ヒットの予感!! 2019


イギリス生活情報誌 
月刊
ミスター・パートナー
〒160-0022
東京都新宿区新宿
2-15-2岩本和裁ビル5F
TEL.03-3352-8107
FAX.03-3352-8605
 
理事長 兼 園長 山本良一 さん
関西学院大社会学部社会福祉・社会学コース卒。大阪市中央児童相談所で児童福祉司として活躍。1976年「社会福祉法人弘法会」理事長、『大東わかば保育園』園長。大東市児童福祉審議会委員、花園大学非常勤講師などを歴任。

著書
「大切なことはみんな保育園で学ぶ~よい保育の場を求めて Part Ⅱ~」(DVD付)フォーラム・A刊 1,852円+税
著書
「よい保育の場を求めて~大切なことはみんな保育園で学ぶ~」
出版文化社刊 1,429円+税
最新刊
「子どもたちの輝く未来のために
子どもの力を伸ばす積極的保育のすすめ」
現代書林刊 1,200円+税
子どもの成長見守って半世紀
独自の保育理論を構築し実践

変革意志支えた探究心
保育園めぐる課題指摘


 子どもたちを輝かせるにはどうすべきか、子どもたちが輝ける社会はどうあるべきか。保育に携わって42年、児童福祉を担うケースワーカー時代を含め半世紀にわたって子どもと向き合ってきた幼保連携型認定こども園『大東わかば保育園』の園長山本良一さんは、この問いを自らに問い、社会に問いかけてきた教育者だ。その軌跡を記録した四冊目の著書「子どもたちの輝く未来のために」は、問いの末に辿り着いた独自の保育理論と保育をめぐる課題の現実を浮き彫りにする。
 山本さんは、若くして福祉の道を目指し、大学で学ぶ中で日本の社会福祉理論の構築に貢献した岡村重夫氏の福祉理論に感銘、卒業後、児童福祉の世界に進んだ。この中で「もっと長期にわたり子どもと関わりたい」という気持ちが膨らみ、1976年、『大東わかば保育園』を開設した。しかし、公務員生活の感覚が尾を引き、職員の時間外勤務などが気になって、保育が消極的になってしまったという。
 この状況を一変させたのが、新しく園に入ってきた主任保育士の一言だった。
「園長先生はいろんなことを気にしすぎる。もっと保育を中心に考えてください。保育士は、よい保育をしたいという気持をもっているのです」
 この一言を機に保育のあり方の探究が始まる。
 知識吸収も重ね、教育家和田重正氏の著書「葦かびの萌えいずるごとく|若き日の自己発見」の中の「本心を生きる」「生きるとは選択である」「奇蹟的な問題解決力」などの言葉、思想家中村天風氏の講演集の中の「観念要素の更改」「積極観念の養成」などの言葉に感性が反応し、変革への意志が強まり、到達したのが保育理論「積極的保育」だ。「現実的な諸問題にとらわれずに、子どもの力を信じて伸ばしていくことを第一に考えて、保育に取り組む姿勢のこと」と定義づける。
「行政への書類提出、各種審議会や保育団体などからの文書、研修会の案内、研究機関などからのアンケートなどへの対応などの事務作業に加え、不審者対策など多くの問題が押し寄せ、それらに多くの時間と大きなエネルギーをかけなければならず、余裕を失った状態にあるのが多くの保育園の現実です。この状況の下で積極的保育を進めるには、園長に強い心がなければなりません。園長の個人的力には限界がありますが、職員と強い信頼感に結ばれれば、現実条件を乗り越えて積極的な保育を実現することが可能です」
 現在、約100人の子どもを預かり、保育士、教諭など合わせて約20人のスタッフが保育する。「積極的保育」を象徴するのが、園庭で毎日繰り広げられる光景だ。年齢ごとにクラス分けした保育とは別に、午前8時半~9時半、午後4時前~4時半の2回、1歳児から5歳児までが一緒に遊ぶ。昼食後も1、2歳児、3~5歳児の順に園庭に出て思い思いに遊び回る。この時間を山本さんは「自由遊びの時間」と呼ぶ。
「核家族化、少子化、働く母親の増加、テレビゲームの普及、遊び場の不足など子どもを取り巻く環境は大きく変わり、子どもだけで自由に遊ぶことが少なくなってしまったうえに、子どもが巻き込まれる事故や事件もあり、子どもだけで家の外で遊ばせることに社会全体が消極的になっています。こうした傾向は、子どもの成長にいいはずはなく、子どもたちが気持ちの向くままに遊ぶ時間を持つことは大切だと考え、導入したのが自由遊び時間です。友だちとの遊び方を学んだり、危険を察知して避ける力を身に付けたりして、自分を伸ばすことに意欲的な子どもが育っていきます。1歳児、2歳児が給食後に園庭に出て遊ぶ保育園は、公立、民間ともほとんどありません」
 大切なことはみんな保育園で学ぶ。これが「積極的保育」の基本的な考えだ。感動する心を育む行事もその一環だ。生活発表会、いもほり、星まつり、うんどう会、 ハロウィン、登山など四季を通じて開催される行事が感動をもたらす。もう一つ重視するのが安心、信頼だ。
「人生体験や宗教、哲学、心理学などから、健全な自己実現を現実のものにするには、安心は大切なことと知りました。子どもたちの命のリズムと共鳴するような姿勢で見守ることで安心感が生まれます。安全や清潔、秩序などに重点が偏りすぎず、職員すべてが子どもの気持ちを配慮する日々の行動が信頼につながるのです。自信を持って保育に取り組めば、子どもや保護者の方も必ず信頼して下さると思います」
 保育をめぐっては、待機児童問題、保育士不足、保育園建設反対運動など様々な課題が浮上している。山本良一さんにこの現状についてお聞きした。

―待機児童問題をどう考えていますか。
「待機児童問題は、数字上では改善が進んでいると考えることもできると言われていますが、現場は保育士確保の苦労を抱え、保育内容の質的低下を保護者や子どもに押しつける結果になっていることを申し訳なく思う気持ちを抱いて毎日を過ごしているのです。待機児童問題は数字上のことだけで済せる問題ではないと思っています」

―厚生労働省の調査では、常勤保育士の約10%が離職しています。
「家庭の事情など個人的な理由を乗り越えて頑張ろうという意欲を持てないことが離職率を高くしているように思います。保育園の現実として事務量の増大によって余裕を失い、自信が持てない状態にあり、保育園全体の雰囲気を暗いものにしていることが背景にあります。平成25年に人材確保のための補助金が保育園に交付されましたが、待遇問題と同時に離職する背景にも目を向けてほしいと思っています」

―騒音などを理由に保育園の開設に反対する動きもあります。
「時代のせいでしょうか、他人の行動に対する寛容度が下がっていると感じますが、園長が増える事務の処理に追われ、近隣の人たちとのコミュニケーションをとる余裕がなく、疎遠になってしまったことも、音や車などで苦情が園に寄せられる要因になっていると思います。この悪循環をどこかで断ち切らなければなりません」

―少子化の中で保育園の果たす役割をどう考えますか。
「子どもを育てることは、未来の日本を支える人材を育てることです。40年以上、地域社会のまっただ中で子どもと関わってきましたが、よい保育、よい保育園は明るい未来をつくる上で大きな寄与ができると実感しています。行政、研究者、報道機関も含め、保育に関わる人、関心のある人すべてが、保育の現場で起きている問題に真摯に目を向け、よい保育ができる環境が形成されることを願っています」
(ライター/斎藤紘)

社会福祉法人 弘法会 認定こども園 大東わかば保育園
TEL/072-878-4121

代表取締役 千田明 さん
学業修了後、NTTグループなどの電気通信事業者の工事を請け負う「東電通」(現ミライト)を退職後、複数の電気工事会社から請われて2011年、中継会社『GNR』を設立し、代表取締役に就任。
中:六角堂、六角堂種楼
下:六角堂門前、六角通り・東洞院交差点
上:元本能寺の碑
中:池坊モニュメント、32世池坊専好口伝のモニュメント、へそ石
下:錦市場
京都のへそは歴史のへそ
聖徳太子創建、華道の家元など

第四話 六角堂を訪ねて

 京のわらべ歌に【あね さん ろっかく たこ にしき】(姉小路通り・三条通り・六角通り・蛸薬師通り・錦小路通り)と歌われているように通りの名前を覚えれば碁盤の目の通りで、二条通り富小路下がる(南へ)・上がる(北へ)・西入る・東入るで、地名が解らなくても場所に行くことが可能です。もちろん地名でも可能で、例えば、元本能寺町のように歴史上の地名が残されているのに感心させられます。
 京都人は、冷たい、裏表があるとよく言われますが、確かに何度も大火よる被害が多く、応仁の乱の時には市街地が壊滅状態となりました。色々、大阪人みたいにはっきりしない部分がありますが、歴史が培った風土と思えば理解できると思います。私的には、京都は何時行っても良いところですし、根は優しい人ばかりだと思っています。
 と言うことで、今回は、京都の中心と言われている、六角・東洞院西入る紫雲山頂法寺を訪ねることとしました。頂法寺と言っても、どこと言う方がおられますが、西国観音霊場18番札所、六角堂のことです。
 境内には、京のへそ石(要石)があり、京都の中心とも言われております。元は、六角堂は六角通りの真ん中にあったそうですが、桓武天皇が平安京を定められた際、祈願すると六角堂が通りの真ん中より、北へ移動した時の礎石の一つが残ったとされ、それがこのへそ石です。永らく京の中心とされて来ましたが、明治に入り通行の妨げになるため、現在地に移設されました。
 六角堂の起源は、古く聖徳太子が四天王寺、建立の用材を求め、この地を訪れたときに、この地の池で水浴されたおりに側の木に掛けた持仏の如意輪観音(六道から悟れない人々に福と智を満足させて、悟らせ仏の世界に導く)が木から外れず、光を放ち、「我はこの地に留まり人々に悟りを開かせたい」とのお告げがあったため、六角堂を建て持仏を安置し、小野妹子(遣隋使として隋の煬帝に聖徳太子の国書「日出処の天子、書を日没する天子にいたす、つつが無しや」を渡し、煬帝の怒りを受け、返書を百済で紛失したとして、(実際は太子に手渡されたようですが)流罪にあったが、恩赦され、冠位十二階の最高、大徳として第二次遣隋使として再度派遣された人物)に祭祀を命じました。以後、子孫が継承することとなり、池のそばに坊を建てたところから池坊と呼ばれようになり、それまで仏様に華をお供えする風習がなかったが、初めてとり入れ、子孫が華道を大成させて世界に羽ばたく華道の家元となっています。もちろん家元は、頂法寺の住職でもあります。
 また、親鸞が百日詣して、延暦寺を脱して法然に師事し、浄土真宗に芽生えた所でもあります。
 六角堂の如意輪観音様に感謝のお祈りをして、折角、京都に来たので京の庶民の台所と言われる錦市場を訪ねました。錦市場は、外国の方も多いですが、大阪の黒門市場(外国人向けにどんどん立ち食い出来るようなコーナーをほとんどの店が行っている)と異なり、今も昔の風情を残しており、京都らしさを感じながら、筆を置きたいと思います。

株式会社 GNR
TEL/06-6910-0600
ホームページ http://www.gnr-a.co.jp/

代表取締役 亀谷大輔 さん
大手ダストコントロール会社でルート開拓、商品提案などに携わり、優秀社員に。ヘッドハンティングでハウスメーカーへ移り、営業の第一線で活躍し、営業部幹部を経験。数社を経て、2015年『株式会社アースリンクイノベーション』設立。
バリ島風癒しの住空間を追求
極上のリゾートスタイル提案

上質な時間を創造し形に
ライフプランニング支援


 インドネシアの豊かな資源と文化、人々の想いに魅せられて構築した事業で存在感を高めている若き経営者がいる。『株式会社アースリンクイノベーション』の代表取締役亀谷大輔さん。東南アジア屈指のリゾート、バリ島風の住空間を国内でプロデュースする独創的な事業に着手して3年、穏やかな癒しの時間を求める人たちの心を捉えている。
 ハウスメーカーのトップセールスマンだった亀谷さんは、利便性、機能性、生産性を追求するあまり格差社会が広がる現状に心が動き、感性的な部分に焦点を合わせたビジネスプロジェクトを通して希望を届けていきたいと思ったことをきっかけに起業、「万人に受けようとするとこれからの時代は生きられない」とリゾートスタイルの住空間提案を事業の主軸に定め、インドネシアをはじめ東南アジアへ何度も足を運び、現地の人々の暮らしに触れ、工場や職人を開拓してきた。
 スタッフに一級建築士やクリエイティブデザイナーなどを揃えるとともに、ジャマイカで良いと感じることを表すオリジナルデザインブランド『IRieR(アイリーアール)』を確立。インドネシアで買い付けた建材、職人が製作したチーク古材やマホガニー製の家具、小物、ウッドレリーフ、ライムストーンなどを使い、極上の住空間を提案する。
「空間デザインの目的は、上質な時間を創造し、カタチにしていくことだと思っています。デザイン性、機能性、コンセプトを明確に、自然の緑、光、風を取り込んだ癒しの空間を造り上げていきます」
 亀谷さんは、FPや住宅ローン診断士、相続士協会公認コンサルタント、経営コンサルタントなどの資格を持ち、住空間のプロデュースだけでなく、住宅ローンや保険、税金、相続、経営などのコンサルティングによるライフプランニングのサポートにも力を注ぐ。
「自身の幸せも、周りの人々の幸せも、一人ひとりに平等に与えられている時間と創造力、実行する力、この資源の使い方しだい決まるものではないでしょうか」
 こう考える亀谷さんが事業で目指すのは、より良い暮らしをトータルにデザインすることだ。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 アースリンクイノベーション
TEL/055-298-6196 Eメール/hello@earthlink-i.co.jp
ホームページ http://www.earthlink-i.co.jp/

木造古家をリノベーションした障害者短期入所施設「あじさいの家」 大阪府和泉市
イートインスペースのあるお弁当とお惣菜のお店CookingPlaza」大阪市東淀川区
基本設計の確定前にパースや模型などでイメージを伝達、共有。内外装仕上げを決める際にも、カタログ、サンプル、写真、イメージ図などを使ってデザインを提案。立地、周辺環境から建築の外観、間取りまで、敷地内外の要望を聞きながら、土地選定のアドバイスも。

代表取締役 北條豊和 さん
京都府立大学人間環境学部環境デザイン学科卒。一級建築士。建築設計事務所や大手不動産会社を経て、2015年「北條建築事務所」設立。2018年『株式会社北條建築事務所』改組。「公益社団法人日本建築家協会」正会員、「一般社団法人大阪府建築士事務所協会」会員、「公益社団法人大阪府建築士会」会員。
構想を最大化する器を創る
対話に答え見出す設計姿勢

課題も包み隠さず助言
幅広い分野で実績蓄積


「北條さんと一緒にリノベーションさせていただき、築年数不明の古い建物を使って、ローコストでこんなに素晴らしい施設ができるということが証明できました」
 大阪府和泉市に2017年にオープンした障害者短期入所施設の設計を『株式会社北條建築事務所』の代表取締役で一級建築士の北條豊和さんに依頼した一般社団法人の代表理事の言葉だ。
 北條さんは、「構想を最大化する器を創ること」を設計に課された命題とし、クライアントが抱く夢や目標などの構想を細部まで把握するためのコミュニケーションに時間を割くスタイルを重視してきた。
「基本的には、ご要望に沿う形で設計を提案しますが、できることとできないこと、できるけどクライアントが後で損をする可能性が高いことも包み隠さずアドバイスすることが大事だと思っています。障害者短期入所施設の場合、利用者の皆さんは自由に動ける方ばかりではないのですが、建物の耐久性などいろいろ考えたときに、バリアフリー化するのは難しい。また、建物として必要な耐震性や断熱性など、基本的な性能を確保するのもなかなか難しそうというのが最初の印象でしたが、運営責任者の方ととことん話し合い、設計上のアイデアでコストを抑えて古い建物を利用者が快適に過ごせる施設に生まれ変わらせることができました」
 小学生の頃から建築家になることが夢だったという北條さん、大学卒業後、高齢化社会が進む中で不足する施設をつくりたいと福祉施設の設計で知られる建築事務所に入り、知識と経験を蓄積した。その後、住宅や事務所、商店の建築、住宅やアパートなどの小規模建築の再生も数多く手がけ、2015年に独立。住宅、店舗、商業施設、宿泊施設、病院、高齢者施設、障害者施設、保育所など幅広い分野の建築企画、設計、工事監理で実績を重ね、声価を高めてきた。
「金属の箱みたいな家」「イートインスペースのあるお弁当とお惣菜のお店」「オープンリビングのある家」「花屋さんと併設カフェの複合店舗」「必要最小限のオフィス空間を設けた木造住宅の部分コンバージョン」……。クライアントの構想を最大化する器の数々が、コミュニケーションの深さ、デザイン力、発想力の豊かさを示す。
「建物のデザインだけでなく、運営を長く続けられる方向性までを見据えて提案することが設計の大きな意義だと思っています」
(ライター/斎藤紘)

株式会社 北條建築事務所
TEL/0725-43-6502 Eメール/office@hojo-archi.jp
ホームページ http://www.hojo-archi.jp/

左下:マンションの大規模修繕
右中:タイルの広範囲の剥離とせん断亀裂
右下:タイルの広範囲の浮き
昭和40年代に旧耐震基準で開発された神戸市の団地の再生を目指すプロジェクトを主導。
「タイル色合わせシステム工法」
現タイルと色合わせタイル見本
「電磁波レーダー法ストラクチャスキャンSIR-EZ XT」

グループ会社
◎株式会社 非破壊調査SST研究所
 大阪 2 06-6944-7177
 福岡 2 092-526-3255
◎株式会社 ピュアレックス・テクノロジーズ
 TEL:0725-22-5361
◎株式会社 あつまり暮らすと
 TEL: 0798-35-5057

代表取締役 上村允郎 さん
大学卒業後、大阪の建築事務所に就職、転職を経て大規模修繕工事に出会う。2012年『K15建築設計事務所』設立。NPO法人集合住宅改善センター設計監理事業部長。耐震総合安全機構会員。
グループ会社の力を結集し
集合住宅の修繕再生を実現

知見動員し最適解追求
最新のノウハウを駆使


 経年劣化したコンクリート建築物の調査、修繕をサポートし、老朽化した団地再生まで主導する建築家がいる。『K15建築設計事務所』の所長上村允郎さん。建築士の知見を基盤に、専門技術やノウハウを持つグループ会社との連携で最適解を的確に見出し解決していく。
 大規模修繕工事コンサルタント事業、耐震診断・非破壊調査事業、団地再生事業が同事務所の主力業務。マンション管理組合の相談に乗り、劣化診断から改修設計、施工業者選定、工事監理まで面倒を見るほか、中期・長期修繕計画の策定もサポートする。
 劣化診断で連携するのが1984年創業の「非破壊調査SST研究所」。学校や庁舎、ホテルや病院など多くの人が集まる建築物定期調査で義務付けられた外壁タイル調査を赤外線サーモグラフィで調査するほか、鉄筋コンクリート造の建物、橋梁、擁壁などの目視ではわからない深部の鉄筋などを電磁波レーダーなど最新鋭の探査器機を用いた劣化状況の検査で実績を重ねている会社だ。
 タイル張りのマンションを対象にした修繕で連携するのが機能性コーティング材メーカー「ピアレックス・テクノロジーズ」。共同開発した「タイル色合わせシステム工法」は、タイル表面に弱溶剤フッ素樹脂系の着色剤を塗布して既存タイルの色合いに極力近づけ、フッ素樹脂系光触媒コーティング材料「ピュアコートⓇ」で仕上げ、高耐候性を付与して変色、剥離などを防止する。
 団地再生事業で連携するのが「あつまり暮らすと」。マンション管理組合のアドバイザーとして、大規模修繕や共用部の用途変更、組合事務の管理から、建て替えに代わる再生策としてエレベーター設置プランの提案や介護系・警備系協力会社との連携による生活面のサポートなどまでカバー、「快適で穏やかな集合住宅の暮らし」「支えあい活かしあうまちづくり」の実現を目指す。
「集合住宅の劣化は、安全性の問題に止まらず、そこで生活する人々の将来設計にも大きく関わってきます。居住空間の資産価値の維持、向上、居住者の豊かな暮らしのために、グループ会社それぞれの実力を生かし、最善策を提案していきたいと思っています」
(ライター/斎藤紘)

株式会社 K15建築設計事務所
TEL/06-6809-4303 Eメール/k15-kamimura@yahoo.co.jp
ホームページ http://www.kei-ichigo.com/

人工知能AI機能を導入し、首都圏の人の動きがわかる。
18年連続優良表彰会社として評価されている。

代表取締役社長 田中秀和 さん
大学卒業後、「東京日産」にメカニックとして入社。営業職から組合活動まで従事。2012年~2014年、『葵交通株式会社』代表取締役社長。その後、親会社をはじめ各グループ会社の人事担当役員を歴任し、2018年、『葵交通株式会社』代表取締役社長に再登板。
人が全てを信念に環境整備
優良タクシー事業者に選定

勤務意欲を高める努力
効率向上にAIを活用


 日産東京販売ホールディングスのグループ会社で、東京無線タクシーに加盟する1951年創業の『葵交通株式会社』は、公益財団法人東京タクシーセンターが接客・サービス、安全・運行管理、経営姿勢の3面から審査する事業者評価で特別優良表彰会社として18年連続で表彰されている会社だ。その優良な企業体質を支えているのが、「人が全て」を信念に、「無事故で、健康で明るく気持ちよく、安心して働ける」環境を構築した代表取締役社長田中秀和さんの経営センスと社員への気配りだ。
 気持ちよく働ける環境の一例が、自由に組める勤務シフトだ。翌月の日程を組む際には事前に休日希望を全員に聞き、一人ひとりに最適な出勤計画を立てる。急用による勤務変更にも臨機応変に対応する。もう一つ、地元の不動産会社と提携し、社員が希望に即して選ぶことができる寮を用意していることだ。乗務員の資質向上にも力を入れ、研修では2種免許取得、地理試験、同乗講習まで丁寧に指導する。
 社員第一主義の精神は、随所に現れる。例えば、2018年5月、乗務員が人身事故を起こした際、田中さんは即座に自ら被害者の入院先に出向き、謝罪。その誠意は、社員全体に伝わった。毎朝、車一台一台を見送る、休憩所の自動販売機の飲料を60円で販売する、日産の高級車、新型セレナe-Powerに優良乗務員を優先的に乗務させる、こうした配慮が社員の勤務意欲の向上につながった。
 さらに、タクシー利用者の利便性とタクシー業務効率の向上を目的に、同社が加盟する東京無線タクシーの協力の下、NTTドコモがAI人工知能を活用して開発したタクシー乗車需要予測システムも導入した。ドコモのモバイル空間統計Ⓡを活用し、人数分布の移動による変化をリアルタイムに把握して乗車需要を30分先まで予測するもので、タクシー待ち時間の短縮、電車遅延やイベントなどの非日常的な乗車需要増への対応、乗務員ごとの実車率のばらつきの解消などが期待できる。
「当社は、利用客の皆さまが常に安全、安心、快適にご利用いただけるよう努力を重ねています。乗務員の83%が隔日勤務で50万円以上の売上げを上げていることもその成果だと思っています。都内12地区20箇所ある優良タクシー乗り場でも利用できるタクシーであり続けるようこれからも知恵をしぼっていきます」
(ライター/斎藤紘)

葵交通 株式会社
TEL/03-3382-1533
ホームページ http://www.aoi-cotsu.co.jp/

数々の講演で、長年の現場経験から組織論・人災育成論で課題を解決に導く。「スタートアップ研修」5S活動の基本から他社事例を見ながらレベル設定。プロジェクト運営手順から活動計画書を作成。7時間程度。最後に経営者と面談。1時間程度。「教育訓練ツール」
「チャレンジ5S組織活性化マニュアル」10,800円(税込)
5S活動のノウハウを1冊に集約。事例豊富で実践型のマニュアル。
「活力読本シリーズ15S読本-5Sは組織の仕組みづくり-」
現代書林刊800円(税込)
「最強の組織をつくる『5S』のススメ」
現代書林刊1,400円(税別)

代表取締役 戸敷進一 さん
日大文理学部社会学科中退。測量学校卒。建設会社の現場監督、幹部社員、役員を経て、2000年経営コンサルタントとして独立。建設系企業を中心に活動していたが、その実力が認められ組織活性化コンサルタントとして活動。
『5S活動』で中小企業を再生
劇的変化もたらすコンサル

全社的な取り組み促す
400社超の経営を改善


 一つの経営改善ツールで、全国の400社超の中小企業の経営を改善に導いた凄腕の経営コンサルタントがいる。『株式会社経営改善支援センター』の代表取締役戸敷進一さん。そのツールを『5S活動』といい、整理、整頓、清掃、清潔、躾の5つの要素を効果的に組織内に落とし込み、生き残りをかけて全社的に取り組むことを指す。一見、校則と見まがうような活動だが、企業が抱える課題に対する深い洞察の上に構築したツール。そのキーワードは、目的・目標の共有、コミュニケーション、貢献意欲だ。
「社会が成熟し、価値観が多様化した現代において、組織の中で考えておかなければならないことは世代間の意識格差とセクショナリズムの存在です。業績不振に陥った企業では、本来仲間であるべき組織で意識のばらつきがあり、部門間でのリレーションもうまく機能していないケースが少なくありません。部門間のばらつきや意識の不統一があっては、時代変化について行くことはできないのです」
 この状態を改善する組織運営のシステムツールが『5S活動』。不要なものを捨てる整理という活動で共有される価値観、整頓、清掃という点検保守活動の継続を生み出す仕組、顧客や従業員が評価する清潔、共通の目標に向かって全員が行動するよう躾けられた状態を構築し、時代に合った組織イメージを組織の末端を含んだ全員で共有する活動、と戸敷さんは定義する。
「目標の確認やコミュニケーションの確立、貢献意欲の向上などどこの会社でもやっていることかもしれませんが、多くは上から下への命令という性質を持っています。これに対して『5S活動』は、それぞれの構成員が全社と部署を意識しながらの下と横の活動になります。全員で考え、全員で動くことによって目標の共有やコミュニケーションの質や本来の役割分担を考えるきっかけを得ることができるのです」
『5S活動』を導入して劇的な変化を遂げた企業は、建設系、製造系をはじめ、ショッピングセンター、介護施設、ブライダル会社、フィットネスクラブ、調剤薬局、美容室、飲食店、会計事務所、生協など多岐にわたる。
「中小企業が可能性の宝庫であることを信じて、まずは動きましょう」
 戸敷さんがコンサルティングで必ず口にする言葉だ。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 経営改善支援センター
TEL/092-283-5470
ホームページ http://sien.co.jp/

相続の問題は複雑なことが多いので、専門家に相談しましょう。
「ご本人の気持ちを一番に、納得のできる着地点に導きます!」

選ばれる3つのポイント
● 初回相談料が無料
● 相談窓口の1本化
● 不動産相続に強い

所長 薬袋正司 さん
東京CPA会計学院を卒業後、伊勢丹で経理業務全般を経験。税理士資格を取得後、外資系税理士事務所を経て、税理士法人タクトコンサルティングに入社。10年間勤めた後、2007年、『薬袋税理士事務所』開設。宅地建物取引主任者の資格も持つ。
相続法制の抜本改正のポイント整理
高齢化社会の進展視野に配偶者保護

 相続に関する法制が大きく変わる。第196回通常国会で「改正民法」と「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が成立、民法は高齢化社会の進展を視野に入れた約40年ぶりの抜本改正だ。相続問題のスペシャリスト、『薬袋税理士事務所』の所長薬袋正司さんは、相続争いを回避するためにも改正の趣旨を理解することの重要性を強調する。

◇改正民法・配偶者居住権の創設◇
「民法改正は、高齢化が進むなか、残された配偶者が住居や生活費を確保しやすくすることに主眼が置かれています。主なポイントは4つあり、第一は配偶者居住権の創設。住宅の権利を所有権と居住権に分割し、被相続人所有の建物に配偶者が原則として終身無償で住み続けることができる権利です。要件は、配偶者が相続開始のとき居住していた場合で、 遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき、配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき、被相続人と配偶者との間に配偶者に配偶者居住権を取得させる旨の死因贈与契約があるときのいずれかに該当すれば権利は成立します。所有権が第三者に渡っても住み続けることができます。配偶者が遺産分割の対象の建物に住んでいる場合、遺産分割が終了するまでは無償で住めるようにする配偶者短期居住権も新設されました」

◇改正民法・夫婦の優遇策◇

「結婚20年以上の夫婦だと、配偶者が生前贈与や遺言で譲り受けた住居は遺産とみなさないという意思表示があったとみなして、遺産分割の計算対象から除外します。これまでは、配偶者が贈与を受けた居住用不動産は原則として遺産に戻してから法定相続分の計算をしていましたので、配偶者の取得できる遺産が実質的に増えることとなります」

◇改正民法・特別寄与料制度◇
「相続人以外の親族、言い換えれば遺産分割を受けられない親族が療養看護その他の役務の提供によって被相続人の財産の維持や増加に特別の寄与をした者は、相続人に対して寄与に応じた額の特別寄与料の支払を請求することができます。当事者間で協議が調わないときは、家庭裁判所に協議に代わる処分を請求することができます」

◇自筆遺言制度の改正◇
「現行法では、全文を自筆で書かなければ無効とされるなど成立要件が厳格だった自筆証書遺言について、改正民法で財産目録はパソコンなどでの作成が可能になりました。また、法務局における遺言書の保管等に関する法律も成立し、自筆証書遺言を全国の法務局で保管できるようにして、相続人が遺言の有無を調べられる制度を導入します。 自筆証書遺言を法務局に預けた場合は、家庭裁判所で相続人が立ち会って内容を確認する検認の手続を不要になります」
 改正民法は、2年以内に項目ごとに順次施行されていくが、相続の効力に関するものなど他にも様々な改正点があり、要件も複雑で、薬袋さんは相続問題の専門家に相談することを推奨している。
(ライター/斎藤紘)

薬袋税理士事務所
TEL/03-6228-6400 Eメール/minai@tax-bpc.com
ホームページ http://www.tax-bpc.com/


[イギリス生活情報誌]月刊 ミスター・パートナー 〒160-0022 東京都新宿区新宿2-15-2 岩本和裁ビル5F TEL.03-3352-8107 FAX.03-3352-8605