ヒットの予感!! 2018


イギリス生活情報誌 
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上:投入槽
中:特許技術によって設けた処理槽
下:代表 野口昭司 氏
茨城県出身。米作農家だったが、将来性への懸念から養豚業に転換。『野口ファーム』を立ち上げる。悪臭公害対策の延長線上で排尿対策にも乗り出し、EM菌を活用した「畜産動物の排尿処理方法」で2013年7月特許を取得、2014年5月に公開された。特許期限は2032年10月12日。
養豚の排水処理で基準を下回る数値達成
有用微生物群を利用した技術で特許取得

悪臭公害対策が研究の発端
費用対効果でも大きな利点

 養豚場から河川に流す排水の処理で、水質汚濁防止法の排水基準をはるかに下回る数値に抑えることに成功した篤農家がいる。茨城県神栖市で2千頭の豚を飼育する『野口ファーム』の代表野口昭司さん。光合成細菌や乳酸菌、酵母など抗酸化物質を産生する有用微生物群EM菌を活用する「畜産動物の排尿処理方法」を考案、日本と養豚大国中国で特許を取得、その技術で養豚のし尿を処理し、低数値を達成した。
「畜産動物の排尿処理方法」は、空き地に穴を掘り、内側にビニールシートを敷いて2個の処理槽を作り、エアコンプレッサーを設置、排尿を集めてEM菌と共に第一処理槽に導き、水中エジェクターポンプで攪拌させて尿の初期浄化とEM菌の増殖を進行させ、初期浄化尿を第二処理槽に導いて攪拌させ最終浄化尿を取り出すシステム。
『野口ファーム』では、近くを流れる常陸川に浄化した排尿を放流しているが、この方法で処理した排水を測定したところ、BOD生物化学的酸素要求量が水質汚濁防止法の排水基準の160ppmに対し10ppm、窒素含有量は120ppmに対し24・9ppmと驚くほど低い数値だった。
 野口さんは、1960年代に米作に見切りをつけ、養豚業へ転換したが、悪臭公害への対策を迫られ、EM菌に着目、排尿対策として工夫を重ねた。1999年に家畜排せつ物法が施行され、以前より豚の糞尿の処理が難しくなったため、さらに研究を進め、「畜産動物の排尿処理方法」を考案。2013年に日本で、2015年には中国で特許を取った。
「経費は、一般の浄化施設の5分の1程度。四季を通じて安定した処理ができます」 
 野口さんは費用対効果の上からも利点も強調する。

野口ファーム
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