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プラスチック製品の金型に施すエッチング加工で
印刷不要、歪みのない滑らかな美しい文字・ロゴを実現
機械工程だと限度のある、ミクロンの世界のエッチング技術。金型加工の技術において日本屈指の技術を持つあの職人集団が、新たに美しいエッチング加工を実現した。
液晶テレビの画面などをはじめ、ミクロンオーダーのエッチング加工において圧倒的な技術を持つ『棚澤晩翠堂』。編集部は、早々にこの熟練の職人集団に注目し、お話を伺ってきた。例えば「つや消し」と呼ばれる特殊な加工により「目にやさしく疲れにくい」液晶を実現した技術は、最新鋭の機械でもお手上げの工程だった。これを長年の経験と勘で可能にしてきたのである。現在までに建設、自動車、半導体など幅広い分野で信頼されるエンジニアたちは、金型の表面に文字を入れるなどの細かい作業や、曲げやひねりといった複雑な形態にも対応できる体制を目指し、この度ついに新しいエッチング技術を確率したのだ。
プラスチック製品にロゴや文字などを入れる際、製品ができ上がってから印刷をするのが通常であったが、プラスチックを成型する金型そのものに、文字を入れる仕組みを作ったのだ。そうすることで、まずランニングコストがかからなくなった。そして極限まで細くした文字を浮き出させていくことで、これまで歪んだりギザギザになっていた文字が、滑らかな字体になった。これは、細かい柄の入ったガラス工芸からヒントを得たという。既に、大手光学メーカー各社が採用し、一眼デジタルカメラの電池ケースなどに繊細で美しい文字を表している。
実用新案申請されたこの技術は、機械加工ではできない繊細なイメージの模様や文字を可能にした。ブランド名や安全規格マークから、花や動物の絵など、対象は無限大。成型＋印刷という工程が、成型のみで完結することで、コストはもちろん、CO2削減にも貢献する。培われたミクロンオーダーのエッチング技術が、また一つ次世代への扉を開いてくれた。 （ライター／中村美奈子）
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