り買いのタイミングをメールで知らせるシグナル配信から事業をスタートさせた。
「FXは手元の資産から1割程度、生活に余裕のある範囲で楽しみながら行うものです。約2000人の会員を集め、会員の資産が1年でおよそ10倍になるなど、私の商品をベースに資産を増やす方が増えていきました。しかし、その一方で、私が発信するシグナルに依存し過ぎて生活が一変し、全財産を投資し、失敗してしまう方も現れました。欲に火をつけ、暴走させてしまう結果になったのです。この事実を知ったときが2つ目の挫折経験でした」
 この事態を機に、不幸を生んでしまう最大の原因がFXや投資に対する知識不足にあると気づいた山口会長は2009年、事業を教育にシフトして『クロスリテイリング』を設立。投資助言・代理業務として関東財務局に登録し、新しい事業に乗り出した。
 FXは株価の上下変動が激しい株式投資とは異なり、外貨をある程度の期間保有できるため、相場の変動を予測しながら好機を計って売買できる利点もあり、トレンドの継続性、少額から始められる気軽さも手伝って、初心者にとっても魅力的な投資対象といわれる。山口会長は成功を収めているプロトレーダーも講師として招き、セミナーを開催、投資の仕方から利益の出し方、精神の保ち方まで指南している。セミナーに参加できない人向けのオンラインセミナーも行っている。
「FXは、プロよりも、ルールに縛られないアマチュアの方々の方が利益を出しています。知識を持った投資家を多く育成することが私の最終目標なので、市場規模が拡大し関心も高いFXを通じた投資教育、顧客サポートで、これからも豊かな生活の実現をサポートしていきたいと思っています」
 米国スポーツ界に倣った社員間の意見交換法など斬新な会社運営方法で社員のスキルを向上させてきた同社は社員が30人規模に成長、webコンテンツを活用した教育プログラムの展開、投資教材の販売、会長が理事長を務める日本投資家育成機構でのプロトレーダーの育成などにも力を入れているが、山口会長の目には新たな地平が広がっている。
「日本国内に投資教育をどれだけ浸透できるかを見極め、英会話教室が全国に増えてきたように、将来的にはフランチャイズ化によって国内各地の駅近くで投資教育を学べるような環境を作っていき、同時に、海外進出も推進し、当社のコンテンツを外国語に翻訳して、アジア、ヨーロッパなどへ広めていきたいと思っています」
(ライター/斎藤紘)

クロスリテイリング 株式会社
TEL:03-6279-4228 FAX:03-6279-4228 Eメール:info@crossretailing.co.jp
ホームページ http://crossretailing.co.jp/

コンフォートテック 株式会社 代表取締役
清水康弘氏
2002年に建物に省エネ計画が義務付けされ、省エネ法が施工されたのが開発のきっかけ。建物や壁の断熱技術は、飛躍的に進歩したが、屋根直下にある天井は旧来のままだった。本来大空間を形成する体育館などは、断熱・吸音機能などの備わった快適な空間であるべきだと考えている。
東日本大震災・震度7の揺れにも耐えた
独自の技術で天井落下事故ゼロの実績

 体育館やホール、商業施設など大規模建物の天井脱落対策に取り組む千葉市の『コンフォートテック』では、独自開発のCPS工法を用いた耐震システム天井で、2009年以来天井脱落事故ゼロを記録している。従来体育館では吊り天井を設置することが多いが、『コンフォートテック』では、屋根下地に断熱・吸音複合板を直付けする「CPS直付けシステム天井」を開発した。軽量で低コスト、さらに短い工期で施工できる。
 宮城県出身の代表清水康弘氏は、東日本大震災直後に安否確認のために実家を訪れている。「幸いにも被災を免れた母とともに、海岸沿いに住む叔母夫婦を捜しました。いくつも避難所を巡り、地元小学校の体育館で再会できましたが、皆さん不安と底冷えの中で憔悴しきった表情でした。体育館は避難所としては、遮音や断熱、吸音効果がなく、決して快適な空間とは言えません。この時、改めて天井の重要性を再認識しました」と清水氏は語る。この東日本大震災の際も、同社の施工した体育館の天井脱落事故は全くなく、被災者の方々の避難生活の場を確保することができた。
 震災後、国土交通省は天井脱落対策に係る新しい基準を定め、大空間の天井を規制する国土交通省告示771号が施行された。天井高が6m以上・面積が200㎡以上の吊り天井を特定天井として構造耐力上安全な構造を講じることを定めた。しかし、吊っている天井下地と天井の重量が2㎏/㎡以下ならば適用が除外されることから、これに沿って販売・施工しているメーカーが多いのが実情だ。
 これに対し、清水氏は警鐘を鳴らしている。「利用者の安全が最優先です。同メーカーとして、コンプライアンスの観点からも、法律をしっかりと遵守し、きちんと構造計算を行い安全性を担保した吊り天井、もしくは直付けのシステム天井を提案すべきです」
(ライター/後藤宏幸)

コンフォートテック 株式会社
TEL:043-305-4780 FAX:043-305-4781 Eメール:info@comfort-tec.co.jp
ホームページ http://www.comfort-tec.co.jp/

株式会社 K15建築設計事務所 代表取締役
上村允郎氏
鹿児島県・屋久島出身。高校まで屋久島で過ごし、大学進学のために大阪に移る。卒御後、大阪の建築事務所に就職。転職を経て大規模修繕工事の仕事で経験を積み、2012年に独立、『K15建築設計事務所」を設立。マンション管理設計セミナーなど講演も行う。

マンション購入にあたっての
一建築士からの助言

 ビルやマンションなどの建築設計・監理の他、大規模修繕工事コンサルタントとして、長年にわたり中古マンションの修繕工事を手掛け、マンションのすべてに精通するK15建築設計事務所の代表上村允郎氏に、新築や中古のマンションを購入する際に留意すべき点について伺った。
「1981年(昭和56年)に耐震基準が大きく改正されました。新耐震基準では、地震による建物の倒壊を防ぐだけではなく、建物内の人間の安全を確保することに主眼がおかれ、旧基準の震度5程度の地震に耐えうる住宅との規定は、新基準では『震度6強以上の地震で倒れない住宅』に変わりました。まずこの新耐震基準をクリアする建物かどうかみるべきです。
 次に、この先何年くらい住むつもりなのか。それにより見方が変わります。例えば5年くらいで引っ越すつもりであれば、価格だけでなく、管理費や積立金が安いにこしたことはありません。10年から15年以上住むつもりでしたら、修繕積立金が大きなネックになります。直近の大規模修繕工事がいつで、それから現在までに積立金がどのくらい貯まっているか、そして今後の修繕計画はどうか、これを確認する必要があります。外壁やエントランス周りなど外観については、塗装や漏水、タイルのひび割れなど、きちんとメンテナンスされているかどうかは素人目でもある程度は分かります。しかし建物も人間と同じで確実に老化現象が起きます。構造や給排水などの老化は素人にはなかなか分かりません。専門家、プロに見てもらうことが大事です。
 また新築マンションの場合は、大規模修繕工事積立金の臨時金に注意しましょう。これは購入時の総額を低く見せるためのもので、いざその時期になると出費が大変ですので予め確認しましょう」
 住まいは大きな買い物だ。だからこそ知識と経験のある専門家に相談し、不安材料を払拭しておくことが後々後悔しないための賢明な選択といえるのではないだろうか。
(ライター/後藤宏幸)

創造と技術のちいさなふしぎな会社 株式会社 K15建築設計事務所
TEL:06-6809-4303 FAX:06-6809-4304 Eメール:K15_kamimura@yahoo.co.jp
ホームページ http://www.k15.co.jp/

荒木建設工業 株式会社 代表取締役
荒木良太氏
1983年、東京都国分寺市生まれ。中学生の頃から〝やんちゃ〟になって高校中退、家出同然だった時、土建会社の社長に拾われ、協力会社へ3年間の修行に行き、19歳で監督員として入社。その後、営業として業績を上げ22歳で取締役になる。だが、社長の病死で親族派との〝お家騒動〟になって身を引く。知人経由で借金会社の経営を引き受けて2013年10月「荒木建設工業」とし、わずか1年で借財を完済。社員6名と協力会社を率いて、意欲的に事業拡大に取組む。
人々に助けられた前半戦
後進を育てるのが後半戦

 『荒木建設工業』の事業は、土木・解体業と運動施設建設・造園緑化である。率いるのは32歳の社長の荒木良太氏。人なつこく健康的な笑顔と言動に出る男気が、他人を惹き付け、自分も救ったようだ。若い頃に「ぐれて家出して、ヤクザになるしかないかと思った」ことや、「貧乏でラーメンにメシを入れてふやかして腹を満たした」ことや、「社長に内定していたのに〝お家騒動〟で会社が分裂し、何もかも捨てて自分が身を引いた」ことさえ、今となれば楽しげに話せる。波乱の人生前半戦で学び、今、大切にしているのは、窮地に立つたびに年長の人たちに救われたことへの感謝と、〝共存共栄〟があってこそ成り立つという事業への信念だ。
 人生の後半戦は、「お返しで自分が若い人を育て、協力会社さんと一緒に成長すること」を考えている。社員採用では、「経歴は関係ない。生き生きしていること。本気で泣いたり怒れるか、突き進む力があるかを見極める」という。また協力会社については、「それぞれの得意、不得意や仕事の空き具合を全部把握している。損はさせないどころか、勉強賃を上乗せすることも多い。経験のないことは時間もかかるしムダな経費も出るから、それに当ててもらう。それで勉強になれば仲間の戦力が大きくなります」という。注文主(施主)とのやり取りも「最初は喧嘩みたいになるのは普通」だという。「うちの得意は、他社が引くような環境条件の難工事なんです。だから手順やコストの話をちゃんと決め、安全対策、近隣対策と肉付けて計画を立てます。真剣勝負だということを分かってもらうと仲間になれる」。そして「何年ぶりかで休んだ」のが北海道への〝仲間〟旅行だった。飲み食べ放題の豪遊は自社持ち。「皆の喜ぶ顔がうれしかった」と微笑んだ。次の一手が楽しみだ。
(ライター/土谷晴)

荒木建設工業 株式会社
TEL:03-3915-3275 FAX:03-3915-3285 Eメール:info@arakikensetsu.jp

京葉建設工業 株式会社 代表取締役
久保田直樹氏
東京三鷹市生まれ。木更津へ引っ越して20年になる。学業終了後、溶接工として働く。その後自分の技術を磨くべく、とび職、鉄筋、塗装を学び、21歳でとび職として独立し、29歳でに法人化する。この家族と仲間を大切にする若き経営者を多くの人が慕っている。
人脈と人徳で躍進を続ける
建設業界の若き経営者

 大手ゼネコンや建設会社と直接取引で、プラント工事や建設工事を請け負う『京葉建設工業』の代表久保田直樹氏は、今年33歳になる気概に富む若き経営者だ。着実に業績を伸ばし、躍進を続けるその理由は、周りから信頼される久保田氏の人柄と築いてきた人間関係にある。もともと体を動かすことが好きだった久保田氏は、21歳の時に友人を誘い、とび職人として独立。気の合う同業者と仕事を融通しあいながら2年後には仲間は6名に増えていた。「23歳からの3年間は、同じように独立して、既に会社を経営していた同級生と一緒に仕事をしながら、営業の仕方や会社経営のノウハウを学びました。その間、仲間は13名に増えていました。もともと人が大好きで、友だちを大切にしていたので、仕事を通じて人との繋がりを拡げることができました」と久保田氏は語る。29歳の時に法人化を果たし、社員は24名に増えていた。この時久保田氏は、足場を組むための資材を500万円の自己資金だけで購入する。さらに資材置き場に借りていた400坪の土地が1年後に買い上げられることになり、代替地を探している時に運良く紹介された地主さんから、600坪の土地を格安な価格で購入することができた。その時会社は、土地を購入できるだけの利益をあげられるように成長していたのだ。「昨年の三期目の決算では、前期に比べ200%の業績をあげることができました。ここまでこられたのは社員一人ひとりのおかげです。実は2年前に当時の元請けさんが倒産しました。その時、負債と5名の社員を引き受けました。その内のひとりが現在の専務です。彼は年上ですが、やはり年上の工事部長と共に、年下の私をよく支えてくれています」
 新たな事業展開を視野に入れ、高い目標に向かって躍進を続ける若き社長の勢いは止まるところを知らない。
(ライター/後藤宏幸)

京葉建設工業 株式会社
TEL:0438-98-7140 FAX:0438-98-7140 
Eメール:keiyokensetukogyo@db4.so-net.ne.jp

井口木材 代表
井口和司氏
1966年、京都府生まれ。高卒後公務員になるが23歳で退職。親戚が経営する木材会社に就職。29歳で独立し『井口木材』を設立。山林作業の請負と木材販売事業をしながら、生産・加工・販売を一体化する6次産業の可能性をいつも考えている。京都府の「知恵の経営」実践モデル企業に認定される。
「山を守るために」と考えて
木こりが創った『京ひつぎ』

 京都でも京北地区は、地域面積の93%が山林である。北山杉やヒノキで知られる全国屈指の林業地帯だ。木は山を守り、水源を守る。だが価格下落が人手不足を招き、この地域でも伐採や手入れをされずに朽ちる木が年々増えている。この現状を肌で感じているのは山林作業をする「木こり」だ。
『井口木材』の代表井口和司氏は木材の世界に入って26年、独立して20年、山林作業の請負いと木材の伐採・販売をしてきた。そして、「山を守るために何ができるかをいつも考えてきた」と言う。売れる高級材は良いとして、そのままでは廃棄される木材の用途も見出し、山林で働く人にも報われる仕組みが必要だった。最初に手がけたのは、牧場と提携して廃棄木材の「おが粉」を牛舎の床材にすることだった。清掃管理が楽になっただけでなく、乳の出や肉質も向上したという。次に、その牧場から仕入れた肉を使った弁当や木工品を展示販売するカフェ『ローズカフェ』を開店した。料理は奥様が腕をふるう。また、「木こり体験ツァー」も主催して、一般の人々に山林の素晴らしさを体感してもらい、木こりの仕事を理解してもらうイベントも開催している。しかし満足はしなかった。そして今回開発したのが京北の杉や檜を使った「棺」だった。フシのある杉材とフシのないヒノキ材の2種があり、窓につける房は京都の伝統工芸の組紐を使った。名付けて『京ひつぎ』。
「今、国内で使われる葬儀の棺の95%が外国産材です。日本人なら地元産木材の棺で眠りたいと思うはず。特許を取得した『おが粉』を入れた布団を中に入れ、木の香りに包まれます」と井口さん。またレーザー加工で好きな言葉や図案を彫刻することができる(特許出願中)。生産・加工・販売を一貫する林業の6次産業化の道を拓くためにも、「この用途があることを知ってもらい、全国の地元産木材でも作って欲しい」と願っている。
(ライター/左門恵)

井口木材
TEL:075-854-0105 FAX:075-854-0215

株式会社 マサミ 代表取締役
川口昌和氏
神奈川県藤沢市生まれ。高校卒業後、大手ハウスメーカーに入社、現場監督見習いとして建築現場で働き、職人から多くを学ぶ。その後、旅行代理店などで営業マンとして経験を積み、再び建築業界へ。設計会社に入社し、主に建材の配送に従事、2010年に独立して『株式会社マサミ』を設立。
建築資材の配送に光る気遣い
円滑な現場作業の進行に寄与

 国土交通省の集計によると、2014年に全国で着工された新設住宅約89万戸の54・9%が木造だった。建築現場では建築会社や工務店の社員、大工職人などが作業に当たっているが、その作業が円滑に進むように下支えしているのが建設資材の運搬を担う業者。神奈川県の運送業『株式会社マサミ』もその一つ。代表の川口昌和氏の徹底した目配り、気配りが発注元の信頼醸成につながり、業績を伸ばしてきた。
「木造住宅の建設は、建材を事前に工場で加工し建築現場に運んで組み立てるプレカット工法が主流になっています。工期の短縮、現場の資材置き場や作業スペースの縮小、均質な加工、廃材の抑制などの長所があるからですが、建材の置き方によっては作業に支障が出かねません。建材をどのようなルートで運び、現場のどこに、どのように置いたら建設作業が遅れなく円滑に進むかを判断し、駐車場所や方向、荷下ろしの方向も含め支障が出ないように工夫を重ねています」
 大手ハウスメーカーの現場監督見習いとして建築現場で働き、職人から多くを学んだという川口氏。その後、設計会社に入社し、建築資材の配送に従事した経験が現在の仕事につながった。
「私が建材配送に従事し始めた当時、大工さんもプレカット工法に慣れていない場合が多く、大工さんの質問にお答えしたり、大工さんが仕事を進めやすいように現場の様子を見ながら建材の置き方を考えたりしていました。そうした気遣いが喜んでいただけるようになり、自ら事業をはじめたいという想いが高まって、トラックを一台購入して独り立ちしたのです」
 創業当初は誰もが断るような仕事も引き受け、夜遅くまで作業し、時に休日も返上して働いてきた努力が実り、今では仕事の範囲は神奈川県を中心に長野県や山梨県、愛知県、静岡県まで広がっている。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 マサミ
TEL:0465-48-7738 FAX:0465-48-0804 Eメール:masami22@oboe.ocn.ne.jp

鋼管設備工業 株式会社 代表取締役
石田恵治氏
新潟県出身。中学、高校でバレーボール選手。学業修了後、配管工事を手掛ける父親の会社に入る。その後業界バブル、独立、リーマンショックなど苦楽を経験。そして2013年1月に『鋼管設備工業株式会社』を設立。プラント、ビル、マンションなどの配管工事、消防設備工事を基軸に事業を展開。様々な配管工事大手企業のオフィスビルなど、有名施設での工事にも関与。「信頼・安心・安全」をモットーに、日々仕事に臨んでいる。
社会を支える配管工事に誇り
スキルを培う人材育成に注力

 ビルやマンション、工場は、水、油、ガス、水蒸気、化学物質などを通す管があって初めて機能する。その管を設置場所の構造、設置目的に即して安全に役割を果たすように配置するのが建設業法で定める建設業許可業種の一つ、管・消防施設工事業。川崎市の『鋼管設備工業株式会社』は、配管工事のエキスパートである石田恵治社長の経験、知見、技術力、人材育成の努力で着実に前進してきた会社だ。
「配管工事は、出来の良し悪しが外から見えにくい工事です。それだけに、信頼される会社でなければなりません。その要となる配管工は専門職のため、一人前のスキルを身に着けるには時間がかかりますが、丁寧に、時には厳しく指導し、優秀な人材を育ててきました。社員たちの頑張りで、完成度の高さが発注元から信頼され、大型公共施設の工事を受注するなど力をつけてきたと思っています」
 配管工事を手掛けていた父親の背中を見て育ち、学業修了後、父親の会社に入り、父親の下で修業を積み、技術や知識を蓄積した。
「会社に入って2年目から職長として、後輩を引き連れて現場を回るようになり、3年目には業界にバブルが訪れ、仕事に追われました。2008年のリーマンショックで仕事が減る厳しい経験もしました。父親の下で働いた20年間に多くを学ぶことができました」
 2013年、長年の経験を生かして独立、『鋼管設備工業株式会社』を設立し、飛躍の土台をつくった。配管工事が基軸だが、その技術を応用した消防設備工事、機械器具設置工事、電気工事、内装仕上げなど業務の幅を大きく広げた。また、ベトナムからの実習生を受け入れ、帰国後に活躍できるように技術指導にも力を入れている。
「人が集まる所に、配管工事あり」。社が掲げるスローガンに、仕事に対する決意と社会を支える誇りが象徴的に表現されている。
(ライター/斎藤紘)

鋼管設備工業 株式会社
TEL:044-863-7717 FAX:044-863-7718
ホームページ http://www.kskk.biz/


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