ビジネスヒットチャート 2018


イギリス生活情報誌 
月刊
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「ご本人の気持ちを一番に、納得のできる着地点に導きます!」

所長 薬袋正司 さん
東京CPA会計学院を卒業後、伊勢丹で経理業務全般を経験。税理士資格を取得後、外資系税理士事務所を経て、税理士法人タクトコンサルティングに入社。10年間勤めた後、2007年『薬袋税理士事務所』開設。宅地建物取引主任者の資格も持つ。
マンション建て替えに税の視点
促進法に基づく優遇措置解説

耐震強度不足の老朽マンション
建て替え促進法に基づく税の優遇措置を解説する


 防災意識が高まる9月。巨大地震に対する備えが促されるが、悩ましいのは、旧耐震基準で建てられた1980年以前の老朽マンションの建て替え問題。
 税制全般に精通した『薬袋税理士事務所』の所長薬袋正司さんが、この課題に税制の視点から行う助言で言及するのは、「マンション建替え等の円滑化に関する法律」に基づく税の優遇措置だ。
「円滑化法は、老朽化したマンションの建て替えがしやすいように売却と解体の決議要件を緩和するなどの改正も行われましたが、税の優遇措置も重要な促進要因です。前のマンションの区分所有権などを新しいマンションの権利に移行する権利変換にともなう特例措置がその一つ。前に住んでいた住戸については、譲渡がなかったものとみなされて譲渡所得税がかからず、登録免許税も以前の資産評価額を限度として非課税になったり、不動産取得税が権利変換に伴って取得する土地価額の5分の1相当額が控除されたりする優遇措置があります」
 もう一つが建て替え事業にともなって転出する場合の特例措置。
「建て替え時に転出する場合は、優良住宅地などのための譲渡として、譲渡益2000万円までの部分に限り軽減税率、所得税10%、住民税4%が適用されます。やむを得ない事情で転出する場合には、譲渡所得に対して1500万円の特別控除を受けることができます」
 マンション建て替え事業の施行主体にかかる優遇措置もある。
「円滑化法に基づく建て替えで設立されたマンション建替組合が非収益事業として得た所得は非課税となります。また、建替組合などが転出者から売り渡された資産や保留床について、登録免許税が非課税になり、建替組合が非収益事業を行う事業所は事業所税が非課税になります」
 薬袋さんのもとには、建て替えに直面した賃貸マンションのオーナーなどから、減価償却資産である建物部分の未償却残高の税務上の処理方法などに関する相談も寄せられ、耐震強度不足の老朽マンションが150万戸に迫る中、その助言は建て替えで生じる問題解決の道しるべになる。
(ライター/斎藤紘)

薬袋税理士事務所
TEL/03-6228-6400 Eメール/minai@tax-bpc.com
ホームページ http://www.tax-bpc.com/

弁理士3人、博士号を持つ技術スタッフ1人、事務スタッフ1人の陣容。

代表 岡田宏之 さん
早大理工学部卒。同大大学院理工学研究科で博士(理学)の学位取得。同大学理工学総合研究センター講師を経て、2003年『パール国際特許事務所』入所。2005年、弁理士登録。特定侵害訴訟代理業務付記。2011年、代表就任。
理工系の思考回路を生かす
知的財産の権利化支援業務

創造から保護活用まで
企業価値の最大化追求


『パール国際特許事務所』の代表岡田宏之さんは、早稲田大学大学院理工学研究科で原子核や素粒子、宇宙線の実験用放射線検出器などを研究し、博士(理学)の学位を取得した学究の世界から知的財産の世界に転じた異色の弁理士だ。同事務所で下積みを経験しながら工業所有権に関する法令を勉強し、合格率が10%前後という弁理士試験の難関を突破。業務で実績を重ね、事務所創立者から事業を継承した。
「大学院で研究が世の中の役に立っているか確信を持つことができなかったことと、ゼロから物事を生み出す発明者の能力が不足していると思ったこと、一方で弁理士のように1を何倍にもしていくような能力にこそ適正があると気づいたことなどを総合的に勘案して、目に見えて人の役に立つ仕事ができる弁理士になろうと決意しました」
 同事務所は、知的創造サイクルの創造、保護、活用の各フェーズで企業や個人を支援する体制を整えていて、アイデアが出てきた背景などをつかみながら、相談者の希望に沿う特許取得に向けて中身を具体化していく。意匠権や保護する商標権の取得やその活用についても助言し、権利化を進める。審査基準に照らして権利化可能性や他者の権利を侵害する恐れの有無を調べる綿密な調査が業務の信頼度を高める。技術の公開を望まない場合は、営業秘密管理もサポートする。
 同事務所で取り扱い可能な技術分野は、半導体や回路、情報、ソフトウエアなどのエレクトロニクス、光通信や光デバイス、光学機器などの光学、セラミックスや磁性体などの物性、材料や有機化合物、無機化合物などの化学分野、ナノテクノロジー、マイクロマシーン、医療機器、日用品、土木、建設、放射線など広範囲に及ぶ。
「大企業から中小企業までを対象に知的財産の権利化業務を行っていますが、創造なくして保護はできませんし、活用を意識せずに適切な保護もできません。クライアントとのコミュニケーションを密にして権利取得の方向がぶれないように心しながら、多角的視点から検討を加え、企業価値の最大化を図っていきたいと思っています」
(ライター/斎藤紘)

パール国際特許事務所
TEL/03-3988-5563 Eメール/office@pearl-pat.com
ホームページ http://www.pearl-pat.com/

農作業が行いやすいように人や農機が入る間口などを確保。トラス工法空間の有効利用。

代表取締役 渡辺好美 さん
宇都宮工業高校電気科卒。電気工事会社で働きながら高校に通い技術修得。1964年、個人事業として「渡辺電気工事店」創業。1975年、『株式会社渡辺電設』設立。地元有力企業5社と設立した『足利メガソーラー株式会社』代表取締役。
次世代型農業への道を拓く
太陽光発電の技術など応用

植物工場の建設を支援
低温物流促進にも寄与


 太陽光発電事業に逸早く取り組み、公立学校や公民館などの公共施設の屋根を借り、賃料を払って太陽光発電システムを設置する「屋根貸し」太陽光発電事業という国内初のビジネスモデルで脚光を浴びた栃木県足利市の『株式会社渡辺電設』の代表取締役渡辺好美さんが、同社の高い技術力で次世代型農業への展望を切り開く新たな事業に乗り出した。『ソーラーシェアリング』、植物工場、低温物流がキーワードだ。
 『ソーラーシェアリング』は、営農型太陽光発電ともいわれる。植物工場は、養液栽培を利用し自然光や人工光などで植物を生育させる施設。
「『ソーラーシェアリング』は、田んぼや畑などの農地で農業と太陽光発電事業を両立させる仕組みです。農地を雑種地などに転用して野立ての太陽光発電設備を建設するのではなく、農地のままで、農作業が行いやすいように人や農機が入る間口を確保した支柱の上に太陽光パネルを設置します。売電収入で農業収入を補うことが可能になります。植物工場は、作物の周年・計画生産が可能になる施設で、総合建設業で培った当社の技術と独自の工法を活用し、最新の資材を調達し、技術、資材をコーディネートして建設します。次世代の農業にマッチングするための『ソーラーシェアリング』や蓄電システムの併設に対応します」
 低温物流については、農作物や生鮮食料品を冷蔵保管する物流の拠点、冷凍冷蔵倉庫向けの断熱パネルとドアシステムの提供が柱だ。
「中食需要の拡大などによって低温物流市場は、拡大トレンドにあります。アジア向け輸出も動き出し、国も冷凍冷蔵技術普及支援事業を推し進めています。この状況を念頭に、冷凍冷蔵倉庫の的確な温度管理と快適な作業環境に貢献できる事業に着手しました。断熱パネルは、表面材の鉄板とVCシャーシが一体型に組立てられ、機密性に優れ、荷重支持度も高く補強鉄骨無しに設置することが可能です。貯蔵庫の凝縮水がパネルの内部に浸み込まない設計で断熱効果が非常に高く、貯蔵庫の寿命が長くなります。ドアシステムは、倉庫開口部を管理するもので、熱伝導の防止、結露の抑制、スムーズな作業環境の確保などの機能を確実に果たすことができる設計になっています」
 栃木県内の電気事業界でトップを走る『渡辺電設』が新たなステージで存在感を示す。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 渡辺電設 アグリ事業部
TEL/0284-62-2498 Eメール/watanabe-densetu@mx7.ttcn.ne.jp
ホームページ http://watanabe-ashikaga.com/

短期派遣業界で躍進中。人と仕事の縁結びに挑戦。

代表取締役社長 寺本潤 さん
大阪府出身。アルバイトとして派遣業界に携わり、23年間の業界経験を持つ。全国20拠点の事業所で、24時間365日申請から2時間以内に全額給料振り込みを実現。会社ロゴマークは自身で作製。
自身の経験を生かし、さらなる、
より良い社会の実現へ

「便利な働き方を追求する」
すべてはそのために


 少子高齢化社会の大きな問題の一つは、生産年齢人口の減少といわれている。そこから「働き方改革」の提唱につながっているのだが、自身の経験から派遣業界の利便性を追求し、躍進を続けている会社が『株式会社エントリー』である。代表取締役社長の寺本潤さんは、20年以上前に派遣スタッフを経験しておりその現場の体験から新しいスタイルを生み出している。キーワードは、《利便性の向上》だ。
 『エントリー』は、学生を中心とした短期派遣を行っている。事業エリアは、Eコマースでの流通加工である。物流倉庫内での作業が主になる。
「私もアルバイトで派遣スタッフをしておりましたがその経験から、『便利な働き方を追求する』、ということを目指しています。24時間365日、振り込み申請後2時間以内に給料全額振り込みサービスを構築しました。従来であれば、休日には振り込んでもらえない、そのため振込日を待つか、事務所に時間と交通費をかけて取りに行き手渡しで受け取るという手間が必要だったが、弊社では、24時間365日、就業後アプリから申請すれば2時間以内にセブンイレブンのセブン銀行で出金できる仕組みを1年半以上かけて構築しました。また、『スマジョブ』というアプリでネット上でお仕事検索を可能にしました。今までは、派遣社員が派遣スタッフに電話やメールで仕事を紹介していたが、アプリを作り仕事を掲載することによって派遣スタッフが自分で好きな仕事を自分で選ぶことができるようになり、イニシアチブが派遣スタッフ側に渡るようになりました」
 働く人の目線に立った徹底的な利便性の追求が働き方をより良い方向へと変えていく。
「アプリでの登録が可能になったことで給料を事務所に取りに来られる方が減少したため、利便性が向上することに対して派遣社員と派遣スタッフのコミュニケーションの場が少なくなるという課題があった。そのため、弊社の正社員が派遣スタッフと共に就業先に向かい指示を出す、サポートするなど直接交流をはかれる現場管理社員を導入した。特に、日本語にまだ不安を覚えている海外からの留学生に指示を出す、サポートをするなど直接交流をはかれる現場管理社員として弊社のベトナム人、中国人の正社員が向かうようにしているため、『安心して働くことができる』と留学生の登録も増えている。今後は、他の外国人の方にも門戸を広げていきます。意識しているのがITを使ったスピード・利便性だけではなく、現場管理者のようなフェイストゥフェイスのコミュニケーションの部分も同時に大切にし、それが両輪となるということです」と語る寺本さんは、より先の展開も見すえている。
「2018年秋くらいからは、『シェアリングエコノミー』という、個人が個人のために働きの場を求めるという仕組みも構築したいと考えています」
 帰属意識が一つのポイントとなる派遣業界で、ここまで緻密に精力的に活動する同社へのロイヤリティは高まることはもちろん、働き方のイノベーションで社会のあり方まで変えていくことが期待される。(ライター/近藤純)

株式会社 エントリー
TEL/03-6302-0303 Eメール/info@entry-inc.jp
ホームページ https://entry-inc.jp/

上:「田んぼギャラリー」
中:『田んぼギャラリー2017 in 安曇野』
下:『安曇野.come ポスター』『戸塚酒造「軽井沢小麦焼酎 しろがっぱ」VI』『みそフェスタ in 善光寺』

代表取締役 轟久志 さん
デザイン会社を経て、2004年『トドロキデザイン』設立。2017年、株式会社として法人化。グラフィックデザインを中心に企業などのブランディング、プロモーションを手掛ける。アートディレクター、グラフィックデザイナー。長野美術専門学校非常勤講師。
デザインに光与える構想力
水田にごはんポスター展示

農業とデザインつなぎ
地域の魅力を強力発信


 頭脳にデザインのアイデアがこんこんと湧き出る泉がきっとある、そんな風に感じさせるアートディレクターがいる。『株式会社トドロキデザイン』の代表取締役轟久志さん。オリジナリティに富んだ構想力は、企業のロゴ、商品のラベルやパッケージ、イベントのポスター、書籍の装丁やページデザイン、寺院の御朱印などの制作に止まらず、イベントのプロデュースにまで発揮される。その象徴が「田んぼギャラリー」だ。
 田植えが済んだ水田の一角に脚立型の架台がずらりと並ぶ。その一つひとつにごはんをテーマにしたポスターが掲示され、メッセージを発信する。農家の協力を得て緑の田園に作り出した芸術空間、それが「田んぼギャラリー」。『トドロキデザイン』が長野県内屈指の米どころ、安曇野市や木島平村で8年前から開催してきた名物イベントだ。
「親が営んでいる農業を手伝う中で、食の大切さを学び、農業とデザインをつなげようと考えたのがきっかけです。ごはんをテーマとしたポスターをデザイナーや地元の学生などに制作してもらい、水田の中で展示を始めました。2018年で8年目ですが、当初30ほどだった作品は年々増え続け、今では100作品を超えています。この企画を通して地元の方々が地域の魅力に改めて気づいてくれるきっかけづくりができたと感じています」
 轟さんの創作スタンスは、明確だ。どんなに良いモノも、その良さが伝わらなければフツウのモノになってしまうといい、クライアントに代わってモノの良さを伝えることがデザイナーの役目というものだ。
「伝えるには、本質をよく理解しなければ、効果的に伝わりません。私たちは本質をつかむため、現場に向かい、見て、触って、食べて、人と話し、他にはないオリジナルの価値を探していきます。見出した価値をパッケージやパンフレットで発信するだけではなく、時にはイベントというカタチでその魅力を表現するよう努力しています」
「田んぼギャラリー」も、このコンセプトで企画し、農業や食の大切さをイベントで伝える試みだ。仕事では、農家や食品加工業からパッケージデザインなどの依頼が多いという轟さん、自分で作った農作物を自分でデザインしたパッケージで販売するのが夢だ。
(ライター/斎藤紘)

株式会社 トドロキデザイン
TEL/026-274-5844 Eメール/ todoroki@vanilla.ocn.ne.jp
ホームページ http://todoroki-design.com/

すでに決まった言葉を使って誓い合う、というのが日本の通例。
「自分に言葉で」誓い合うことで絆は更に深まる・・・
『想いを伝える結婚式』 国内海外プロデュース。価格は内容によって変わりますので、お問い合わせを。

代表 渡辺美枝 さん
大手ウェディング会社にて、8年の海外ウェディング、7年の国内プランニングの経験後、国際プランナーとして独立。様々な国籍のカップル様へのウェディングサポートは5000組を超える。想いを言葉にして相手に伝える結婚式『ポップアップウェディング』などシンプルな心に残る結婚式や思い出づくりを提供。全米ブライダルコンサルタント協会認定員。
想いを伝える結婚式、経験豊富な
プロがワールドワイドなプランを提案

国内外15年の経験で
お二人の大切な日を演出


 大手ウェディング会社にて8年の海外ウェディング、7年の国内プランニングを経験後、国際プランナーとして活動し始めた代表渡辺美枝さんの会社が『BEyond Weddings & Events』。国内外での経験、ネットワーク、コミュニケーション能力を生かしてワールドワイドに結婚式をプロデュースする。渡辺さんがこだわるのは、自分で考え、愛する人に1番伝えたい想いを言葉にする「誓いの言葉」。決まった言葉を使い、神様に向けて愛を誓う神社やチャペルでのスタイルではなく、二人だけで愛を誓い合うシンプルながら強い絆を生む欧米発祥のウェディングは、ウエディングドレスを着てもいいし着なくてもいい。二人だけでもいいしゲストを呼んでもいい。結婚式場ではなく、二人の好きな場所でいい。
 日本式も含めた二人に合ったスタイルを見つけるためのプロデュース、二人が前向きな覚悟と決意を持つためのミニマリズムなウエディングを提案。
 渡辺さん自身が行う「想いを伝える結婚式」では、二人から事前に出会いからの話を聞いてオリジナルの司式文を作成し、二人にしか分からない二人だけのための結婚式を演出。また、すでに結婚式は行ったけれど改めて誓いあいたい、親、親族、しきたりなどを気にして本当はやりたかったことをできなかった、着たい衣装が着れなかった、というご夫妻のためのバウリニューアル(誓いの更新)にも力を入れている。
 さらに、チャペル、神社仏閣などでの結婚式を考えているが結婚情報誌を見ていても違いがよく分からず決められない、というカップルに第三者としてのアドバイザーとしても協力してくれる。結婚式についての幅広い知識と経験で、丁寧に不安を解消。予算や希望に合わせて二人にとってのより良いプランを提案してくれる。
 日本だけではなく海外からのカップル、海外でのプランニングも歓迎。一生の思い出となる大切で美しい記念日、渡辺さんに任せてみて。
(ライター/播磨杏)

BEyond Weddings & Events
TEL/080-5300-3982 Eメール/info@beyondweddings.jp
ホームページ https://beyondweddings.jp/

著書「大切なことはみんな保育園で学ぶ~よい保育の場を求めて
Part Ⅱ~」(DVD付) フォーラム・A刊1,852円+税
著書「よい保育の場を求めて~大切なことはみんな保育園で学ぶ~」出版文化社刊1,429円+税
最新刊「子どもたちの輝く未来のために子どもの力を伸ばす積極的保育のすすめ」現代書林刊 1,200円+税

理事長 兼 園長 山本良一 さん
関西学院大社会学部社会福祉・社会学コース卒。大阪市中央児童相談所で児童福祉司として活躍。1976年、「社会福祉法人弘法会」理事長、『大東わかば保育園』園長。大東市児童福祉審議会委員、花園大学非常勤講師などを歴任。
子どもの力を信じて伸ばす
積極的保育論を提唱し実践

保育園の課題を乗越え
安心・信頼・感動を追求


「自由に遊んでいる間、子どもたちの命のリズムと共鳴するような姿勢で気持ちを込めて見守ります」
 40年以上にわたり保育の理想形を追い求め、独自の保育理論「積極的保育」を確立した幼保連携型認定こども園『大東わかば保育園』の園長山本良一さんが、その理論の中核を為す「自由遊びの時間」に込めた思いだ。
 その光景―。木製遊具、砂場、うんてい、アルプスが配置された約350㎡の園庭で、年齢ごとにクラス分けした保育とは別に、午前、昼食後、午後の3回、1歳児から5歳児までが追っかけごっこやオニごっこ、車あそびなどで思い思いに入り乱れて遊ぶ。
「年齢の壁を越えて自由に入り乱れて遊ぶと、自然に友達との遊び方を学んだり、危険を察知して避ける力を身に付けたりして、自分を伸ばすことに意欲的な子どもが育っていくのがわかります。年齢ごとに遊ばせる縦割り保育などよりも友だちのことをよく理解するようになります。自発性が子どもたちを成長させていくのです」
 もう一つ、山本さんが大事にしているのが感動する心だ。年間を通して運動会や親子遠足、芋ほり、生活発表会など様々な行事が行われるが、運動会や生活発表会は、子どもたちが園長や職員、保護者といっしょになってアイデアを出し合い、構成を組み立てていく。
「みんなで作り上げたものが見る人に大きな感動を与え、子どもたちは見る人が感動しているのを感じて自分たちも感動し、自信を持つようになります。感動が心を豊かにするのです」
 大人が温かい眼差しで見守る、子どもたちの横で保護者と飾らぬ言葉で雑談を交わす、こうした毎日の小さな具体的な事実の積み重ねが周囲の大人に対する信頼を醸成していくとも山本さんはいう。
「核家族化や少子化、働く母親の増加、テレビゲームの普及、遊び場の不足など子どもを取り巻く環境は大きく変わり、質の高い養護と教育の機能が保育園に強く求められる一方、不審者や感染症、ケガなどの対策、行政指導への対応など多くの問題が押し寄せ、保育を積極的にできない条件がたくさんありますが、現実的な問題にとらわれずに、人間としての子どもの力を信じて伸ばしていくことを第一に考えて保育に取り組むこと、これが積極的保育の理念です」
 安心、信頼、感動を生み出す「積極的保育」の実践の軌跡をまとめた「よい保育の場を求めて 大切なことはみんな保育園で学ぶ」などの著書は、保育士への応援メッセージでもある。
(ライター/斎藤紘)

社会福祉法人 弘法会 認定こども園 大東わかば保育園
TEL/072-878-4121

「乳がんの早期発見のためにできること」
日頃からセルフチェックの習慣、小さな変化に気づけるよう心がける。自分に合った乳がん検診を受けることが大切。
中:超音波診断装置『COCOON』

代表取締役社長 東志保 さん
現役の母親世代の女性を乳がんから守るために、乳がん用画像診断装置の開発を目的とした東大発のベンチャー企業を起業。
リスクが大幅に少ない乳がん診断装置
若手ベンチャーの挑戦

痛くない、被ばくゼロ
誰もが定期的に診断を


 女性なら11人に1人が一生の間にかかるとされている乳がん。40〜50代の女性に多いという特長があるが、最近では若い女性が罹ることも多い。罹患者数、死亡者数は、年々増加している。早期発見・早期治療で生存率は大幅に高まるが、乳がん検診というと抵抗が多い方も少なくはない。受診率は、約30%と諸外国と比べても低く、半数以上の患者さんがセルフチェックにより発見しているという現状。その理由として、マンモグラフィーを使用した従来の乳がん検診は、圧迫による痛みや被ばくなどのネック、超音波診断では、技師が測定器を動かしながら診断するので、技師の能力に依存してしまうというネックがあった。
 そこで立ち上がったのが、乳がん用画像診断装置の研究・開発を行う東大発の若手ベンチャー企業『株式会社Lily MedTech』。代表取締役社長東志保さんらが開発したのは、全く新しいタイプの超音波診断装置『COCOON』。
 受診者は、うつ伏せになり、乳房をお湯の入ったベッドの穴に入れるだけ。ベッドの下にある円環状の超音波振動子が上下に移動しながら乳房内を撮像する。振動子は身体に触れることがないため、痛みなどを感じることはない。検査者のスキルに依らず、再現性の高い乳房全体の3次元画像が撮れるのだ。もちろん、被ばくもないもないので安心して定期的に検診が受けられる。
 従来までは、診断画像にがんが白く写るため、同じく白く写る高濃度乳腺の乳房では検出が難しかったが、その課題もクリア。似たタイプの診断装置は他社でも開発中であるが、同社では、がんのステージ診断機能などで差別化をしていく方針。2020年の発売を目指している。
 高校時代にがんで母を亡くした東さん。家族の中心にいた母親を失い、深く悲しんだ自分と同い思いを経験する子どもたちを減らしたい、と語る彼女率いる若手ベンチャーの熱い活動に期待大だ。
(ライター/播磨杏)

株式会社 Lily MedTech
TEL/03-6240-0017 Eメール/info@lilymedtech.com
ホームページ http://www.lilymedtech.com/


[イギリス生活情報誌]月刊 ミスター・パートナー 〒160-0022 東京都新宿区新宿2-15-2 岩本和裁ビル5F TEL.03-3352-8107 FAX.03-3352-8605