注目情報はこれだ! 2017


イギリス生活情報誌 
月刊
ミスター・パートナー
〒160-0022
東京都新宿区新宿
2-15-2岩本和裁ビル5F
TEL.03-3352-8107
FAX.03-3352-8605
宇仁繊維 株式会社 代表取締役
宇仁龍一氏

大手の織物会社の工場で機械を動かし、エンジニアとして40年以上勤務。退社後の1999年、『株式会社宇仁繊維』を設立。「社員全員が商品を企画して販売する」という考えを持ち、自らも年商2億円を売り上げる。自らの事業を商業でなく、あくまでも工業ととらえ、新たな価値を次々に生み出し続けている。
上左:オリジナル和小物
上右:ショールーム
下左:「江戸小紋」白生地に繊細で優雅な小紋プリント
下右:大阪本社ビル
『宇仁繊維』オリジナル和小物オンラインショップは、
http://www.komon-koubou.com/shopping/

[宇仁繊維株式会社 北陸工場] ●株式会社泰生
宇仁繊維の生産工場分室。55台の高速ドビー織機がフル稼働しています。急なオーダーにも対応します。

[宇仁繊維株式会社 西脇工場] ●藤井福織布株式会社
西脇に綿の最新ジャカード織機を導入しました。

[宇仁繊維株式会社 白山工場] ●株式会社トーカイケミカル
世界一の染色スピードを誇る工場。
社員全員が企画・デザイン・販売を行い
国内生産で成長続けるテキスタイル企業

 1999年の創業以来、ポリエステルや複合素材を中心とした薄地素材を生産・加工している『宇仁繊維株式会社』。現在の年商は70億円を超える。取り扱い商品は、織り上げて染色しない生機(きばた)や染色用の生地「P下」(プリント下地)、無地の染め生地にプリントした生地、後加工を加えた生地など多種多様。同社は商社でなく、「機屋(はたや)」という「ものづくり」の会社で、ファブリック(生地)は海外生産が一般的な今でも、「国産のものづくり」にこだわる。「コストは中国産などに比べれば高くなります。しかし、お客様が求めるものを作れば今でも売れる。それに自社工場で作るため、国産品ではどこよりも安いはずです」と、代表取締役宇仁龍一さんは語る。
 同社から生地を購入しているのは、薄物生地を使うブラウスなどの婦人服メーカーだけではない。フォーマルやメンズカジュアル、バッグ、靴、和風小物などの企画・製造・販売を行う会社など、約3000社にも及ぶ。近頃は、下着メーカーからの引き合いも少なくない。基準の厳しい国際規格「エコテックス規格100」の認証を多くの品目で取得していることも、人気の理由のひとつだ。
 製品の企画・デザイン・販売は社員たちが自らこなす。170名いる社員は皆、服が好きで、アイデアを常にカタチにしたがっている。しかし、本当の強みは「機屋(はたや)」としての核を持っていること。石川県にノンストップで生地を織り続ける工場を持ち、顧客からの注文にも即応可能。「100反、200反のまとまったロットでも3日で出荷可能。また、1反からでも注文を承っています。プリントものならさらに3日、縫製に3日かかったとしても1週間で納入できます」と、宇仁さんは胸を張る。
 国産品に求められるのは、対応の迅速さに加え、世界に誇る「メイド・イン・ジャパン」の品質やデザイン。昔ながらの江戸小紋のような柄や和風テイストのもの、そしてちりめんのような手触り感を持ったオリジナルブランド「江戸小紋」シリーズが好評を博し、大阪・東京・名古屋のショールームや展示会で顧客に披露。さらに、海外進出も軌道に乗せ、中国の上海に「小紋貿易有限公司」、北京に「小紋工房貿易有限公司」の店舗を出し、展示会も開催している。「日本で売れるものなら、海外でも売れる」という宇仁さんの信念が実を結んだ。『宇仁繊維』と宇仁さんによる、「ものづくりニッポン」戦略はこれからも続く。
(ライター/大倉恭弘)

宇仁繊維 株式会社
TEL:06-6253-7311 FAX:06-6253-7312
<大阪本社>大阪府大阪市中央区南本町2-6-12 サンマリオンタワー13F
<東京店>東京都港区北青山3-2-4 日新青山ビル8F
<名古屋店>愛知県名古屋市中区丸の内3-23-20 HF桜通ビルディング10
ホームページ http://www.komon-koubou.com/

医療法人 恒輝会 稲垣歯科 院長
稲垣輝行氏

愛知学院大学歯学部卒業。1992年、『稲垣歯科』開院。磁性アタッチメント義歯の開発研究に国の認可前より携わり、治療実績は1,000症例超。2015年、愛知学院大学歯学研究科で博士(歯学)の学位取得。
上左:世界最小被曝レベルの歯科用CTはドイツ製「ガリレオス」
上右:明るく清潔感のある診療室。治療室は手術室の規格もクリアする清潔環境。
中:大きな駐車場完備。待合室ではセレックの作成も見学できる。プライベートな空間を保つユニット。
下:様々な磁性アタッチメント義歯
磁性アタッチメント義歯で実績
義歯の力学的研究で技術を深化

「歯冠外磁性アタッチメントを用いた義歯設計を行う上で貴重な新知見を提供し、歯科保存学に寄与するところが大きい」。入れ歯と残っている歯根に磁石を取り付けて固定する磁性アタッチメント義歯の研究と開発に長年携わってきた『稲垣歯科』の院長稲垣輝行さんが、愛知学院大学で博士(歯学)の学位を取得した研究に審査で示された見解だ。磁性アタッチメント義歯の形状の違いによって口腔内の組織にどのような力学的な影響を与えるかをコンピュータで解析した研究だ。
「従来のバネ式入れ歯では、どうしても前歯にバネが見えるという欠点があり、バネの緩みや変形が避けられない上、バネがかかる歯に負担がかかり、その歯が痛むことがありました。磁性アタッチメント義歯は、しっかりと入れ歯を固定し、一方で簡単に取り外しできる画期的な義歯です。研究は咬む力が義歯に加えられた際、粘膜や支台歯、周囲組織にどのような影響をもたらすかを把握するためのもので、経験に基づく義歯設計ではなく、確固とした力学的知見に基づいて設計し、義歯を安全かつ有効に機能させるうえで役立つと考えています」
 磁石を義歯の維持に利用しようとする試みは、1950年代の文献で見られるようになり、その後、腐食しない磁石が開発され、1992年に磁性アタッチメントとして製品化された。現在は永久磁石のうちでは最も強力とされているネオジウム磁石が用いられている。
「磁石1個の大きさは米粒ほどですが、最大800gのものを吊り上げることができます。ぐらついた歯も抜かずに歯の根っこを利用でき、ピッタリと固定されるのでよく噛めるようになります。クラスプ(止め金)が必要ないので、見た目もスッキリと自然です」
 稲垣さんの推奨の言葉は、1000症例超の磁性アタッチメント義歯による治療実績が裏付ける。
(ライター/斎藤紘)

医療法人 恒輝会 稲垣歯科 CTインプラントセンター併設
TEL:0568-78-2525 FAX:0568-78-2500 Eメール:inagaki@komaki-dent.jp
ホームページ http://www.inagaki-dent.com/

クロスフィールド 院長
あまだひろ志氏

神奈川県出身。IT会社で活躍されている最中、飼っていた愛猫が病気になり、様々な療法を試した末に気功・レイキヒーリングに行き着いたという。それを機に人や動物にも対応できる手法を習得し、2010年に『クロスフィールド』を設立した。
ペットはもちろんのこと、飼い主さんも一緒にも受けられて、医療関係や各業界のプロの方からも信頼を寄せられている。
生きとし生けるすべての動物が対象で、犬・猫が8・9割でその他にはフェレット・リスや鳥なども診たりする。ちなみに、あまだ院長自身も犬一匹、猫四匹と一緒に暮らしている。だからこそ飼い主さんの気持ちがよくわかる。
海外からの依頼実績も誇る
ペットと飼い主さんのためのヒーロー治療院

 あまだ院長が『クロスフィールド』を立ち上げたきっかけは、ご自身が飼っていた愛猫が病気になったことがはじまり。動物病院からは匙を投げられ、余命宣告までされたのだが、必死の思いで最善の治療法を模索した結果、気功療法を知り実践。それが功を奏し、愛猫はなんとか一命を取りとめた。その契機から気功やレイキヒーリングを学び、『クロスフィールド』を設立したという。
「例えペットでも、家族も同然です。家族の中で具合が悪くなった人が出ると、他の家族も調子が崩れる。それと同じでペットも家族の一員なので、飼い主の具合が悪いと自然にペットにも影響してくる」と分析している。
 あまだ院長は、ペットだけでなく、飼い主さんも一緒に施術するケースが多いという。7割くらいはペットに施術し、残りの3割が人である。その飼い主さんの口コミを介し、紹介された方が来られるケースも多々あり、そうしてまた紹介された方が、あまだ院長を頼って次々と依頼があるそうだ。
 ペットが病気になる原因は様々だが、飼い主さんが疲れたり、機嫌が悪くてイライラして、負のオーラを発していると、自然とペットにも影響してくる。やがてペットの自律神経がニブリ、恒常性機能が低下して治りにくくなるという。
 飼い主さんから相談が多いのは、病院に行ったけど、具体的な病気がわからなかったり、治療できないケースだそうだ。他にも、何回か施術を受けて状態がだいぶ良くなってきても、また悪化しないようにするため、月1回のペースでメンテナンスで来られる方もいるそうだ。症状は重いものから軽いものまで様々だが、症状の重いペットは癌や甲状腺異常などの深刻なケースや自律神経失調症だったり、ヘルニアや先天性の骨格異常で外科的な手術ができないけど、なんとか歩かせたいという飼い主さんまでと様々。もちろん病院で見放された重い病気はすぐに良くなるわけではないが、施術をすることにより、少しづつ緩和して良い方向に促すよう努めている。関節痛などの軽度のものは、一回ぐらいで緩和する場合も。
 あまだ院長のモットーは、まず問診に時間をかけることだ。普段していることやどんなことがあったのか、食べ物や薬はどんなものを飲んでいるのか詳しく聴き、動物病院の検査結果も見せてもらった上で施術を決める。
 過去に施術を受けたペットの例では、頸椎ヘルニアで癲癇や歩けなくなったりと生活に支障が出るくらいのレベルだったが、手術後一日おきに診ていたら走れるようになったり、また、目が弱くなって散歩に行けないペットが、散歩に出れるようになったりと、様々な効果が出ている。
 それに動物だけでなく、人間でも効果があった例もある。患者さんの弟さんが遠隔地の事故で首を折ってしまい、体の処置ができなくて、しばらく寝たきり状態になってしまった。このまま症状が悪化してしまうのかと危ぶまれていたが、入院したと同時に連絡をもらい、施術を開始。一ヵ月後には車いすで動けるまでに改善し、医師も驚いたという。
 エネルギー療法は携帯電話と同じで世界中どこにいても、エネルギーを送ることができる。イギリスやアメリカ在住の方もいて、遠隔療法で施術を受けて劇的回復をしているという。
 あまだ院長の元には、たくさんのお礼の便りが届く。生死にかかわる重要な局面で施術を受け、それで、「諦めていたお花見が今年も一緒に行けるので嬉しい」など。「このような便りが本当に嬉しい。飼い主さんもペットもより良い思い出を、出来るだけ長く共有してほしい。そしてペットと飼い主さんの元気を取り戻せるヒーローを目指してゆきたい」とあまだ院長は語る。
(ライター/井上靖)

気功・レイキヒーリング・エネルギー整体専門療法院 
ペットと飼い主さんの為の療法院
クロスフィールド
TEL:090-6317-5690 FAX:046-260-0934 Eメール:croshealing@gmail.com
ホームページ http://crosfield.info/

有限会社 グリーンサービス 会長
新國文英氏

1985年4月、農業構造改善事業を導入。1986年9月、「農業組合法人 絵の目新田生産組合」として法人を設立登記。1991年2年、「農事組合法人 グリーンサービス」に法人名称を変更、2003年5月15日、『有限会社グリーンサービス』に法人組合を変更。事業内容は、お米の生産販売・切り花の生産、販売・野菜の生産販売・農作業の受託。
左上:会津ブランド推進委員会認定「会津米物語」
会津の優れた素材、技術等を活かし、会津でしかできない、本物にこだわった魅力ある地域産品を認定基準にもとづき審査を行い、「会津史・季・彩・再」地域産品ブランドとして認定されたお米となっている。
純精米『新米・会津米物語』 白米 コシヒカリ 3㎏
1,925円(税込)
右上:純精米『会津米特選米』
白米 コシヒカリ5㎏ 2,062円(税込)
純精米『新米・会津滋養米』
白米 コシヒカリ3㎏ 2,549円(税込)
中:1997年に産声を上げた『会津夢の郷』元々は旧新鶴村内の農業者が、新鶴温泉の排熱を利活用できないかと有志が集まってできたネットワーク。その後、この名称で農産物の登録商標を行い、有限会社グリーンサービスがその商標を管理しています。この様ないきさつから、弊社が運営するネットショッピングの名前に、この『会津夢の郷』を使用しています。作物津栽培に欠かせない緑の大地と太陽と水。そこから生まれる『夢』赤丸がこの『夢』を表現しています。次世代の若者が魅力を感じて受け継ぐそんな面白おかしい元気な農業が私たちの変わらない『夢』です。
純精米『会津米物語』
白米 コシヒカリ5㎏ 3,063円(税込)
新米 純精米『会津2色米・人』白米10㎏
特選コシヒカリ5㎏+ひとめぼれ5㎏ 3,659円(税込)
右下:「グリーンサービズ」スタッフのみなさん
会津ブランド米は
こうしてできあがる

 会津盆地の南西部にある会津美里町。その平野部、あいづだいらは、古の昔には阿賀川が流れを変えるなど洪水の危険にさらされなかなか定住もままならなかった。しかし、現在は治水が完備され、良質の水や寒暖の差が大きくメリハリのある気候であることもあいまって、一面に稲穂がゆれる日本でも指折りの穀倉地帯となり、コシヒカリ・ひとめぼれなどを中心とした稲作が盛んに行われている。その会津の地で武士農家として400年にわたりお米を作り続けてきた農家が立ち上げた農業法人が『グリーンサービス』だ。同社が農場としている会津美里町新鶴地区は、阿賀野川水系宮川と佐賀瀬川に挟まれ、沖積土壌というお米づくりには最高の土壌を持っている。沖積土壌とは河川の氾濫などで土砂が堆積してできた新しい土壌をいう。
「それだけに、天災によって毎年のように洪水と戦ってきた歴史に思いをはせれば、今日のように豊かな自然の恵みをいただくことができるのは、先人が、ただひたすらに農業に取り組んできた努力のたまもの」と、『グリーンサービス』会長の新國文英さんは感慨ぶかげに語る。この400年受け継がれてきた土壌・農地には、先祖の農業への想い、子孫への想いが込められているのだという。
「私どもの米づくりは、恵まれた土壌の上に、さらに独自の工夫を加え、ほかにない米づくりを行っています。例えば、弊社の「会津滋養米」は、じっくりと美味しく完熟させ、10月25日頃に刈り取りを行う完熟米ですが、それほどの長期にわたる栽培には健康な稲の生育に耐える良質な水田が必要なのです。そこで「会津滋養米」の水田では、毎年土壌分析を行い、その結果を元に「圃場(作物を栽培する田畑・農圃)カルテ」を作成、それに基づき土壌改良材、完熟堆肥を施し、土の塩基バランスを整え、水稲が健全に育つように栽培管理を行っています。だからこそ一般的なお米と比べ、ミネラル分の含有量が多い米が育つのです」
 会津は、福島という事で原発事故が頭をよぎる方もいるかと思うが、県では全量全袋検査を行っており、逆に福島県産であることが安全の証明となっているくらいだ。
「東日本大震災から研究に研究を重ね、皆様がより安心して食べられるように栽培方法を工夫した結果、このような安全性の高いお米を栽培できるようになったのです」
 おいしい米は、私たちを幸せにしてくれる。ただそのおいしさを形作る条件がある。味はもちろん粘り、かたさなど、おいしいお米にはかかせない要素だ。『グリーンサービス』のブランド米にはそのすべてがある。
 日本は、豊葦原瑞穂の国。会津の地の米は国の宝ともいえる。その400年の農の営みが途絶えてはならない。
(ライター/田中一郎)

有限会社 グリーンサービス
TEL:0242-78-2944 FAX:0242-78-3283 Eメール:green-service@greenserv.co.jp
ホームページ http://www.greenserv.co.jp/

株式会社 棚澤晩翠堂 代表取締役
棚澤節氏

大阪府出身。関西学院大学法学部卒。社会に出て商社で約4年、営業を経験。退職後、2年間、海外を旅して見聞を広める。その後、家業の明治44年創業の『棚澤晩翠堂』に入り、経営のノウハウと金型表面加工技術の知識を蓄積、専務取締役を経て、2005年、四代目社長に就任。
左:金型へ転写模様の修正
右:金型洗浄作業
金型表面加工技術の進化に誇り
百年の伝統を守る経営者の気概

 工業製品に社名やロゴを表示したり模様をつけたりするのには、高度な金型表面加工技術を要する。『株式会社棚澤晩翠堂』は、精緻な職人の技と先端技術による金型表面加工で名を成した会社だ。四代目社長棚澤節さんは法学部出身の文系だが、技術体系全体を把握し、次々に生まれる新しい工業製品の金型表面加工を進化する技術でリードしていく決意だ。
「明治時代にお札の原版の加工からスタートした会社ですが、今では精密機器、光学製品、電子機器、自動車部品、家電製品など広範囲な工業製品が対象です。金型の表面を化学薬品などの腐食作用を利用して加工するエッチングが中核技術。メーカーのデータを基に作る三次元形状のフィルムを曲面に貼り付けて紫外線で表面に転写する作業では、高度の職人技が生かされます。ゴムや合板、樹脂製の製品の表面にシワ模様(シボ)や木目、石目、岩目、皮模様、梨地模様をつける表面加工も得意な分野です。ミクロン単位の超微細加工も可能です」
 大学卒業後、商社で営業を約4年経験したという棚澤さんは、現場を手伝いながら異次元の金型表面加工技術への理解を深めたという。
「職人たちの卓越した技術で100年の伝統を守っていきます」
(ライター/斎藤紘)

株式会社 棚澤晩翠堂
TEL:072-949-5794 FAX:072-948-0576
ホームページ 棚澤晩翠堂

有限会社 ストカ 代表取締役
斎藤智幸氏

大学卒業後、燕三条の金属加工会社「シマト工業」で5年間修業。その後、父親が1955年に創業した「斎藤進工場」に入り、1990年に法人化し『有限会社ストカ』を設立。1994年に代替わりし、二代目社長に就任。

有限会社 ストカ 次長
斎藤和也氏

学業終了後、土木関係の仕事に就く。その後は家業を手伝い、現在は、同社次長。
鉄製茶筅で示す生残りを決意
父子で描く新時代の経営戦略

 金物の街、三条市の『有限会社ストカ』の二代目社長齋藤智幸さんたちの手によって世界でただ一つの「鉄製の茶筅」を誕生させた。これは、自社ブランドによる製品の創造の必要性を説く子息で次長の和也さんの意向を受け、中小企業を取り巻く厳しい経営環境を生き抜く決意を示した観賞用の試作品だ。竹製を精巧に再現した形状が技術の高さを示す。
「大手企業の製造拠点が海外に移って以降、国内に残ったのは小ロットの仕事ばかり。その中で生き残っていくためには時代に合わせて事業を変化させることが重要。息子の意向もあって幅広い金属加工へと業容を広げ、プレス加工から溶接加工、機械加工、組み立てまでの一貫生産が可能になりました。さらに自社製品を直接エンドユーザー様に届けられるような事業スキームを築きたいと考えています。息子や若い社員の意欲に応えるためにも、会社として常に先を見据え、挑戦していかなければと思っています」と齋藤さんは力説する。
 バブル崩壊やリーマンショックを積極的な設備投資で乗り切った同社を牽引する齋藤さんは、同業者とのつながりを大事にしながら、独自のブランドを確立した上で、株式の上場までを見据えた長期経営戦略を描く。
(ライター/斎藤紘)

有限会社 ストカ
TEL:0256-45-5571 FAX:0256-45-3122 Eメール:sutoka@cameo.plala.or.jp
ホームページ http://sutoka.jp/

ハーモナイズ 株式会社 代表取締役社長
塩田茂樹氏

福島県郡山市出身。高校卒業後、給水設備会社に入社。20歳の時に国際資格を取得して現場監督となる。その後、別業種を経て、製造業界に転身。樹脂成型メーカーで経験を積み、2011年、『ハーモナイズ株式会社』を設立。
日本の製造業を取り巻く問題に関心を寄せる塩田さん。協力会社とそれらの優れた技術力を必要とする大手メーカーをはじめ、顧客との橋渡しを行っている。扱う製品は樹脂加工製品、金具・ゴム加工製品、精密製品などだ。
東日本大震災からの復興と
国内製造業への貢献意識

 プラスティックや金属部品類は、組み立て作業に欠かせない製品。これらの製品物流が需要者と供給者の間で円滑に流通させる架橋となる「ハーモナイズ株式会社」。その代表となる塩田さんは製造メーカーの元営業マン。在職時から大手製造メーカーが次々と海外に進出し始めるのを目の当たりにし、それが国内からものづくりが衰退してしまうと危惧。そして東日本大震災後にはそれに拍車が掛かり、悪化していく状況が会社を立ち上げた契機になる。塩田さんは結束・調和・創造をキーワードに、地元・福島復興と貢献を標榜。嘗て営業マンとして培った営業のスキルと豊富な人脈を使い、現在では福島県内では100社、日本全国では300社、海外では100社となる大小の協力会社とのネットワークを構築した。同社の担う仕事は製品の品質管理はもちろん、顧客ニーズへの対応、協力会社同士との好循環を保つサポートなど計り知れない。しかし塩田さんは「福島からものづくりを変え、そして日本の製造会社を一つにする」という高い目標と、日本の製造業に貢献すると志す。
(ライター/川﨑さわか)

ハーモナイズ 株式会社
TEL:0243-24-8773 FAX:0243-24-8567 
Eメール:bujiness@harmonized.biz info@harmonized.biz
ホームページ http://www.harmonized.biz/

フセハツ工業 株式会社 代表取締役社長
吉村篤氏

大阪府出身。早稲田大学法学部を卒業後、教育関連の仕事に従事したのち、同社に入社。2014年、4代目代表取締役社長に就任し、若手とベテラン、ハイテクとローテクが融合する新生『フセハツ工業株式会社』を目指し、組織を指揮している。同社のバネは意外なところでは、自転車のサドル、美容室のチェアーや洗濯バサミにも使われている。
左:各種バネサンプル 右:椅子用ロッキングバネ
日本の生活・産業を支えている
ものづくり東大阪のバネの匠

 日常生活において意識することは少ないが、必要不可欠な存在のバネ。ノック式ボールペンや傘をはじめ、携帯電話やパソコンなど数多くの製品に使われている。そんな大切なバネを70年近くにわたって作り続けている『フセハツ工業株式会社』。大阪の東部に位置する東大阪市は、ものづくりの町として知られ、同社も各方面から高い評価を受けている。「伝統的な職人技術を大切にしつつ、最新設備を用いた生産技術によって、お客様が求める品質・価格・納期にお応えしています」と語るのは、代表取締役社長吉村篤さん。早稲田大学法学部に進学し、卒業後は教育関連業務に携わっていたが、28歳で同社へ。「家業だから、後継者として呼ばれたわけではありません。クレーム処理、製造現場の手伝い、在庫管理、機械の廃棄まであらゆる仕事を担当しました」と当時を振り返る。そのような経験、苦労の積み重ねが自信となっているのだろう。2014年、4代目社長に就任するや、社内改革を断行。「やや商社的」になっていた同社を、ものづくり企業へ回帰。バネ1個の試作から何百万個の量産まで、組み立て作業の効率化も含め、顧客と一緒に営業担当者が考え、全面的にサポート。自動車、航空宇宙、医療などの産業にも欠かすことができないバネの他、特殊な航空機産業向けの耐熱性バネの開発、技術革新にも努めており、注目が集まっている。
(ライター/大倉恭弘)

フセハツ工業 株式会社
TEL:06-6789-5531 FAX:06-6789-5536 Eメール:fhk@fusehatsu.co.jp
ホームページ http://www.fusehatsu.co.jp/


[イギリス生活情報誌]月刊 ミスター・パートナー 〒160-0022 東京都新宿区新宿2-15-2 岩本和裁ビル5F TEL.03-3352-8107 FAX.03-3352-8605