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令和時代の
エキスパート

脳神経内科を軸に健康な暮らしを支える
患者さん主体の医療で認知症と向き合う

病気になる前から
健康を支える医療


 2025年に開院した『代々木駅前神経内科・内科クリニック』は、認知症や頭痛、めまい、手足のしびれといった脳神経内科領域を専門に、風邪や胃腸の不調といった内科領域全般にも幅広く対応している地域のかかりつけクリニックだ。もともと医療とは縁のない環境で育ち、考古学や発掘調査に興味を抱いていた院長の松村美由起さんが医師を目指したきっかけは、病気がちだった小学校時代の恩師とその主治医の存在だった。母親とともに先生のお見舞いをしたり、外来への付き添いをしていた際に見た医師と患者さんとの信頼関係が本当に素晴らしいものだと感じたという。
 また、身内から「手に職をつけた方が良い」と勧められたことも後押しとなり、高校3年生の頃に進路を大きく方向転換。「人の役に立つ仕事がしたい」という思いから医学の道へ進むことを決意した。当時は現在とは異なり、医学部卒業時点で専門分野を決める時代だった。
 松村さんは、消化器内科や循環器内科など様々な選択肢がある中、病棟実習で初めて筋萎縮性側索硬化症の患者さんと出会い、神経変性疾患の治療に携わりたいと脳神経内科を選択した。
 大学病院では、長年にわたり診療・研究に携わり、関連病院への出向も経験。大学病院だけでは得られない地域医療の現場にも身を置きながら、経験を積み重ねていった。
 特に大きな転機となったのは、渋谷の東京女子医科大学附属成人医学センターの脳神経内科への異動だった。同センターでは、患者さん一人ひとりに寄り添う「患者主体の医療」を実践。脳神経内科診療に加え、認知症医療や人間ドック、生活指導などにも携わり、東京都地域連携型認知症疾患医療センター長として地域の認知症支援にも尽力してきた。
 前職である東京女子医科大学附属成人医学センター閉院が決まり、長く診療している患者さんを置いて去っていけないとの思いを強くした松村さんは、患者さんからの「開業しないのですか」との声や認知症支援への取り組みをさらに続けたいという思いが後押しとなり、開業を決意。現在は、脳神経内科を中心に一般内科や人間ドック、認知症支援などを行いながら、病気を診るだけでなく、健康な生活そのものを支える医療を目指している。
 脳神経内科を専門に幅広い身体の不調と向き合ってきた松村さんが、特に力を注いできた分野が認知症医療だ。
「認知症というのは、生活の中の一つひとつのことをするのが難しくなっていく病気です。一見認知症に見えても、ビタミン不足や甲状腺ホルモンの異常など、治療すれば改善する病気が隠れている可能性があるので、認知症の診断には、認知機能検査のほか、画像診断と採血、心電図が必須。治療可能な病気を否定して、はじめて認知症という診断ができます。認知症医療は薬による治療をイメージされる方も多いと思いますが、生活を支えていくことが重要です。その患者さんが何に困っているかを考えて、困りごとを解決していく必要があります。できることはできるだけ続けてもらい、難しくなったら周囲がサポートしたり、別の方法を考えていくと同時に、家族の方には、病気によってそうなっているということを理解してもらわないといけません。その方が『やっていない』と思っていることを、周囲から『やったでしょ』『聞いたでしょ』っていわれると余計に混乱してしまいます。その方なりに理由があってやっていることを『どうしてこんなことをしたの』と怒るのではなく、『こういう理由だったのかな』と推測してあげる必要があります」
 現在の医学では、認知症を根本的に治すことは難しく、進行を完全に止めることもできないという。だからこそ、自分で考え、工夫しながら生活できる環境を整えることが大切になる。できることを周囲が奪わず、必要な部分を支えることが、残された力を使い続けることにつながっていく。一方で、松村さんが診療した患者のなかには、認知症だと思って受診したが、実は違ったというケースもあるという。
「家族が『もう何もできない』と思って身の回りのことをサポートしていたそうですが、患者さんの状況のお話をお伺いして『もう少しやってもらったらどうですか』とお話ししたところ、普通にできるようになった方もいました。できることを奪わないことはとても大切です」
 松村さんは、「認知症と向き合うことは、どう生きるかと向き合うこと」だという。
「これまで獲得してきた知識や経験や記憶が少しずつ奪われてゆく認知症という病気に直面したとき、人生で大切にしてきたもの、最後まで失いたくないものを自分自身に問いかけてゆくことが、病気になってからの生き方を考える礎になります。発症後の人生を豊かなものにするために、ご自身の大切なものと向き合い、どう生きるかを考えて頂きたいと思います」
 アルツハイマー病の早期では、脳内のアミロイドβを除去する治療が保険診療で受けられるようになり、病後の生き方を考える上でもできるだけ早期に受診することが望ましい。
 また、松村さんは、認知症になっても暮らしていける地域づくりを目指し、認知症疾患医療センターとして、市民公開講座や家族会なども行う。
 同クリニックでは、人間ドックを中心とした各種検査にも対応しており、CTやエコー、内視鏡検査、胃カメラ、眼底検査なども備える。松村さんが成人医学センターで行っていた医療をコンパクトに集約した形で提供している。2026年4月からは、フレイルやサルコペニア予防を目的とした「フレイルドック&トレーニング」もスタート。理学療法士と連携しながら、筋力低下や衰弱を防ぐための運動指導にも力を入れている。
「私が目指すのは、病気になったら通う場所ではなく、『健康な状態を維持するために通うクリニック』です。健康な状態をできるだけ長く保ちながら、その人らしく生活していけるよう支えていきたいと考えています」
(ライター/彩未)

代々木駅前脳神経内科・内科クリニック
TEL/03-6258-2761


東洋医学と西洋医学の知見を融合
365日断らない医療で命を守る

血流と瘀血に着目
慢性的不調と向き合う診療


 青森県八戸市の『下長内科クリニック』は、内科、神経内科、消化器内科、皮膚科を標榜し、外来から入院、在宅診療までを一貫して担う地域のかかりつけ医だ。「365日患者さんを断らない」という姿勢のもと、急性疾患から慢性的な体調不良、重篤な疾患まで、地域住民が抱える様々な健康の不安に向き合い続けている。大阪大学工学部出身で、冶金や金属産業に関わった異色の経歴をもつ院長の三上信久さんは、入社半年後に行われた希望退職の募集をきっかけに、自分の将来について深く考えたという。どうしても働き続けたいわけではなかったという三上さんは、「困っている人を助ける仕事がしたい」と強く感じ、医学部進学を決意した。会社を退職後、もう一度一から受験勉強に取り組み、1979年に弘前大学医学部へ入学。学部で学ぶ傍ら東洋医学研究会を立ち上げ、漢方の経験がある医師に師事しながら、学びを深めていった。
 三上さんが目指したのは、「何でも診られる医者」になること。特に田舎の地域医療では、専門の枠にとらわれず患者に向き合い、急変時にも対応できる救急のスキルと度胸を持つことが欠かせない。どのような場面でも命を守れる医師であることが求められる。二つの地域中核病院の救急の現場で医師として徹底的に研鑽を積み、1994年に現在の『下長内科クリニック』を開業した。同院では、西洋医学と東洋医学の漢方を融合させた治療を行っている。風邪や生活習慣病の管理、消化器疾患、アトピーや水虫、湿疹など幅広い症状に対応し、24時間体制でどのような症状でもまずは診るという姿勢で地域医療を支えてきた。外来や入院だけでなく、在宅医療にも対応し、通院が難しい患者さんの療養生活を支えている。
 そうした診療を続けるなかで三上さんが向き合ってきたのが、原因がはっきりしない慢性的な不調だ。心臓の苦しさや慢性的な肩こり、頭痛、頻尿、不眠、手足の冷えなど、検査では異常が見つからないにもかかわらず、日常生活に支障をきたす症状に悩む患者さんは少なくない。その一人として印象的だったのが、他院で「心臓神経症」と診断され、動悸や胸の苦しさ、後頭部や下腹部の痛みに長く悩まされていた男性患者さんだ。昼夜を問わず根気強く向き合い続けたある日、血流の状態を測定したところ、著しく血流が悪いことがわかった。そこで、症状の背景に血液の流れの問題があるのではないかと考え、慎重な検討のもと抗凝固剤ワーファリンの投与を開始した。すると、徐々に症状は改善へと向かい、最終的には約3年で薬剤投与が不要となるまで回復。この経験をきっかけに、原因が特定できない不調に対しては血流の状態を必ず確認するようになったという。現在では、来院する患者さんのうち2~3割に血流の悪さが見られ、症状との関連が考えられるケースに対しては適切な治療を行っている。こうした臨床経験を重ねるなかで、その状態は東洋医学でいう「瘀血(おけつ)」の概念と深く関連することに気づいた。瘀血とは、血液の流れが滞り、全身の隅々まで十分に行き渡らなくなっている状態を指す。西洋医学では明確な診断名として扱われることは少ないが、漢方薬やワーファリンの投与によって瘀血の改善を図ることで、身体全体の巡りが整い、酸素や栄養が行き渡りやすくなるとなると考えられる。それにより、本来備わっている回復力が働きやすくなり、不快な症状の軽減につながっていくことが期待される。そもそも、西洋医学の治療が病名に基づいた治療を重視するのに対し、東洋医学の漢方は、身体全体のバランスを整え、内側からの改善を促すという特長を持つ。偏食や不規則な生活といった生活習慣の影響も含めて捉え、包括的に身体を整えていくアプローチが可能だ。さらに、治療だけでなく日常生活におけるセルフケアも重視している。運動や入浴、腹式呼吸などを通して血流を促す「養生」の考え方を取り入れ、患者さん自身が日々の生活のなかで体調を整えていけるよう支援する。
 開業当初は患者集めに苦労した同院だが、インフルエンザ流行時に懸命な治療を行ったことをきっかけに地域住民からの信頼を獲得。現在では外来の患者さんの数は約100人、入院ベッド19床もほぼ満床の状態が続く。また、難病や重度の障害、認知症、寝たきりや歩行が困難で通院が難しい患者さんに対しては在宅医療を実施している。点滴管理や在宅酸素療法、褥瘡のケアや気管切開の管理など幅広い医療に対応し、住み慣れた環境での療養を支えている。末期がんの患者さんのターミナルケアにも対応可能だ。自ら診断し、治療方針を立て、その経過を自分の目で見届ける。それこそが三上さんが目指してきた医療のかたちだ。西洋医学と東洋医学の双方を取り入れた総合的なアプローチで、一人ひとりの身体の状態に丁寧に向き合い続けている。
(ライター/彩未)

下長内科クリニック
TEL/0178-28-5040


医療過疎の地域に必要な医療を
子どもたちの成長を支える小児科専門医

不断前進の信念を胸に
子どもと家族に寄り添う


 風邪や腹痛といった急性期疾患から、ホルモン異常による身体の悩み、アレルギーといったお子さんの日々の身体の悩みに寄り添う『医療法人神榮会しょうのこどもクリニック』。子どものお医者さんという立場から、子どもたちの健やかな成長や発達に寄り添っている頼れる地域のかかりつけ医だ。理事長・院長庄野哲夫さんは、幼少期に先天性の疾患で入院・手術を経験したことをきっかけに、「医師になりたい」「子どもに携わる医師になりたい」と医師を志した。順天堂大学医学部を卒業後、順天堂大学小児科学教室に所属し、約20年間にわたり各地域の大学病院や附属病院、関連病院の小児科で診療や研究に携わってきた。大学病院の医局や地域の中核病院において医長・部長を歴任し、小児科専門医、小児内分泌代謝科専門医、地域総合小児医療認定医として、長年にわたり小児医療の最前線を支えてきた実績を持つ。そうした歩みのなかで庄野さんが大切にしてきたのが、「不断前進」という言葉だ。これは順天堂大学の理念の一つでもあり、「歩みを止めない」という意味を持つ。医師として常に新しい知識や技術を取り入れながら、目の前の患者さん一人ひとりに全力で向き合い続けている。その歩みは医療の現場にとどまらない。ファイナンシャルプランナー一級を取得したのもその取り組みの一つだ。
 医師や大学勤務医が抱えるお金の悩みは、日本の医療の質にも関わる重要な課題である。そうした不安を解消することで、医師が研究や治療に専念できる環境を整え、ひいては医学の発展にもつながると考えている。庄野さんが、生まれ育った地とは異なる茨城県で開業を決意したのは、医療過疎の現実を目の当たりにしたことがきっかけだった。当時、小児科医が極めて少なかった神栖市を含む医療圏では、鹿嶋市・神栖市・潮来市の3市を合わせても数名しか小児科医がおらず、地域の人々は子どもの治療や健康管理に大きな不安を抱えていた。
「私が大学から神栖市に派遣された時、小児科医の不足は非常に深刻でした。診療数も多く、夜間救急も忙しい状態が続き、現場は常に逼迫していました。このままでは若い先生たちが疲弊してしまうのではないかと感じたんです。そこで、地域で一次診療を担うクリニックを開業すれば、総合病院への患者さん集中を防ぐことができ、医師の負担軽減にもつながるのではないかと考えました。より多くの患者様に適切な医療を届けるためにも必要な役割だと思い、2022年に当院を開業しました」
 同院では、小児急性期外来や小児内分泌科、小児アレルギー科、小児皮膚科をはじめ、発達相談外来や定期健診、予防接種まで、お子さんの病気や健康維持に関する幅広い悩みに対応している。近年は、頭のかたち外来も開設した。数あるお子さんの病気のなかでも、ホルモン異常やアレルギー、アトピー性皮膚炎といった専門知識をもって管理・治療すべき疾患には、専門外来を設置しており、その分野での経験豊富な医師が対応している。症状だけでなく、生活背景や家庭環境にも耳を傾け、それぞれの状況を踏まえたうえで適切な治療を提案している点も特長だ。
「小児科医や小児科専門医が少ない地域では、お子さんの体調が悪いときに開いている医療機関に受診しがちです。しかし、大人と子どもでは症状の現れ方や重症度が異なるため、子ども特有の病気や身体の構造、発達段階や精神面を理解している小児科医に相談することが重要だと考えています」
 また、20年以上にわたりホルモン異常について研究してきた専門家でもある。日本内分泌学会認定の内分泌代謝科専門医として、低身長や思春期の問題、おねしょ、肥満など、ホルモンが関わるさまざまな悩みに対応している。体内で複雑に働くホルモンは、多すぎても少なすぎても不調を引き起こす可能性があり、なかには注射治療が必要となるケースもある。こうした専門性の高い医療を提供する一方で、地域全体の医療体制を支えていくことも目指す。地域の子どもたちの多くがクリニックで適切な一次診療を受け、必要に応じて重篤な症例は高次医療機関へとスムーズに連携していける仕組みを整えている。
 患者さんが良くなってくれることが一番嬉しい。その想いは診療の現場にも現れ、常に患者さんや親御さんとの信頼関係を大切にしている。お子さんが病院を怖がらないよう、白衣ではなくパーカーやスクラブで診察を行い、声のトーンや距離の取り方、タイミング、姿勢、表情にまで細やかに配慮する。親御さんに対しても専門用語をできるだけ使わず、わかりやすく丁寧な説明を心がけている。小児科医が少ない茨城県神栖市に開業し、わずか数年で地域に欠かせない存在となった同院。地域医療の要として、地域の子どもたちとその家族が安心して暮らせるよう、日々の診療を通して支え続けていく。
(ライター/彩未)

医療法人 神榮会 しょうのこどもクリニック
TEL/0479-21-5377
ホームページ 
https://www.shono-kids.com/


最初の相談窓口として地域に根ざし
「人を診る」総合医療で健康長寿を実現

総合医療の新しいかたち
「ちょこっと美容」にも注目


 静岡県駿東郡長泉町。富士の麓に広がるこの街で、地域住民の健やかな暮らしを支える「医療の入り口」として揺るぎない存在感を放つのが『みしま長泉Tmクリニック』。「どなたが来院されても、心地良く過ごしていただける空間づくり」「症状だけではなく、患者さんの日常生活も含めた全体を診る診療」「どんな不安も解消し、安心して帰っていただける対応」「確かな医療の安全性と安心感をお届けする診療」を理念に掲げる院長の田村千尋さんは、地元・静岡県三島市の出身。獨協医科大学医学部を卒業後、健康寿命日本一を誇る静岡県において、誰もが気軽に相談できる「かかりつけ医」としての役割を果たすべく、この地に開院。クリニック名にある「Tm」とは、院長の苗字である田村」と、医療チームを意味する「チーム」の両方の意味が込められている。そこには、医師一人だけの力ではなく、スタッフ全員が一丸となって患者さんを支える「チーム医療」を大切にしたいという強い決意が宿っているという。同クリニック最大の特長は、特定の臓器や疾患に限定せず、患者さんを丸ごと受け止める『総合診療』の実践。総合診療とは、発熱や風邪といった急性疾患から、高血圧や糖尿病などの生活習慣病といった慢性疾患管理、さらには「どの科にかかればよいかわからない」という漠然とした不安まで幅広く対応する分野。症状だけを追うのではなく、患者さん一人ひとりの生活背景や家族環境、仕事の状況や心理的要因までを含めて総合的に診る。適切な初期診断と継続的な健康支援を行うことで、田村院長の掲げる「人を診る医療」を体現している。診療科目の幅広さも大きな特長。内科・総合診療科を中心に、循環器内科、呼吸器内科、アレルギー科、内分泌内科・甲状腺、消化器内科と多岐にわたる。これにより、患者さんはあちこちの病院を回ることなく、一つの窓口でトータルな診察を受けることができる。特に、「ヘルスケアマネージメント」や、多角的な視点での治療を行う「トータルメディスン」の思想は、単に病名をつけるだけの医療とは一線を画す。生活習慣や環境、心理面も包括的にケアし、「なぜその症状が起きているのか」「生活の中にどのような要因があるのか」といった背景までを丁寧に紐解いていく。実際に、田村院長は「患者さんの話を遮らず、最後まで聞くこと」を徹底。わずかな会話の中に隠れた病気のヒントを見逃さず、患者さんと共に納得できるゴールを探していく。さらに、同クリニックは「予防に勝る治療なし」という信念のもと、予防医療にも並々ならぬ力を注いでいる。特定健診や企業健診、各種がん検診に加え、インフルエンザや帯状疱疹などの予防接種にも柔軟に対応。提携する高度医療機関とのスムーズな連携体制を整備。何か異常が見つかった際には、ただ紹介状を書くのではなく、患者さんの不安に寄り添いながら最適な医療へと橋渡しをする。この一貫したサポート体制が、地域住民にとっての大きな安心材料となっている。定期的な検査や健康相談などを通じて病気の重症化を防ぎ、静岡県の強みである健康長寿を支え続けている。 また、時代の変化にも対応し、また、時代の変化にも対応し、発熱外来や感染症への体制整備も抜かりない。患者さんが常に安全・安心に受診できる環境を整えている点も地域からの厚い信頼に繋がっている。さらに、女性から支持を集めているのが、併設された美容皮膚科の存在だ。田村院長の「特別な日の贅沢ではなく、日常的に体験してほしい」という想いが込められたそのコンセプトは、「切らない医療美容」をベースとした『「ちょこっと美容」でしっかりキレイに』。高価で敷居が高いイメージの美容医療を、もっと身近でカジュアルなものとして提供している。提供されるメニューは多岐にわたり、肌診断機(A-ONE Smart)からシミやそばかすを改善するIPL(光治療)や、肌に潤いを与えるケミカルピーリング、毛穴の汚れを洗浄するハイドラフェイシャル、さらには気になる部分をケアするボトックスや、疲労回復を促す点滴・注射、プラセンタ、サプリメントの提案まで。また、内科診療で得た知識を活かして導入された、点滴療法のサブスクリプション「点滴パス」は、光治療やニードルRFなど肌に刺激を与えて再生力を引き出す治療に加え、点滴で血管からダイレクトに成分を届けることで、内側から肌の状態を整える相乗効果が期待できるとして注目を集めている。
「迷ったらまず相談」
 その言葉通り、地域医療の最初の窓口として、あらゆる世代の手を引いている。保険診療において、舌下免疫療法、睡眠時無呼吸症候群の診断と治療、自費診療におけるダイエットプログラム、ボツリヌストキシン製剤による治療など続々と、診療の幅も広がっている。専門性と温かな地域性を両立させながら、患者さんとの対話を重ね、無理のない治療計画を共に立てる姿勢。一人ひとりの人生に寄り添う医療の形こそが、これからの地域社会に求められる真のかかりつけ医の姿だ。
「今後も新しい取り組みやメニューも増えていくので、ホームページやインスタなどの発信にも注目していただきたい」
(ライター/播磨杏)

みしま長泉Tmクリニック
TEL/055-955-8872
ホームページ 
https://nagaizumi-cl.com/


身体だけでは届かなかった不調へ
『感情リリース』という新たな可能性

心から身体を整える
『感情リリース』とは


 「感情に対して身体からアプローチできるからこそ、常識を超えた変化を引き出せる」
 熊本県天草市にある『トータルコンディショニングSEREN』代表であり、理学療法士の山本龍誠さんは、病院勤務を経て独立後、感情と身体のつながりに着目した独自理論を体系化。現在は『感情リリース』を中心としたセラピースキルを全国の施術家へ伝えている。
 山本さんが提唱するのは、「身体の不調は、筋肉や関節だけでなく感情とも深く関係している」という考え方だ。例えば、人前で話す前に緊張すると身体が硬くなる。不安が続くと眠れなくなる。嫌な出来事を思い出した瞬間、無意識に肩へ力が入る。こうした経験は、誰もが一度は体験したことがあるだろう。つまり心と身体は別々に存在しているのではなく、常に密接に影響し合っているということだ。ネガティブな感情や慢性的なストレスが蓄積すると身体は無意識に緊張状態となり、呼吸や血流、自律神経のバランスにも影響を及ぼしていく。その状態が長く続けば、肩こりや腰痛、慢性疲労、不眠、原因不明の不調などへ繋がるケースも少なくない。山本さんが提唱する『感情リリース』は、こうした身体に蓄積した感情反応へ身体側からアプローチすることで心身の緊張を解放し、人間が本来持っている回復力を引き出していく手法である。
 従来の施術では、筋肉や関節、姿勢、可動域など構造へアプローチする考え方が中心だった。しかし山本さんは、現場で数多くの患者と向き合う中で、「身体だけを見ていても改善できないケース」が確かに存在すると感じるようになったという。適切な施術を行っても痛みを繰り返す人、不調の原因が検査では見つからない人、長年症状に苦しみ続けている人。その背景には、言葉にできないストレスや感情の抑圧、生きづらさが隠れている場合も少なくなかった。
 この考え方の原点となったのは、山本さんの祖父との経験だった。片腕で何でもこなし、周囲から鉄人のように慕われていた祖父が、認知症によって寝たきりとなり、言葉も反応も失っていった。しかしある日、大切にしていた田んぼへ祖父を連れて行き、稲を手に握らせた瞬間、それまで動かなかった目に再び力が宿ったという。
「身体が衰えても、心までは消えない」。その光景は山本さんの心に深く刻まれ、心と身体の関係を追究する大きなきっかけとなった。理学療法士として病院勤務を続ける中でも、不安や怒り、孤独感を抱えている患者ほど、症状が慢性化しているケースを数多く目の当たりにした。「人を本当に回復へ導くには、身体だけではなく、その人の感情や背景にも向き合う必要がある」。その想いが、現在の『感情リリース』という考え方へ繋がっていった。
 さらに山本さんは、不登校や起立性調節障害などに悩む子どもたちとも関わる中で、身体症状の背景に心の傷や強いストレスが潜んでいるケースが少なくないことにも気づく。学校へ行こうとすると腹痛が起きる。朝になると起き上がれない。検査では異常がないにも関わらず、本人は確かに苦しんでいる。そんな子どもたちを前に、身体だけを治療しても根本解決にはならないと痛感したという。
「施術とは単に痛みを取る行為ではなく、その人自身を整えることだと考えています。症状だけを見るのではなく、その人がどんな人生を歩み、何を我慢し、どんな感情を抱えてきたのかまで含めて向き合う。その上で身体側から緊張をゆるめ、安心できる状態へ導いていくことで、人は少しずつ本来の力を取り戻していけるのです」
 現在、『感情リリース』の考え方は、全国の理学療法士、整体師、トレーナー、セラピストなど多くの施術家から注目を集めている。「構造だけを見る施術に限界を感じていた」「もっと深く患者と向き合いたかった」「心と身体の関係を臨床へ活かしたかった」といった声も数多く寄せられ、オンライン講座やセミナーには全国から受講者が集まる。
 しかし山本さんが本当に伝えたいのは、単なる施術テクニックではない。心と身体は切り離せないという、人を丸ごと見る視点そのものだ。
「近年では、自律神経の乱れや慢性疲労、メンタル不調など、原因がはっきりしない不調に悩む人が増え続けています。だからこそ今後は、施術家だけでなく、教育や子育て、福祉など様々な分野へも感情と身体の関係性を広げていきたい」
「身体だけでは届かなかった不調へ、新たな可能性を届けたい」。その言葉の奥には、目の前の症状だけではなく、人そのものと向き合い続けてきた山本さんの強い覚悟が滲む。感情と身体の関係を見つめ直す『感情リリース』という挑戦は今、多くの施術家や患者さんの未来を静かに変え始めている。心と身体を共に整えるという新たな価値観は、これからの施術の在り方に新たな可能性を示している。
(ライター/播磨杏)

トータルコンディショニング SEREN
TEL/090-1194-3944 
Eメール/seren.amakusa@gmail.com


一極集中から分散の時代へ
有事に備える日本のエネルギー戦略

不安な時代だからこそ
未来を示すビジョンを


 石油は、物流や発電、製造業など私たちの暮らしや産業を支える重要なエネルギー資源だ。日本は、その多くを海外からの輸入に頼っており、中東情勢の不安定化によって原油価格の高騰や供給への不安が高まっている。今回は、『ライフ建設』『ライフ興産』『ライフソリューションズ』『ニシオカリース』の4社で構成する『ライフグループ』を牽引し、地域インフラ整備やエネルギー事業を幅広く手掛ける菱沼博之会長に、資源供給の不安定化が進む中で感じる日本の課題や今後必要となる方向性について伺った。

「石油は、今の時代になくてはならないものです。石油がなくなるというのは、物流も発電も産業も全部止まってしまうので、国の仕組みそのものが揺らぐくらいの大きな話です。また、石油でもガスでも、安くて品質の良いものばかりを求めて、運搬費も安いものを選んできた結果、一箇所に固まっていました。一極集中するのではなく、いかにリスク分散を進めるかが大切だと考えています。また、お金を出せば何でも手に入るという感覚が強くありました。有事になってから慌てるのではなく、平時からいろんな国と関係を作り、お互いに支え合える環境を整えておくべきだったと思っています」
 国に任せておけば安心という時代ではなくなりつつある。先行きが見えない状況の中で、社会全体の閉塞感が広がれば、経済や地域の活力が失われてしまう。だからこそ、国が将来の方向性やビジョンを示していくことが重要だという。
「何かをやろうとしていても、予算もつけないでやれるわけがありません。例えば、『3年後にはこういうビジョンがあるから安心してください』といったように国が方針を示し、みんなで乗り越えていこうという形を作らなければ不安だけが大きくなります。これまでの日本は、慎重に物事を進めるあまり、前例のないことにはなかなか踏み出せない部分もありました。しかし、前例のないことに挑戦していかなければ、日本は成長できません。一方で、どれだけ能力のある人材や技術があっても、みんなが右だ左だとバラバラの方向へ綱を引っ張っていると力は分散してしまいます。今こそ同じ方向へ目指しながら、スピーディに動いていくことが必要だと思います」
 車輛3台、従業員四人からスタートした『ライフグループ』は、現在では四つの事業会社と600人を超える従業員を擁する。「建設業のトータルサービス業」を掲げ、道路改良や河川改修、下水道工事、造成工事など地域インフラを支える土木事業に加え、古くなった店舗やビル、住宅の解体工事や太陽光・風力・水力発電所の計画から設計、施工、保守管理までを一貫して担う「太陽光・風力・水力発電トータルプランナー事業」も展開。さらに、パワーショベルやローラ、キャタピラー、クローラダンプ、草刈り機などの特殊車両を含む多種多様な重機・車両を現場ごとのニーズに応じてリースする『ニシオカリース』も手掛ける。幅広い事業の中で、近年特に重要性が高まっているのが、「建設残土処理事業」だ。
 建設残土の盛り土の崩落によって多数の死者・行方不明者を出した2021年7月の静岡県熱海市の土石流災害を受け、建設現場などで掘削された建設残土の捨て場に課題を抱える建設事業者などを対象に、グループで保有する数カ所の建設残土処分場で建設残土を受け入れる。処理するための手続きなども包括的にサポートしており、不法投棄、埋め立ての防止、土砂崩れ等の災害予防に貢献している。
 また、事業とは別に、ライフワークとして発展途上国での人道支援活動にも力を注いできており、ミャンマーにおける小水力発電所建設計画の推進やフィリピンでのダム建造のための建設資材やダンプカーを調達、提供にも関与してきた。さらに、太陽光・風力・水力発電トータルプランナー事業の経験と技術を生かし、太陽光パネルと自動車の古いバッテリーを活用した家庭向け発電システムの普及にも取り組む。グループを牽引する菱沼会長は、土木施工管理技士をはじめとする国家資格に加え、安全管理・労務管理など幅広い分野の専門資格を有し、米国財団法人国際学士院からは工学博士の称号も授与された。国内海外問わず、地域インフラの整備や環境保全に尽力してきた功績が認められ、「日本産業平和功労賞」や「地域振興特別功労賞」「世界平和大賞」など、国内外で高い評価を受ける。
 道路や河川、環境整備、電力など、人々の暮らしを支えるために奔走してきたからこそ、エネルギーや資源の安定供給の重要性を強く感じている。地域インフラ整備から再生可能エネルギー、人道支援活動まで幅広く取り組み続ける背景には、「次の世代へより良い環境を残したい」という強い信念がある。
(ライター/彩未)


株式会社 ライフ建設
TEL/0285-81-7916 
Eメール/lifeconstruction@themis.ocn.ne.jp
ホームページ 
http://life-group-global.com/


宅地造成の現場を支える
確かな信念が築く確かな施工

異業種から飛び込んだ挑戦
経験と連携で支える現場


 愛知県知多郡武豊町を拠点に、宅地造成工事を中心とした土木工事全般を手がける『株式会社森開発』。スピード感と柔軟性が求められる民間工事を主軸に、住宅地や分譲地の造成を通じてまちづくりを支えている。造成工事では、整地や地盤改良、盛土・切土、排水施設の設置、残土処理に至るまで一貫して対応。造成前の計画段階から関わり、地盤の状態や周辺環境、将来的な利用用途までを見据えたうえで、最適な施工方法を提案している。また、舗装工事や外構工事、擁壁工事などにも対応し、現場ごとに最適な施工を行う。土木の現場で培ってきたノウハウと現場ごとに最適な工法を選び抜く判断力を強みに、細部まで目を配り、機能性・安全性・美観のすべてにこだわった仕上がりを提供しているのが特長。その品質を支えているのが、仕事の質やレスポンスの速さ、工期の厳守といったビジネスの基本を徹底する姿勢だ。施主様や関係業者とのスムーズな連携を重視した仕事ぶりで、厚い信頼を獲得している。
 現場を率いる代表取締役の竹内匡平さんは、梓川高校を卒業後、大手総合電子部品メーカーに入社。約1年間、ものづくりの現場に身を置き、製造業としての基礎や仕事への向き合い方を学んだ。その後、「建設業をやってみないか」という叔父からの誘いをきっかけに、建設業の世界へ飛び込んだ。2021年に『石原組』へ入社し、現場作業から工程管理、営業、さらには経営に関わる業務まで幅広く経験。これまでの知識や経験が通用せず、何度も壁にぶつかった悔しさが原動力となり、負けず嫌いな性格に火がついた。現場と営業の双方をこなしながら経験を積み重ねる中で、次第に周囲からの信頼を獲得していった。当初は、業界に対する理解も浅く、思うように成長できずに悩んだ時期もあったという。「4年で社長になる」と目標を掲げ、現場作業に励む一方で営業活動にも力を注ぎ、積極的に顧客の開拓にも取り組んだ。時には迷いや不安を抱えながらもがむしゃらに努力を重ねた結果、目標通り4年で後継者不在だった『森開発』の代表取締役に就任。現在は『石原組』にも籍を置きながら、『森開発』で自身が開拓した新規顧客を中心に事業を展開している。
 建設業の現場に立ち続ける中で、竹内さんが強く実感してきたのは、「仕事は決して一人では成り立たない」という事実だ。一見すると、個人の手腕によって成果が生まれているように見える場面でも、その裏には多くの人の支えがある。協力会社や職人、社内スタッフなど、関わる人すべての力が重なって、はじめて一つの現場が形になる。だからこそ竹内さんは、どんな成果であっても自分一人のものではないという認識を忘れず、周囲への感謝を言葉にして伝えることを大切にしている。
 また、現場では、上下関係にとらわれないフラットな関係性を構築しながら、相手の立場に立ったコミュニケーションを徹底する。会社の枠を超えた大きなチームを作り、こまめな声がけや感謝の言葉を欠かさず、チームとして力を発揮できる環境づくりに力を注いできた。その積み重ねが、現場全体の雰囲気を前向きなものへと変え、結果として施工の質やスピードの向上につながっている。収益をどう確保していくかというフェーズではなく、従業員の成長や目標設定といった部分に重きをおく。人材を採用する際には、その時点でのスキルの優劣よりも、会社としてのコンセプトを共有できることを重視する。皆が同じ方向を向いて進めるよう環境を整えていくことが、会社を大きくし、経営を安定させていくうえで重要だと考えている。その一方で、関わるすべての人が心から笑っていられる環境を実現するためには、理念だけでなく、売上や利益率といった数字の裏付けも不可欠だ。
 志を共にする仲間を増やしていくことで、会社としての基盤を強固にし、より安定した組織へと成長させていくことを目指している。このほか、建設業において常につきまとう「働けなくなったらどうするのか」という不安にも向き合う。水耕栽培事業や不動産といった他業種にも事業展開も進め、多角的な収益基盤を築くことで、誰もが安心して笑顔でいられる環境を整えていく。
 竹内さんは、現場で培ってきた豊富な経験と人とのつながりを何よりも大切にしながら、元請け、下請け関係なく協力会社と横並びの関係を築き、互いに対等な立場で向き合い続けてきた。一人ひとりのスタッフとのつながりも重視し、対等なパートナーシップのもと、力を最大限に発揮できる現場を実現している。「働きがい」と「働きやすさ」の両立を目指し、働く人が安心して働ける環境を作っていくことが、会社の持続的な成長と地域社会へのさらなる貢献へとつながっていく。
(ライター/彩未)

株式会社 森開発
TEL/0569-73-0404 
Eメール/takeuchi@morikaihatsu0401.com
ホームページ 
https://morikaihatsu0401.com/


事前調査から施工まで一貫して対応
建物の状態を見極め、質の高い施工を提案

建物全体を捉える調査力
アスベスト対策にも対応


 分譲マンションやビル、戸建てなどの建物において、建物改修工事は安全性や資産価値を維持するうえで欠かすことのできない大切な作業の一つだ。2024年に設立した『株式会社RePoP』は、関西圏内の分譲マンション・ビル・戸建てなどを対象にした建築改修工事を中心に外壁や屋上の防水工事、塗装、下地補修、管工事など、建物全体の状態に応じた改修工事を幅広く手がけている建設業者だ。
 足場工事やロープアクセス工法なども含め、現場ごとに最適な施工方法を見極めながら、建物の状況に合わせた柔軟な対応を行っている。2026年4月には、建設業許可を取得。経験豊富なスタッフが常駐しており、調査から施工までを一貫して対応できる体制を整えている。こうした体制のもと、オーソドックスな工法から特殊工法と呼ばれるものまで、現場ごとの状況に応じた柔軟かつ適切な施工が可能だ。
 代表取締役の田畑治郎さんが重視しているのは、改修工事そのものだけではなく、その前段階にあたる事前調査だ。狭小部や人が入ることが困難なところに最適なファイバースコープやドローン、サーモグラフィを活用し、従来の目視だけでは捉えきれなかった劣化の兆候や進行状況を可視化することで、建物全体の状態を高精度に把握。より根拠に基づいた質の高い施工提案へとつなげている。さらに近年は、アスベストへの対策にも力を入れている。アスベストは、耐熱性・耐火性・防音性・絶縁性などに優れていることから、断熱材や鉄骨の柱・梁、吹き付け材、石膏ボードやビニル床タイルなど、幅広い建材に使用されてきた。健康被害が大きな問題となり、現在はアスベストの使用が禁止されているが、2006年以前に竣工された建築物には、何らかの形で使用されている可能性があり、適切な対応が求められる。
 同社では、全スタッフが石綿作業主任者の資格を保有しており、調査からアスベスト封じ込め、塗装、防水まで、安全性に配慮した対応を一貫して行っている。アスベストの有無を確認する事前調査では、調査資格者による図面や現地での目視確認、必要に応じてのサンプリングや分析を実施し、含有の有無を慎重に判断していく。また、アスベストが使用されていた場合には、人が粉じんを吸い込まないよう、除去や封じ込めなどの工法を用いて飛散防止対策を行う。一般的に、飛散性の高いレベル1・レベル2のアスベストにおいては、除去工事が選択されることが多い。一方で、現場の状況などにより、アスベスト除去工事が実施できない場合には、「封じ込め工法」を採用するケースもある。この工法は、専用資機材を用いて吹付け層に固化剤を浸透・噴霧し、アスベスト繊維を固定することで周囲への飛散を抑えることができる。除去に比べて工期やコストを抑えられる点もメリットの一つ。建物の状態や周辺環境に配慮しながら、安全性を確保した施工を行い、封じ込め後の定期点検まで丁寧に対応している。
 さらに、アスベスト有無の調査や対策だけでなく、建物全体を建物全体の状態を多角的に捉える調査体制も強化している。特に、サーモグラフィやドローンなどを活用した事前調査では、外観からは把握しづらい内部の劣化や異常の兆候を可視化。温度差の分布やデータ解析を組み合わせることで、従来の目視だけでは捉えきれなかった不具合の兆候まで読み取ることを可能にしている。実際の現場では、漏水などのトラブルの原因が一箇所にとどまらないケースも少なくない。特に建物全体に激しい漏水が発生している場合、換気扇フード周辺や窓回り、エアコンダクトの開口部、固定用のビス穴周辺など、複数箇所で反応が確認されることもある。外部に明確な異常が見られないにもかかわらず、内部で劣化が進行しているケースもあり、部分補修にとどまらず、外壁塗装や屋上防水まで視野を広げた対応が求められる。それぞれの状況を見極めながら、最適な対策へとつなげていく。
 このほか、改修工事にだけでなく、継続的な調査や点検を通じて建物の状態を把握していく体制づくりにも取り組む。現在は、サーモカメラによる事前調査を継続的に活用できるサブスクリプション型サービスの検討も進んでおり、定期的に建物全体の状態を把握することが可能だ。建物の劣化を早い段階で発見し、大規模な修繕が必要になる前に必要な対策を講じることで、建物を長く安心して使い続けられるよう支援している。目に見える不具合だけでなく、その背景にある原因やリスクにも目を向けることが、建物と長く向き合っていくために必要だ。
 調査と判断、そして施工を一体として捉えながら、建物の状態に応じた最適な選択を積み重ねていく。綿密な事前調査から改修工事まで一貫して手掛ける同社の取り組みで、建物のこれからを全力で支えている。
(ライター/彩未)

株式会社 RePoP
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Eメール/repop@myrepop.com
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