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時代が求める
プロフェッショナル
森林の専門家が語る山の楽しみ方
危険も指摘し間伐の重要性も説く

山のレジャーが多様化
動物と遭遇した体験も


 コロナ禍でマスク生活が常態化した状況の中、山の自然が楽しめる季節が到来、森林浴できれいな空気を思いっ切り吸いたいという声が聞こえてきそうだ。登山やハイキング、山菜採り、バードウォッチングなど山を楽しむレジャーが活発になるが、林業通じて60年超の年月を山と共に歩み、山の隅々まで知り尽くした『株式会社高橋林業』の代表取締役髙橋正二さんは、山に潜む危険にも気を配りながら楽しむよう注意を促す。同時に山が楽しめる環境を維持するために山の管理、手入れの重要性も説く。山が持つ機能や山を楽しむ上で知っておくべき点などについて、髙橋さんにお聞きした。

        ◇

—山は髙橋さんにとってどんな存在なのですか。
「子どものころ、下校すれば勉強そっちのけで裏山で遊んだものです。その中で自然や危険、自分の強さなどを知りました。あの経験が林業に進んだ私の原点だと思っています。そもそも日本は世界有数の森林国で、悠久の昔から人々は山と共に暮らしてきました。山の恵みを衣食住に活かし、繰り返し利用してきたのです。それが、いつの頃からか私たちの生活は山からどんどん離れていき、現代社会の歪みが山にも押し寄せてきました。しかし、森林は人類共通の財産であり、木材などの産物を供給するだけでなく、水資源のかん養、山地災害の防止、自然環境の保全、地球温暖化の防止など大きな利益を社会にもたらしています。山が持つ機能をしっかり頭に入れておくことが大切です」

—近年は、山を楽しむ人が増え、楽しみ方も多様化しているようですが、これも山の機能なのでしょうか。
「森林法などの法律に出てくる保健休養の場の提供がその機能に当たります。国有林野の管理経営に関する法律に基づく基本計画によって全国でレクリエーションの森の整備が進められているのは、その機能を見える化したもので、森自然観察教育林、森林スポーツ林、風景林、 風致探勝林、自然休養林などの種類があります。こうした行政サイドの話とは別に、山を楽しむレジャーは、川や滝でのキャニオニング、スカイスポーツ、バンジージャンプ、森林ヨガ、森林セラピー、秘湯巡り、神仏史跡巡りなどと多様化し、多くのファンを引きつけています」

—中でも森林浴は人気のようですね。
「ネットには、全国オススメ森林浴スポットなどの情報が載り、人気が高まっているようです。喘息で毎日医者通いをしていた友人から聞いた話ですが、都会から山のある自然豊かな町に移り住んでからは医者に用がなくなったというのです。その秘策は山道を朝夕30分位散策して樹木から発散されるフィトンチッドを満喫することだというのです。フィトンチッドとは、殺菌力を持つといわれる揮発性物質です。緑の山を観ていると疲れもとれるし、視力まで良くなり、心が和やかになるとも話していましたが、森林浴の効果がわかる好例です」

—山を楽しむ機会が増える中、髙橋さんは山に潜む危険について、ご自身の体験から注意を促していますね。
「山にはたくさんの動物がいますので、気をつけなければなりません。一度、野犬に囲まれたことがあるのですが、恐ろしい経験でした。仕事を終えて山道を歩いていた時、四匹の野犬に囲まれてしまったのです。よだれを垂らし、低いうめき声をあげながら近づいてきました。鉈を振り上げて威嚇しながら急いで車に乗りこみ、逃げたのですが、危機一髪というか、生きた心地はしませんでした。倒木下の窪みで寝ていた熊に出くわしたことがあります。恐怖で身がすくみましたが、夢中で逃げました。獣道で山猿に遭遇したこともあります。石を投げて追い払ったのですが、山猿たちが山頂から私たちをめがけて石を落としてきたのにはたまげてしまいました。スズメバチや毒蛇も要注意です。山には危険が潜んでいることを忘れないことが重要です」

—これからの季節は山菜採りが活発になり、秋にはキノコ採りも盛んになります。毒キノコや山に入る装備などに注意を促していますね。
「日本には、約4000種にのぼる野生キノコがあるといわれています。裏山から採取してきた野生キノコを食べられるかどうか調べてみたところ、約30種の内、毒キノコはカキシメジ、クサウラベニタケの二種で、中毒を起こしている人たちの70%を占めています。この二種には、充分注意して下さい。また、野生キノコに関して根拠のない迷信が多くあり、これにも注意が必要です。山菜採りやキノコ採りで山に入る時は、行政機関や家族などに行き先と帰宅時間を知らせること、単独での入山を避けること、服装は目立つ色にすること、携帯電話や非常食、熊除けのための鈴やラジオなどを携行することを心掛けて下さい」

—山に潜む危険のほか、山を楽しめる環境を維持するための山の管理や手入れの重要性も指摘していますね。
「山の土は自然の貯水槽であり、植物は光合成で大気中の二酸化炭素を吸収する自然の空気清浄機です。この機能を維持するうえで重要なのが間伐です。森林で木と木の間が込み合ってきて、木全体に太陽の光が届かなくなると、十分な成長ができなくなります。この森林の密度を調整することを目的に一部の林木を伐採する作業のことです。間伐を怠って自然に任せておくと、栄養を奪い合って木が枯れ、地盤が緩くなり、土砂砂崩れなどの災害が起きやすくなります。国は森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法などで間伐を促してきましたが、間伐を一回もやっていない山が70%にものぼり、山の荒廃が進んでいるのが実情です。保健休養の場の提供をはじめ、山の持つ機能を維持するためにも、この状況に国民みんなが目を向け、林業を担う人材の育成も含めた対策を考えていかなくてはなりません。その重要性を訴え続けていきたいと思っています」
(ライター/斎藤紘)

株式会社 高橋林業
TEL/042-689-2848 
Eメール/akahashi-forestry@honey.ocn.ne.jp
ホームページ 
http://www.takahashi-forestry.com/

基礎工事に最善の工法追求し実践
マイスターの称号に違わぬ完成度

転圧配筋で示す技術力
資材や道具にこだわり


 建設業界で基礎工事一筋に30年超、『有限会社信和土建』の代表取締役宍戸信照さんは、目標を達成するための最善の方法を追い求め、最善と確信した方法を現場でぶれることなく実行してきた職人だ。その結果として出現する整然とした基礎が高く評価され、第三者住宅検査機関のホームリサーチ社が職人として卓越した技術を持つ匠を意味するマイスターを選定する制度で転圧マイスターと配筋マイスターの称号を得ただけでなく、2020年12月には優れた工務店や職人を顕彰する同社主催の全国工務店グランプリで優れた職人に贈られる『匠の盾』も受賞、建築家や工務店からの工事依頼が後を絶たない実力が改めて証明された。
 基礎とは、土木構造物や建物構造物を支持し安定させるための土台で、建物が完成すれば見えなくなる部分だ。基礎工事は丁張り、掘削、砂利引き、防湿シート敷設、コンクリ―ト流し込み、基礎天端均し、鉄筋組み、基礎外周の型枠組み、床の生コン打設、 内部の型枠組み、アンカーボルト設置、生コン打設、養生、型枠外し、仕上げなどのプロセスから成り、そのどれ一つでも手抜きや歪みがあれば、建物自身の重量や地震などの外的な力で建造物が傾いたり、倒壊したりする恐れがあり、建築土木工事の最重要工程ともいわれる。
 この全工程で、宍戸さんは「どんな状況下でも手は抜かず妥協しない」精神を貫いてきた。マイスター選定制度でその仕事ぶりを審査したホームリサーチ社の認定員は、砕石敷き込み後、機械を使い強固に踏み締める転圧と、設計図どおりに鉄筋を配置する配筋について国内最高レベルの技術力を持つ三ツ星の職人と認定、その理由から整然とした現場の様子が浮かぶ。
「スペーサーブロックの沈み込みは見受けられず、均一で良好な転圧状態でした。スラブ配筋は、全箇所結束がされており、継手は千鳥配置されていました。又、立ち上がり部分の配筋は、多重結束を避けた割り付けがされており、整然とした規則正しい施工状態でした。基礎の仕上がり状態は、目立った気泡もなく、全体的に平滑なコンクリート面でした。アンカーボルトの設置状況も、通りや埋め込み寸法に誤差が殆ど見受けられず、すっきりとした配置でした。基礎外周部にも養生がされており、汚れに対しての気遣いが窺えました」
 全国工務店グランプリで宍戸さんが「匠の盾」を受賞したのも転圧、配筋、基礎仕上げで評価されたためだ。この全国工務店グランプリでは、宍戸さんが住宅建築の基礎工事を担った相模原市の工務店、「有限会社トータルハウジング久野」も全国1539社のうち上位3社に選ばれ、「三ツ星工務店 金の楯」を連続受賞し、神奈川エリアでは9連覇を果たす快挙を達成、同社の久野新一社長は表彰の報告で「協力業者様の施工力の賜物と感謝いたしております」と述べている。
 こうした評価につながった施工法を象徴するのが手掘りだ。
「基礎の底となる深さまで土を掘る掘削工事は、重機で行うのが一般的で、当社も小型重機が出た時に導入してみたのですが、現場での移動に手間がかかったり、角の仕上がりがきれいにできなかったり課題が多く、以後、手掘りにこだわってやってきました。手掘りは難しい地形にも対応できますし、何より仕上がりが美しく、無駄な土も出ません。体力の続く限り、この方法を続けていきます」
 宍戸さんの施工流儀は、これに止まらない。建物の正確な位置を出す丁張り作業は昔ながらの水糸を使って誤差をなくす。掘削工事後の砂利引きもコンクリートの厚さが変わらないように土質を見極め、砂利の大小を判断しながら引いてゆく。砂利を固めた後、水蒸気の流入を防ぐ防湿フィルムを全面に敷き込むが、それも同じ大きさにそろえる。
 コンクリートを流し込んで均す作業は、さらに精緻を極める。
「コンクリートは気温や湿度の高低によって乾燥したり、伸び縮みしたりします。それがひび割れの主な原因になるので、外気温に応じて打設強度を変える強度補正をしながら設計強度になるように作業を進めていきます。外気温が高いと硬化の進行は早くなりますので、タンパーという道具でコンクリートを叩いて不要な水や空気を除去して密度を高めるタンピングやコテを使って表面を均す作業は時間との勝負であり、朝から晩まで気の抜けぬ作業が続き、1ミリの凸凹も、はみ出しもなく、角も90度に美しく正確に仕上げます」
 資材や道具にもこだわる。コンクリートは首都圏の宇部興産直系生コン6社が合併して設立された関東宇部コンクリート工業製の強度試験など様々な試験をクリアした高品質の生コンを使う。鉄筋も、作業効率や仕上がりの美しさの観点から既製品を使わず、自社加工場で加工する。鋼材メーカーから鉄筋用棒鋼を仕入れ、住宅の構造から必要数を割り出し、配置場所や形状を図面に落として加工していく。その数、大小数千本。継ぎ足しが必要ない7・5mの鉄筋も作っている。
 道具では、左官鏝(コテ)作りで約100年の歴史を刻む兵庫県三木市の梶原鏝製作所の古式鏝製造技術を知り尽くした名工の手になる鏝を使い続けている。中塗鏝や仕上鏝、角鏝、先丸鏝、目地鏝など用途や素材、サイズの異なる鏝を多数揃え、季節、気温によって使い分ける。ドリルや削岩機など建設用電動工具もリヒテンシュタイン公国の世界的な企業ヒルティ社製の高級工具を多数保有。タンピングに使うタンパーも知り合いの鉄骨会社に製作を依頼したオーダー品だ。
「何千万円という費用をかけて住居を建てるお客さまのことを考えれば、いい加減な仕事が許されるはずがありません。丁寧に作業を進め、図面通り寸分の狂いもない、水平垂直の美しく頑丈な基礎に仕上げるよう努力を尽くさなければならないと思っています」
 良質な基礎を実現するために持てる力を注ぐマイスターの意志は堅牢だ。
(ライター/斎藤紘)

有限会社 信和土建
TEL/042-763-4443

消防・防災設備の点検に情熱傾注
被害の軽減を目指す消防法を体現

多数の国家資格者活躍
高さ際立つ顧客満足度


 医療施設、学校、国の機関、高齢者施設、資料館、教会、ホテル、劇場、外国公館……。共通項がないように見えるこれらの事業所や機関、施設、実は『株式会社テックビルケア』が消防・防災設備点検管理業務を請け負った6千超の建物の一端だ。コロナ禍で感染症への警戒感が強まっているが、火災や自然災害で毎年のように多数の死傷者が出るこの国で、建築防災インフラの点検管理は安全な社会のための変わらざる絶対条件。そのニーズに応える二代目社長茶橋昭夫さんの使命感は揺るぎない。
 2019年の消防白書、防災白書によると、火災は減少傾向にあるものの、2018年に発生した火災は37981件、死者は1427人、負傷者は6114人にのぼる。自然災害による死者、行方不明者は風水害や地震を中心に337人にのぼった。阪神淡路大震災や東日本大震災、熊本地震などの大地震が起きれば、犠牲者数は跳ね上がる。
 こうした被害を軽減し、安寧秩序を保持するための対策を促すのが消防法。中でも不特定多数の人が出入りするような一定規模の建物のオーナーや管理者、占有者に有資格者による消防設備点検、防火対象物点検、防災管理点検を義務付けた条文は、罰則もある厳しい規定だ。
 これらの管理点検業務の事業を近畿2府4県と関東1都6県を中心に北海道から九州・沖縄まで全国エリアで展開し、着実に実績を重ねてきたのが『テックビルケア』だ。消火設備や警報設備、避難設備などの点検を行うことができる消防設備士、防火設備の安全確保のための定期検査ができる防火設備検査員、大規模建築物などに実施が義務付けられた防災管理業務の実施状況の定期点検ができる防災管理点検資格者、建築物の安全確保のための定期調査、点検ができる特定建築物調査員、排煙設備や給水設備などの建築設備の安全確保のための定期検査ができる建築設備検査員などの国家資格保有者を多数擁し、点検管理業務をワンストップで完結できるのが強みだ。
 消防用設備点検は消防法第17条に規定がある。
「消火器やスプリンクラー設備、自動火災報知設備、誘導灯などの消防用設備は、火災の際に正常に作動しないと人命にかかわることから、定期的に点検し、その結果を管轄する消防署へ報告しなければなりません。外観又は簡易な操作による機器点検が6ヵ月に1回、実際に消防設備を作動させ、総合的な機能を確認する総合点検は1年に1回行う必要があります。対象は、延べ面積 1000㎡以上のデパートやホテル、病院、飲食店、地下街などの特定防火対象物、延べ面積 1000㎡以上の工場や事務所、倉庫、共同住宅、学校などの非特定防火対象物で消防署長が指定したもの、避難経路が1つの特定防火対象物です。点検結果を報告しなかったり、虚偽の報告をしたりした場合は30万円以下の罰金又は拘留の罰則が科されます」
 防火対象物点検は、44人の犠牲者を出した2001年の東京・新宿区歌舞伎町の複合ビル火災を教訓に設けられた消防法第8条に規定がある。
「歌舞伎町の大惨事となった要因として、階段に避難障害となる物品が置かれていたこと、防火管理者が選任されておらず避難訓練も行われていなかったこと、消防用設備などの点検も行われていなかったことなどの消防法令違反があげられました。このような状況を改善するために設けられたのが防火対象物点検報告制度です。点検では、防火管理者を選任しているか、防炎対象物品に防炎性能を有する旨の表示が付されているか、防火戸の閉鎖に障害となるものが置かれていないか、避難施設に避難の障害となる物が置かれていないかなどを確認します。この規定にも罰則があります」
 防災管理点検は、2007年の消防法改正で創設された防災管理点検報告制度による義務で、消防法第36条に規定がある。
「地震や風水害など火災以外の災害による被害の軽減を図るため、大規模建築物などについて、防災管理業務の実施が義務付けられ、その実施状況を毎年1回定期的に防災管理点検資格者に点検させ、その結果を消防機関に報告することを義務付けた制度です。防災管理者を選任しているか、避難階段に避難の障害となる物が置かれていないか、オフィス家具などの転倒、落下、移動防止措置が取られているか、訓練マニュアルに基づいて避難訓練が1年に1回以上実施されているか、非常食等が常備されているかなどを点検します。点検義務のある建物に多数テナントが入居している場合は、管理権限者ごとに点検結果報告書を消防長または消防署長へ報告しなければなりません。規定に違反すれば罰金や拘留の刑が科されます」
 こうした点検管理業務に加え、非常用自家発電機の負荷試験や貯水槽維持管理などの業務も行う。
 同社は、茶橋さんの父親が清掃事業で創業した会社。その後、業容を消防設備関係の業務に広げた。茶橋さんは、関西大学工学部を卒業後、プログラマーとしてシステム会社で営業支援ソフトの開発に携わり、空調システム会社で業務用エアコンのメンテナンスや故障対応に当たり、防災設備会社で消防設備点検業務に従事するなどの経験を重ねた後、30歳で『テックビルケア』に入った。業界では、まだインターネットで集客する企業がほとんどなかったが、ホームページを自分の手で作り、インターネット広告なども活用するWEBマーケティングの手法で集客を図った結果、消防設備関係業務がメインの事業に成長していったという。2019年に社長に就任した。
「創業して40年、建物の今を守り、建物の未来をつなげるソリューションカンパニーとして、多くのお客様よりご支持いただき、ここまで成長させていただいてきました。契約継続率は90%以上にのぼります。これからも分野毎に専門知識を持った精鋭チームが、一社一社、お客様目線となり、安心と満足を最優先事項としてサポートしていきたいと思っています」
 人命に関わる防火防災を支える事業への情熱は、海外進出の夢も育んでいる。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 テックビルケア
TEL/072-635-3035 
Eメール/ a-chabashi@techbuilcare.com
ホームページ 
https://www.techbuilcare.com/

コロナ禍が招く不条理に心痛める
坂の上の雲を目指した心臓外科医

先人の知恵に希望託す
高度医療の実績を維持


「坂の上の雲は見事に唐突に消え去り、下り坂の先の黒い霧におおわれています」
 コロナ禍に喘ぐ社会をこう表現し、感染者をめぐる不条理を嘆き、政治の不作為に憤り、経済への影響を案じ、ウイズコロナ時代の生き方に思いを馳せる医師がいる。『新東京病院』の副院長兼心臓血管外科主任部長で、広島出身の被爆二世でもある中尾達也さん。原爆症と闘いながら早世した父親を海外に留学していたために看取ることができなかった辛い経験とコロナ禍での死をめぐる悲しい光景が重なり、様々な思いが脳裏を駆け巡るという。
 中尾さんは、明治維新に活躍した青春群像を描いた司馬遼太郎の歴史小説「坂の上の雲」に因み、自身の登るべき坂を医療人としてScience(科学)、Art(技術)、Humanity(人間性)の3つを追求することと定め、理想に向かって登ってきた医師。目指していた坂の上の雲の様相をコロナ禍が一変させたという。
「コロナ禍のために、患者さんの面会もできず死に目にも会えないご家族、ご親族は大変つらい思いをされています。こんなことは不条理と感じていることでしょう。医者を35年やっていれば、多くの人を看取ってきています。しかし、身内の死が突然自分の問題として降りかかってきたとき、その経緯が不条理であるか、そうでないかは、残されたものにとっては大きな禍根を残します。不条理さがいかほどのものであったかはその立場に身を置く物ではないとわかりませんが、 想いを寄せることは少なからずできます。コロナ禍での人の死に対して、個としてだけではなく、皆が想いを馳せる死になるならば、浄土に行かれた人の側には多くの人がいてくれたと再認識するでしょう」
 コロナ禍をめぐる政治や経済動向には厳しい目を向ける。
「為政者は、国民に子供のような言い訳を繰り返し、国民が行くべき道しるべを示してくれません。一年前の日本を考えてみてください。安い給料で大量の外国人労慟者を優先的に日本企業に斡旋して、大企業は安価な労慟力を求め外国に工場を造ろうとしていました。 横浜にカジノを造るとか景気の良い話ばかりでしたが、全部錯誤になり、霧のなかに消えてしまいました。この疫病の流行で日本経済は破綻し、輸入も止まるかもしれません。世界を見渡しても外国はもっとひどい状態で、このままの状態が続けば日本人が生き残るためには、できるだけ自給自足生活を始めなければいけなくなる日が来るかもしれません」
 こうした憂慮の半面、ウイズコロナ時代の生き方については、先人の知恵がヒントになると語る。
「今後はお金の影響が下がり、健康にもっと注意し始めます。そうすることでより人間関係や人の情を重要視し、日本の古来からの価値観である地域社会との繋がりを大切にする世の中になるでしょう。地域のために地域とともに地域ですべてを完結できる社会を作らなければなりません。また、私は神の国に住む日本人の素晴らしい生活習慣に関して患者さんにお話してきました。神社に行くと、必ず手洗い、お祓い、禊、お辞儀、靴を脱ぐ、箸での食事を自然にします。これらはすべてコロナ対策になりますが、古来日本人は疫病対策を習慣としてやってきていたのです。私の患者さんで、人間国宝のハサミ職人さんがいますが、手術でハサミを使う私が、その修行過程には感嘆するとともに深く聞き入ってしまう教訓が満ち溢れています。今後は日本が本来の物づくり国家に戻ることが、暗い霧の中に少しでも明るい道を見つけるための第一歩だと思います」
 中尾さんは、尊敬する研究者の一人、理学博士で南極越冬隊長を8回務めた本吉洋一・前国立極地研究所副所長の生き方にも目を向ける。
「本吉さんは現役を引退された後、週の半分をご両親の田舎の実家で過ごされ、奥様と季節の野菜つくりに勤しんでおられます。以前、本吉さんを慕ういろんな分野の人々が年一回集い、親交を深めた場所です。地元の海の幸と地酒、自家製の野菜、薪で沸かしたお風呂を楽しまれているとのことです。本吉さんには、南極の地で経験してきたことを糧に、コロナ禍から生き残る知恵をいろいろ教えいただきたいと思っています」

        ◇

『新東京病院』は2021年、開院から25周年を迎える。中尾さんが2014年から牽引する『心臓血管外科』は、歴代部長を国内外屈指の名医が務めた名門診療科。2020年の手術の施行実績は、コロナ禍の中で開心術が人工心肺症例283例、非人工心肺症例およびオフポンプ冠動脈バイパス手術6例の計289例、胸部大動脈ステントグラフト術は23例、心臓胸部大血管手術は312例にのぼる。中でも、心臓から全身に血液を送る大動脈にコブができ、破裂すると生命の危機につながる胸部真正、急性、慢性解離性大動脈瘤などあらゆる形態の動脈瘤に対して行う精度、低侵襲性に優れたオープンステントグラフト手術は、中尾さんの医療技術の高さを示す手術で、国内屈指の実績を重ねているだけでなく、国際的にも高い評価を得てきた。
 この手術法を解説したBarto Lomeo教授主催、イタリア・ボローニャでのプレゼンテーションは最優秀賞の「Top10of the 10th Postgraduate Course-Surgery of the Thoracic Aorta Bestvideo Presentation Prize」に選ばれ、このプレゼンテーションを活字化した資料がオンラインで世界に配信する価値のある学術資料として国際誌「Journal of Visualized Surgery(JOVS)」に承認された。また、台湾でこの手術法の普及にも努め、台湾の台北や台中の病院まで足を運んで技術指導をしてきたほか、台湾で開催されたアジア胸部心臓外科学会で講演するなど国際派医師としての活動でも異彩を放つ。
 コロナ禍でストレスを抱えながら治療に当たる病院スタッフに対する感謝の気持ちを胸に、中尾さんの坂の上の新たな雲を目指す歩みは、虹にのって続く。
(ライター/斎藤紘)

医療法人社団 誠馨会 新東京病院
TEL/047-711-8700

乳がんの早期発見早期治療に注力
最新鋭の検査装置で痛みから解放

数々の研究成果を投影
妻の放射線技師と連携


 和歌山市の『さくらい乳腺外科クリニック』は、和歌山県内のクリニックでは唯一、乳がんの診断や治療に求められる厳格な条件をクリアした日本乳癌学会認定施設だ。院長櫻井照久医師は、肺癌の脳転移機序に関する研究で母校、和歌山県立医科大学で医学博士の学位を取得、留学先の米国では乳がんの骨転移に関する研究で受賞するなど乳がんの研究で輝かしい成果を上げてきた日本乳癌学会専門医。乳腺外科医の父親の跡を継ぎ、診療の中核に乳がんの治療を掲げ、診療放射線技師である妻の真知さんと連携して、乳がんの治療で最も重要な早期発見、早期治療に力を注ぐ。
「乳がんは、女性のがんの中で最も多く、年々罹患数は増えています。女性の12人に1人が乳がんにかかると言われており、2018年には年間95000人がかかり、12000人が乳がんでなくなっています。乳がんの発症年齢は40歳後半と60歳代半ばの2つのピークがありますが、20代や30代の若年性乳がんも増えてきています。高齢の方でも乳がんにかかる可能性があります。統計上、このような状況にある乳がんですが、早期発見できれば、ほとんどの方が治る病気であり、決してこわい病気ではありません。日本乳癌学会の調査では、2㎝以下のしこりでリンパ節への転移がない状態であれば、約90%の人が10年生存しています。しかし、病期が進むほど生存率が下がってしまいます。早期発見がいかに重要か、わかっていただけると思います」
 櫻井医師はこう指摘した上で、診療では、乳がんについて乳房の構造も含め、わかり易く解説する。
「乳房は、母乳をつくる乳腺と、それを包む脂肪組織からなります。乳腺は、乳頭から放射状に張り巡らされている15〜20の乳腺葉に分かれ、乳腺葉は乳管と乳腺小葉からできています。乳腺小葉は腺房という小さい組織が集まって形づくられています。乳房には多くのリンパ管が通っています。乳がんは乳腺の組織にできるがんで、多くは乳管から発生しますが、一部は乳腺小葉から発生します。乳がんは、がん細胞が乳管や乳腺小葉にとどまっている非浸潤がんと、乳管や乳腺小葉の周囲まで広がっている浸潤がんに大別されます。浸潤がんの中で最も多いのは、浸潤性乳管がんです。その他に粘液がんや腺様嚢胞がんなどの特殊型がんや炎症性乳がんなどがあります。乳がんは、乳房の周りのリンパ節や骨、肺などの遠くの臓器に転移することがあります。乳がんの主な症状は、乳房のしこりです。乳房にえくぼやただれができたり、左右の乳房の形が非対照になったり、乳頭から分泌物が出たりすることもあります」
 乳がんの診断には、触診や視診、乳房X線撮影(マンモグラフィ)、乳房超音波検査、乳房MRIなどが用いられ、診断確定のためには細胞診や組織診が不可欠だ。中でも効率的に診断できるのがマンモグラフィだが、撮影法に伴う痛みが受診者に敬遠される理由の一つになっていた。櫻井医師は、この課題を解消するために最新鋭の撮影装置を導入した。
「マンモグラフィは、乳房専用のレントゲン検査で、少ない放射線の量で、しこりがわからないようなタイプの乳がんも、白い点のように見える微細石灰化病変として見つけることができます。乳房のなるべく多くの部分を撮影して、がんと正常部分の区別がつきやすい画像を作るために、透明の圧迫板で乳房をはさみ、薄く伸ばして撮影しますが、これに痛みが伴う点が課題でした。そこで導入したのが富士フィルム社製アミュレット・イノバリティです。この装置は日本人の特性を考えて作られた装置で、乳房を挟む板が柔らかくなるため、受診者がちぎれそうと形容する痛みから解放されます。放射線量も大きく低減もされました。こうした状況下で50㎛という最高の検出能力によって早期乳がんの発見に威力を発揮しますので、安心してマンモグラフィ検査を受けていただけます」
 マンモグラフィを操作するのが診療放射線技師の真知さんだ。櫻井医師は、この点も同クリニックの強みと強調する。
「受診者のメンタル的な面からも女性技師が好ましいと思います。そもそもマンモグラフィの検査装置を巧みに操作できる撮影認定技師を探すのが大変です。その上、女性はライフステージの変化で辞めてしまうケースが多いので、長期間勤務できる女性技師は希少価値が高いのです。当院では、家内が撮影技師を担当しているので安心して頂けます」
 米テキサス大学サンアントニオメディカルセンターで、がんの骨転移研究の第一人者、米田俊之教授に師事して学識を深め、サンアントニオ乳癌シンポジウムで日本人としては二人目の講演演者に選出され、和歌山県立医科大学紀北分院では12年間、乳がんの手術や抗がん剤治療などで実績を重ね、乳がんに関する学術論文も多数発表してきた櫻井医師、「乳房のかかりつけ医」を標榜し、乳腺外科を「非常にやりがいがある領域の仕事」と表現する。病巣の発見から診断、薬物療法、手術、術後の検査まですべて一人で担当することができるのがその理由だ。
 櫻井医師が声を大にして「あなただけの体ではないことをわかってほしい」と呼びかける。
「ご自身のため、そしてご家族の笑顔のために検査を受けましょう。妊娠中、授乳中の方でも気になる症状がある場合は、当院にて検査が可能です。クリニック内にキッズスペースも用意していますし、保育士さんも勤務しておりますので、小さなお子様連れの方でも大丈夫です。患者さんの期待にお応えできるように、絶対に病変を見逃さないよう100%の努力を続けています」
 2019年から櫻井医師は、「NPO法人J・POSH(ジェイ・ポッシュ)」が実施する、日曜日に受けられる乳がん検診「ジャパン・マンモグラフィサンデー(JMS)」に賛同し、「気になる症状があるが平日は病院に行く時間が取れないという人や、今まで検診を受けたことがない方も、ぜひ受診いただければ」と語ってくれた。
(ライター/斎藤紘)

医療法人 桜照会 さくらい乳腺外科クリニック
TEL/073-448-3366
ホームページ 
https://sakurai-clinic.jp/

「コロナ禍の中でもよい保育を求めて」を
決意

子どもの未来を
明るいものにする努力を続ける


 保育園を始めて45年、子どもたちの成長に最善の保育方法を追求してきた幼保連携型認定こども園『大東わかば保育園』の園長山本良一さんが、コロナ禍が続く2021年春、独自の「積極的保育」論を軸に保育を巡る社会動向への考察も交えた、包括的保育論ともいえる新著を刊行する。その名も「コロナ禍でも、よい保育を求めて」。未来の子どもたちと社会のために寄与したいという思いが随所から伝わる一冊だ。
 新著を著わす伏線となる出来事があった。日本全国に緊急事態宣言が発令される前の2020年4月1日、保育園の入園式を終え、市役所へ書類を提出した帰りに立ち寄った書店で、京セラの創業者稲盛和夫氏の著書「稲盛和夫の哲学 人は何のために生きるのか」(2003年 PHP文庫)を偶然手に取り、購入したことだ。その中の一文……。
「人類もいま、地球に対し、また他の動植物に対して、あまりにも自由に振舞ったために、自然環境という大きな存在からしっぺ返しを受けつつある。あるいは、もっと大きな罰を与えられようとしているのではないでしょうか。環境問題も含めて、『目覚めよ、人間』と呼びかけられているような気がします」
 山本さんは、この文章を現下のコロナ禍と重ね合わせ、「約20年前にすでにこの言葉を語っておられたことを知ってびっくりさせられました」といい、その数日後、稲盛氏と哲学者梅原猛氏との対話集「哲学への回帰」から多くのことを学ぶことができたという。
「これらの本から多くのことを学ぶことができました。コロナがなかったらこの1、2年で園長を引退することを考えていたのですが、コロナ禍でも、よい保育を求めてという気持ちが強く起こってきて、当園が実現してきた保育の実績を大切にして、未来の子どもたちと社会のために寄与したいという強い気持ちを持ち続けたいと思うに至りました」
 ここでいう保育の実績とは、「よい保育の場を求めて」や「大切なことはみんな保育園で学ぶ」、「子どもたちの輝く未来のために」などの著作にもその一端を明らかにしているが、44年間にわたって近隣の人々の理解、保護者の方の信頼を得て、子どもたち、そして職員の努力で実現した「大東わかば保育園」の保育だ。
 この状況の中で、園長が強い心を持って保育士などと力を合わせ、安心、信頼、感動を大切に、保護者や地域の住民の理解を得ながら保育に全力で取り組む姿勢を示したものだ。その象徴が「自由遊びの時間」。約350㎡の園庭で、年齢ごとにクラス分けした保育とは別に、午前8時半~9時半、午後4時前~4時半の2回、歩くことのできる0歳児、1歳児から5歳児までが一緒に遊ぶ。昼食後も1、2歳児、3~5歳児の順に園庭で遊び回る。歩くことのできる0歳児、1歳児、2歳児が給食後に園庭に出て遊ぶ例はほとんどないという。
「年齢の壁を越えて自由に入り乱れて遊ぶと、自然に友達との遊び方を学んだり、危険を察知して避ける力を身に付けたりして、自分を伸ばすことに意欲的な子どもが育っていくのがわかります。何気ない遊びが学びに進化していくのです」
 もう一つが、いろいろな行事だ。
「子どもたちがどのような内容を体験すれば、心が豊かになるのか」を意識して取り組んでいる。その一つ、運動会の「合同あそび」は、子どもたちと先生が協力しながら、全体の主軸となるストーリーを決め、それに沿ってクラスごとに遊びと役柄を考え、7ヵ月間かけて準備する行事だ。
「『合同あそび』は、準備するプロセスそのものが子どもたちを大きく成長させるのです。言葉やストーリーを理解する力も伸びますし、年齢の壁を越えて子どもたちの絆も強まる効果があるのです」
 こうした取り組みに大きな影響を与えたのがコロナ禍だ。保育と感染症対策のバランスをどうとるか、保育園経営者は難しい判断を迫られる事態だが、 山本さんは様々な試みを重ねている。
「例年であればクリスマス会や作品展は、一日で行っていますが、二日間に分けて密を避けながら行うなど工夫を重ねています。他の園では、行事を取り止めたり、大幅に縮小するなどの現象が起こっています。感染症対策に取り組むのは当然ですが、感染対策に重心をかけすぎると保育がおろそかになってしまいます。子どもにとって今の時間がすべてです。こうした状況だからこそ、子どもたちの人生をしっかり考えなければならないと思うのです」
 山本さんは、こうした姿勢を父母の会だよりで、今の状況とコロナ禍でも子どもの幸福と発達を願って、できるだけの保育を実現しようとする決意を在園児の保護者だけでなく、卒園児の保護者や近隣の人にも伝えた。
「新型コロナウイルスによる感染症に関心がいってしまい、保育が担っている社会的役割が忘れられている現実があり、そして、今、保育園で生活している子どもが忘れられている現実があるのです。新著である『コロナ禍でも、よい保育を求めて』がその現実に目を向ける一つのきっかけになればと思っています」
(ライター/斎藤紘)

社会福祉法人 弘法会 認定こども園 大東わかば保育園
TEL/072-878-4121

大手ゼネコンからの信頼厚い
生産設計のプロ集団

UFBの提案などで
SDGsに繋がる建築を推進


 『株式会社秀デザイン企画』は、ゴジラのモニュメントが目を引く「新宿東宝ビル」や武田薬品工業の「湘南ヘルスイノベーションパーク」などを手がけてきた生産設計のプロ集団。生産設計とは、意匠設計者の思いを共有してゼネコンや関連事業者と予算・品質などを調整しながら細部にわたる施工図をまとめていき、建物が完成に至るプロセス全体を設計、工期・コスト・品質管理を一括して行う根幹の役割。同社は、AIが進む現代であっても、「人」ならではの洞察力を駆使し、意匠設計・構造設計・デベロッパー、三者の想いを最大限に汲み取り統合。影のプロデューサーとして建築業界を支え、大手ゼネコン各社のパートナーとして信頼を獲得してきた。代表取締役社長大滝秀人さんは、専門学校を卒業後、複数の建設関連の施工図会社に勤務。生産設計の仕事の魅力を知り、寝食を忘れて打ち込む中、ある大手ゼネコンが元請けの「ポーラ美術館」の難工事を担当することに。苦労の末これを完成に導いたことで高い評価を受け、恩人に独立を勧められ、27歳で同社を創業することになった。以来約23年間、工期遅れのプロジェクトやコスト超過の案件の見直しなど数々の難工事の依頼を引き受け、生産設計を通して建築上の様々な問題をクリアし、工程の正常化とコスト削減に貢献してきた。業界では、「大滝さんに依頼すれば工事も完了して利益も出る」と謳われるほど高い評価を得てきたが、42歳の時、脳出血で倒れてしまう。左半身不随になり、半年間リハビリ入院をして回復に至ったが脳に障害を持ってしまった以上、プレイヤーとして仕事に復帰することは難しくなってしまった。そこで大滝さんは経営に専念し、従業員をサポートすることを決意。近年は、上下に開閉するのが常であったシャッターを横引にした『横引シャッター』や目に見えない小さな泡を水中に混ぜる技術『UFB(ウルトラファインバブル)』の代理店業務をスタートさせた。『横引シャッター』は、高さの問題で設置できなかった駐車場や広さがネックで仕切れなかった店舗ごとの空間にも施工することが可能になり、設置スペース・開閉範囲・湾曲・水平という課題を解決できる利便性の高い商品。また、特殊ポンプの老舗企業・丸山製作所との共同で提案している『UFB』は、洗浄、除菌、浸透性などの効果を発揮する商品。トイレの配管内洗浄にこの技術を導入し、高評価を得ている。大滝さんは、皆で力をあわせ、共に会社を盛り上げていきたいと展望を語る。
(ライター/山根由佳)

株式会社 秀デザイン企画
TEL/03-6459-7687 
Eメール/hide7531@gmail.com
ホームページ 
https://www.shudesign.jp/

設計に新風吹込む建築デザイナー
実力示す創作物のオリジナリティ

学生時代に才能が萌芽
総合的なデザイン実施


「Imagination and technology創造と技術のちいさな不思議な会社」を標榜する『株式会社K15建築設計事務所』でデザインを担う『株式会社K10 DESIGN FARM』の代表取締役上村昂平さんは、創作物で示す個性的な発想力とオリジナリティで将来性を感じさせる建築デザイナーだ。「住む人のライフステージの変化にも対応していけるよう、可変性のある設計やどの世代にも魅力的な柔軟性のある住まいを提供したい」という父親の一級建築士上村允郎さんの事業コンセプトをデザインで具体化する。
 昂平さんがその才能を示し出したのが神戸芸術工科大学環境建築デザイン科の学生時代。その一つが「In the Wall」と題した作品。プライウッド、鉄、レザーを素材に、裏にハンガーラックやオープンポケット、フックなどが付いたプレーンな板を壁に立てかけ、壁と家具の間と言えるような独創的な収納スペースを生み出し、中もを集めた。
 卒展では、ガラスの家で知られるフランスのインテリアデザイナー、ピエール・シャローのデザイン感覚を学んだ経験を生かし、「—kaam可愛い椅子には旅させよ~家具と建築の関係性-ピエール・シャローのガラスの家における金属フレームについて」を出展、奨励賞を得た。この作品について、昂平さんは「椅子に対するこれからの新しい価値観や所有の仕方を示すことで、建築や都市の在り方にまで変化を及ぼしていく。椅子と建築の関係性は空間的な美しさのみが重視されてきた。しかし椅子を都市スケールで見ることで椅子が広告の媒体となり、椅子が人と都市を繋いでいく」と語り、発想のユニークさを示した。
 事務所では、建物デザインだけでなく、パッケージデザインや新規商品のデザイン、パンフ作成、ホームページ作成、店舗設計・デザイン、メニュー支援、ユニホームなどの総合的なデザインにも対応する。
『K15建築設計事務所』は2012年に創業、住宅やビル、マンションなどの設計、企画、監理を行う建築設計事業をベースとしながら、マンション大規模修繕のコンサルティングに力を注ぎ、修繕積立金管理支援から劣化診断、修繕計画作策定、施工業者選定、施工法提案、施工監理まで業務提携会社との連携で包括的にサポートする体制を構築、多くの管理組合から厚い信頼を得てきた。
(ライター/斎藤紘)

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