令和のベストヒット大賞 2019


ミスター・パートナー
〒160-0022
東京都新宿区新宿
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院長
小田治範 さん
中国吉林省延辺医学院、吉林医科大学卒。同大学生科学研究所で生化学を中心に研究。韓国・ソウル中央大学医学部でも学ぶ。東京の同仁病院副院長を務めた後、1997年、『医療法人社団医進会小田クリニック』開院。
がんを独自の免疫療法で治療
幹細胞を用いた再生医療にも注力

先駆的研究で療法進化
海外からも受診者来院


 がん細胞の動きの監視、がん細胞の発生・成長を防ぐ免疫力の強化、独自に開発した療法によるがん疾患の治療。免疫細胞医療の研究に20年以上前から先駆的に取り組み、先端医療のパイオニアと評される『小田クリニック』の小田治範院長のがん疾患に対する診療体制は重層的だ。免疫細胞療法を研究する『小田バイオ免疫研究所』とがん細胞を攻撃する免疫細胞を培養する「CPC(Cell processing Center)」を併設した同クリニックには、その高度の医療技術を求めて海外からも多くの受診者が訪れる。
 小田院長の研究の深さを示したのが独自に開発した「NKM免疫細胞療法」。リンパ球に含まれる免疫細胞のひとつで、外敵を殺傷する能力を備えているNK(ナュラルキラー)細胞を使ったNK細胞療法を進化させたものだ。受診者から採血した血液の白血球中のNK細胞をより多く増殖させると同時に、T細胞 (Tリンパ球)、B細胞 (Bリンパ球)などをミックス(M)させたNKM細胞を約15~30億個まで培養して体内に投与し、免疫力をより高めてがん細胞をさらに強く攻撃する方法。小田院長は、NKM細胞の培養に必要な生育環境を提供する培地(培養基)を開発し、この治療法の臨床適用を可能にした。
「がんの三大療法といわれる手術療法、化学療法、放射線療法は、一定の効果は期待できるのですが、副作用が強くて身体への負担も大きく、とても辛い治療法でした。これに対し、免疫細胞療法は第四のがん治療法として期待されている治療法で、NKM免疫細胞療法はその進化形と考えています。低下した免疫力を高めて免疫機能を活性化させる治療法なので、身体に優しく、副作用もない理想的な治療法です」
 小田院長は、この治療法で治療に当たると同時に、予防医学の見地から「がん遺伝子検査」にも力を入れる。
「血液中には、細胞死によって細胞から放出された遊離DNAやRNAなどが存在します。これらを解析することによって、画像診断や内視鏡検査などでは確認できない分子、細胞レベルの微細ながん状態の細胞を検出したり、がん細胞の存在リスクを評価したりすることができます。当クリニックでは、この評価を継続的に行い、体質や生活習慣にあった最適な予防管理を指導し、発症抑制を目指します。また がん治療後の患者さんについても定期的な遺伝子検査で、がん再発にむかって進行しているのか、改善されつつあるのかを評価し、再発防止指導に有用な情報を提供します」
 戦時中に日本から中国に渡った両親のもとに生まれた小田院長は、中国や韓国の大学で医学を学び、帰国後も免疫細胞医療の研究を重ねた。その先進的医療が評価され、活動範囲は中国や韓国にも広がっている。
(ライター/斎藤紘)

医療法人社団 医進会 小田クリニック
TEL/03-5273-0770 Eメール/odaclinic@ishinkai-mc.net
ホームページ https://www.ishinkai-mc.net/

上右:『オープンステントグラフト』図
左中:台北Cheng-Hsin病院心臓センターでの講演。
左下: 宮城県警での表彰状授与式。

副院長 兼 心臓血管外科主任部長
中尾達也 さん
広島大学医学部卒。2014年『新東京病院』副院長兼心臓血管外科主任部長。三学会構成心臓血管外科専門医。三学会構成心臓血管外科専門医認定機構修練指導医。日本冠疾患学会評議員。腹部、胸部ステントグラフト実施医。
進化する医療技術の普及に尽力
低侵襲の大動脈瘤手術で高実績

治療に生きる留学経験
台湾での初症例を指導


「がんぼったれ」
 損得勘定に囚われず自分の信念を貫くような頑固者を意味する広島の方言。広島の漁師町で育ち、医学を学んで今、『新東京病院』で副院長兼心臓血管外科主任部長を務める中尾達也さんに当てはまる言葉だ。医療技術の進歩のためにグローバルな視点から幅広く知識を吸収し、国内外の医学界に還元することを信念に一途に研究と臨床実績を重ねてきた国際派医師。海外留学を目指す多くの医師が中尾さんの国際人脈を頼りに研修に参集する。
 日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本血管外科学会の三学会構成心臓血管外科専門医である中尾さんは、大動脈瘤に対する『オープンステントグラフト法』という低侵襲手術をはじめ、成人心臓大血管疾患の手術で国内屈指の治療実績を誇る。こうした実績を支えるのが海外での留学経験だ。1992年から2年間、米国ニューヨークのモンテフィオーレ病院で橈骨動脈グラフトや僧帽弁手術で有名な医師の下で研鑚、1996年から2年間、 豪州シドニーのロイヤルプリンスアルフレッド病院心臓胸部外科でも医療技術を磨いた。このほかマレーシアのクアラルンプールIJN病院や台湾台北のFar eastern memorial病院と個人的パイプも持つ。 
 胸部真性、急性、慢性の解離性大動脈瘤などあらゆる形態の動脈瘤に対して開始したオープンステントグラフト手術は、患部の血管にステントグラフトという金属製の骨組みに支えられた人工血管を挿入する方法。
 「大動脈瘤は、心臓から全身に血液を送る大動脈にコブができ、破裂すると激痛を伴うショック状態から心停止、呼吸停止に至り、生命の危機につながる病気です。『オープンステントグラフト法』は、胸を開けて行うのが特長で、患部を直視出来るのでステントグラフトを確実に留置できるだけでなく、コブができた血管を人工血管に換える人工血管置換術よりも傷口が小さく済み、身体への負担が少ない低侵襲の手術法です」
 中尾さんは2018年4月、このオープンステントグラフトの保険償還が決まったばかりの台湾に足を運び、台北市の国立台湾大学で『オープンステントグラフト法』による初症例となる手術に立会い、指導もした。同年11月には、台湾の医師数人を新東京病院での中尾さん執刀の手術の見学に招待、台湾胸部心臓外科学会でのランチシンポジウムで招聘講演も行った。
 同病院の心臓血管外科は、歴代部長を国内外屈指の名医が務めた名門診療科。中尾さんは、「がんぼったれ」の精神で伝統を守っている。
(ライター/斎藤紘)

医療法人社団 誠馨会 新東京病院
TEL/047-711-8700

院長
小菅正義 さん
日本医科大、東京薬科大卒。医師と薬剤師の国家資格を併せ持つ。2007年9月、『池袋シティクリニック』開院。一般社団法人日本旅行医学会の認定医で海外へ行く人への旅行医学診療も行う。日本医科大学大学院脳神経外科学研究生。
現代人に増える眼精疲労で助言
VDT作業やストレス対策で改善

重い症状は受診を推奨
セルフケアの予防策も


 パソコンやタブレット、スマホ、テレビ、ゲーム機などのVDT(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)による作業が増大した現代、「目の酷使による眼精疲労が増えている」と指摘し、対策と予防の指導で頼りにされているのが全人的医療で注目されている医師の小菅正義さんだ。医師と薬剤師の国家資格を併せ持ち、眼科を中心に全人的医療に取り組む立場から、目の使い過ぎだけでなく、ストレス、メガネやコンタクトの不具合によって目にかかる負担の軽減策もアドバイスする。
「目を使う作業を続けることにより、目だけでなく全身に症状が及び、休息や睡眠をとっても十分に回復しない状態が眼精疲労です。目は、水晶体を支える毛様体筋の伸び縮みでピントを調節していますが、毛様体筋は自律神経によって支配されているため、目を使い過ぎて毛様体筋が疲れると、自律神経のバランスが崩れて、全身に症状が現れると考えられています。目が重い、痛い、まぶしい、かすむ、乾いた感じがする、充血する、まぶたがピクピクする、まばたきが多くなるといった目の症状や、頭痛、首や肩のこり、イライラ感、吐き気などの全身症状が発現し、生活の質に影響が出てきます」
 眼精疲労の原因は、様々な要因が絡み合って起こるという。
「原因は、大きく分けて3つがあります。一つが目の異常。遠視や乱視、近視、老眼が適正に矯正されず、度の合わないメガネやコンタクトレンズを使っていると、無理にピントを合わせようとして毛様体筋に負担がかかります。涙の量が少なくなったり、涙の流れが悪くなったりするドライアイも目に負担がかかります。次が作業環境です。長時間のVDT作業、照明のちらつき、エアコンの風、紫外線、シックハウス症候群、騒音などが影響することもあります。特に集中して画面を見つめるVDT作業では、まばたきが減り、涙が蒸発しやすくなり目の乾燥も進むといわれています。日々の長時間のVDT作業で目や全身の疲労が慢性化すると、仕事の能率が落ちる、気分が落ち込むなど影響が広がると考えられています。もう一つが全身の異常です。疲れやすい体質、夜勤や出張などによる生体リズムの変調、精神的ストレス、緑内障、白内障、脳神経疾患、高血圧、糖尿病、自律神経失調症、月経異常などに伴って眼精疲労の症状が出ることもあります」
 眼精疲労の症状が起こったときの対策は、医療機関の受診が必要な場合とセルフケアが求められる場合に分かれるという。
「症状が重かったり、長引いたりする場合は、緑内障、白内障などの目の病気が隠れている場合や脳神経疾患など全身の病気が原因になっている場合もありますので、専門医を受診した方がいいでしょう。メガネやコンタクトレンズの度が合っていないと思われる場合は、眼科で検査を受け、適切に矯正する必要があります。一方、目の使い過ぎ、軽度の目の乾燥などによる眼精疲労はセルフケアでも対応できます。ビタミンBやEなど目のはたらきを維持するのに欠かせない栄養素を積極的に摂る、マッサージやツボ押しなどで目の周りの筋肉をほぐす、目が乾くときはコンタクトレンズをやめてメガネをかけるようにする、作業環境を見直し、目を疲れさせないようにすることなどで症状の改善が期待できます」
 予防策としては、目を疲れさせない生活習慣、ストレスの少ない生活、目に良い食品の摂取などを挙げるが、特にVDT作業については、画面との距離や周囲の照明の構成など作業する環境や方法、時間、休憩など目を休める工夫に留意するよう助言する。
(ライター/斎藤紘)

医師 小菅正義
ホームページ 小菅正義 医師

上中:『SCaD HOUSE』(昭島市)、『SCaD HOUSE』(東大和市)
上右:『SCaD HOUSE』(昭島市)

代表取締役
須﨑英和 さん
住宅メーカーで営業職として勤務していた時、住宅デザインに疑問を抱いたことをきっかけに独立。2007年、一級建築士事務所『SCaD株式会社』設立し、代表取締役に就任。分譲住宅、注文住宅の設計で着実に地歩を築く。
住宅設計に光るオリジナリティ
感性豊かな建築家集団を牽引

ダサい家に終止符打つ
独自の分業体制を採用


 多角形、左右非対称、凹凸、斜線……。様々なラインの組み合わせと意表を突く輪郭が独特の雰囲気を醸し出す。一級建築士事務所『SCaD株式会社』が手掛ける分譲住宅、注文住宅は、見た目にオリジナリティを強く印象付ける。住宅メーカーで営業として勤務していた当時ありふれていた住宅デザインに疑問を抱き、「ダサい家」に終止符を打ちたいと同社を立ち上げた代表取締役須﨑英和さんの強い思いが感性豊かなスタッフを通してデザインに投影され、施主に笑顔をもたらしてきた。
 須﨑さんが志に共鳴するスタッフを集め、同社を設立したのは2007年。現在、21人のスタッフがいるが、同社のオリジナルな住空間デザインは、独特の設計体制から創出される。通常、設計事務所では先生と呼ばれる建築士を中心に物事が進行していくが、同社ではデザイナー、図面描き、ディレクターに分かれる分業体制を採用し、「一人の先生」が中心にならず、スタッフそれぞれが持つ強みと持ち味を結集し、施主の意向、夢を的確に形にしていく。
「コンセプトを感じさせないランドデザイン、人の目を意識しないファサード(建築正面)、住まい手のことを考えず、何も感じることのできない見飽きた住宅にはうんざりという思いを持ち、その状況に風穴を開けたいという志を持った建築家集団が当社です。デザインだけでなく、住生活マーケティングの知見や生活者の購買接点における意識や動向など分析も交え、お客様にとって住み心地よい住まいとはなにかという一点を深く追求し続けます」
『SCaD HOUSE』ブランで展開する分譲住宅の設計では、社会が住宅に求めるものを念頭に一目見た瞬間から「住みたい」と思わせる魅力的なデザインをプランニング。注文住宅の設計では、施主の要望を正確に汲むための独自の打ち合わせ・プランニング手法を開発し、ライフスタイルをふまえた住みやすい住宅を提案する。同社は設立当初から、プレゼン段階から平面図だけでなく、言葉だけでは伝わらない細かな部分も可視化できる3次元コンピュータグラフィックス3DCG建築パース(完成予想図)を使って施主とイメージを共有しながら要望に応えてきた。
 同社が手掛ける建築設計は東京の多摩・立川地区でトップシェアを誇るが、須﨑さんは業容拡大も視野に入れる。
「東京五輪後の景気の冷え込みを念頭に、今からリスクヘッジのための手を打っておかなければとは考えていますが、将来的には、設計から工事、監理まで全てを手掛けたいという夢もあります。そのためにもさらに有能な人材を集めていきたいと思っています」
(ライター/斎藤紘)

SCaD 株式会社
TEL/042-538-0417 Eメール/ info@scad.jp
ホームページ https://www.scad.jp/

上左:代表取締役
上村昂平 さん
神戸芸術工科大学環境建築デザイン科卒。デザイン事務所LANDMARKのデザイナーなど経て2019年2月、『株式会社K10DESIGN FARM』の代表取締役に就任。
上中:『Magazine rack』 『Slippers rack』
上右:『Shelf』

左中:株式会社 K15建築設計事務所
代表取締役 上村允郎さん
大学卒業後、大阪の建築事務所に就職、転職を経て大規模修繕工事に出会う。2012年『K15建築設計事務所』設立。NPO法人集合住宅改善センター設計監理事業部長。耐震総合安全機構会員。
創造と技術のちいさな不思議な会社
株式会社 K15建築設計事務所
TEL/06-6809-4303
http://www.kei-ichigo.com/
設計事務所で新たな価値を創造
父親の右腕となる建築デザイナー

業容拡大に実力生かす
競争力強化の重責担う


 旗が翻る大きなテントの中に、太陽、雲、山、木、川、飛行機、鳥、家、ボール。大阪・北摂のおでかけ情報WEBサイト「LIVING北摂」の人生100年時代の幸せのヒントを発信する「HOKUSETSU しあわせ2.0」のロゴマーク。北摂の特長や歴史をイメージしてデザインしたのは若き建築デザイナー上村昂平さん。デザイン事務所LANDMARKでデザイナーを務めていたときの作品だ。その上村さんが2019年2月、父親の建築士上村允郎さんの『K15建築設計事務所』内に設立した『K10DESIGN FARM』の社長として新たな価値の創造に挑む。
 昂平さんは、神戸芸術工科大学環境建築デザイン科で学び、特にガラスの家で知られるフランスのインテリアデザイナー、ピエール・シャローのデザイン感覚に大きな影響を受けた。粘土やワックスで作った原型を耐火石膏等で型取りし、そこへガラスを流し込むガラスの装飾加工法のキルンキャストにも詳しい。大学の卒展に出品した「—kaam—可愛い椅子には旅させよ~家具と建築の関係性―ピエール・シャローのガラスの家における金属フレームについて」は、発想力、独自性、デザイン力が高く評価され奨励賞を受賞した。
 その実力を『K15建築設計事務所』の業容拡大と事業価値の向上に生かすために設立したのが『K10DESIGN FARM』だ。昂平さんは今後、建物の特殊なデザイン、パッケージデザイン、新規商品の開発・デザイン、販売支援、パンフ作成、ホームページ作成、店舗設計・デザイン、メニュー支援、ユニホームなどの総合的なデザインを担っていく。
 父親の上村允郎さんは、マンションなどの大規模修繕工事のコンサルタントとして集合住宅の構造上の課題と向き合い、ソリューションとなる工法や材料を追求してきた建築家だ。電磁波レーダーなど最新鋭の探査器機を用いた検査で実績を重ねる「非破壊調査SST研究所」、タイル張りのマンションに高耐候性を付与して変色、剥離などを防止する機能性コーティング材のメーカー「ピアレックス・テクノロジーズ」、降雨時に滑りやすくなる土間タイルや石面の滑り止め技術を持つ「ナカノセラミック」、団地再生のノウハウを持つ「あつまり暮らすと」などと連携して実績を重ね、声価を高めてきた。
 その一方で、建設設計分野の競争が年々激化し、価格低下圧力が増していることに対する危機感も持ち、将来の方向性を検討する中で、コストパフォーマンスより質の向上に重きを置くことを決断、その具体策を昂平さんに託し、多様なニーズが存在するデザイン分野を強化して顧客満足度の最大化を追求していく。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 K10DESIGN FARM
TEL/06-6809-4303
ホームページ http://www.k15.co.jp/

代表取締役
潮田修二 さん
設計事務所を経て大手ハウスメーカーで12年間勤務、年間約100棟の実施業務に参画。2004年、「潮田設計」設立、後に社名変更。一級建築士、一級建築施行管理技士、宅地建物取引主任者。インテリアコーディネーター。
家族をつくる住空間を形成
将来も継承可能な家づくり

独創的アイデアで設計
光と風を効果的に演出


 モダンスタイルの美しいシルエット、休めた翼のような両サイドのルーフ、曲線を描くファサードの大きな窓、全体を覆うシックな色調と真っ赤なドアのコントラスト……。一級建築士事務所『株式会社潮田設計』の社長潮田修二さんが設計する住宅は、マイホームでの快適な暮らしを夢見る人たちの心を刺激する。設計に当たって、住まう家族全員と打ち合わせを行い、何気ない会話の中から様々な情報を引き出し、感性とデザイン力で夢を形にしてきた。
 潮田さんは、「家をつくることは、家族をつくること」を家づくりの理念に掲げ、重視するコンセプトの下でオリジナル性をプロデュースしてきた。その第一が場の力を活かす敷地全体のデザイン。敷地を調査し、周辺環境や街並みも考慮に入れながら住空間をデザインする。第二が最適な動線の形成。家族構成などから利便性だけではなく、コミュニケーションを生むように設計し、住空間の可能性を広げる。第三が光を受け風を感じる家づくり。周辺環境から日本の四季を感じられる窓や光と風の通り道を効果的にデザインする。第四が徹底した耐久性の追求。手掛ける住宅一つ一つに合わせた耐震、制振、免震構造を考え、地震に強い家を構築する。
 こうした基本スタンスとは別に、潮田さんが設計する家には、ユニークなアイデアが溢れているのが特長だ。子どもの遊び場になり、そのまま屋上に上がることができるロフトスペース、 ダストシュートのような収納スペース、隣室の洗濯機に脱いだ服をすぐ入れられるように壁に穴を空けた子供部屋、2〜3mほどの小さなボルダリングを楽しめるスペース……。実用的で遊び心も感じさせるアイデアは、自ら試して良さを確認した上で採用する周到さだ。
「家は、家族が長い時間を共に過ごす場所。子どもたちが健やかに成長していけるような、子どもたちがその家で育ったという記憶をつくれるような、そして大人になって継承したいと思えるような、そんな住まいづくりを心がけ、想像力を働かせて設計に反映さていきます。こうした家づくりを広げていけば、受け継ぐべき家を放置することによって増え続ける空き家問題も将来的に解消していくと考えます」
 潮田さんは、こうした家づくりの姿勢で声価を高め、神奈川、東京エリアを中心に注文住宅の設計依頼がが後を絶たない。また、住環境を依頼主の思いに沿ってフレキシブルに変えるリフォームでも着実に実績を重ねている。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 潮田設計
TEL/045-444-8552 Eメール/ushioda5513@nifty.com
ホームページ http://www.ushioda-design.com/

北欧の家

代表取締役社長
横手昇 さん
学業終了後、日立製作所に就職。1年半勤めた後、司法書士事務所で働きながら夜間大学に通う。卒業後、不動産業界に入り、不動産売買の経験を積む。6年間の会社員生活を経て、1987年、『埼玉開発株式会社』を設立。
抜群の行動力で郷土発展に寄与
企業誘致活動で多大な実績残す

北欧の家で分譲に挑戦
企業に価値のある提案


 埼玉県の南西部に位置する日高市で、不動産業を始めて2019年6月に33周年を迎えた『埼玉開発株式会社』の代表取締役社長横手昇さんは、日高市や周辺地域を中心に埼玉の発展に力を注いできた経営者だ。8世紀に朝鮮半島の高句麗から渡ってきた渡来人がこの地域を開墾したように、人一倍の行動力と発想力で郷土の魅力を生かしながら未来を切り拓いていく。
 住宅用、事業用の賃貸と売買の優良物件を扱う同社の不動産事業で今注目されているのが『北欧の家』。西武池袋線元加治駅から徒歩5分、緑の自然環境に恵まれた埼玉県入間市野田に分譲住宅として2棟を完成させ、売り出した。輸入住宅の設計施工で実績のある建築会社「株式会社秀和」が施工、個性的で美しい外観に加え、床、壁、屋根が一体となり、地震にも強いモノコック構造、年輪の密度の濃いパイン材を中心にした木材による外壁、内壁、天井、床、窓枠などの形成、スーパーエナジープラスというトリプルガラスユニットを採用した木製トリプル断熱サッシなどの特長を備え、木の感触と香りが心地よい『北欧の家』だ。
「不動産事業で扱う土地はたくさんありますが、そのまま売るのは味気ない。何か個性を出せないかと考えて辿り着いたのが秀和さんの北欧の家です。自社で建売を建てて販売することは新たな挑戦ですが、在来工法と全く異なる北欧の家の魅力が新たな需要を喚起するきっかけになると思っています。2019年3月に埼玉県飯能市にムーミンバレーパークがオープンしましたが、追い風になればと期待しています」
 横手さんは、市街化調整区域の規制を緩和し、企業誘致で地域振興を行う埼玉県の計画に参画し、対象区域である圏央鶴ヶ島IC付近と狭山日高IC付近の2ヵ所に複合産業系、工業産業系の約30社の誘致を実現した事績を持つ。
「この誘致活動で、バブル崩壊を発端とする平成不況の苦境を打開することができました。地域に根ざして30年余。地域の特性をつぶさに把握し、豊富なノウハウを蓄積してきた当社は、移転を考える企業様に価値のある提案が可能です。新たな事業所や工場を計画中の企業様に向けて、細部まで練り込んだ適切なプランを今後も提案していきます」
 曼珠沙華の名所、巾着田や高麗建郡1300年の歴史、高麗神社で知られる日高市は、圏央道や関越道での都心への交通アクセスがとても便利。
「土地や建物の売買だけという同じことを繰り返していれば、いずれ業界内で淘汰されてしまうでしょう。立地を活かした地域の活性化に深く関わりながら、時代の変化に対応できる付加価値を備えた事業の展開に社員一丸となってこれからも挑んでいきます」
(ライター/斎藤紘)

埼玉開発 株式会社
TEL/0120-25-2996 Eメール/ info@saitamakaihatu.jp
ホームページ http://www.saitamakaihatu.jp/

「リフレッシュ住宅」

代表取締役
武本尚 さん
大阪大学法学部卒。1972年より約20年間、戸建住宅と分譲マンションのディベロッパー会社で専務取締役を務め、企画、販売全体の責任者として実績を積む。1991年に独立し、『株式会社アートランド』設立、代表取締役に就任。
空き家問題に風穴開ける事業
新築同然に再生し安価で販売

老朽化前の有効活用策
安心安全を標章が証明


「老朽化する前に有効活用を」
 人口減少とともに深刻化する空き家問題。総務省の2018年の住宅・土地統計調査によれば、全国で846万戸にのぼる。様々な問題をはらむこの居住世帯のない住宅について、放置することのリスクに警鐘を鳴らし、独自の解決スキームを提示しているのが不動産会社『株式会社アートランド』の代表取締役武本尚さん。斬新な再生中古住宅で住宅流通市場に新風を吹き込み、空き家を抱える所有者の悩みと家計に優しい価格を求める世帯の要望を同時に解決するスキームは、空き家問題に風穴を開けるものだ。
 武本さんが空き家の所有者に注意を促すのが老朽化に伴うリスクだ。
「放置された空き家は、湿気がたまって老朽化していきます。雨漏りや白蟻が発生し、旧耐震基準で建てられた住宅は地震による倒壊、台風による屋根材などの飛散の危険があります。不動産の所有者には工作物責任があり、住宅の瑕疵によって他人に損害を与えた場合、損害賠償責任を負います。また、何らかの対策をとらないと、自治体によって特定空き家に指定され、修理をしないとペナルティが課せられ、所有者負担で強制的に除却されることもあります。こうした事態を避けるために老朽化する前に有効活用を考えることが重要です」
 その有効活用の選択肢となるのが、中古住宅の買取再販事業だ。中古住宅の流動化を考えた対策だが、空き家所有者には渡りに船になる。中古住宅を顧客目線で調査し、買取価格を提示、買い取った後も家の瑕疵保険責任などをすべて免除する免責条件を付けて買い取り、パートナーの工務店が新築と見紛うほどのレベルでリノベーション工事を施し、「リフレッシュ住宅」ブランドで販売するが、需要を喚起する数々の魅力を備えているのが大きな特長だ。
 第一が価格。周辺の家賃相場をベースに頭金が10万円程度で周辺の家賃と同額か下回る月々の支払額のローンシミュレーションを行い、2000万円前後の物件を中心に紹介。月々の返済が4万円以下の物件もある。二つ目が国交大臣指定の住宅専門保険会社が扱う保証期間5年の既存住宅売買瑕疵保険に入っていることだ。売主が基本構造部分の瑕疵について買主に対して負う責任を履行するための保険で、売主が宅地建物取引業者で新耐震基準などを満たす優良住宅が対象。買主側には所有権移転登記の登録免許税や不動産取得税の軽減、住宅ローン控除などのメリットもある。もう一つ、「リフレッシュ住宅」が、2018年から始まった「安心R住宅」制度で、国交省が登録した住宅・不動産業界の団体が、耐震性があり、建物状況調査が行われた住宅に対して付与する「安心R住宅」の標章も得ていることだ。
この事業に込めた武本さんの思いが空き家問題を動かしていく。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 アートランド
TEL/079-295-0185 Eメール/fresh@artland-fr.jp
ホームページ http://www.artland-fr.jp/


〒160-0022 東京都新宿区新宿2-15-2 岩本和裁ビル5F TEL.03-3352-8107 FAX.03-3352-8605