令和のベストヒット大賞 2019


ミスター・パートナー
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「空き家再生投資コンサルティング事業」
「Workation(ワ―ケーション)事業」

代表取締役
礒﨑和彦 さん
中央大学商学部卒。米国モンタナ州立大学で会計、税務、法律、監査等の関連単位取得。リクルート社で新規開拓営業マンとして活躍後、IT業界に転職。2006年、独立。2018年、『株式会社ベル』設立、代表取締役に就任。
空き家を投資の原石として磨く
新たな働き方のムーブメントも

逆転の発想の不動産投資
鎌倉市にコワーキングスペース


「空き家や廃墟は高利回り資産の原石」
 元ライブドア社長堀江貴文氏と共同で不動産投資会社を設立した経験を持つ『株式会社ベル』の社長礒﨑和彦さんの「空き家再生投資コンサルティング事業」が注目度を高めている。だれも手を出したくないような「ボロ戸建ての空き家」に着目し、利回りを支える綿密なサポート体制で投資を呼び込むというこれまでにない不動産投資のスキームは、空き家問題解決に新たな展望を拓く可能性を秘めている。
 少子高齢化、人口減少、人口の都市部への集中などを背景に増え続ける空き家は総務省が2018年に実施した「住宅・土地統計調査」で846万戸にのぼる。これまで個々の所有者に活用を促す動きはあったが、空き家を投資の対象にした礒﨑さんの事業は、空き家再生投資のノウハウを提供するコンサルティングサービスと物件探しから成る。
「空き家再生投資は、高利回り物件を探す投資活動から高利回り物件を作り出す投資活動へとシフトするもので、原石物件を探すことから始まります。その原石が価値の落ちきった空き家であり、廃墟なのです。これをリフォームで再生させ、主に低所得者をターゲットに低家賃で貸し出します。子どもの騒音が気になるファミリー層や集合住宅よりパーソナルスペースを求める方、物件のグレードよりも広さと家賃が優先の方、終の棲家を求める方などの需要を掘り起こしていきます。こうした入居者側のニーズにマッチングさせる空き家再生投資は、空室のリスクも低いと考えています。少額で、手堅く、安全に、かつ高利回りを自分で作り出せるのが空き家再生投資なのです」
 具体的には、物件選定基準と探し方、リフォーム費用の仮計算方法、予算を徹底的に絞り込んだリフォーム計画の立て方、内見時のコミュニケーション、指し値交渉、リフォーム業者の探し方、指示・采配の方法、入居付の方法まで教示し、投資の枠組み形成をサポートする。
 コンサルティングの受講者たちは、『ベル』主催のコミュニティに参加し、礒﨑さんからの学びをもとに日々交流しながら新しいノウハウを生み出し、共有している。

 礒﨑さんは、この事業とは別に、仕事(Work)と休暇(Vacation)を組み合わせた新しいムーブメント、「Workation(ワ―ケーション)事業」にも着手した。鎌倉市の七里ガ浜の海が一望できる景勝地にコワーキングスペース・イベントスペース「WorkationPlus」を開設、リモートワーカーやノマドワーカー、企業のサテライトオフィスなどの利用を想定する。
「WorkationPlus」は、ただ同じ空間で個々人が働くのではなく、コミュニティ形成しながら、生産性を高められる場として提供していく。湘南エリアの新しい発信スペースとなりそうだ。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 ベル
TEL/03-4405-2407 Eメール/info@beruberuf.co.jp
ホームページ https://beruberuf.co.jp/

代表取締役
渡部功治 さん
2005年、専務取締役として『中央建設株式会社』入社。2008年、代表取締役就任。2010年3月に東京進出を決め、2012年、東京本社を開設。2015年、松山市に松山営業所開設。2019年には宮城県岩沼市に東北支店開設。「敵は己にあり」が座右の銘。
人を大事に東京市場で花開く
攻めの姿勢で建設技術者牽引

快適な職場環境を整備
安全啓蒙に人一倍注力


「なぜ、この会社には人材が集まるのか? 人材が集まり利益を生む会社の条件」
 ダイヤモンド・ビジネス社により、2019年8月に出版されたビジネス書。「この会社」の題材になっているのが『中央建設株式会社』だ。愛媛県今治市で創業し、2010年に東京に進出、市場開拓の苦難を乗り越え、着実に地歩を築いてきた同社の足取りを追いながら、四代目社長渡部功治さんが「必ずやり遂げる」覚悟と信念、人を大切にする心、時代の潮流を見極める経営感覚で優秀な人材を集め続け、成長を牽引してきた姿から経営のヒントを導き出したものだ。
 地方の公共事業が縮小に向かう時代、渡部さんが決断して東京に進出した当初、たった一人での営業活動は2年間に及び、その後やっと15坪の一室に社員3人という規模の東京本社を立ち上げた。渡部さんは、逆境にもめげず、大手ゼネコンの懐に飛び込んで粘り強く交渉するなど足を棒にして市場を少しずつこじ開けてきた。人を活かして新しい活路を切り開く「攻め」の戦略に徹し、増える業務量に合わせて陣容を拡充、逸早く働き方改革を取り入れ、年齢条件による賃金カットはしない70歳定年制を導入するなどシニア世代の建設技能者も積極的に採用。最近では、若手技術者の応募も急増しており、現在は、158坪の働き易さを追求した近代的なオフィスに多様な世代の100人を超える社員が働く。
「私に人生を賭けてくれている社員とその家族の幸せを第一に考えています。人こそが経済すべての源であり、宝であり、会社の存続が利益であると考えています。そのためには、やはり社員一人ひとりが主役であるべきなのです。社員がみんなで切磋琢磨し、社員一人ひとりと向き合い、働きやすい環境を整え、血の通った会社であり続けたいと考えています。そして、社員たちがお客様に成り代わり、建設のプロとして最高の技術を駆使し、最大限の安心感を提供することが我々の使命だと考えています」 
 その技術力の高さを示したのが、東京・江東区の「新豊洲 Brillia ランニングスタジアム」の施工。国内の優秀な建築作品を表彰する日本建設業連合会主催の権威あるBCS賞を2018年に受賞、同社のブランディングに弾みをつけた。現在は、この成長軌道を描き続けるべく中期経営計画にも取り組んでいる。
 もう一つ、渡部さんが大事にしているものがある。「安全」だ。若くして事故で亡くなった兄を片時も忘れず、安全を守ることの大切さを訴えるため、安全啓蒙キャラクター「建設戦隊アンゼンジャー」を作り、ポスターでアピールするなど3Kといわれる建設業界のイメージアップを図ってきた。社会性のある会社創りの一環として、もっと子どもたちにも安全意識を高めてもらう目的で、「建設戦隊アンゼンジャー」を主人公にした絵本もこの8月に出版した。
(ライター/斎藤紘)

中央建設 株式会社
TEL/03-3457-8181 Eメール/chuo88@chuokensetsu.com
ホームページ http://www.chuokensetsu.com/

「鎌ヶ谷市道野辺八幡宮」の参集殿にある御神札授与所の増築工事を手がける。
中左:お庭を雑草から守る「真土砂」仕上げ。お庭が庭園に変わる。
中右:築後10年の外壁屋根リニューアルを「サーモアイ施工」で。
下左:大規模改修「サーモアイ施工」でリニューアル。
下右:屋根の温度を下げる「サーモアイ施工」。

代表取締役社長
佐藤政弘 さん
千葉県立市川工業高等学校卒業後、博士コーポレーション入社。廣池学園研修職員修了後、フォーラムエンジニアリングに入社し、建築設計、営業、現場監督に従事し、1988年に独立、『株式会社佐藤工業』を設立。
令和時代にかける熱い思い胸に
平成を引き継ぎ、地域活性化に導く

令和元年、道野辺八幡宮の
奉納吟に参列


 元号が平成から令和に変った直後の2019年5月5日、千葉県鎌ヶ谷市の八幡神社、道野辺八幡宮(みちのべはちまんぐう)の本殿で、令和の出典となった万葉集「梅花(うめのはな)の歌三十二首」の序文の吟詠を奉納し、新時代の安寧を祈願する式典が行われた。平成最後の年に境内の御神札授与所の増築工事を手掛けた『株式会社佐藤工業』代表取締役社長の佐藤政弘さんが参列、「初春の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前の粉(こ)を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かおら)す」と声を合わせて吟じ、時代の変化に対応して躍進し、地域の発展に貢献する決意を新たにした。
 佐藤さんは、平成元年(198
9年)に同社を設立、住宅やビルのエクステリア工事を中心業務に大手不動産会社や建築会社から仕事を請け負い、前進してきた。中でも声価を高めたのが新しい施工技術の開発や導入。その象徴が地震に備える気運の高まりを背景に、コスト低減が可能な工法として考案した『型枠CB基礎工法』だ。
「通常の工法は、平型コンクリート基礎の上に空洞ブロックを積み上げますが、『型枠CB基礎工法』は基礎と型枠を鉄筋で結着させて塀の基礎部分に耐久性を持たせ、ブロックの空洞をコンクリートで埋めたうえで目地をモルタルで結合するので、基礎、鉄筋、ブロックの結着が飛躍的に強くなります。型枠の設置などが不要でコストも抑制できます」
 東日本大震災でこのブロック塀の堅牢性は実証され、施工事業が千葉県の経営革新計画に承認されている。毎年のように大地震が起き、さらに巨大地震も取りざたされる中、この工法の普及に力を入れる。
 もう一つが施設の暑さを低減させる「サーモアイ塗装」の導入だ。「集合住宅や店舗、工場、倉庫などの面積の大きな屋根は太陽熱を吸収し、高温多湿の原因になります。この塗装は、屋根の熱を遮る塗装なので、屋根への蓄熱を抑制し、快適な環境を実現できます」
 佐藤さんは、環境問題にも関心が高く、架台が軽量のアルミ製で屋根への負担が少ないうえ、大出力で発電量も期待できるLIXILソーラーシステムの普及にも力を注ぐ。このシステムを自社屋根に設置し、発電した電気の全量を東京電力に売電している。
 道野辺八幡宮で吟詠を奉納したとき、胸にこみ上げた熱い思いを胸に、この国の課題を見据え、技術力と発想力で時代の要請に応えながら、新たな時代も前進し続けて行く。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 佐藤工業
TEL/0120-43-3084 Eメール/satokougyou-h1@tbz.t-com.ne.jp
ホームページ 佐藤工業 鎌ケ谷

上右:火災保険で屋根、外壁をキレイにできた建物と高橋さん親子。
左中:ていねいな説明をする中村さん。

代表取締役
中村幸一 さん
宮大工だった祖父の代から続く創業79年の工務店『株式会社東京住宅リフォーム』の代表取締役。2級建築士、2級建築施工管理技士、測量士の国家資格保有。木材加工、型枠支保工、アーク溶接、建築鉄骨組立など多様な技能を持つ。
家屋修理の経済的負担を最小化
火災保険の広い適用範囲を利用

リフォームや修繕時に
建造診断のプロが精査


「まさか家の修理が、お金を使わずにできるとは思ってもいませんでした」とお客様から寄せられた感謝の一例。
『株式会社東京住宅リフォーム』の代表取締役中村幸一さんは、祖父の代から営む工務店の三代目だ。自己資金ゼロで修理ができたカラクリは火災保険の利用。79年の歴史を持つ工務店の技術力による家屋のリフォームの実績に加え、緻密な建物診断に基づいて修理、補修が火災保険できるか否かを見極め、依頼主の経済的負担の最小化を徹底的に追求する姿勢が同社の声価を高めている。
「火災保険は火事による被害でしか保険が下りないと思っている方が少なくありません。実は、火災保険がカバーしている範囲は非常に広く、建物が老朽化したことによって雨漏りした場合などを除き、自然災害による被害の修理で火災保険が使える場合があるのです。補償される被害の種類は、火災保険商品によって異なりますが、住宅を対象とする一般的な火災保険では、台風や竜巻で瓦が飛んでしまった場合などの風災による損害、ひょうや雪による損害、雷が屋根に落ちて瓦が吹き飛んだり、穴があいてしまったりする落雷による損害、洪水で床上浸水して建物が損傷してしまうなどの水災による損害が補償対象になります」
 同社には、2級建築士、2級建築施工管理技士、測量士の国家資格を持つ中村さんおほか、1級建築士、宅地建物取引主任者、塗装の専門家、電機工事士などのプロが揃い、戸建、アパート、ビルなどのリフォームや修理、修繕の相談を受けると、建物診断のプロが建物の隅々まで調査し、火災保険の対象になる修理と判断した場合、申請を促し、保険金がおりたらそのお金で対象箇所を修理するというプロセスを踏む。保険金の請求に当たっても、保険会社への連絡、保険金請求書や消防署の罹災証明書、被害の程度がわかる写真や画像データ、修理見積書など保険金請求に必要な書類などの提出までサポートする。
 中村さんによると、火事以外の被害の修理に火災保険が適用されたケースの保険金は、戸建で平均120万円、アパートで平均220万円、ビルで平均1050万円にのぼり、経済的負担の軽減に寄与するという。
「お金が出せなくて、長年修理できなかった雨漏りを保険で修理することができた独り暮らしのおばあちゃんの笑顔が忘れられません。傷んだ家屋でお困りの方が笑顔になれるよう当社の持てる力をフルに発揮していきたいと思っています」
(ライター/斎藤紘)

株式会社 東京住宅リフォーム
TEL/0120-301-971 Eメール/ tokyo1reform@gmail.com
ホームページ http://1sora.com/

代表
君島総一 さん
一級防水施工技能士取得。特定化学物質技能講習修了。大阪府知事建設業許可取得。2005年『君島防水工業』開業。
建築の美観を保つ防水工事
現地調査・見積もり無料

大阪市を中心に
関西一円で活躍中


 築年数が経過してくると、どんな堅牢に見える建物であってもいろいろなところに何らかの支障が出てくる。その一つが、雨漏りによる被害だ。どこからともなく進入する雨水に対して早めに対策をしておかないと大変なことになるのが実情だ。
 大阪市を中心に関西一円で、あらゆる状況の防水工事を請け負っている『君島防水工業』は、建物の美観を損なわない工事を行っていると好評だ。防水スペシャリストであるがゆえに、他の工事会社では断られるような複雑な場所や環境でも対応可能だ。
 外壁などのあらゆる箇所には、「ウレタン防水」を施す。ウレタンを塗るだけで防水層を形成できる工法だ。複雑な形状箇所にも隙間なく施工できるので多くの場所で利用される。素材がゴムなので軽量で動きにも強いという特長がある。
 屋外の防水には、「塩ビシート防水」がオススメ。屋外での日光による紫外線、熱、オゾンに対し、優れた耐久性を持ち、素材自体の耐久性も高いため、維持管理費を節約することができる。
 ベランダ・廊下・バルコニーには、「長尺シート防水」がよい。マンションの廊下やベランダ、学校や病院の床などは、長尺のプラスチック系の床仕上げ材で色はもちろん、柄や凸凹の形状まで比較的に自由に選べる。仕上がりはとてもきれいだ。
 施工依頼の中には、前施工の失敗が原因で漏水しているケースもあるという。『君島防水工業』では、現地調査を念入りに行って、どのようにしたら最高の仕上がりになるかを見積もってから施工に入る。完全自社施工なので安心して任せられる。
 防水は、建物を劣化、老朽化から守り、その資産価値を維持するという効果もある。特に、最近多い台風やでゲリラ豪雨で雨漏りの被害に遭っている家が多い。素早い応急処置も行ってくれるのでありがたい。
(ライター/吉尾訓明)

君島防水工業
TEL/090-9999-4873 Eメール/ info@kimibou.com
ホームページ http://www.kimibou.com/

横浜を中心に外壁・屋根・内装・塗装・防水などを手掛ける。

代表取締役
鈴木修一 さん
学業終了後、大手運送会社に就職。建設業界で働く職人と偶然知り合ったのを機に31歳で建設業界に移り、経験を重ねた後、2016年、独立し、外壁工事、屋根工事、樋工事などを手掛ける『株式会社Neo』を設立、代表取締役に就任。
建設業界の未来に危機感持ち
職人の意識と働く環境を改革

工事現場の体制に工夫
人材獲得の方策も構想


「このままでは建設業界で働きたいと思う若者が減り、職人の技術が衰退してしまう」
 30代で運輸業界から転じた建設業界の現状に危機感を覚え、独立起業し、職人の意識と働く環境の改革に乗り出した経営者がいる。外壁工事を手掛ける『株式会社Neo』の代表取締役鈴木修一さん。その熱意と創意の努力が実り、丁寧で安定した仕事ぶりと仕上がりの美しさで発注元から厚い信頼を得て、次のステージへのステップアップも視野に入れる。
「この業界に移って感じたのは、安易に職人になって、自分の生活が成り立つなら現状で十分と考えがちな人、それに乗じて保険などの福利厚生面への配慮を欠いた企業が少なくないことです。逃げの選択肢として職人の仕事が選ばれるのは許せないこと。職人仕事に誇りを持ち、 最高の仕事を果たすことができる環境が必要と考えました」
 鈴木さんは、福利厚生の拡充に着手すると同時に現場の業務体制も変えた。
「当社の仕事は、屋根や外壁の工事が中心ですが、現場に経験豊富な職人たちが必ず複数名で入るようにしました。少ない人数で現場を回したほうが一人あたりの収益は高いかもしれませんが、ケガや事故のリスクが高まってしまうため、安心かつ安全に働ける環境を重視しました。この体制で経験の浅い職人もしっかり育成できますし、力仕事以外の仕事こなす女性の職人も在籍するようになりました」
 もう一つが職人の意識改革だ。
「職人には、堅実に施工するだけでなく、芸術作品をつくるのだという意識を持つよう促しています。施工対象は、お客様が何十年も住まわれる住宅。自分が施工したこの住宅に自分は住みたいかと自らに尋ねて出た答えがお客様の答えであり、それにハイと答えられるレベルまで意識を高めなければならないと説いています。こうして誇りを持って働くことがモチベーションの向上にもつながると思います」
 異業種へ転じたとき、工事現場の作業の写真や動画を撮影して帰宅後に復習し、現場に出る前にはイメージトレーニングをするなどして先輩職人に追い付く努力を重ねたという鈴木さん。職場環境の改革に取り組んだ当初は、理想だけが一人歩きしてなかなか浸透しなかった苦労を味わったが、持ち前の前進意欲で乗り越えてきた。改革意欲は、ますます強まり、工場であらかじめ加工されたプレカット材を導入してコスト抑制と職場の安全性向上を図ることやITの導入による建築技術を効率的に学べるシステムの構築などによって有望な人材に選ばれる企業に成長させる構想も描く。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 Neo
TEL/045-534-7088 Eメール/ s-suzuki@neo-type.yokohama
ホームページ http://neo-type.yokohama/

上右:宅地造成工事。
下:信頼を受け継ぎ、土木業界を女性経営者が新規開拓。

代表取締役
坂巻美代子 さん
土木工事を担う夫と結婚。1982年、土木施工管理技士の国家資格取得。1986年に『株式会社開発工業』を設立後、経理などの管理部門を担当。1999年、夫は会長になり、代表取締役社長の重責を担う。夫は7年前に他界。
人材と重機セットで現場に派遣
夫が築いた路線堅持し会社牽引

ゼネコンの依頼に即応
本州の各地に残す足跡


 営業部門を持たず、公共事業を請け負うゼネコンから土木工事の依頼が絶え間なく舞い込む会社がある。1986年創業の『株式会社開発工業』。その業績を支えてきたのは、「夫が築いた堅実で信頼される業務体制」を守り抜いてきた代表取締役坂巻美代子さんの並外れた努力だ。土木施工管理技士の国家資格が裏付ける知見と女性ならではの心遣いで求心力を高め、マンパワーとマシンパワーのシナジーを最大化する業務体制を堅持し、本州各地に足跡を残してきた。
 同社は現在、ブルトザーやハイブリッド油圧ショベル、ローラー、ダンプなど50台超の重機や車両を持つ。これらと工程管理責任者となる土木施工管理技士資格を持つスタッフ、重機オペレーター、協力会社の社員を含めた作業員を宅地造成や道路舗装などの工事現場ごとにセットで派遣し、施工に当たるのが同社のスタイル。創業者である夫が築いた路線だ。坂巻さんは、夫から経営を引き継いだ1999年以降、夫が他界した後もぶれることなく、進化する土木技術を積極的に導入し、重機を最新鋭の機種に更新しながら路線を堅持してきた。
「土木工事は、あらゆる構造物の基盤を造る重要な工程であり、狂いは許されません。その厳しい条件を技術力とチームの結束力でクリアし、堅牢で整然とした完工を可能にしてきたのが人材と重機を一体化し、相乗効果を最大化する当社の業務遂行体制だと思っています。加えて、工事が周辺環境に大きな悪影響を与えないよう、新しい技術や材料を取り入れながら環境を保全する努力を重ねてきたことも当社の大きな特長です」
 同社の受注業務の8割は、国や公団などの公共事業を請け負う大手ゼネコンからの依頼、残りの2割は自社が元請けになって施工する民間の宅地開発や地方自治体の公共工事だ。
「当社には営業部門はありませんが、お付き合いいただいているゼネコン4〜5社から工事現場でこんな工事があるがどうかといった打診や依頼が絶えずあり、即座に見積もりを作成してご要望にお応えしてきました。私が目指してきた使われ易い会社として評価が定着した結果だと思っています」
 個人事業として土木工事事業を始めた夫を経理などの管理業務で支え、女性受験者がまだ数えるほどしかいなかった時代、難関国家資格を取得して経営を引き継いだ坂巻さん。会社経営の傍ら、女性の地位向上を目指す奉仕活動にも力を注いでいる。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 開発工業
TEL/046-241-3364 Eメール/ info@kaihatsu-kogyo
ホームページ http://kaihatsu-kogyo.co.jp/

『ミネゲン』牛豚用・鶏用20kgビニール袋入り
『かため太郎Ⓡ』 300mlエアゾール缶
寸法Φ62㎜×190㎜
有用な技術の位置づけ「活用促進技術」、国交省NETIS登録番号 KT-120036-VE
大箱 24本入り/小箱 6本入り。1本から販売可。消費期限6ヵ月。

代表取締役
佐藤正徳 さん
1917年に祖父が創業した尾花屋商店に端を発した『オバナヤ・セメンテックス株式会社』に大学卒業後の1981年に入社。専務取締役を経て2016年、4代目代表取締役社長に就任。コンクリート構造物の劣化対策に関する学術論文あり。
家畜が喜ぶ天然ミネラル飼料
百年企業が誇るロングセラー

ニッチな市場視野に開発
スプレー式補修材も好評


 愛知県名古屋市の『オバナヤ・セメンテックス株式会社』は、大正年間に米穀商「尾花屋商店」からスタートし、今では開発した商品が畜・水産、建築・土木、環境分野を中心に約200品目にまで拡大した「100年企業」。数々の商品の中で販売開始から60年たった今でも売れ続けているのが天然ミネラル飼料『ミネゲン』。四代目社長佐藤正徳さんが同社のブランド戦略の特長と強調するニッチな市場に狙いを定めた商品の象徴だ。
 『ミネゲン』は、貝類を中心とした海中生物が堆積し、腐植・化石化した貝化石由来の腐植溶性カルシウムやコロイド珪酸を主成分に20数種のミネラルを配合した飼料で牛豚用と鶏用がある。
「『ミネゲン』は、たくさんの優れたミネラルを含有し、人工ミネラルよりも嗜好性が高く吸収されやすいため、ミネラル不足の牛や豚が一度食べると、自らまた要求して必要なだけ食べるようになります。母豚へのカルシウム強化、子豚へのミネラル供給に適した飼料で、食べ過ぎや副作用の心配もありません。また、鶏の成育に欠くことのできない必須成分をたくさん含んでいて、鶏卵の鮮度を表す指標であるハウユニットや卵殻質の向上に有効です。こうした特性が畜産農家から長く支持を得ているゆえんだと思っています」
 同社の長い歴史の中で商材の主役になってきたのが炭酸カルシウムを多く含む堆積岩である石灰石の粉末「タンカル」。石灰石の採掘会社と長期にわたる契約をして安定的に原石を確保し、アスファルト道路舗装向けから建築、土木、窯業、畜産へと用途を拡大してきた。現在は、「タンカル」を原料とした商品を畜産飼料や建材向けに提供するタンカル・ミネラル事業、飼料添加物や畜産機材を提供するクリーン・アグリ事業、建築・土木構造物の補修、補強材料を提供するセメンテックス事業を3本柱に業容を拡大した。
 セメンテックス事業の商品で好評なのが、コンクリート構造物やレンガ構造物、無機系素材の脆弱な表層を一吹きで補修できるスプレー式の一液型エポキシ樹脂系浸透性固化材「かため太郎」。国土交通省の新技術情報提供システムNETISに登録され、活用効果評価済み技術を示すVEが登録番号に付与された。
「品揃え競争では、資本力や生産能力、調達力で優位な大企業に勝つことは難しい。中小企業のブランド戦略として重要なのは、他社がやらない狭い領域で、顧客が抱えるニーズを深く掘り下げ、事業活動の効率化に寄与する安い手段を提供することだと思っています。安い、狭い、深いをキーワードに専門性に特化した製品戦略を今後も考えていきたいと思っています」(ライター/斎藤紘)

オバナヤ・セメンテックス 株式会社 メンテナンス事業部 東京支店
TEL/03-3663-7641 Eメール/info_tokyo@o-cc.com
ホームページ https://www.o-cc.com/


〒160-0022 東京都新宿区新宿2-15-2 岩本和裁ビル5F TEL.03-3352-8107 FAX.03-3352-8605