新時代のヒットの予感!! 2020


ミスター・パートナー
〒160-0022
東京都新宿区新宿
2-15-2岩本和裁ビル5F
TEL.03-3352-8107
FAX.03-3352-8605
 
代表取締役
千田明 さん
「株式会社ミライト」退職後、2011年5月に電気工事業、電気通信工事業を業務とする『株式会社GNR』を設立し、事業を牽引している。
上左:三室戸寺本堂(江戸時代末期に再建され秘仏の千手観音が安置されている)
上右:三室戸寺門前
2段目:長谷寺の仁王門と参道、残存する日本最古の宇治上神社、平等院鳳凰堂
3段目:参道近くのおに百合、ハート型に刈られた樹木、借景と庭園、三室戸寺の庭園
4段目: 平等院の睡蓮、赤い蓮の花、白い蓮の花、三室戸寺の蓮の花
下: 平等院の百日紅(さるすべり)、平等院の蓮、蓮の花の散り方、多弁の蓮の花、芭蕉の一句
上:長谷寺の399段の登り階段廊、長谷寺境内を舞台からの遠望、長谷寺本堂の舞、長谷寺の舞台
2段目: 長谷寺本堂の懸崖、長谷寺本堂入口
3段目:長谷寺の五重塔、長谷寺本堂(観音菩薩からの五色の手綱
4段目: 長谷寺の既設になれば左右の花壇は牡丹の花で一杯、長谷寺舞台より階段廊を見る
5段目:長谷寺の雪より守られている牡丹、長谷寺の百日紅、長谷寺にかかる白雲と青空、長谷寺の南天
下:長谷寺名物のよごみ餅
蓮から悟りを得、
牡丹・青紅葉に想いを馳せる名刹巡り

京都・奈良を訪ねて 第9話

 今回は、西国観音霊場第十番の本山修験宗(京都の聖護院を本山とする天台宗の流れをくむ修験道の一派)明星山三室戸寺(みむろとじ)を訪ねました。
 五月のツツジ、六月のアジサイと谷間の庭園は有名ですが、今回は蓮を愛でることとしました。桓武天皇の父、光仁天皇(天武天皇系の聖武天皇に男子が生まれず、女帝の孝謙/称徳天皇(道鏡事件)が後継者を定めず崩御したため、聖武天皇の井上内親王を妻にしていた天智天皇の孫として王家を引き継いだ)が、毎夜宮中に発する金色の霊光の正体を知りたく、藤原犬養に調べさせたところ宇治川の支流志津川の滝壺で千手観世音菩薩像に出会い、光仁天皇が安置し行表を開山として創建したので、当初は御室戸寺と称しました。
 その後、桓武天皇が観音像を造立され体内に納めたといわれるが定かではありませんが、織田信長の焼き討ち等度々の火災に会い、体内仏のみ無事であり、現在秘仏として写真も公開されていません。
 では、今回の目的である蓮の花を愛でることにしましょう。
 私も蓮の花はほとんど池の中にあり、近くから見たことがなかったので、鉢の中の花を上から眺めることができました。この歳まで知り得なかったことが、なるほどと理解できました。蓮は、泥の中から育ち綺麗な花を咲かせ、同時に実も結実します。諸仏の像は、蓮の台座に座りあるいは立像もしかり、汚れた世の中から綺麗な花を咲かせ同時に悟られる状態を示されているのだと思いました。ピンクや白の花の中に黄金に光る花托(かたく)は、黄金の仏様を感じられます。
 ここまで来ましたので、紫式部も訪ねたと思われる宇治上神社、宇治の平等院を訪ねて見ると同様に蓮の花を間近で、また花弁の散り際も鑑賞することができました。
 少し悟りを開いたところで、奈良県の初瀬にある長谷寺(はせでら)を訪ねることとしました。真言宗豊山派総本山長谷寺は、(聖武天皇の勅願により本尊十一面観世音菩薩を徳道上人が祀られたのが始まりであり、上人は、西国三十三所観音霊場を開かれた大徳として、長谷寺は観音信仰の根本道場と言われるゆえんであります)西国三十三所の観音霊場第八番でもあり、また牡丹の花で有名であります。三百九十九段の登廊両側と本坊参道両側に植樹されており、季節には赤・黄・白・ピンクの牡丹が美しく心を癒してくれます。
 それでは、仁王門(後陽成天皇〈家康と確執があった〉の御宸筆である「長谷寺」の扁額がある)をくぐり、三百九十九段の登廊を上り詰めると息も切れ切れになりますが、香をたいて心清くして、十一面観世音菩薩と左右の難陀竜王(なんだりゅうおう=八大竜王の一番)と雨宝童子(天照坐皇大神の化現とも大日如来の化身ともいわれる)に蠟燭を挙げてお参りして、厳粛な心で懸崖造り(懸造り〈がけづくり〉ともいわれ、京都の清水寺が有名)の舞台に出ると、本堂の観世音菩薩の御手よりの五色の紐に触れると一段と有徳が感ぜられます。
 舞台より、伽藍と町の風情が良く感ぜられ、青空を見上げると白雲が静かに時の流れと同じようにゆっくりと漂い、何かの本で読んだ「土を積んで山となし、山を重ねて岳となすとも、かの蒼たるは天、白雲静かなり」の一節が浮かぶような舞台でもあります。右の方を見ると五重の塔が緑の中にくっきりと、下を見ると青紅葉がこれからの成長が頼もしくも感じられました。
 帰りに長谷寺名物のよごみ餅屋によって味見し、帰路につきました。
 今回は、個人の感じるところばかりで、詳しく案内を書くことができませんでしたが、次回は頑張って京都・奈良をご案内したいと思います。

株式会社 GNR
TEL/06-6910-0600
ホームページ http://www.gnr-a.co.jp/

代表
宮内博明 さん
山梨大学工学部卒。科研製薬入社。KAKEN USA、KAKEN Europeで活躍。 2014年、立教大学大学院で経営学修士MBAの学位取得。2016年、科研製薬を定年退職。2018年、金融人材・企業経営アドバイザー認定。中小企業診断士として独立。
上:MBAの仲間とブランディング研究会
下:診断士研修実習
2段目:立教会MBAの仲間たちと。
左下:観光・特産品研究会でのコスプレ
右中:小松菜農家様と農業研究会
右下:水産業者様と農業研究会
中小企業の活路を見出す専門家
広い知見と対話力で最適解追求

経営学修士の学位取得
金融機関の視点も理解


『宮内コンサルタント』の代表宮内博明さんは、探究心の塊のような中小企業診断士だ。55歳で製薬会社を役職定年になったのを機会に、大学院で経営学修士MBAの学位を取得、さらに中小企業診断士の国家試験に挑んだだけではない。一般社団法人日本金融人材育成協会の講義を受け、金融人材・企業経営アドバイザーに認定されたほか、ドローン大学校に入校、ドローンの飛行技術と安全飛行を学んで修了証書を受領、同時に一般社団法人日本UAS産業振興協議会から無人航空機操縦技能証明書と安全運航管理者証明証も受領した。業務である中小企業を対象にしたコンサルティングでは、こうした肩書き、学びの経験に裏付けられた幅広い知見を動員し、経営者のブレイン、右腕となって目指すべき経営の最適解を追求していく。
 宮内さんは、山梨大学工学部発酵生産学科で微生物を学んだ実績から製薬会社に入社。営業職のMR(医薬情報担当者)として病院回りをしたが、社内に国際部が設置されるや仕事をしながら英語を猛勉強、国際部への配属を実現させ、アメリカやドイツでの勤務を経験する。探究心の象徴ともいえるMBA学位の取得は、アメリカで仕事をしていた頃、ベンチャー企業のライセンス担当者の大半が博士(PhD)の肩書きを持ち、営業担当もMBAを取得していることに刺激を受けたのがきっかけだった。
 さらに仕事でお世話になっていた大学院の教授から、中小企業診断士の受験を勧められ、58歳から資格取得のために経済学や経済政策、財務・会計、企業経営理論、生産管理や生産技術、店舗運営、ロジスティックス含む運営管理(オペレーション・マネジメント)、経営法務、経営情報システム、中小企業経営、中小企業政策などの勉強をし、国家資格を取得した。
 こうした専門知識を持つ宮内さんの業務は、マーケティング支援、経営コンサルティング、企業経営アドバイザー、開業医支援が4本柱。その仕事ぶりは多角的で精緻を極める。
 マーケティング支援は、何を作ったらよいか、どこに売ったらよいか迷っている中小企業が対象。商品展開や販売経路、売上・利益推移などの現状の確認に始まり、市場の可能性や顧客の属性確認などの市場の分析、ターゲット市場、顧客の設定、売上、費用、利益の計画作成、販売と販促プランの作成、行動計画の作成及び実行と状況を経営者と確認しながら実施していく。商品開発時には共に市場調査へ行き、販路開拓代行も行う。国内だけでなく、海外への展開も支援する。
 経営コンサルティングは、現在の経営状況に不安がある中小企業が対象。市場分析や財務分析、社員アンケートなどの現状分析による予備診断、競合調査、社員インタビュー、バリューチェーン調査などによる追加診断、自社の強みや弱み、市場の機会、脅威などのSWOT分析と将来の戦略決定、行動計画の作成及び実行までカバーする。
 開業医支援は、現在の経営状況に不安がある開業医が対象。市場分析や財務分析、看護師、技師アンケートなどの現状分析による予備診断、競合調査、従業員インタビュー、バリューチェーン調査などによる追加診断、当該医院の強み、弱み、市場の機会、脅威などのSWOT分析、将来の戦略決定、財務指導及びアドバイスにまで及ぶ。
 そして、金融人材・企業経営アドバイザーの力量を発揮するのが企業経営アドバイザーだ。
「金融機関が金融検査マニュアルに基づいて行う債務者の区分で、業況が良好のうえ財務内容にも特段の問題がないと認められる融資先を指す正常先か、貸出条件や返済履行状況に問題があり、業況が低調ないし不安定で今後の管理に注意を要する要注意先かを判断する方法を学びましたので、クライアント企業の経営者様が抱える悩みや財務諸表から経営者様に最善のアドバイスすることが可能です。また、金融機関がどういう視点で見ているのかといった点をアドバイスすることもできます。さらに、対話力によって、経営者様の悩みの本質を理解し、その会社が特許を持っているなど会社の良い部分を見出すことで、仮に赤字の企業であっても業績改善につなげていくことができることを伝えることもできます。その逆に、このまま無理をしてでも経営を続けていこうとする経営者様に対して、会社をたたむという選択肢を相手に不快に感じさせることなくお話ししてあげることもあります」
 宮内さんがこうした業務で貫いてきたのが経営者の話にじっくり耳を傾ける姿勢だ。
「経営において何に苦労されていて、どこに課題を感じていらっしゃるのかを明らかにしていくというスタイルを重視してきました。基本的に、頭の中で思考したことを言語で表現することによって、課題の解決に結び付けることができると思っています。そして、その後は、各企業様が掲げる経営理念に沿った戦略や、3年後、5年後のビジョンを一緒に定めていきます。あくまでも、経営者様ご本人が思い描く将来の姿を実現するために、逆算して戦略を立てていくというイメージです。経営者様に気付きを与え、それによって今まで抱えていた問題が解決したり、さらに事業を発展させたりするための足掛かりとなれば嬉しいですし、何より経営者様の喜ぶ顔を見られるのがやりがいです」
 生来、興味を持ったことにはとことん打ち込まないと気が済まない性格という宮内さん、東に農業研究会があれば足を運んで農家から話を聞き、西に観光・特産品研究会があれば参加して地域の人たちの様々な挑戦を体感するといった具合だ。
「私自身としては、開業から間もないということもあり、早く一人前になって、クライアント企業様から信頼されるようになりたいと感じています。ゆくゆくは起業を目指している方に向けての経営支援もしたいと思っています」
(ライター/斎藤紘)

宮内コンサルタント
TEL/090-9290-6930 Eメール/ hmiyau@aol.com
ホームページ https://www.hmiyau.com/

代表取締役
前垣内(まえがいち)佐和子 さん
大学卒業後、ヤフー株式会社に入社、社長室・経営企画部に配属。 財務分析、経営企画、M&Aなどの業務を経験。その後、M&Aサービス提供会社やITコンサルティング会社を経て2009年、『キャピタル・エヴォルヴァー株式会社』設立。
M&A専用サイト
http://capitalevolver.com/
上:モナコ国際大学にてプレゼン。
下:『キャピタル・エヴォルヴァー』にて
上:デリバティブなどの価値算定の講義。
左中:ミャンマーでの会議にて。
右下:韓国での土地開発事務所にて。
事業承継や海外進出を成功に導く
M&Aの精緻なスキームに実力投影

廃業の危機回避に寄与
海外資本の投資も誘導


 複数の企業から将来の経営を左右する重要なミッションを託された一人の女性が2019年9月、空路、海外に旅立った。精緻、周到なスキームによる中小企業の経営支援で存在感を高める『キャピタル・エヴォルヴァー株式会社』の代表取締役前垣内佐和子さん。企業の合併と買収M&Aのスペシャリストとして、人口減少などで縮む国内市場からグローバル市場に活路を求める企業の提携先探しや外国資本からの資金調達を探るのがミッション。企業経営や財務に関する深い知見と豊かな実務経験に加え、度重なる渡航で築いた人脈、情報の国内外のネット―ワークが最適解の追求を支える。
「生産拠点の海外移転で空洞化が進んでいるモノづくり日本ですが、国際的に注目される優れた技術を持つ中小企業は少なくありません。そうした企業が海外進出を考えるとき、当社のM&Aの専門家がアドバイザリーとなって、当社が幅広い強力なネットワークから得た企業情報を基に、現地法人とのマッチングやマーケティング戦略などを提案していきます。海外進出サポートは経験と人的および情報ネットワークが必要であり、手間や労力、コストなど国内取引とは比にならない負担を背負いますが、ヨーロッパを中心に海外での土台作りに飛び回っています」
 前垣内さんがM&Aに取り組む原点は、中小企業の事業承継のサポートでの活用だ。日本経済を支える中小企業では、経営者の高齢化が進行する一方で、後継者の確保が困難になっていて、中小企業庁の試算では、何の対策も行わなければ、廃業などによって2025年までに約650万人の雇用と約22兆円のGDPが失われる可能性があるという。
「事業承継がうまくいかず、廃業に追い込まれて失われるのは、雇用とGDPだけではありません。 企業が長年にわたって蓄積してきた多くのノウハウや技術なども消失してしまう危機に瀕しているのです。こうした状況を打破する有力な方法がM&Aの活用です。M&Aが実行される場合には事業に関係のある有形無形の資産がそのまま引き継がれます。売り手にとってのメリットは、従業員や取引先に迷惑をかける事なく、事業に見合う創業者利益を得て、引退を迎える事が可能な点です。廃業に伴うコストを抑えられるという利点もあります。売却相手によっては、さらに企業を発展させたステークホルダー全員を喜ばせることもできます。買い手にとってのメリットは、ヒトやモノ、ノウハウ、組織、取引先など経営に必要な有形無形の資源がスピーディに獲得でき、大幅な時間と労力の削減になります。M&Aの最大のメリットは時間を買うことといえるでしょう。また、過去の実績を把握した上で判断をするため、投資に対する回収期間などが予測しやすく、新規事業の立ち上げに比べて、経営上のリスクを抑えられるというメリットもあります」
 前垣内さんは、M&Aアドバイザリー事業の推進に当たって、M&Aアドバイザーとして公認会計士や弁護士、経済学者、アナリスト、プロダクトプランナーなどを選任し、同社をプラットフォームに、メンバーの人間性、交渉力、知識力であらゆる分野からのM&Aの提案やマッチングを可能にする体制を構築した。
 この体制を基本形に、前垣内さんが力を入れ始めたのが、M&Aや投資スキームを使って日本進出を試みる外国企業や外国資本を用いた日本企業などへの企業価値向上支援だ。優れた技術やサービスを持ちながら事業譲渡または経営で苦労する中小企業と外国企業をマッチングさせ、双方にメリットをもたらす事業だ。
「日本の持続的な経済発展のためには、海外の力を借り、もっと新しい風を取り入れることが必要と考えています。製造業の技術以外にも、例えば日本食や日本酒、外食産業のサービスなど海外の関心が高い分野に外国資本を誘導し、海外販路を獲得するなど事業を活性化させることも考えられます。当社が蓄積した情報だけでなく、様々な分野の企業が発信する情報にも目を配りながら、M&Aの最善のマッチングを実現させ、この国の誇るべき事業が継続できるよう貢献したいと思っています」
 前垣内さんは、日米の大学で企業価値を高めるためのコーポレートファイナンスや商法、国際会計、税務、経営学、マーケティング、統計学などを学び、在学中、米系大手投資銀行であるJPモルガン証券会社とリーマンブラザーズ証券会社の投資銀行部門でインターン生として M&Aアドバイザリー業務などを経験。大学卒業後、投資会社やITコンサルティング会社などで実務経験を重ね、2009年に独立、起業した。「事業承継・M&Aアドバイザリー業務」を中心に、「経営支援業務」「プリンシパル投資業務・資金調達支援業務」「海外関連業務」などを手掛ける。
 M&A関連サービスを提供する会社には、売りたい会社と買いたい企業の間を取り持つ仲介会社と、顧客の利益を実現するため、その代理人として候補企業と交渉するなどのサービスを提供するアドバイザリー会社があり、同社はアドバイザリー会社でも少数精鋭のブティック型の独立系会社。新規契約を月間5社にしぼってきめ細かいM&Aサービスを完全成果報酬で提供している。
「会社を適切なパートナーに引き継ぎ、発展させるためのM&Aは、従業員や取引先、銀行などのステークホルダーにとっても大問題。M&Aを成功に導くには、ハイレベルのコミュニケーション能力が不可欠であり、豊富な経験に裏付けられた交渉力や、各業界や会計、税務、法務などの専門知識をもっていること、顧客の立場にたってアドバイスをする誠実さがあること、一緒に考え行動してくれることなどが重要な要素になります。売り急ぎで会社や事業を悪条件で売却したり、売りそびれで廃業に至ったりするケースが少なくありませんが、売却側にたった事業承継を進めてくれるアドバイザリー会社に早めに相談すれば、適切な価格や条件でM&Aを成立、成功させられる確率を高められるでしょう。こうした観点から、これからも中小企業の経営者をサポートし続けていきます」
(ライター/斎藤紘)

キャピタル・エヴォルヴァー 株式会社
TEL/03-6276-7534 Eメール/m info@c-evolver.com
ホームページ http://www.c-evolver.com/

代表取締役
藤岸昌富 さん
高校卒業後、専門学校で学び、IT関連の国家資格取得。金融業界で営業職、銀行のシステム開発に携わった後、IT関連会社など複数の会社勤務を経て独立。2011年6 月、『株式会社コンフィアンス』設立、代表取締役に就任。
IT企業で終身雇用の確立目指す
システム開発の経験蓄積を重視

背景に自身の職歴変遷
顧客満足度最大化追求


 働き方改革や多様な雇用形態が推奨されるこの時代、労働力の流動化が最も激しいのがIT業界だ。フリーランスのITエンジニアが増え、ITエンジニアの求人求職をマッチングさせる転職サイトが林立する中にあって、終身雇用システムの確立を目指す経営者がいる。大阪市中央区を拠点にITシステムのコンサルティング事業を展開する『株式会社コンフィアンス』の代表取締役藤岸昌富さん。転職を重ねた自身の経験を背景に、若い世代が腰を据えて技術を集積する努力を支える。
「当社は、創業から8年を経たIT企業ですが、少数精鋭のスタッフの頑張りもあり,現在はお陰様で順調に実績を蓄積できています。雇用流動化型労働改革が重視される時代に古臭いと思われるかもしれませんが、当社で終身雇用のシステムを確立していきたいと思っています。というのも現在、IT業界で活躍しているのは20〜30代の若い世代が中心で、入れ替りの激しい特殊な世界。けれども、私は若さだけではなく、蓄積してきた経験も必要だと考えています。それに,縁あって出会った信頼できる人と一緒に長く仕事をしていきたいのです。その思いを実現するためにも、定年まで腰を据えて勤められるような環境を整えていきたいと思っています」
 こうした考えは、藤岸さんのこれまでの歩みと無縁ではない。高校卒業後に専門学校に進み、IT関連の国家資格を取得したが、社会人として踏み出した最初の一歩は金融業界。金融部門の営業職として 2年ほどキャリアを積んだ後、銀行のシステム開発室に異動。本格的にIT関連の仕事に携わりたくなり、20代半ばに名古屋のIT関連会社に転職し、システム開発の仕事に携わったものの、ある時、会社から「君はシステムの仕事は向いていない」と言われ、再び営業職に戻った。約6年勤務後、他の会社を経て、声をかけてくれた大阪の会社に移り、仕事を順調にこなしたが。理不尽な人員整理を巡る会社側との交渉の中で、退職することを決意、社員が20人ほどの会社に移る。その後、「同じ業界の仲間たちが集まって会社をつくろう」という話が持ち上がり、2011年 月に『コンフィアンス』を立ち上げた。
 会社設立後、健康保険、厚生年金保険、労働者災害補償保険、雇用保険の4つすべてに加入できる社会保険完備の体制を整え、交通費支給、定期健康診断の実施、外部福利厚生サービスへの加入、予防接種費用負担などのほか、書籍購入費用負担や教育支援制度の導入なども加えて福利厚生を充実させた。また完全週休2日制、年次有給休暇、夏季休暇、年末年始休暇、出産・育児休暇、生理休暇、慶弔休暇など休暇制度も明確にし、スタッフが安心して仕事に打ち込める労働環境を整えた。
 同社の事業は、クライアント企業の根幹を担う基幹システムやアプリケーションの企画、開発から運用、保守までトータルにカバーするもので、具体的には、システムの開発、運用、保守などあらゆる局面で発生する様々な要望に応じて適切な企画案、解決策を提案する「ITシステムのコンサルティング」、クライアント企業に最適と考えられる高品質なシステムを低コストで提供する「ソフトウェア開発」、ITエンジニアをクライアント企業に常駐させ、システムの運用、保守業務を一括で請け負い、継続的なシステム品質の維持、改善、変更によって最適のシステム運用を提供する「システム運用の統合サービス」が3本柱。「ソフトウェア開発」には、請負型サービス、常駐型サービス、ラボ型サービスがある。
 こうした業務を担うスタッフは少数精鋭。Javaを中心にC#、VB.Net、Python、PHP、CC++などのシステム開発言語をこなし、Web系、業務系アプリケーションやモバイルシステムにも精通したITエンジニアたちだ。システム開発の作業現場では、クライアントの現状における問題点や要望、システムに必要な要件を聞き、最良と思われる対策案、要件を取りまとめるヒアリングから始まり、分析や調査を踏まえた上で作業工程ごとの見積の提示、契約、設計、作成、動作試験、修正、納品というステップを踏む。
 これまで手掛けたプロジェクトは、地図情報システム、回転寿司店舗向け予約システム、搬送制御システム、自治体向け児童相談システムの保守運用、市立図書館Webサイトの保守など多岐にわたる。
「会社立ち上げ当初は、実績や信用がありませんし、どこに営業に行っても門前払いでした。挫けそうになる時もありましたが、私にはついてきてくれるスタッフがいる。そんなスタッフたちの生活を守っていかなければならないという責任感が大きな原動力になって、ここまで続けてくることができました。パーソナル、ビジネスを問わず、IT技術の利用が拡大していく時代、IT人材は貴重な経営資源です。スタッフが働きやすい環境の下で蓄積した技術を生かし、高度な情報技術を基盤とする最善のサービスと顧客ニーズにマッチする最適のソリューションの提供によって、経営の迅速化や効率化などの課題解決を支援し、顧客満足度の最大化を追求していきたいと思っています」
 会社名のコンフィアンスは、フランス語で信頼を意味する。社会から信頼され、クライアント企業から信頼され、そしてスタッフから信頼される会社。藤岸さんが目指す会社の理想的な姿だ。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 コンフィアンス
TEL/06-4963-2560
ホームページ https://www.confiance.co/

代表取締役
山田美妙 さん
大学で心理学を学ぶ。銀行、環境保全会社、保育園勤務、病院の患者カウンセリング室担当を経験。専門学校の心理学講師、スクールカウンセリングも行っている。米国NLP™協会認定トレーナー、日本教育カウンセラーなど資格多数。
保有資格の一部
国際催眠連盟IHF認定インストラクター
米国催眠士協会NGH認定インストラクター
米国催眠療法協会ABH認定インストラクター 
JBCH認定ベーシック・インストラクター
JBCH認定アドバンスト・インストラクター
米国NLP™協会認定NLP™トレーナー
米国NLP™協会認定脳科学1
TA(交流分析)トレーナー
JHA前世療法プロフェッショナル認定
JHA退行療法プロフェッショナル認定
ブライアン.L.ワイス博士前世療法プロフェッショナルトレーニング修了
日本教育カウンセラー
リュッシャーカラー心理診断士

上:様々なカウンセラー養成講座を開催。セプルミエール(Sep. Lumiere)」には「光につつまれて」という意味があるという。「カウンセリング」 1時間 8,000円 「ヒプノセラピー」 3時間 20,000円

様々なカウンセラー養成講座を開催。
無限大の可能性に気づき与える
多様な専門的技法で人間力養成

心理学や脳科学に依拠
幅広い知見支える資格


「過去、現在、未来を通して自己を見つめ、自己を磨き、一瞬の今をどう生きてゆくのかを学び、人間力づくりに力を注ぐ」
 セラピーセッションで悩みを抱える人たちの心を解き放ち、心理学や脳科学に基づく専門的なカウンセリング技法を伝授する講座でカウンセラーやトレーナーを育成してきた『株式会社セプルミエール』の代表取締役山田美妙さんが心を砕くのは、一人ひとりが持つ「無限大の可能性」に光を当てることだ。カウンセリング技法や心理療法に関する国際、国内の数多くのライセンスに裏付けられた深い知見と経験がセッションや講座に参加する人たちの心を開かせ、確かな軌跡を描きながら人間力を育んでいく。
 「光につつまれて」を意味する『セプルミエール』で山田さんが行っているのは、「ヒプノセラピー講座」「TA講座」「NLP講座」「セラピーセッション」。講座は、高度の専門知識が求められるインストラクターやトレーナーの資格を持つ山田さん自らが講師を務め、それぞれのカウンセリング技法の特質を浮かび上がらせていく。セッションでは面談する一人ひとりの悩みに即したカウンセリング技法で、問題に向き合い、乗り越えながら成長するよう導いていく。
 「ヒプノセラピー講座」のヒプノセラピーは、催眠と暗示、イメージを用いて潜在意識に働きかけ、心に肯定的な変化を促すセラピーテクニック。講座では、催眠下での真の自分に向き合うことで人生の課題や目標について気づきを促す前世療法、幼い頃に植え込まれた思い込みや嫌な感情を解放していく退行催眠、大人になっても心の中に居続ける傷ついた子ども時代の心を癒すインナーチャイルドセラピー、ストレスにさらされた心を静め、平和な心を育むストレスヒーリング、別れた人と再会し、伝えたいこと、聞きたいことを話し合い、納得のできるまでコミュニケーションの会話をすることで、許し合って心を変化させる悲嘆療法、心と身体に悪影響を及ぼしている潜在意識にある自分と対話して、病と向き合い、生き方を変容させていく分身療法などを伝授する。
「ヒプノセラピーは、潜在意識への旅です。催眠状態は安心安全な心の状態を作れます。現在、過去、未来の時空を越えて自由に行き交いながら自分らしさを取り戻していきます。憎しみも葛藤も不安も自らの気づきによって、感謝と愛に変わる瞬間が多く、それは人のもつ心の美しさ清らかさを感じられる大切な貴重な体験になります」
「TA講座」のTAはTransactional Analysis(交流分析)の略語。アメリカの精神科医エリック・バーン博士によって開発された、人の心と行動を快適にする心理学、個人が成長し変化するための体系的な心理療法。
「交流分析は、個人のパーソナリティの各自我状態の関係と外部に放出している心的エネルギーの量を評価分析し、意識と無意識の内面と外面の自己バランスを整えることを目標としています。パーソナリティが形づくられる基には父親、母親、大人、子供、順応、反抗の6個の側面が影響し、人柄として現れてきます。幼少期の環境や親との関わりの中で芽吹く反抗の心を読み解く事で、その人のこれまでの人生をより深く見通す事が出来ます。活きづらさに気づき、自分らしい人生に出会うきっかけにもなり、自分や他者に向き合う事で自己変革への糸口が見えてきます。講座では、自己に向き合い、環境によって作られたパーソナリティを知り、今を理解する方法などを学ぶことができます」
「TA講座」には「心を育む子育て講座」もあり、TAの理論を通して厳しさ、優しさ、理性、子供心、順応、反抗の基本バランスを整えて社会に対応出来る人間形成に導く方法をアドバイスする。
「NLP講座」のNLPは、Neuro Linguistic Programing(神経言語プログラミング)の略語。米カリフォルニア大学の数学者と言語学者が心理学と言語学の観点から新しく体系化した人間心理とコミュニケーションに関する学問。
「NLPは、仕事や人間関係の問題を解決し、人生の目標を達成するための心理学や脳科学を統合した卓越した成果を生み出すスキルや考え方のことです。私たちの考えや行動は、様々な経験を通して神経と言語、非言語によってプログラミングされていて、条件反射のようにパターン化され反応するようになっています。プラスの反応もあればマイナスに働く反応も出て来ますが、NLP講座では、人の思考パターンや行動パターンを前向きに変える効果的な手法を学んでいきます」
「NLP講座」を受講することで、感情・思考・行動のコントロール、他者に対する影響力の向上と信頼関係の構築、未来志向へ変化させるスキルの習得、成功者に共通する気づきの能力の向上、問題行動の書き換えと生きていきやすくなるビジョンの構築などの能力を高めることができるという。
 山田さんがカウンセリングを始めたのは、約30年前。日本産業カウンセラー協会やNPO日本教育カウンセラー協会でカウンセリング技法を学び、さらに国際的に認知された技法を習得するため渡米を繰り返し、国内、国際も含め35以上の資格を取得。大学でも心理学を勉強し、カウンセリングの質を深め、幅を広げてきた。尾道の病院でカウンセリングを担当したり、各種学校や専門学校で心理学講師を長年務めたり、ストレスマネジメントについて講演会を開いたり、活動も多岐にわたる。この間、4000人を超える人たちを対象に行ったパーソナリティ分析診断の経験がコンサルティングに投影される。こうした活動の拠点が『セプルミエール』だ。
「どんな危機的状況に遭遇したとしても、無限大の可能性と力を誰しも持って現世に存在しています。誰しも変化する力を持っているのです。未来は自分の心の中にあることに気づいてほしいのです。地球上の大自然の光の中に包まれて、生かされていることを皆さんに気づいてほしいのです」
 カウンセリングで発信する山田さんのメッセージだ。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 セプルミエール
TEL/0848-29-7371 Eメール/ info@seplumiere.com
ホームページ http://www.seplumiere.com/

理事長 兼 園長
山本良一 さん
関西学院大社会学部社会福祉・社会学コース卒。大阪市中央児童相談所で児童福祉司として活躍。1976年、「社会福祉法人弘法会」理事長、「大東わかば保育園」園長。大東市児童福祉審議会委員、花園大学非常勤講師などを歴任。
保育の質の追求にかけた人生
子どもの成長育む積極的保育

安心・信頼・感動を重視
思索で得た座標軸堅持


「安心」をもたらす見守り、「信頼」を喚起する子どもへの配慮、あそびから生まれる「感動」。2019年6月、保育のあるべき姿を実践例と共に示した一冊の本が上梓された。幼保連携型認定こども園『大東わかば保育園』園長山本良一さんの「明るい保育は未来を明るくする『積極的保育』のススメ」。開園から43年、「自由遊びの時間」に象徴される独自の保育理論「積極的保育」で子どもたちを育んできた軌跡は、保育士を目指す若者や子育て中の保護者へのメッセージでもある。
 子どもが生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期に、その生活時間の大半を過ごす場と厚生労働省が2017年の告示で定義づけた保育所。現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出す力の基礎を培う目標を掲げているが、保育所運営者の考え方や子どもたちと向き合う姿勢がその成否を左右するのが実状だ。
 山本さんは、高校卒業後に2年4ヵ月銀行に勤めたが、福祉の道に進みたいと思うようになって関西学院大学社会学部に入学。卒業後、大阪市の児童相談所で児童福祉司として約8年間働いた。保育園運営に携わるようになったのは、この業務の中で、「長く子どもたちに接して成長を見守れる仕事がしたい」と考えたのがきっかけだった。1976年に『大東わかば保育園』を開設したが、公務員生活の感覚が尾を引き、職員の労働条件などに気が向き、保育が消極的になってしまったという。この状況下で新しく園に入ってきた主任保育士の「もっと保育を中心に考えてください」という一言が保育のあり方の考察に向かわせた。
 大学で学んだ岡村重夫氏の社会福祉理論や教育家和田重正氏の著書「葦かびの萌えいずるごとく|若き日の自己発見」中の「生きるとは選択である」などの言葉、思想家中村天風氏の講演集の中の「観念要素の更改」「積極観念の養成」などの言葉などの中に進むべき指針を見出し、自ら思索を重ねて到達したのが保育理論「積極的保育」だ。
 山本さんは、「積極的保育」を「現実的な諸問題にとらわれずに、子どもの力を信じて伸ばしていくことを第一に考えて、保育に取り組む姿勢」と定義する。
「日本の保育現場は、日々、保護者対応や行政への書類提出、各種審議会や保育団体などからの文書、研修会の案内、研究機関などからのアンケートなどへの対応などの事務作業に加え、不審者対策、感染症対策、虐待問題、情報公開、職員の待遇改善、業務の記録化など多くの問題が押し寄せ、保育や教育を積極的にできない条件がたくさんあります。しかし、園長が強い心を持ち、職員と強い信頼関係を築いて積極的保育を進めれば、現実条件を乗り越えて積極的な保育を実現することが可能であり、その中で子どもたちは大きく成長していくのです」
『大東わかば保育園』では現在、約100人の子どもを預かり、保育士、教諭など合わせて約20人のスタッフが保育する。「大切なことはみんな保育園で学ぶ」が「積極的保育」の基本的な考えだ。その象徴が、木製遊具、砂場、うんてい、アルプスが配置された約350㎡の園庭で毎日繰り広げられる光景だ。年齢ごとにクラス分けした保育とは別に、午前8時半~9時半、午後4時前~4時半の2回、1歳児から5歳児までが一緒に遊ぶ。昼食後も1、2歳児、3~5歳児の順に園庭に出て思い思いに遊び回る。この時間を山本さんは「自由遊びの時間」と呼ぶ。
「核家族化、少子化、働く母親の増加、テレビゲームの普及、遊び場の不足など子どもを取り巻く環境は大きく変わり、子どもだけで自由に遊ぶことが少なくなってしまったうえに、子どもが巻き込まれる事故や事件もあり、子どもだけで家の外で遊ばせることに社会全体が消極的になっています。こうした傾向は、子どもの成長にいいはずはなく、子どもたちが気持ちの向くままに遊ぶ時間を持つことは大切だと考え、導入したのが自由遊び時間です。友達との遊び方を学んだり、危険を察知して避ける力を身に付けたりして、自分を伸ばすことに意欲的な子どもが育っていきます。1歳児、2歳児が給食後に園庭に出て遊ぶ保育園は公立、民間ともほとんどありません」
「積極的保育」では、感動する心を育むことも重視する。その役目を果たすのが行事だ。生活発表会、いもほり、星まつり、うんどう会、 お泊まり保育、焼きいも大会、作品展、ししまい、節分、もちつき、クリスマス会、登山など四季を通じて開催される行事が感動をもたらす。中でも、運動会として披露する合同あそびは、子どもたちを大きく成長させる。全体の主軸となるストーリーを決め、それに沿ってクラスごとに遊びを考え、子どもたちと先生が協力しながら7ヵ月間かけて準備する。そのプロセスが成長の糧になる。
 自由遊びや行事と異なる次元で山本さんが重視するのが安心と信頼だ。
「自分自身のこれまでの人生体験や宗教、哲学、心理学などの分野から得たものから、健全な自己実現を現実のものにするには安心は大切なことであると知りました。当園では、園長が登園してくる子どもたち一人ひとり、保護者の方と挨拶を交わし、自由に遊んでいる間も子どもたちの命のリズムと共鳴するような姿勢で気持ちを込めて見守ります。ひとりの人間によって見守られるということは、子どもたちも無意識のうちに感じて、安心感を与えているように思います。また、子どもの周囲の大人に対する信頼は、毎日の小さな具体的な事実の積み重ねによって強くなっていきます。安全や清潔、秩序などに重点が偏りすぎて、一人ひとりの子どもの状態や気持に十分な配慮がされていないと、子どもは信頼を強めていくことが困難になります。職員すべてが子どもの気持ちをできるだけ配慮することをいつも忘れないようにするという姿勢が大切なのです。よい人間とは、どのような人間であるかを具体的に体験させたいと考えています」
 女性の社会進出などを背景に保育園の整備が国政の課題に浮上したこの時代にあって、ぶれぬ座標軸を持って保育の質を高めることに心を砕いてきた山本さん。優しい眼差しで、日々、子どもたちの成長を見守る。
(ライター/斎藤紘)

社会福祉法人 弘法会 認定こども園 大東わかば保育園
TEL/072-878-4121

代表取締役
山田浩之 さん
無線に関わるモノづくりの経験と企画開発力を活かし、無線ネットワーク事業における新しいビジネスモデルの構築を狙って起業。無線開発技術を利用した“モノづくり“や”つなげる技術”と情報サービスによるイノベーションの実現に向け、歩みを続けている。
IoTの実験が気軽にできる
製品に、新機能を搭載

IoTを実証実験でき
さらに開発支援も充実


 現在、情報化時代はますます発展し、情報システムにおいてはIoTという言葉で表現されるように、すべてのモノがインターネットにつながる時代へと移り変わってきている。また、こうしたIoTでは無線ネットワークを介した情報のやり取りが必須となってきているのも事実。
 そんな進化の時代の寵児として注目を集めているのが、『株式会社WDS』だ。無線に関わるモノづくりの経験と企画開発力を活かして、新しいビジネスモデルの構築を目指す企業である。今日では、近距離の無線ネットワーク技術は、実用化されてから市場が急速に拡大する段階に入り、多種多様な方式が生まれているが、今後さらなるマーケット拡大に向け、同社の活躍の場も広がることが期待されている。

 このほど、同社ではIoTの実証実験が気軽に開始できる製品パッケージ『IoT-Pi for LTE-M』に、新たな機能を搭載したことを発表した。
 そもそも同製品は、カードサイズでありながら、高い可能性を秘めたコンピューター「Rasp-berry Pi(ラズベリーパイ)」をキャリア系LPWA(KDDI社のLTE|M網)に簡単に接続可能とし、市販のGROVEI/Fを具備したセンサーなどと組み合わせることができるインターフェースを標準で搭載した製品パッケージ。Raspberry Piの電源起動を間欠動作させたり、任意の時間に再起動させる機能も備えているため、モバイルバッテリーを利用し、さらにはLTE|Mの特長であるPSMやeDRXを利用して、低電力消費で駆動する端末を「Rasp-berry Pi」で実現することが可能だ。また、LTE|Mのデータ通信試験は、本製品(サンプルソフト、1年間利用可能のSIM、サンプルソフトとの通信テスト用クラウドサーバなどが付属)を購入するだけで可能。室外にて本製品を使用した場合は、GPS測位によってその位置情報を確認することができる。より容易に、かつ試作初期開発費を大きく軽減しながら、IoTの実証実験が開始できると評価が高い製品だ。
 さらに、APIライブラリ(Python 3準拠)、インターフェース(API)仕様書、サンプルアプリケーション(Python 3ソースコード)が無償ダウンロードできるなど、充実した開発支援が用意されているのも特長。サンプルアプリケーションでは、データの送受信、GPSスタンドアロン測位、LTE|Mの間欠動作、PSM/eDRX機能を提供しており、これまでも様々なIoTの実証実験に利用されてきた。
 今回搭載された追加機能では、『IoT-Pi for LTE-M』に市販のセンサーとNode-REDを組み合わせて、クラウド上のGoogleスプレッドシートへデータをアップロードできるシステムが提供されている。このシステムによって、これまで必要とされてきたサーバへの接続も不要となったため、さらに気軽にIoTの実証実験を行うことができる。例えば、遠隔地の倉庫の温湿度を定期的に自動で計測し、それをスプレッドシートに記録するといった実験も、同製品を利用すれば容易に行うことができるようになるのだ。
 特長をまとめると以下のようになる。
●LTE|M回線の使用が可能
●2種類のクラウド接続
 ・TCP/IP:Port指定でクラウドサーバに接続
 ・PPPによるインターネット接続
●GROVE、GPIO、I2C、UARTに周辺デバイスを接続可能
●モバイルバッテリーが増設でき屋外利用がより便利に
●「RaspBerry Pi」本体の電源を間欠動作させることができ、モバイルバッテリーの電池寿命を延ばすことが可能
●LRD及び端子からアンテナ本数などの状態確認が可能
●一年間(2Mbyte/月)SIM付属
●Noda-REDパッケージでは、サーバの代わりにGoogleスプレッドシートに対応商品価格は4万9800円(税別)となっている。
 また、『IoT-Pi for LTE-M』に接続可能(GROVE接続)なオプション品も用意されている。購入すると、利用可能な通信容量を追加(2Mbyteを購入月のみ追加もしくは購入月から一年間毎月追加)できるプランとなっているのも便利だ。オプションは、赤色LRD、温度センサ、デジタル温度・湿度センサ、赤外線測距センサ、タッチセンサなどで、用途に応じて選ぶことができる。また、通信料追加オプションとは別に、モバイルバッテリーの提供もなされている。

 先ごろの展示会では、『IoT-Pi for LTE-M』のデモ機が展示され、好評を博した。
 この際、同時に展示発表されたのが、AIカメラと接続したデモ環境で、こちらも好評を得た。センサーも独自で用意しており、顔の特徴点をエッジ処理で抽出するAIカメラで、そのデータはLPWAで取り扱うことができる。解析速度は1/10秒以内に10人、カメラモジュールに1000分の特長点を保存可能だ。なお、AIカメラは、今後『IoT--Pi forLTE-M』のオプションセンサーの一つとして取り扱う予定だという。     
 IoT化の動きは、大きな波となって今後も続くことが予想されている。現在でも、交通分野では、バスや電車の運行状況をリアルタイムで知ることができ、物流の分野では倉庫内の在庫管理や輸送の効率化によって労働力不足の解消や資源・エネルギーの有効活用が促進されている。医療分野においては、着用型ウェアラブルデバイスが活躍。自己の健康状態の記録・管理、医師との共有により健康管理に役立っている。一見、IoTとは無縁に見える農業分野でも、日射量や土壌の状況をセンサーで読み取り、水や肥料の量や与えるタイミングを予測するなど、IoT化が、担い手不足や生産性向上につながっている。
 IoTの活用は、今、業界を問わずあらゆるところで進んでおり、今後もその勢いは、増々加速していくだろう。
 無線開発技術を利用した〝モノづくり〟や〝システムづくり〟を行ってきた同社。今後はIoTデバイス開発を中心に活動していくという。『IoT-Pi for LTE-M』をはじめとする同社の開発環境への支援も、今後さらに注目を浴びることは想像に難くない。
(ライター/ナガノリョウ)

株式会社 WDS
TEL/03-6869-7561 Eメール/ info@wd-s.com
ホームページ http://www.wd-s.com/

院長
前山和宏 さん
日本大学医学部卒。国立東京第二病院、民間病院を経て、2004年「前山クリニック虎ノ門」、2010年『メディアートクリニック』開院。2012年「医療法人社団鳳龍会」設立。

下:肺がん症例(CT画像)
右/オゾンナノバブル水内服前
左/内服4ヵ月後(注射、点滴はしていない)
乳がん症例(PET画像)
右/オゾンナノバブル水内服前
左/内服4ヵ月後(注射、点滴はしていない)
進化する「オゾンナノバブル水療法」
がん・難病に挑む

叡智の結晶で医療の
進化を目指す志を見る


 オゾンナノバブル水とは、気体であるオゾン(O3)をナノバブル(極めて小さい気泡)にして、水に溶解することに成功したオゾン含有水のことで、これを、がんを始めとする病気の治療に使用する。内服(飲用)と注射や点滴が中心で『メディアートクリニック』の前山和宏院長は、この療法を積極的に実施しておりその成果は驚くべきものばかりである。
 前山院長は熱く語る。
「この治療は優れていますが、私はいろいろな治療の補助として使えるという感覚を持っていました。しかし、結果は見ればわかるとおりこの治療はメインとなり得るものです」
 前山院長が提唱する、「簡単で自宅ででき、楽で楽しい治療」が可能となるようだ。「自宅にいながら、内服のみでがんが改善した例が多数報告されてきているのは、驚くべきことです」
 次頁のCT画像は、肺がんで4ヵ月内服した患者さんのものである。がんの縮小が認められる。胃がんでは、内服のみでがんが消失した例もあるそうだ。
「高齢化社会で、がんが発見されても、心機能や腎機能などが悪く、手術できないケースも見られますが、そんな時でもオゾンナノバブル水は強い味方となってくれるでしょう」
 また、糖尿病やアルツハイマー型認知症の改善例もあり、様々な疾患に使われており対象疾患はさらに増えそう。前山院長は、オゾンナノバブル水の注射・点滴も積極的にトライしている。当初は、少量から開始していたが、今では5倍量まで点滴している。
「オゾンのナノバブルが身体内で爆発している感覚で身体の中が熱くなります。5倍量にすることによって、人によっては変わりますが1時間ほど感覚が続くこともあります。元々、血流が悪く冷え性の方は、オゾンナノバブル水注射や点滴で〝熱くなる〟反応がでにくいが、数回続けることで反応が出てきて、身体が活性化し元気になっていきます。抗がん剤の副作用に苦しむ人にもお勧めいたします」
 注射や点滴は、オゾンナノバブル水を直接血管に入れ、瞬時に全身にオゾンを供給することができるため、病態の改善も早いそうだ。
『メディアートクリニック』には、オゾンナノバブル水注射や点滴を目当てに希望をもち来院する患者さんが日に日に増えてきており、現在ではこの治療法に注目する医師からの問い合わせも多く、前山院長は専門分野の異なる医師との連携を模索しているとのことである。
「専門の異なる医師がこの治療に参加してくれればいろいろな視点で病気を捉えることができ、オゾンナノバブル水の新しい使い方が考案されるのではないのでしょうか。患者さんが喜ぶ医療を実践していきたいと考えています」
 前山院長もアイデアをもっており、現在検討中とのことだ。
① がんの血管内治療。肝臓がん、胆管がん、頭頸部がんなどにカテーテルを用いて、オゾンナノバブル水を注入。高濃度のオゾンナノバブル水をがんの腫瘍に到達させることができる。
② 内視鏡による直接注入。食道がん、胃がん、大腸がんなどに直接注入することによって、腫瘍の消失を図る。
③ 超音波を使用した直接注入。肝臓がんなどに皮膚から注射針で直接注入する。従来エタノールなどを注入する方法はあるものの、量に制限がある。腫瘍が大きい場合は、適応にならない。オゾンナノバブル水は安全性が高く、十分な量を注入できる可能性が高い。
『メディアートクリニック』では、患者さんの了承を得て、乳がんに対してオゾンナノバブル水の直接注入を開始した。
「オゾンナノバブル水の濃度が重要になると考えられます。現在、1人の患者さんに3回実施したのですが、腫瘍は小さくなってきております。最終的な結果が出るまでは時間がかかると思いますが、患者さんにとっては福音となる可能性があります。何故なら、今まで乳房を切除せざるを得なかった乳がんが、手術しなくても治るとなったら、どうでしょうか。身体に1部を切り取ることなくがんが治せるのならば、誰もが望む治療になるのではないでしょうか。しかし、この例で成功したとしてもすべての乳がんの患者さんに適応できるわけではありません。乳がんはバラエティーの多いがんであり、全てにオゾンナノバブル水が効くとは限りません」
 オゾンナノバブル水による治療はさらなる発展を見る時期にきているようだ。
 オゾンナノバブル水の挑戦はさらに続く。
 婦人科医師の協力を得て、子宮頸がんにおける膣内注入治療が開始された。また、『メディアートクリニックで』は、直腸がんへの肛門からの注入も開始されている。
 前山院長が再び熱く語る。「『エビデンスがない』といわれますが、エビデンスはこれからできるのです。トライがないところに新しい医療は生まれません。既存の医療で満足している人はそれでいいのでしょうが、進歩の無いところには人類の幸せはないのだと思います」
 オゾンナノバブル水の臨床は始まったばかりであるが、この発展は望まずにはいられないのではないか。
 オゾンナノバブル水はなぜ効くのか? これは研究結果を待たなければならない。
 現在いえることは、オゾンによる ①ミトコンドリア内のATP活性 ②抗酸化作用 ③抗炎症作用 ④強力な殺菌、殺ウイルス作用などである。
 オゾンの身体利用は約一〇〇年前、ドイツで始まったといわれている。しかし、日本での研究は、戦後GHQの指導により、中断してしまった。今ではメディアートクリニックなど、少数のクリニックが細々と「自家血オゾン療法」を実施しているのみである。アメリカではオゾンの身体への有効性が注目を浴び、オゾン関連の論文も激増している。これは世界の流れで、そんな中で、日本発の新しいオゾン療法が世界に発信されると言うことは、まさしく医療の最前線である。
 前山院長は、最後に「医療は学問の神聖のためにあるのではなく、患者さんの苦しみを少しでも減らし、希望を持ってもらうために存在するのです。エビデンスがないだけで否定する権利は誰も持たないはずです。『もっともっといい医療を』と考える医師はウエルカムです」
 科学の1部門である医学は、「人の死」を避けられない以上どうしても限界がある。そんな中で、前山院長の取り組みに光を見た思いである。
(ライター/渡辺唯)

医療法人社団 鳳龍会 メディアートクリニック
TEL/03-6225-2165
ホームページ http://mediart-clinic.main.jp/


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